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2013.05.14

新緑の長峰をのんびり下る

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(白草ノ頭への下りしな・尾根はカラマツ植林と自然林に分かれている)

さてさて鹿留山の翌日(05/06)はお休みの予定だったんですけど、天気の良さに結局三連荘。直前まで行き先に悩んだ末、直近でリブルさんが歩かれていた長峰(ながね)を本当に久しぶりに歩いてきました。

ということで今年初めて上日川峠行きのバスに乗ったのですが、最近の栄和交通さまの甲斐大和駅での根城っぷりはすごいものがありますね。駅前にはバスが早々とスタンバイしてるし、タクシーも常駐している!GWということもあるのでしょうけど、バス運行以前では考えられない光景がそこには広がっていて、もはや別の駅みたい。

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(ををを・・・タクシー代が下がっとる!)

しかも今は臨時が定時の30分前に出るときもあるようなので思い切って427Mで甲斐大和に出たら、GWの最終日とあってハイカーがかなり少なく、臨時は出たものの実際はほとんど定時便。

でもそれは想定内のお話ですので問題はまったくありません。駅から40分ほどで標高1600mまで持ってってくれるのですから、なんの文句がありましょう(笑)。ひんやりとした空気が心地よい小屋平からまずは石丸峠へ向かいます。

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(石丸峠付近より)

さすがに5月とあって高い所のカラマツも芽吹きはじめ。急登をこなしてから石丸峠へトラバースする辺りはいつ歩いても気持ちの良い所ですね。でも富士は峠に近づくと消えてしまうので、長峰を下るこの日はこれが最初で最後の富士。

そして石丸峠に着いたらそのまま下るのではなく、やはり天狗棚には寄っておきましょう!ということで風が強いながらも、天狗棚でこれまたこの日最後になってしまう南アの展望を楽しんで、それから米代へ向かいました。

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(この径路が気になる・・・長峰の下りしな)

天狗棚から10分ほどで、今はなぜか(本当に!)道標のつけられている米代に出たら、そのまま直進するように長峰に入ります。

個人的に長峰を下るのはおおよそ17年ぶりのこと。近年の様子から予想はついていたものの、出だしからスズタケは薄く、本当に歩きやすくなりました。以前は藪は深かったものの、下道は比較的明瞭だったので尚更でしょう。

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(アセビは高い所でも花付き良好)

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(こんな黒木帯もくぐり抜けて)

長峰は米代から一気に1300mぐらいまで降りてしまうので、ひたすらに急降下が続くのが少々しんどい所。それでも藪が薄くなったおかげで、今は周囲をいろいろ観察できる余裕があります。途中で左へ分かれる明瞭な径路が気になったし、立派なミズナラもぼちぼち点在していたのも意外。

んが「甲斐の山山」で書かれていたイワカガミは見落としてましたー。(帰宅後確認したときに気がついて地団駄)

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(急降下を終えると、尾根南側はカラマツ植林に)

やがて枯れたスズタケの中に二又に分かれたミズナラの大木を見ると、そのすぐ下から尾根南側(右)がカラマツ植林、北側が伐採後放置されて荒れた二次林に変わって、尾根も徐々に緩んできました。

カラマツはちょうどこの辺りで新緑。広葉樹とは違った鮮やかな緑が空間を埋める、というか滲むように染まる様子が一際目を惹きます。

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(尾根北側は放置されて荒れ気味な二次林)

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(タチキランソウ)

こういう山をやる前はカラマツって新緑黄葉が美しいから、かなり好きな木だったんですけど、こういう山をやると自然とカラマツが嫌いになってくる(笑)。なんせ手入れが悪いと枝木が邪魔になる上に、明るいから灌木も蔓延る。しかもスズタケのと相性もバツグン!とまるで良いトコロがないのです(笑)。

でも当たり外れある黄葉と違って新緑はハズレなしな分だけ、カラマツ新緑の時期は長峰を歩く適期なのかもしれないなぁ、と思ってしまいました。

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(意外やミズナラの大木を多く見かけた)

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(1256m鞍部を過ぎると南側は自然林に)

