« 2013年1月 | トップページ | 2013年3月 »

2013.02.26

塔ノ岳へ・玄倉側からの登降にこだわる

B130226a
(大金歩道<小金沢右岸尾根>の下しりな)

あぐあぐ。先週は久しぶりの世附だったので当初はそちらのつもりだったんですけど、日曜(02/24)の天気がかなり良さそうなので、んならばすんごく久しぶりに塔ノ岳へでも行ってみようかと・・・22年ぶりに行ってしまいました(笑)。

もちろん私が歩くわけですから塔ノ岳とは云っても大倉や表尾根から登る気はさらさらなく、今回は二週間前と同様に県民の森からマルガヤ尾根を登り、小鍋沢右岸尾根経由で尊仏ノ土平に一旦降りたら、塔ヶ岳歩道を登り返して塔ノ岳へ。それから小金沢右岸尾根を通る大金歩道を下って箒杉沢に降り、尊仏ノ土平に戻ったら、今度はコシバ沢(越場沢・寄コシバ沢ではない)右岸尾根を登り返して鍋割山に上り、寄へ降りるコースを組んで歩いてきました。

B130226b
(マルガヤ尾根のひとコマ)

できるだけ大倉から歩きたくない偏屈な向きにとってマルガヤ尾根はかなり使えますね。本当は寄大橋から歩きたいところなのですが、いかんせんタクシー代がかかります。その点県民の森だとタクシー代が安く(¥2330)、これなら御坂へ行く交通費と変わらないので、私でも気軽に使えて朝も早い。肝心の尾根も植林少なくてなかなか素敵だし、これはいいじゃないですか!

そんな訳で歩き出しから2時間ほどで鍋割山稜に飛び出したら、今回は小丸ではなく西隣の1280m圏峰へ向かいます。稜線は圧雪で歩きやすかったですけど、次の週末は溶けて凍結してるかも。

B130226c
(蛭ヶ岳と不動ノ峰はかなり白い)

B130226d
(小鍋沢右岸尾根・徹頭徹尾急降下)

緩く登り返して1280m圏峰に着いたら、最近のテイタラクを反省して(笑)今回はピークの周囲を一回りして小鍋沢右岸尾根の下降点をしっかりと確認。それから下降に移りました。

まぁこの規模の尾根なので尾根が急なのはわかってましたけど、のっけからやっぱり急ですね。積雪でわかりませんが上部はおそらく露岩の急斜面で、右側がザレた箇所(おそらく)までの間が積雪もあって気を遣いました。

B130226e
(右岸尾根下部では滑りたくなるような箇所も)

そんなザレ場まで降りれば、この先も急降下の痩尾根が続きはしますけど、とりあえずは一安心。自然林の続く中を徹底的に下ります(笑)。

そして下り出しから右手にずっと併走していた枝尾根が切れると、尾根が広がって↑↑こんな滑りたくなるような広尾根に変わったところが小鍋沢右岸尾根のハイライトでしょう。

B130226f
(小鍋沢出合<中鍋沢910m圏二俣>)

B130226g
(2週間ぶりの尊仏ノ土平)

それでもその広い所を下ってると中鍋沢へ降りてしまうので、適当な所で尾根上に復帰すると、ここから尾根末端までは岩屑混じりの痩せ尾根が続いて、あっけなく小鍋沢の出合に降りてしまいました。

出合から堰堤を一つ越えると、そこは二週間ぶりの尊仏ノ土平。週中に降雪があったはずなのに、二週間前の足跡がぼんやり残っていることに驚きつつ、遠い対岸へ渡ったところで一休み。対岸がスギ植林なのはわかっていたけど、国有林にしては珍しく(本当に!)最低限の手入れの入った大木の林だったのには驚きました。この林の歴史が気になります。

B130226h
(塔ヶ岳歩道・中腹はこんなブナ林も)

休憩中、強風が吹きつける度に林からもやのようなものが巻き上がっていたので、花粉か!と怯んでいたら、単に木々についた雪が風に飛ばされていただけだったことにホッとしつつ、腰を上げて塔ノ岳を目指します。

この道は冒頭に「塔ヶ岳歩道」といういかめしい名前を持ち出しましたが、ここは今でも普通の登山道。意外やトレースはあるし、主脈で見かける木道や木の階段がこちらにもあって、マイナーながらもしっかり整備されている様子。

B130226i
(塔ヶ岳歩道・トレースあり。積雪は多くて40cmほど。)

