« 2013年7月 | トップページ | 2013年9月 »

2013.08.26

白馬連山 百花繚乱 3(白馬岳~清水尾根~祖母谷温泉)

B130827a
(ニッコウキスゲとコバイケイソウの斜面・清水尾根中腹にて)

三日目は丸7年ぶりに清水(しょうず)尾根を下って祖母谷(ばばだに)温泉へ出る行程。初訪の折は登りにとって、そのお花の素晴らしさに圧倒された清水尾根の再訪とあって、実は未踏だった初日よりも楽しみにしていたのがこの日だったのでした。

この日は下りとはいえ長いコースなので、ちょっと早めに5時過ぎのスタート。さっそく小屋下に広がる旭岳との間の雪田へ向かうと、西斜面のせいかのこの時間は日陰なんですね。

B130827b
(剱、立山が近い・・・)

B130827c
(トウヤクリンドウ)

B130827d
(旭山を捲き終えた辺りより)

なので旭岳を北へ捲くところも日陰だったのが少々残念でしたが、その分天気は良いので展望は良好。目の前には当然のごとく剱・立山が間近に見え、その奥には黒部源流部を繞る山山。そしてその奥のトンガリはおそらく槍ヶ岳だと思う。

そんな山山を改めてみて見るともう歩いた山の方が多くなっていて、懐かしい気持ちになっている自分が妙に不思議だったりします(笑)。

B130827e
(ミヤマキンポウゲとミヤマダイコンソウ)

B130827f
(クルマユリ)

そんな感じでいたってルンルン気分で旭山を捲いて尾根上に戻ると、ここでようやく日差しが当たるようになって、お花も本番。でも今回お花の種類は主立ったものしか挙げませんヨ。今まで見かけたお花はかなりの割合こちらでも見られますし。

ただ7年前は清水岳より上はまさにハクサンイチゲロードだったのに今回ほとんど見られなかったのは、雪が多いといいながら時期が遅かったというより、当時の残雪の量が異常に多かっただけで(7年前もお盆の時期でした)、あの時がただのキセキだったのでしょう(笑)。

B130827g
(ハクサンフウロ)

B130827h
(コマクサが一面に咲いているのがわかるでしょうか?)

B130827i
(タカネシオガマ)

それでもこちらは残雪が多いせいか前の日はほとんど終わっていたミヤマダイコンソウがまだかなり見られたし、そうかと思えば前に通りがかったときはほとんど終わっていたコマクサが元気に咲いていたのは意外でした。

ただ清水平の雪田は小さく、融雪水が取れなくなっていたのはこの時期としては実は普通のことなのかも。7年前は雪田が登山道近くまであって水がじゃばじゃば流れていましたから。

B130827j
(ようやく清水岳に近づいてきた)

B130827k
(イブキトラノオと剱岳)

そんな雪田を右に見つつ、イブキトラノオとコバイケイソウに埋まる斜面を登り切ると、広々とした清水岳に到着。やっぱり今回もエアリアのコースタイムをオーバーしていました(笑)。

初訪の折りは干涸らびたのばかりだったミヤマアズマギクがこの日のコマクサと同様に比較的きれいなのがたくさん残っていた不思議。まだまだ先は長いので、というかお花はここからが本番なのでメロンパンを食べて、先を行きます。

B130827zb
(お花畑はまだまだ続きます)

B130827l
(タカネナデシコ)

下りはじめて驚いたのが、清水岳より下はぬあんと刈り払いが入っていたこと!初訪の折はこの辺りが一番藪の煩かった箇所でしたから。。。

あとここまで来ると気になるのがやはりミヤマハナシノブなのですが、結局今回も見つけられませんでした。この花をここで見るにはやはり7月中が必須なのかもしれませんねえ。

B130827m
(歩いても歩いても、お花が途切れない!)

B130827n
(シナノキンバイと剱岳)

B130827o
(ヤチトリカブト)

ミヤマハナシノブは今回も残念でしたけど、さすがに清水尾根は中途半端に目の肥えてしまったおっさんの期待を裏切りません(笑)。いやあお花畑がつづいてつづいて・・・途切れない!

