塔ノ岳へ・玄倉側からの登降にこだわる
(大金歩道<小金沢右岸尾根>の下しりな)
あぐあぐ。先週は久しぶりの世附だったので当初はそちらのつもりだったんですけど、日曜(02/24)の天気がかなり良さそうなので、んならばすんごく久しぶりに塔ノ岳へでも行ってみようかと・・・22年ぶりに行ってしまいました(笑)。
もちろん私が歩くわけですから塔ノ岳とは云っても大倉や表尾根から登る気はさらさらなく、今回は二週間前と同様に県民の森からマルガヤ尾根を登り、小鍋沢右岸尾根経由で尊仏ノ土平に一旦降りたら、塔ヶ岳歩道を登り返して塔ノ岳へ。それから小金沢右岸尾根を通る大金歩道を下って箒杉沢に降り、尊仏ノ土平に戻ったら、今度はコシバ沢(越場沢・寄コシバ沢ではない)右岸尾根を登り返して鍋割山に上り、寄へ降りるコースを組んで歩いてきました。
(マルガヤ尾根のひとコマ)
できるだけ大倉から歩きたくない偏屈な向きにとってマルガヤ尾根はかなり使えますね。本当は寄大橋から歩きたいところなのですが、いかんせんタクシー代がかかります。その点県民の森だとタクシー代が安く(¥2330)、これなら御坂へ行く交通費と変わらないので、私でも気軽に使えて朝も早い。肝心の尾根も植林少なくてなかなか素敵だし、これはいいじゃないですか!
そんな訳で歩き出しから2時間ほどで鍋割山稜に飛び出したら、今回は小丸ではなく西隣の1280m圏峰へ向かいます。稜線は圧雪で歩きやすかったですけど、次の週末は溶けて凍結してるかも。
(蛭ヶ岳と不動ノ峰はかなり白い)
(小鍋沢右岸尾根・徹頭徹尾急降下)
緩く登り返して1280m圏峰に着いたら、最近のテイタラクを反省して(笑)今回はピークの周囲を一回りして小鍋沢右岸尾根の下降点をしっかりと確認。それから下降に移りました。
まぁこの規模の尾根なので尾根が急なのはわかってましたけど、のっけからやっぱり急ですね。積雪でわかりませんが上部はおそらく露岩の急斜面で、右側がザレた箇所(おそらく)までの間が積雪もあって気を遣いました。
(右岸尾根下部では滑りたくなるような箇所も)
そんなザレ場まで降りれば、この先も急降下の痩尾根が続きはしますけど、とりあえずは一安心。自然林の続く中を徹底的に下ります(笑)。
そして下り出しから右手にずっと併走していた枝尾根が切れると、尾根が広がって↑↑こんな滑りたくなるような広尾根に変わったところが小鍋沢右岸尾根のハイライトでしょう。
(小鍋沢出合<中鍋沢910m圏二俣>)
(2週間ぶりの尊仏ノ土平)
それでもその広い所を下ってると中鍋沢へ降りてしまうので、適当な所で尾根上に復帰すると、ここから尾根末端までは岩屑混じりの痩せ尾根が続いて、あっけなく小鍋沢の出合に降りてしまいました。
出合から堰堤を一つ越えると、そこは二週間ぶりの尊仏ノ土平。週中に降雪があったはずなのに、二週間前の足跡がぼんやり残っていることに驚きつつ、遠い対岸へ渡ったところで一休み。対岸がスギ植林なのはわかっていたけど、国有林にしては珍しく(本当に!)最低限の手入れの入った大木の林だったのには驚きました。この林の歴史が気になります。
(塔ヶ岳歩道・中腹はこんなブナ林も)
休憩中、強風が吹きつける度に林からもやのようなものが巻き上がっていたので、花粉か!と怯んでいたら、単に木々についた雪が風に飛ばされていただけだったことにホッとしつつ、腰を上げて塔ノ岳を目指します。
この道は冒頭に「塔ヶ岳歩道」といういかめしい名前を持ち出しましたが、ここは今でも普通の登山道。意外やトレースはあるし、主脈で見かける木道や木の階段がこちらにもあって、マイナーながらもしっかり整備されている様子。
(塔ヶ岳歩道・トレースあり。積雪は多くて40cmほど。)
そして植林を抜けると、広尾根のもと立派なブナ林が続くのがいいですね。3m級はポンポン居ますし、樹勢も稜線のブナ達に比べるとかなり良好なのも好ましいところ。