そして植林を抜けると、広尾根のもと立派なブナ林が続くのがいいですね。3m級はポンポン居ますし、樹勢も稜線のブナ達に比べるとかなり良好なのも好ましいところ。

そんな木々を愛でつつ登っていき、やがて1234m峰を右から捲き終えると、尾根が痩せて、塔ノ岳への最後の登りが始まります。

B130226j
(こんな展望が望めるようになると頂上は近い)

B130226k
(塔ノ岳山頂)

もうこの辺りではヘロヘロだったので、トレースがあって助かりました。登っていくうちに高木から低木に変わってくると水場に出て(水はちょろちょろ)、そこからひと登りで塔ノ岳の山頂に飛び出しました。

山頂は天気の割に人出が少ない様子、というより風が強いので小屋に逃げてる人や単に山頂が広いのでそう感じるのかも知れません。おかげで風を避けられる休憩スペースも難なく確保できて、眼下に広がる展望を楽しみつつランチをとる事ができました。

B130226l
(大金歩道・上部はこんな感じ)

それでもまだ先が長いので休憩は早めに切り上げて、あまり下山とも思えない下山開始(笑)。来た道を戻り、小金沢右岸尾根を通っていた大金歩道に入ります。

大金歩道は名称図(西丹沢頂稜河川土地名称図)にその名の出ていた道で、当然のことながら今は廃道。雪が積もっていることもあって、道形らしきものはさっぱりわかりません。

B130226m
(この木なんの木。シデの類?クマシデ??)

B130226n
(大金歩道は尾根が広く、歩きやすかった)

それでもこちらは過去に径路が通っていただけあって尾根は広くて歩きやすいし、林相もよろしく、雪もそこそこ積もってるのでとにかく快適快適。ここがこの日一番歩いて楽しいところでした。

中腹より下では植生調査?みたいなことでもやられていたのでしょうかね??その名残をいくつもに見ながら降りていくと、徐々にツガの大木が目立つようになって、右手を流れる大金沢の沢音も聞こえてきます。

B130226o
(小金沢出合・尾根末端部のツガの大木達がわかるでしょうか)

そんなツガの目立つ中、一際大きい4m級のツガを見るとなぜか一旦藪っぽくなって、それを抜けると小金沢の出合に降り立ちました。

すぐ先にはもう箒杉沢が見えているのですが、それより先に見える弁当沢ノ頭の尾根の末端から富士がチラリと姿を見せている感じがなんとも印象的。こんな所からでも富士を眺められるのはちょっと幸せですね。

B130226p
(箒杉沢の廃林道を下ります)

さて小金沢出合に着いた時点で13時半。大倉を避けて寄の17時台のバスを捕まえるには、鍋割山に15時過ぎまでには上がらなければいけないので、さてどうしましょう。。。

予定ではもうふたヒネリぐらいするつもりだったんですけど、それはさすがに無理なので、3年前に歩いたコシバ沢右岸尾根を登りかえす事にして尊仏ノ土平へ向かいます。

B130226q
(コシバ沢<越場沢>右岸尾根・下部は痩尾根が続く)

廃林道を繋いで30分ほどで尊仏ノ土平に戻ったら、時間もないのでそのままコシバ沢右岸尾根に取り付きました。

尾根下部は急で雪も薄いのでズルズルスベって大変でしたが、それをなんとかこなすと積雪も増えてようやくマトモに登れるようになって、周囲の木々を愛でる余裕も出てきました。3年前の初訪の折りは曇っていたので、晴れていると木々の見え方が違いますネ。

B130226s
(朝降りた小鍋沢右岸尾根を望む)

B130226r
(右岸尾根上部は素敵なブナ林)

そんな様子にヘロヘロながらも喜びつつ登っていき、鍋割山には15時10分着。寄下山のリミットギリギリでした。ということで今回も鍋焼きどころかコーヒーすら飲めずに、一息ついただけで寄へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.02.24 (Sun)   (ほぼ)快晴
表丹沢県民の森 07:15- ヒズヒ沢出合 07:45- 稜線に出る 09:15- 尊仏ノ土平 10:10/10:25- 1234m峰 11:15- 塔ノ岳 11:55/12:35- 小金沢出合 13:25- 尊仏ノ土平 14:00- 鍋割山 15:10- 後沢右岸尾根径路分岐 15:40- 寄大橋 16:30- 寄 16:55
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.02.20

世附のブナに逢いに大界木山南面、バケモノ沢の辺りへ

B130220a
(畦ヶ丸南西尾根<水晶沢右岸尾根>のひとコマ)

いやいや・・・去年の紅葉シーズンは天気が合わずに泣く泣く中止して、それから藪山のシーズンも終盤にさしかかってようやく世附(世附川流域の)の山に入ることができました。