そして、歩を進めるたびにミヤマキンポウゲが斜面を覆い、シナノキンバイが斜面を覆い、次はハクサンシャジンが、ハクサンイチゲが、イワイチョウが、ニッコウキスゲが、コバイケイソウが、ハクサンコザクラが、チングルマが・・・

B130827p
(雪田にはイワイチョウとハクサンイチゲ、そして剱岳)

B130827q
(ハクサンイチゲは盛りを過ぎていたが見事)

B130827r
(斜面をニッコウキスゲが覆っている)

B130827s
(ハクサンコザクラもいっぱい!)

B130827t
(コバイケイソウはここが一番見事だった)

・・・かわるがわる周囲の斜面を埋める様子はまさに圧巻の一言。うおお。

初訪の折とくらべるとチングルマがやや少なめで秋の花と入れ替わっていたのも、またよし。「清水尾根でお花を楽しむなら登りが必須」と思っている自分も、終始剱岳を視界に入れながらお花を愛でられるのもまたオツなもので、これは下りならではの魅力ですね。

B130827u
(チングルマがこっちを向いてる!)

B130827v
(不帰岳避難小屋)

いつまでも続くお花畑にもうお腹いっぱいというか正直飽きてきた頃(笑)ようやく樹林帯に入って、これで長々と続いたフラワーロードはおしまい。猫又峠の鞍部に降りてから、緩くトラバースするとこれまた懐かしい不帰岳避難小屋に到着しました。

・・・と書くともうお終いのような雰囲気ですけど、ここでようやく行程の半分なんですね(笑)。小屋は相変わらず普通に使えるようですし、水場もしっかり。おかげでおいしい水が汲めるので日陰の少ない小屋前でラーメンを煮て、食べて、少しのんびりしたら先を行きます。

B130827w
(こんな鎖場があること忘れてました・笑)

B130827x
(尾根道はオオシラビソとコメツガの林)

前に歩いた経験から今回は避難小屋までは「縦走」、避難小屋以降が「下山」のイメージで、あとはお気楽に下山~♪なんて思っていたら、トラバース道から尾根道に復帰する手前で、↑↑のような鎖場があったのは完全に忘れていました(笑)。

それでも尾根に沿って歩いている時はスムーズに歩けたし、百貫ノ大下リもトラバース道ではあるもののさしたる難場はなかった覚えがあるので、お気楽で降りていたら

B130827y
(清水尾根上部は下からだとこう見えるのか)

B130827z
(ブナ林も見事)

改めて歩いてみると、意外にワイルドですね(笑)。特に沢を横断する箇所は道も細くて少々気を遣いました。でもここまで下ってくると暑くなっているから、沢を横切るたびに水浴びできてそれが結構爽快。あとこの時間から登る人が意外に多かったのには驚きました。(もちろん数名ですけど)

あとは順調に下っていき、徐々に祖母谷の沢音が近づいてくる頃には頭の中はもう温泉のことしかなかったかも(笑)。やがて名剣沢に出て、ゴーロの広い沢床を下り気味にトラバース。廃林道に降りたら暑い中急ぎ足で祖母谷温泉へ向かったのでした。

B130827za
(祖母谷温泉に着きました)

さて個人的に念願だった祖母谷温泉。独特の開放感がある、常連さんの多いかなりディープな小屋ですね。一発で気に入りました。北アにもこういう所があったのか!という思いです。暑かったので川原の温泉掘りは断念しましたが(それでも夜は寒いくらいになる)、温泉よろしく、人よろしく、リブルさんおすすめの骨酒も堪能できて(うまうま)、大変楽しい一夜を過ごすことができました。

今回は二年ぶりの北アルプス。そして個人的に「白馬のゴールデンルート」と目している今回のコースを無事に歩けて、ほんとうに良いリハビリになりました。とにかく天気に恵まれたのが一番。そして人にお山にも恵まれた。感謝感謝です。今年は天気を選んでいるせいもあるけど、予定がつぶれまくってズッとヘコんでましたが、この山行きでみんなスッキリしました。白馬は本当にいい山。何度でも行きたいし、今度は「北アのミヤマハナシノブ」もこの目で確認したいですね。
 
ちなみに7年前の清水尾根は→→こちら。参考程度にどうぞ (^_-)-☆
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.08.14 (Wed)   (ほぼ)快晴
白馬山荘 05:10- 清水岳 07:30/07:40- 不帰岳避難小屋 09:50/10:45- 百貫山北鞍部 12:10- 祖母谷温泉 14:20
 
 
祖母谷温泉 一泊二食 ¥9000
缶コーラ ¥250
お茶(500mlPET) ¥400
骨酒 ¥1700
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2013.08.21

