世附のブナに逢いに大界木山南面、バケモノ沢の辺りへ
(畦ヶ丸南西尾根<水晶沢右岸尾根>のひとコマ)
いやいや・・・去年の紅葉シーズンは天気が合わずに泣く泣く中止して、それから藪山のシーズンも終盤にさしかかってようやく世附(世附川流域の)の山に入ることができました。
今回(02/17)は世附のブナ林と云えば・・・菰釣山南面・イデン沢(菰釣沢)と双璧をなす大界木山南面・バケモノ沢(地蔵沢)の辺り。赤沢左岸尾根たる大界木山南尾根を下降し、水晶沢右岸尾根たる畦ヶ丸南西尾根を登り返す定番コースをのんびり?歩いてきました。
(忘路峠への道すがら・積雪は10~40cm)
今回はショートコースながら久しぶりとなる世附のブナ林を心ゆくまで堪能したかったので、早めに野外活動センターへ向かったのに、ある事情から車が深雪に嵌ってしまい、キャンプ場の方に救出してもらうというトラブルがあって(ほんとうにご迷惑をおかけしました<(_ _)>)結局歩き出せたのは8時半近く。
それでもショートコースなので予定通りに歩けるコースで良かった。忘路峠への道は当然トレースなどなく、雪は深くて40cmほどでしょうか。ふかふかの新雪にトレースをつけながらの歩きは少々しんどいですが、すこぶる気持ちがよいです。
(大界木山南尾根<赤沢左岸尾根>上部)
朝は綺麗に晴れていたのに忘路峠に着く頃になるとなぜか高曇り。でも展望は良好、というか近場の山は光の反射がない分却ってクリアに見えて、これはこれで新鮮かも。そんな展望を楽しみつつ大界木山へ上がったら、さっそく南尾根の下降に移ります。
大界木の南面はおおよそ二年ぶり。南尾根は以前降りていることもあって、のんびり気楽に降りましょー・・・てな感じで適当に降りていたら、なぜか南尾根の下降点がわからず右往左往。急斜面にも関わらずジグ切りを敢行してなんとか南尾根を捉えましたが、ここは一度山頂まで戻って、それから地図で確認しながら下降するべきでした。先週の阿寺沢といい、我ながらヒドすぎますね。手の抜きすぎは事故を呼びおこしかねません。次回からはもっともっと丁寧に歩かねば。
(スズタケの中、ブナが美しい)
そんな訳で南尾根を捉えるのに小一時間かかってしまい、この時点でもう11時過ぎ。結構な時間ですけど、これでもコース的にはまだ大丈夫だったのは幸いでした。
でも南尾根はやっぱりブナだ!飛び抜けた大木こそないものの、立派な木々の散見される様子はさすがの一言。そんな様子に思わずニヤけてしまいます。尾根上はもちろんスズタケが被りますが、初訪だった4年前と比べたら歩きやすいぐらいなのは
(南尾根中部辺りの定点ちっくなブナ)
(初訪の折り2009.01.17の同じブナ・スズタケの差が一目瞭然)
以上の定点ちっくな二枚の写真を見てもらえれば一目瞭然。丸四年でこれだけスズタケが減ったのです。もうここでも何度も申し上げていますけど、世附のスズタケもあと5年もすればほとんど丸裸になってしまうのでしょうね。
スズが枯れれば確かに楽にはなるんですけど、枯れたスズタケというのは実は凶器で(本当に!)これはこれでかなり気を遣うんです。尾根を横切る奥野歩道(旧東海自然歩道)もずいぶんとハッキリしていたし、歩道は以前に比べるとかなり与しやすくなっているんじゃないかなぁ。。。
(南尾根末端部・920m峰からの下りしな)
奥野歩道を突っ切ってから小広い緩斜面状を少し登り返すと920m峰で、ここまで来るともうバケモノ沢と赤沢の沢音がけっこうな音で聞こえていて、そこからひと下りで赤沢との出合に着地。ランチの適地ともくろんでいた所には日がしっかりと当たっていてホッとしました。
ショートコースとはいえこの時点でお昼を大きく回っていたので、休憩はやや早めに切り上げて、お次は水晶沢の出合へ向かいます。
(水晶沢出合)
(畦ヶ丸南西尾根・登りだしは鉄砲登りが続く)
バケモノ沢を緩く遡ること20分ほどで水晶沢の出合に到着。目の前に聳える中間の急な尾根が登り返す畦ヶ丸南西尾根で、急登を前にまずは一息。
それから意を決して尾根に取り付くと、尾根は急ながらもスズタケの枯死が進んでいるので、二年前よりは楽に行ける感じです。
(急登を登り終えると・・・)
それにこの急斜面の周囲にも素敵なブナが散見されるので、しんどいけれど、これはこれで楽しい道のり。
そしてかなり上がった所で奥野歩道を再び突っ切ると、ひと登りで尾根が緩くなって、ここからがこの尾根のハイライトであるテーブルリッジのはじまり。
(南西尾根のハイライトなテーブルリッジがはじまりました)
(倒れブナ・まだ生きてます)
こちらはスズタケがほぼ枯れかかっているし、樹勢が少々弱ってきている木だって見受けられますけど、この尾根を歩いていると、こんな様子の尾根がいつまでも続く錯覚に陥ってしまうような、そんな気さえしてしまいます。
というか、これは単純にうっとりしてるだけなんですね(笑)。
(世附で熊棚を見かけるのは久しぶり)
(長いハイライトもそろそろ・・・)
そんな夢見心地なひとときも、↑↑この辺りから1140m圏鞍部へ下った所でおしまい。畦ヶ丸へ向け最後の登りにさしかかります。
しかし最後の登りもスズが減っているおかげで案外楽に行けて、登り切ったところで大滝峠からの登山道と合流。ひと登りで畦ヶ丸の避難小屋に着きました。
(モロクボ沢ノ頭への下りしな)
この時点ですでに15時半過ぎ。日が延びたとはいえ畦ヶ丸の山頂に寄る時間はなく、あとはそのまま帰路に就いたのでした。
しかしこの日はいろいろありすぎたけど(笑)、それでも世附の山はやっぱり良いなぁ、と久しぶりだったこともあってか、しみじみそう思いました。以前はスズタケがもっと深かったとはいえ、これだけの自然林が残されている所が山歩きの対象外というか、歩く価値なし味噌カス、とされていたのが本当に不思議でなりませんです。
そうそう、あとこの日は今なにかと話題のマダニさんには全くツかれませんでした。まぁ乾燥した寒い日が続いたせいなのでしょうけど、スズが減っている影響もあるのかなぁ。。。確かにベットリつかれるとゾッとするんですけど、これはこれで一抹の寂しさも・・・(笑)。
・・・・・☆
◆ 2013.02.17 (Sun) 晴 時々 曇
横浜市野外活動センター 08:25- 忘路峠 09:40/09:50- 大界木山 10:10/10:25- 1070m圏峰 11:40- 奥野歩道横切る 12:20- 920m峰 12:30- 赤沢出合 12:35/13:20- 水晶沢出合 13:40- 奥野歩道横切る 14:05- 1140m圏鞍部 15:05- 畦ヶ丸避難小屋 15:40/15:50- 忘路峠 16:25- 野外活動センター 17:00
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