今回(02/17)は世附のブナ林と云えば・・・菰釣山南面・イデン沢(菰釣沢)と双璧をなす大界木山南面・バケモノ沢(地蔵沢)の辺り。赤沢左岸尾根たる大界木山南尾根を下降し、水晶沢右岸尾根たる畦ヶ丸南西尾根を登り返す定番コースをのんびり?歩いてきました。

B130220b
(忘路峠への道すがら・積雪は10~40cm)

今回はショートコースながら久しぶりとなる世附のブナ林を心ゆくまで堪能したかったので、早めに野外活動センターへ向かったのに、ある事情から車が深雪に嵌ってしまい、キャンプ場の方に救出してもらうというトラブルがあって(ほんとうにご迷惑をおかけしました<(_ _)>)結局歩き出せたのは8時半近く。

それでもショートコースなので予定通りに歩けるコースで良かった。忘路峠への道は当然トレースなどなく、雪は深くて40cmほどでしょうか。ふかふかの新雪にトレースをつけながらの歩きは少々しんどいですが、すこぶる気持ちがよいです。

B130220c
(大界木山南尾根<赤沢左岸尾根>上部)

朝は綺麗に晴れていたのに忘路峠に着く頃になるとなぜか高曇り。でも展望は良好、というか近場の山は光の反射がない分却ってクリアに見えて、これはこれで新鮮かも。そんな展望を楽しみつつ大界木山へ上がったら、さっそく南尾根の下降に移ります。

大界木の南面はおおよそ二年ぶり。南尾根は以前降りていることもあって、のんびり気楽に降りましょー・・・てな感じで適当に降りていたら、なぜか南尾根の下降点がわからず右往左往。急斜面にも関わらずジグ切りを敢行してなんとか南尾根を捉えましたが、ここは一度山頂まで戻って、それから地図で確認しながら下降するべきでした。先週の阿寺沢といい、我ながらヒドすぎますね。手の抜きすぎは事故を呼びおこしかねません。次回からはもっともっと丁寧に歩かねば。

B130220d
(スズタケの中、ブナが美しい)

そんな訳で南尾根を捉えるのに小一時間かかってしまい、この時点でもう11時過ぎ。結構な時間ですけど、これでもコース的にはまだ大丈夫だったのは幸いでした。

でも南尾根はやっぱりブナだ!飛び抜けた大木こそないものの、立派な木々の散見される様子はさすがの一言。そんな様子に思わずニヤけてしまいます。尾根上はもちろんスズタケが被りますが、初訪だった4年前と比べたら歩きやすいぐらいなのは

B130220e
(南尾根中部辺りの定点ちっくなブナ)

B130220f
(初訪の折り2009.01.17の同じブナ・スズタケの差が一目瞭然)

以上の定点ちっくな二枚の写真を見てもらえれば一目瞭然。丸四年でこれだけスズタケが減ったのです。もうここでも何度も申し上げていますけど、世附のスズタケもあと5年もすればほとんど丸裸になってしまうのでしょうね。

スズが枯れれば確かに楽にはなるんですけど、枯れたスズタケというのは実は凶器で(本当に!)これはこれでかなり気を遣うんです。尾根を横切る奥野歩道(旧東海自然歩道)もずいぶんとハッキリしていたし、歩道は以前に比べるとかなり与しやすくなっているんじゃないかなぁ。。。

B130220g
(南尾根末端部・920m峰からの下りしな)

奥野歩道を突っ切ってから小広い緩斜面状を少し登り返すと920m峰で、ここまで来るともうバケモノ沢と赤沢の沢音がけっこうな音で聞こえていて、そこからひと下りで赤沢との出合に着地。ランチの適地ともくろんでいた所には日がしっかりと当たっていてホッとしました。

ショートコースとはいえこの時点でお昼を大きく回っていたので、休憩はやや早めに切り上げて、お次は水晶沢の出合へ向かいます。

B130220h
(水晶沢出合)

B130220i
(畦ヶ丸南西尾根・登りだしは鉄砲登りが続く)

バケモノ沢を緩く遡ること20分ほどで水晶沢の出合に到着。目の前に聳える中間の急な尾根が登り返す畦ヶ丸南西尾根で、急登を前にまずは一息。

それから意を決して尾根に取り付くと、尾根は急ながらもスズタケの枯死が進んでいるので、二年前よりは楽に行ける感じです。

B130220j
(急登を登り終えると・・・)