白馬連山 百花繚乱 2(朝日岳~雪倉岳~白馬岳)

B130821a
(小桜ヶ原附近より朝日岳を振り返る)

さて二日目は白馬岳までの行程。とはいえ今回は登りだし、前歩いたときと時期が違うのでどんな感じなのだろう・・・と興味津々。

この日は余裕のある行程なので、おいしい朝食を頂いてからのんびりスタート。朝日から尾根伝いに下る箇所は歩いたことがなかったので、そちらにしようかとも思ったんですけど、お花目当てとなるとやはり水平道を選んでしまいます。

B130821b
(水平道は一部雪が残り、気を遣う)

B130821c
(キヌガサソウ・間に合った!)

お花の方は五輪尾根上部に似た感じで、ハクサンフロ、モミジカラマツ、ミヤマキンポウゲ、ハナニガナ、カンチコウゾリナ、ミヤマアキノキリンソウ、ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、ミヤマホツツジ、アオノツガザクラ、ツガザクラ。そして雪の溶けた跡にはハクザンコザクラ、チングルマ、イワイチョウ、リュウキンカ。

水平道の残雪は一部だけでしたけど、雪がかなり薄くなっている箇所もあって少々気を遣います。尾根道との合流点でキヌガサソウは何とか間に合いましたが、ミズバショウ、サンカヨウはやはり遅かったです。。。

B130821d
(雪倉への登り返しはこのトラバースから)

B130821e
(タカネマツムシソウ)

赤男山を西から捲きおえると、ようやく稜線上に上がって、ここから雪倉山への本格的な登りの始まり。

しばらくは少々しんどいところですけど、まだ展望も楽しめるし、お花の顔ぶれも変わってこれまた楽しい道のり。今回登りのにしたのは新鮮味があって正解でした。

B130821f
(ハクサンシャジンとアカバナシモツケ)

B130821g
(ここまで来たら雪倉岳はもう少し)

道中のお花、まずはなんと言ってもタカネマツムシソウの鮮やかさに目を奪われ、少々背の高い草むらの中にはアカバナシモツケ、オニアザミ、ニッコウキスゲ、クロトウヒレン、ニッコウキスゲ、ハクサンシャジン、ヤマブキショウマ、オヤマソバ、ヤマブキショウマ、タカネイブキボウフウ、タテヤマウツボグサ、タカネヤハズハハコ、ウメバチソウ、ミヤマリンドウ、クルマユリ、ウサギギク、ミヤマシシウド、イワシモツケなどなどなどなど・・・キリがない!あと一株だけだけど、終わりかけのタカネグンナイフウロにも逢えたのは白谷ノ丸で見逃していたので個人的にラッキーでした。

B130821h
(雪倉岳より・この辺りからガスが出てきた)

B130821i
(ミヤマアケボノソウ)

のんびりペースで歩いても雪倉岳には10時前に着いてしまったので、今回はここでランチ。さすがにキリの良い場所のせいか休憩するハイカーも多いです。

ただこの辺りから徐々にガスって来たのが残念でしたが、それでも涼しくなるから休憩には却って良かったかも(笑)。

B130821j
(イブキジャコウソウ)

B130821k
(タカネバラ)

B130821l
(雪倉岳を振り返る)

ガスが晴れるのを待ってから再び歩き出し、南鞍部の避難小屋へ下る道すがらもお花がいっぱい。あとこの辺りから稜線の様子も変わって、緩やかな尾根歩きに変わるところは個人的にもかなり好きなところ。

とはいえ、避難小屋から先は再びトラバース道になってしまうんですけど(笑)、雰囲気は稜線歩きとさほど変わらないし、お花畑はまだまだ続くし、とにかく歩いていてキモチが良いのです♪

B130821m
(チングルマもいっぱい)

B130821n
(キモチEですねええ)

B130821o
(ハクサンイチゲもいっぱい)

トラバース道を歩いている途中、対岸の尾根に人が登っているのが見えたので、あの人はどこ歩いてるんだ?と思っていたらあれが鉱山道なんでした。お花は?なのかもしれないけど、直接蓮華温泉へ下れるし、地図で道の付けられ方を見てもちょっとそそられるものがありますね。