そんなカラマツの好ましさもさることながら、もっと驚いたのが尾根北側の二次林が適度に育ったせいか、広い尾根上がえらくスッキリしていたこと。なので雰囲気的な贅沢さえ言わなければランチの適所はいくらでもあります。

そしてそれよりもっともっと驚いたのが1256m鞍部から尾根南側に現れた自然林のこと。もちろん執拗な伐採の影響か?樹勢こそ今ふたつなれど、ミズナラの大木が点在していて、これは素通りできません。

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(広尾根も灌木・スズタケが消えたおかげで楽に歩ける)

南側の自然林は白草ノ頭を過ぎてもまだまだ続くので、ここで一気にペースダウン。気になる木をバシャバシャ撮りまくっていたら、なんとこの時に単独のハイカーさんがやって来て、抜かれ(笑・ヤマレコでご活躍されているwestmalleさんでした!)、ふと気がつくと結構な時間になっていました。

これは上和田16時台発のバスを捉えるのに微妙な時間だったんですけど、ここで無理矢理バスの時間に合わせてもつまらない行程になってしまうので、もうバスの事は諦めて同じペースで歩くことに。

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(カネツケノ頭を過ぎた辺りだったと思う)

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(七本木山ノ神)

カネツケノ頭からひと下りすると北への捲き道の分岐に出ますが、今回の所はなおも尾根通し。下るにつれ徐々に植林の割合が増えてくるのはしょうがないところだけど、尾根が広いし、時折雑木林も交えるので決して悪い雰囲気ではありません。

まだ面倒見されていた(!)七本木山ノ神を過ぎると、そろそろ尾根末端も間近です。

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(この辺りが長峰殿とかトチ平と言われる辺りだろうか・・・)

長峰は基本的にどこも尾根が広いんで確定しづらいんですけど、970m圏峰から939.6m峰あたりの平坦なところが長峰殿(葛野川物語)とかトチ平(岩科本)と言われる所でしょうか。

そして三等点のある939.6m峰に着くと、長らく続いた緩やかな尾根歩きもお終い。もう深城も小金沢橋も撤去されたので南の八丁坂ではなく、北の拓道橋目指して急な枝尾根を駆け下ると15分ほどで拓道橋に出ました。

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(深城の辺りは新緑真っ盛り)

あとは国道を歩いて上和田を目指すだけ。今は亡き深城の辺りの新緑が最高潮でとにかく見事でした。バスの時間になんとか間に合いそうだったので、ゆっくり出来なかったのが心残りでしたが、おかげでバスの時間には間に合いました♪

でも上和田の16時台のバスは昔みたいに16:30ぐらいに繰り下げて欲しいです。そうなればこちらに限らず、周辺の山遊びの余裕ができて、本当に嬉しいんですけどねぇ。。。
 
・・・・・☆
  
◆ 2013.05.06 (Mon)   晴
小屋平 08:50- 石丸峠 09:35- 天狗棚 09:40/09:50- 米代 10:00-(途中休憩45分)- 1256m鞍部 12:45- 白草ノ頭 13:05- 七本木山ノ神 14:10- 939.6m峰 14:35- 拓道橋 14:55- 上和田 15:50
 

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【大菩薩・権現山稜 2013】」カテゴリの記事

コメント

westmalleさん、

6日はどうもでした。特にUL関係?や山用具の自作の話とか本当に参考になりました。テントで25lなんて!ボクは日帰りで35lなのに(笑)。

そうそうwestmalleさんはあのオソロシイ脚力があるのですから、これでキチンとしたRFスキルを身につければおそらく無敵でしょう。またバッタリした時はどうぞ宜しくお願いいたしますネ。

投稿: komado | 2013.05.15 23:22

リブルさん、

そうそう40年であんなものなんですよね。
だから一抱えある木だってほんとうはかなり長い年月を掛けてああなってるのに、そのレベルでも一瞥するだけで済ましていることに少々罪悪感を感じていました。

「甲斐の山山」は良い本ですね。知らない山を調べるのにボクはまずあれを見ます。山梨の山版の宮内本みたいな感じですよね。

投稿: komado | 2013.05.15 23:16

komadoさん、こんばんは。
先日はありがとうございました。

やはり、写真がすごくキレイですね。
アングルとか、丁寧に撮ってらっしゃるんだなぁ、というのが伝わってきます。
うーん、見習わねば。

komadoさんのblogをさかのぼって読んでいき、いろいろなルートを歩いてみたくなりました。
今後、参考にさせていただきます。

また、どこかでお会いしましょう!