それにこの急斜面の周囲にも素敵なブナが散見されるので、しんどいけれど、これはこれで楽しい道のり。

そしてかなり上がった所で奥野歩道を再び突っ切ると、ひと登りで尾根が緩くなって、ここからがこの尾根のハイライトであるテーブルリッジのはじまり。

B130220k
(南西尾根のハイライトなテーブルリッジがはじまりました)

B130220l
(倒れブナ・まだ生きてます)

こちらはスズタケがほぼ枯れかかっているし、樹勢が少々弱ってきている木だって見受けられますけど、この尾根を歩いていると、こんな様子の尾根がいつまでも続く錯覚に陥ってしまうような、そんな気さえしてしまいます。

というか、これは単純にうっとりしてるだけなんですね(笑)。

B130220m
(世附で熊棚を見かけるのは久しぶり)

B130220n
(長いハイライトもそろそろ・・・)

そんな夢見心地なひとときも、↑↑この辺りから1140m圏鞍部へ下った所でおしまい。畦ヶ丸へ向け最後の登りにさしかかります。

しかし最後の登りもスズが減っているおかげで案外楽に行けて、登り切ったところで大滝峠からの登山道と合流。ひと登りで畦ヶ丸の避難小屋に着きました。

B130220o
(モロクボ沢ノ頭への下りしな)

この時点ですでに15時半過ぎ。日が延びたとはいえ畦ヶ丸の山頂に寄る時間はなく、あとはそのまま帰路に就いたのでした。

しかしこの日はいろいろありすぎたけど(笑)、それでも世附の山はやっぱり良いなぁ、と久しぶりだったこともあってか、しみじみそう思いました。以前はスズタケがもっと深かったとはいえ、これだけの自然林が残されている所が山歩きの対象外というか、歩く価値なし味噌カス、とされていたのが本当に不思議でなりませんです。

そうそう、あとこの日は今なにかと話題のマダニさんには全くツかれませんでした。まぁ乾燥した寒い日が続いたせいなのでしょうけど、スズが減っている影響もあるのかなぁ。。。確かにベットリつかれるとゾッとするんですけど、これはこれで一抹の寂しさも・・・(笑)。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.02.17 (Sun)   晴 時々 曇
横浜市野外活動センター 08:25- 忘路峠 09:40/09:50- 大界木山 10:10/10:25- 1070m圏峰 11:40- 奥野歩道横切る 12:20- 920m峰 12:30- 赤沢出合 12:35/13:20- 水晶沢出合 13:40- 奥野歩道横切る 14:05- 1140m圏鞍部 15:05- 畦ヶ丸避難小屋 15:40/15:50- 忘路峠 16:25- 野外活動センター 17:00
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2013.02.17

阿寺沢の径路を大回りしつつ、なんとか辿る

B130217a
(阿寺沢径路の山ノ神)

さてさて連休の山行き第二弾は翌月曜日(02/11)。植林の多さに長年食指の動かなかった阿寺沢の径路をようやく歩いてきましたーと、とりあえず申し上げておきます(笑)。

ヒカゲツツジの花期以外で上野原駅から飯尾行きのバスに乗ったのって、果たして何年ぶりでしょうか・・・。連休中にもかかわらず乗客はバスはまばらで、というかこちら方面の冬はまぁこれぐらいがデフォルトでしょう。

B130217b
(径路自体は明瞭)

そんな訳で阿寺沢入口でバスを降りたらひとり旅は決定で、先ずは阿寺沢へとことこひと下り。あとは松浦本の通りに集落に入ってしばらく行った所の橋を渡ると、自然と径路に入る形になりました。

径路は雪に埋もれたところもあったりしましたが、道筋自体は明瞭。ほぼ植林の中、順調に奥へ奥へと進めます。

B130217c
(チョウナ沢にあった看板・実はこの右手に径路が延びていたのだが・・・)

しばらく行くと今までで一番水流のあったチョウナ沢に降り立った所で、なぜかこれを「阿寺沢と思い込んだ」上に、ここで道を失ってしばらく周囲を右往左往。でも道が見つかりません。。。

しょうがないので少し沢を遡ると・・・

B130217d
(チョウナ沢720m圏二俣・左俣の立派な滝)

すぐ上で両側共に滝の掛かる二俣(実はチョウナ沢の720m圏二俣)に出てビックリ。

特に↑↑左の滝は見事で、阿寺沢にもこんな滝があったのかー!と勝手に感動しつつ(笑)、本谷っぽかったベルグラの張りつく右の滝をビブラムで無理矢理登ってしばらく行くと、あれれ??これは方向がちょっとおかしいゾ

B130217e
(しょうがないのでチョウナ沢を遡ります)