そんなのんびり気ままに歩けるのも、再び稜線に戻る鉢の鞍部まで。ここまで来たらあとは三国境、そして白馬岳への登りが残されているだけです。

B130821p
(ミヤマムラサキ)

B130821q
(三国境への登りしな)

鉱山道分岐附近のコマクサも何とか残っていて、そんなお花たちを愛でつつガスり始めた稜線をえっちらおっちら。この辺りは下りだとあっという間だった印象でしたけど、さすがに登りに採ると意外に距離がある感じ。

それでもこういう緩やかな尾根は登りでも永遠に歩いていたいと思ってしまうから不思議です(笑)。

B130821r
(ミヤマクワガタ)

B130821s
(白馬岳を手前に本格的にガスってしまった)

鉱山道との分岐から小一時間ほどで三国境に上がると、さすがにここからは大勢のハイカーが現れて白馬山頂は近しの雰囲気。

でも白馬へ向かうと周囲は完全にガスって、山頂に辿り着いてもそのまま。白馬山頂とはなぜか相性が宜しくないようで、時間に余裕もあったので30分ほど粘ってみたものの結局変わらなかったので、諦めて下の白馬山荘へ向かったのでした(笑)。

B130821t
(山荘からはこんな光景が楽しめる)

この日のお宿白馬山荘も二年ぶり。お盆なのに人の入りにかなり余裕があってびっくり(一号館は1/3ぐらいしか入ってない状態)。おかげで同宿の方とスカイプラザで飲んだり(笑)、夕食の後は表のベンチで暮れなずむ山々をボーっと眺めながら過ごしたり、夜半にはまたまた流星群を見物したりと、これまた山歩きと同様に盛りだくさんな小屋ライフを楽しめた一夜でした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.08.13 (Teu)   晴 一時 曇
朝日小屋 05:30- 尾根道合流 06:55/07:05- 雪倉山 09:40/10:30- 鉱山道分岐 11:50- 三国境 12:45- 白馬岳 13:15/13:45- 白馬山荘 13:55
 
 
白馬山荘 一泊二食 ¥9000
生ビール(スカイプラザ) ¥850
ソーセージ盛り合わせ(スカイプラザ)\800
缶チューハイ ¥480
お茶(500mlPET)x2 ¥1000
 

| | コメント (7) | トラックバック (0)

2013.08.17

白馬連山 百花繚乱 1(蓮華温泉~五輪尾根~朝日岳)

B130817a
(五輪尾根の道すがらより雪倉岳)

やっと、やっと、やっと・・・夏らしいド安定な好天がやってきました。こうなったらお山へ行くしかないでしょう!なんですけど、あまりに天気が良すぎて暑すぎるので(笑)今回はかねてより予定していた山から標高の高い白馬の方へ転進。お花に温泉を絡めたリハビリメインの山行きになりました。

ということで今回は前日泊で蓮華温泉からのスタート。初日は行程が少し長めのなので朝は4時台からの歩き出しで、夜が徐々に明けてくる中を歩くのってこういう時しかないのでなかなか新鮮ですし、朝の雰囲気よろしく、静かなのも良いですね。

B130817b
(兵馬ノ平)

そしてダケカンバやサワグルミ、トチ、ブナなどの目立つ林も雪国らしくてなかなか素敵です。

肝心のお花は兵馬ノ平ら辺りからちらほら。盛りは過ぎたのかな?アカバナシモツケ、オオバギボウシ、オタカラコウ。トモエシオガマやウメバチソウにトリカブトの類いもぼちぼち出始めて秋の雰囲気も少々。

B130817c
(このネズコは見事!)

あと雪国らしいのでちょっと期待していたのがネズコ(クロベ)の木。道中立派なのが散見されたのはさすがで、瀬戸川渡ったあとの↑↑この木は樹高こそ低いけど、がっちりとした枝振りがなかなかの存在感で、こういう出逢いも嬉しいものですね。

道は尾根上を行ったと思ったらトラバースを繰り返す感じで、道もトラバースが続く割に整備がしっかりしていて、樹下に点在するお花を愛でながらのんきに歩けます。お花はオニシモツケにエゾアジサイ、ソバナ、ジャコウソウ、オニシオガマ、ツルアリドオシにオトギリソウ。。。

B130817d
(白高地沢に架かる橋より)

今回は歩くペースを抑えていたにもかかわらず、意外に早く歩けたのは単にエアリアの設定が甘めなせいなのか??周囲の開けた白高地沢でものんびり休憩できる余裕がありました。

上流側の奥に見えるのは朝日岳?なのでしょうか??こういう光景が目に入ると、ワクワクしてきますネ!