投稿: westmalle | 2013.05.15 21:11

わずか数日の違いで、随分緑が増えているようですね。深城のあたりなんかまるで違います。

komadoさんも「甲斐の山山」をお持ちですか。
昔、新書で買ったのですが、この本の良さがまったくわかっていませんでした。ずっと置きっぱなしになっていたのを久しぶりに取り出したら、こんな本だったのかと見直しました。

ところであのカラマツの植林、自分の生まれた次の年に植林されていることが看板に書かれていました。こんなに年を経ても、なかなか大きくなりませんね。カラマツでなくても巨木は大事にしないといけないと切に思いました。

投稿: リブル | 2013.05.15 20:51

ゴン太さん、

ああそんな事ありましたっけ。どこを歩いていたかなぁ。。。それよりボクはちょうど10年前に大峰から深城へ下った時、変わり果てた深城の様子がとにかくショックでショックでしょうがなくて、当時の道の様子をFYAMAに上げた覚えだけはあるんですよ。

> 私は間に合わないのかも…と少し別の不安が。。。

吹切尾根から雁ヶ腹摺をあの時間でまとめていらっしゃるんだから大丈夫です!というか無問題。ご心配であるなら定時前の臨時に乗ればほぼ完璧だと思いますヨ。

投稿: komado | 2013.05.15 00:03

AKIOさん、

正真正銘の一番バスからもう5年近く経つんですね。あのバスは確かに凄いインパクトでしたけど、甲斐大和がここまでなるとは正直想像してませんでした。

下りとはいえ嵯峨塩から徒歩は長いですよね。でもそんなボクでも村営バスの走る前までは天目山温泉から歩くなんてバス便ないから当たり前の事だったし、そのころだったら駅から湯の沢峠まで歩くのもそう珍しい事ではなかったような気がします。とにかく便利なものができると堕落しますね(笑)。

投稿: komado | 2013.05.14 23:56

 komadoさんも長峰歩かれたのですか~。
ますます行きたくなってしまいました(笑)。

 確か2000年の秋だったと思いますが、FYAMAで私の大峰のレポにkomadoさんからレスを頂いて、その日は、長峰を歩いていらしたような(記憶違いかも知れませんが)記憶があります。

 写真を拝見すると、想像していたよりずっと明るい雰囲気ですね。これならランチ場に苦心することもなさそうで安心しました。

 でもでも、komadoさんで16時のバスが微妙ってことは、私は間に合わないのかも…と少し別の不安が。。。でもこの時期なら日も長いし、18時の竹の向発もあるので、無事下山できさえすれば、帰れなくなることもないですかね。

 山行き中断前、甲斐大和駅で天気の好い週末の朝、客待ちしてりゃ、絶対儲かるのになぁ~なんてほとんどタクシーに乗らないくせに、よく考えてたんですけど、常駐するようになったのですね。 そうかそうか、栄和交通さんにはこれからも頑張ってもらいたいですね~。

投稿: ゴン太 | 2013.05.14 21:58

Komado さん、こんばんは。

長峰といえば、2008年10月に栄和交通が始めたこの路線の最初のバスに乗って、 Komado さんに初めてお目にかかったのを昨日のように思い出します。このバスが運行されるまでは、小生にとって長峰は日帰り対象外だったので、運行一日目に乗って長峰に行きました。駅の外にバンダナのお兄さんが一人立っていたので、すぐわかりました。

この3月末には嵯峨塩鉱泉に下山しましたが、まだバスは運行されていないので、やむなく甲斐大和まで歩きました。下りですが結構な距離なので、栄和交通さんのバスのありがたさが身にしみました。

投稿: AKIO | 2013.05.14 19:27

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