そんな木々を愛でつつ登っていき、やがて1234m峰を右から捲き終えると、尾根が痩せて、塔ノ岳への最後の登りが始まります。
(こんな展望が望めるようになると頂上は近い)
(塔ノ岳山頂)
もうこの辺りではヘロヘロだったので、トレースがあって助かりました。登っていくうちに高木から低木に変わってくると水場に出て(水はちょろちょろ)、そこからひと登りで塔ノ岳の山頂に飛び出しました。
山頂は天気の割に人出が少ない様子、というより風が強いので小屋に逃げてる人や単に山頂が広いのでそう感じるのかも知れません。おかげで風を避けられる休憩スペースも難なく確保できて、眼下に広がる展望を楽しみつつランチをとる事ができました。
(大金歩道・上部はこんな感じ)
それでもまだ先が長いので休憩は早めに切り上げて、あまり下山とも思えない下山開始(笑)。来た道を戻り、小金沢右岸尾根を通っていた大金歩道に入ります。
大金歩道は名称図(西丹沢頂稜河川土地名称図)にその名の出ていた道で、当然のことながら今は廃道。雪が積もっていることもあって、道形らしきものはさっぱりわかりません。
(この木なんの木。シデの類?クマシデ??)
(大金歩道は尾根が広く、歩きやすかった)
それでもこちらは過去に径路が通っていただけあって尾根は広くて歩きやすいし、林相もよろしく、雪もそこそこ積もってるのでとにかく快適快適。ここがこの日一番歩いて楽しいところでした。
中腹より下では植生調査?みたいなことでもやられていたのでしょうかね??その名残をいくつもに見ながら降りていくと、徐々にツガの大木が目立つようになって、右手を流れる大金沢の沢音も聞こえてきます。
(小金沢出合・尾根末端部のツガの大木達がわかるでしょうか)
そんなツガの目立つ中、一際大きい4m級のツガを見るとなぜか一旦藪っぽくなって、それを抜けると小金沢の出合に降り立ちました。
すぐ先にはもう箒杉沢が見えているのですが、それより先に見える弁当沢ノ頭の尾根の末端から富士がチラリと姿を見せている感じがなんとも印象的。こんな所からでも富士を眺められるのはちょっと幸せですね。
(箒杉沢の廃林道を下ります)
さて小金沢出合に着いた時点で13時半。大倉を避けて寄の17時台のバスを捕まえるには、鍋割山に15時過ぎまでには上がらなければいけないので、さてどうしましょう。。。
予定ではもうふたヒネリぐらいするつもりだったんですけど、それはさすがに無理なので、3年前に歩いたコシバ沢右岸尾根を登りかえす事にして尊仏ノ土平へ向かいます。
(コシバ沢<越場沢>右岸尾根・下部は痩尾根が続く)
廃林道を繋いで30分ほどで尊仏ノ土平に戻ったら、時間もないのでそのままコシバ沢右岸尾根に取り付きました。
尾根下部は急で雪も薄いのでズルズルスベって大変でしたが、それをなんとかこなすと積雪も増えてようやくマトモに登れるようになって、周囲の木々を愛でる余裕も出てきました。3年前の初訪の折りは曇っていたので、晴れていると木々の見え方が違いますネ。
(朝降りた小鍋沢右岸尾根を望む)
(右岸尾根上部は素敵なブナ林)
そんな様子にヘロヘロながらも喜びつつ登っていき、鍋割山には15時10分着。寄下山のリミットギリギリでした。ということで今回も鍋焼きどころかコーヒーすら飲めずに、一息ついただけで寄へ向かったのでした。
・・・・・☆
◆ 2013.02.24 (Sun) (ほぼ)快晴
表丹沢県民の森 07:15- ヒズヒ沢出合 07:45- 稜線に出る 09:15- 尊仏ノ土平 10:10/10:25- 1234m峰 11:15- 塔ノ岳 11:55/12:35- 小金沢出合 13:25- 尊仏ノ土平 14:00- 鍋割山 15:10- 後沢右岸尾根径路分岐 15:40- 寄大橋 16:30- 寄 16:55
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