B130817e
(時折現れるブナ林も素敵だ)

B130817f
(オオコメツツジ)

白高地沢を渡ったら、ここからが本格的な登りの始まり。とはいえ相変わらず美林は続くし、傾斜もさほどではなく、歩きやすい道と言うこともあってすいすい登れます。

そしてこの日初めての朝日側からのハイカーとスライドすると、まもなく高木が途切れて草原に飛び出しました。ここからは両側をキンコウカやワタスゲ、オオコメツツジ、シロバナニガナなどで彩られた木道を行くようになります。

B130817g
(花園三角点附近だったと思う)

B130817h
(カライトソウ)

ふた登りぐらいで草原からホツツジの灌木帯に変わるとすぐ先が花園三角点。しかし緩めに歩いた割に実働3時間ほどで上がってしまい、このペースで歩いてしまうと午前中に朝日小屋に着いてしまいます(笑)。

なので少し先を行くと、ををを・・・行く先の尾根に、東側には雪倉から朝日の稜線が一望。やはりスペシャルなお山こそある程度晴れてくれないと、心の底から愉しめないですから。

B130817i
(花園付近はキンコウカがメイン)

B130817j
(タテヤマリンドウ)

ということでそんな展望を愉しんだら、適地を見つけたところで早々にランチをとって(笑)、この先はもっとペースを落として歩くことにしました。

花園から先は標高も上がってなおも草原が続くせいか、お花が一気に増え、先の花に加えてミヤマママコナ、ハクサンシャジンにタカネマツムシソウ、イワショウブ、モミジカラマツ、ミヤマコゴメグサ、シロウマアサツキ、カライトソウ、大ぶりなワレモコウはもしかしたらハッポウワレモコウとか??・・・

B130817k
(花園三角点を振り返る)

B130817l
(ヒオウギアヤメ)

そして先を行くと大当たりなコバイケイソウ、ニッコウキスゲ、ヒオウギアヤメにタテヤマリンドウ、オヤマリンドウ、ミヤマダイモンジソウ、ハクサンフウロ、クルマユリ、イワギキョウ、エゾシオガマ、ハクサンタイゲキ、イワイチョウ、ヨツバシオガマ、ムシオリスミレ、イブキジャコウソウ、キバナノカワラマツバなどなど次から次へとお花が登場して、何とも楽しい道のり。

あと蓮華温泉組と朝日小屋組とスライドするのはだいたいこの辺りでした。そういう意味でもこの辺りは華やかだったかも。

B130817m
(ダケカンバの枝振りも風情があります)

B130817n
(実はお花がたくさん咲いているんです)

そんな草原の道も、尾根を左に外れて五輪ノ森に入ると一旦お休み。オオシラビソやダケカンバの高木が覆うようになるので、日陰ができてちょっとクールダウン。

そのクールダウンもじきに終わって、五輪ノ森を抜けると再びお花畑のはじまり。ミヤマカラマツにミヤマキンポウゲ、ハナニガナ、カンチコウゾリナ、ミヤマアキノキリンソウなどが道脇を彩り、

B130817o
(ハクサンコザクラ)

B130817p
(リュウキンカも見事!)

そしてハクサンコザクラやチングルマ、ハクサンイチゲ、コバイケイソウが広がった斜面を一斉に埋め、その斜面をコイワカガミ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、ツガザクラ、アオノツガザクラなどがまた彩るなんとも贅沢な光景が、歩いても歩いても続く
ところは間違いなくこの日のハイライト。

やがて稜線が近づく頃、これまた斜面を黄色く染めているところがあったので、これはミヤマキンポウゲ辺りか?と思って近づいたらぬあんとリュウキンカ!前に水平道で見かけたときも驚いた記憶があるけど、これは白馬と比べて標高が二段ほど?低いからなのでしょう。

B130817q
(雪渓より来た道を振り返る)

B130817r
(吹上ノコルから朝日山への登りもお花が楽しめる)

そんなリュウキンカの田んぼを過ぎると雪渓を越えて、吹上ノコルに到着。ここに来るとやっぱり栂海新道の方が気になりますけど、今年の夏は特に暑いから下は本当に大変でしょうねええ。

ここまで来たらあとは朝日岳に上がるだけ。朝日岳へ向いはじめた途端、クモマミミナグサやタカネシオガマ、タカネツメクサ、イワシモツケ、タイツリオウギ、タカネナデシコ、ミネウスユキソウ、ミヤマムラサキなど稜線でもお馴染みのお花が出てきて、去年いろいろあった自分にとっては「ようやくここまで来れたかー」という感慨しかなかったように思います。

B130817s
(コバイケイソウはどこでも絶好調)

B130817t
(朝日山より白馬岳と清水尾根)

ゆっくり登っても朝日岳には30分ほどで着いてしまい、この時点でもまだお昼前。

ではのんびり展望でも楽しみましょうか~のつもりも東側からガスが上がってきて、じきに展望がXになってきてしまったので、こうなったらもう小屋へ降りるしか選択肢はありません(笑)。

B130817u
(朝日平の夕暮れ)

そんな訳で二年ぶりの朝日小屋は相変わらず素敵なところでした。お盆にもかかわらずかなり余裕があって快適に過ごせましたし、評判高いお食事も大変おいしゅうございました。でもここはきれいな自炊場があって素泊りにも優しいから、個人的に今後はやっぱり自炊のほうがいいかなぁ(笑)。

同宿の方とのお話も楽しかったし、この夜極大だったペルセウス座流星群も楽しめて、この日の山歩きと同様に小屋ライフも楽しめた一夜でした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.08.12 (Mon)   晴
蓮華温泉 04:20- 兵馬ノ平 05:00- 瀬戸川橋 05:35/05:45- 白高地沢 06:40/06:50- 花園三角点 07:50-(途中休憩40分)- 五輪ノ森 09:25- 吹上ノコル 10:50/11:00- 朝日山 11:30/11:45- 朝日小屋 12:25
 
 
朝日小屋 一泊二食 ¥9000
ビール(ロング缶) ¥700
コーラ(500mlPET)\400
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2013.08.07

夏の石尾根ひさしぶり

B130807a
(ネズミザス尾根上部の自然林)

いやぁ、夏の石尾根って何年ぶりだろう!ってぐらい久しぶりでしたね。

先週末(08/24)はそんな石尾根の東あたり。東日原からネズミザス尾根を登ってカラ沢ノ頭に出たら、鷹ノ巣山へは寄らず(笑)石尾根を東へ六ツ石山へ行き、ハンノキ尾根を下るコースを組んでのんびりと歩いてきました。

B130807b
(橋の老朽化により、鷹ノ巣谷出合から尾根に取いた)

奥多摩出たのってGWの御前山以来かな?山ブームは相変わらず続いていて電車もバスも盛夏だというのに結構な人出。東日原もかなり久しぶりで、いつの間にやら「ねねんぼう」が食事を始めていて驚いたけど・・・冬もやってくれるのかなぁ。

今回はネズミザス尾根なので、まずは稲村岩尾根の登山道を辿って一旦本谷に降り、そのすぐ先で登山道と別れて鷹ノ巣谷に架かる橋を渡って尾根に取り付く段取り。

B130807c
(739m峰)

だったのですが、以前歩いたときも少々危うかった橋は老朽化が進んで、とても身を預けられるような代物ではなかったので、ここは本谷の川原に降りて鷹ノ巣谷を飛び石で徒渉。それから尾根に取り付きました。

のっけは尾根を左に巻きつつ適当に登る感じだったのが、今は薄いながらも踏み跡がついていますね。それを慎重に追うとじきに尾根上に導かれて、急な尾根をひとがんばりで739mに出ます。

B130807d
(ネズミザス尾根は植林少な目なのが良い)

739m峰のあたりは平坦というか二重山稜状になった小広いところで、一息つける格好の場所。天気は曇っていたもののこの時期のせいでしょう、もうすでに全身汗だくです(笑)。

休憩がてら少し腹ごしらえをしたら、ここから本格的な登りの始まり。登りだしてしばらくは尾根の左側が植林帯ですが、それも長くは続かず、あとは雑木林が続くのがこの尾根の良いところ。緑の濃い時期は初めてでしたけど雰囲気が違いますね。そしてちょっとした露岩や岩屑も良いアクセント。

B130807e
(ミズナラの大木・今回測ってみたら4m程でした)

B130807f
(一瞬だけ姿を見せてくれた鷹ノ巣山、雲取山、天祖山)

そんな様子に気分良く登っていくと、尾根が広がって徐々にブナ・ミズナラなどの自然林が混ざるようになってきます。ここは尾根を忠実に辿るだけではつまらないので、例によってあっちへふらふら、こっちへふらふら。

ネズミザス尾根を歩く時に必ず休憩している↑↑このミズナラの大木、今回初めて計測してみたら4mほどでした。

B130807g
(石尾根はガス)

そんな広尾根から再び尾根が痩せてくると、石尾根はもう間近。鷹ノ巣や雲取の姿を一瞬だけでも見られたのはこの日の天気からするとラッキーだったのでしょう。

ということでカラ沢ノ頭に上がると、周囲はガスガス。これでは鷹ノ巣へ行ってもしょうがないので、おとなしく六ツ石山へ向かうことにします。

B130807h
(将門馬場附近)

B130807i
(六ツ石山山頂)

わかっちゃいたけど石尾根のお花は見頃に入ったマルバダケブキとイケマのみ。もう少し西へ行けば種類が増えるのでしょうけど、まぁいいや。縦走路は意外に人が多かったものの、六ツ石山の方は天気がいまいちなせいか?閑散としていました。

なので山頂でランチをとって、お昼寝しているとぼちぼちできてくると人が上がってきて、それなりに賑わってきた感じ。その上に大パーティさんもやってきたので、ココでおいとまして下山開始。

B130807j
(リョウブの花に近づけたのは久しぶり)

B130807k
(マルバダケブキ・見頃に入った)

まずは南のトオノクボへ向かったのですが、葉の茂る今の時期は熊棚がわからないから精神衛生上大変宜しいですね(笑)。

それはともかく道中リョウブの花を間近に見られたのは久しぶり。マルバダケブキはこのあたりで満開。あとはイケマばかりだったんですけど、道中ニガナが二株、そして↓↓オオバギボウシが一株だけでしたけど見られたのにはびっくり。よくぞシカさんの難を逃れて生き長らえてくれました。

B130807l
(まさかオオバギボウシが生き存えていたとは!)

B130807m
(ハンノキ尾根・トオノクボを過ぎてもしばらくは防火帯が続く)

六ツ石山から30分ほど下ると右へ水根への道が分かれるところがトオノクボ。ハンノキ尾根はなおも続く防火帯を直進するようにそのまま行きます。

トオノクボから先の防火帯はお花こそ減るものの、緩やかで今の時期らしい緑の尾根道がなかなか好ましい雰囲気です。

B130807n
(ソバナ・これも一株だけだった)

B130807o
(尾根中腹の伐採跡・この感じはちょっと・・・)

そんな防火帯が切れるあたりで防火帯から右へ外れる道をとらえると、ここから植林に入ってぐんぐん下っていきます。

道は左に捲いてしまう沖ノ指に寄って、山ノ神を過ぎるとまもなく突然周囲がぱっと開けて広大な伐採跡に出たら、そろそろ終盤、のつもりだったんですけど

B130807p
(やはりカヤト原になっていました・笑)

その伐採跡が予想はしていたもののやはりくせ者で、要は日当たりが良いからカヤトが茂って道がわかりづらくなっていたのでした。

しかもTシャツ一枚で藪を分けると、腕にごく浅い切り傷が無数にできてヒリヒリするやら痛いやら。この微妙な痛さは却って煩わしいですね。参りました。

B130807q
(いつ見ても素敵な橋梁だ)

そんな藪地帯を抜けて民家の脇を通るようになれば境は間近で、あとはすいすい下れます。廃屋の多さが淋しい境の集落の中を下って、むかし道に出る手前にくぐる↑↑この橋梁。何度見てもコレは立派でそそられますね。キハを走らせてみたいと思うのはボクだけじゃないはず(笑)。

もしかするとハンノキ尾根の一番の楽しみってこの橋梁を見ることなのかも、とアホなことを思いつつ境橋のバス停へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.08.04 (Sun)   曇(稜線はガス)
奥多摩駅 07:25→ 東日原 07:55- 739m峰 08:30/08:40- カラ沢ノ頭 10:30/10:40- 六ッ石山 11:10/12:10- トオノクボ 12:35- 沖ノ指(1021m峰)13:05- 山ノ神 13:10- 境橋 14:00
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2013年7月 | トップページ | 2013年9月 »