と言う事に気がついて、ここでようやく地図とコンパスを出し、川下の景色と記憶を頼りに現在地を確認すると、ここでチョウナ沢を歩いていることがわかって・・・愕然。

ならばそのまま戻るのが一番いいのですが、丸腰の身でさきほどの氷った滝を下るのはちょっと危険な作業。高捲いて下るにしても左俣はもっと高い滝だし、右斜面も行けないことはないけど、斜面が急で登る気が起きません。

B130217f
(明瞭な径路に惹かれてを西へトラバースすると・・・)

なので、もうそのままチョウナ沢を詰めて尾名手尾根に上がったら後のことは考えよう、とチョウナ沢を詰めていくと、こちらは滝はぼちぼちあるし、意外に明るいし、雪のお陰もあるのかも知れないけどなかなかいい雰囲気。

そんな雰囲気に沢を詰め切るつもりでいたら、おそらく1050m前後だと思うんですけど、登山道と見まごうばかりの明瞭な道が沢を横切っていて(!)気がついたらその道を西へ辿っていました(笑)。

B130217g
(1207m峰北尾根の「西隣」の尾根を下って・・・)

道はチョウナ沢左岸尾根に上がった所で下へ下る道を分け、なおもトラバースして1207m峰北尾根を越え、その西隣の1170m圏峰北東尾根に上がると、なおもトラバースする方向にも踏み跡らしきものが延びてはいるものの、明瞭な道はここでその北東尾根上をに下りだし、あとは阿寺沢へ向け急降下。

そして雪に滑りながらも20分程下ると、↓↓ここで阿寺沢の径路と合流しました。

B130217h
(ここで阿寺沢の径路と合流しました)

ここで再び地図を広げると、道を失ったチョウナ沢までさほどの距離がないようなので、とりあえず径路を東へ戻ります(笑)

しばらく行くと出た「一升瓶のコル」と云いたくなるような743m峰西鞍部では尾根伝いに明瞭な道が分かれていました。おそらく先ほどの水平道の分岐から下ってきた道でしょう。ここまで歩いてみても阿寺沢の径路は植林が多く、正直う~んって感じでしたが、この水平道のおかげで今後の楽しみができました。

B130217i
(一升瓶が転がる743m峰西鞍部)

その一升瓶のコルからひと下りすると朝来たチョウナ沢に到着。先ほど降りた所から20分ほどでしょうか。しかも行きがけにわざわざカメラに収めた看板の右脇へ降りてきたのでした(汗)。

ただチョウナ沢は日陰になっていたので、一升瓶のコルへ戻って軽くランチをとり、ここからマヌケにも再スタート(笑)さっき来た道を西へ戻ります。

B130217j
(水線を行きたいが倒木に阻まれ)

先ほど降りてきたところから先を行くと、阿寺沢が徐々に近づいてきて、じきに水線に近い所をいくようになります。

この辺りから道は対岸の左岸側を行く所もあり、その道を見逃さなかったおかげで山ノ神にもなんとか逢えました。ただこの辺りまで来ると、径路を捜すよりも水線を行った方が遙かに楽・・・と思ったら今度は累累と重なる倒木に邪魔される始末。(-"-;)

B130217k
(阿寺沢880m圏二俣・ここで正面の尾根を上がった)

周囲は相変わらず暗い植林の中だし、でも今回は雪化粧されたおかげでそれなりに趣があったように思うので、このルートは案外今の時期が適期なのかも知れません(笑)。

RFがあまりできない人でも860m圏の三俣はおそらく現在地を確認できるポイントになるでしょう。そしてその三俣の先の880m二俣に出た所で個人的にはもうお腹いっぱい。パンパンですよ(笑)。なので径路を辿るのはここまでにして中間の尾根に取り付きました。

B130217l
(この明るさが未だになじめない西原峠みち)

急な尾根を15分ほど登るとちょうど坪山の分岐で林道に飛び出し、そこから南へゆるく下るとようやく西原峠に到着。結果として「ものすごい寄り道」をしてしまったので、帰りのバスの事を考えると残された選択肢は西原峠みちを下ることしかありません。

ということでその西原峠みち。伐採後はもちろん初めてで、おおよそ7年ぶりでした。伐採されて明るくなった上部は別の所を歩いているようでしたが、その伐採跡を抜けると以前の記憶がよみがえってくる感じ。

B130217m
(伐採跡を過ぎればこんな雑木林も交える)

B130217n
(たいへんご無沙汰しておりました)

道は相変わらずしっかりしており、ここはいつ歩いてもほんとうに歩きやすい道だと思います。ただ麓近くで道が崩れて無くなりかけてた箇所が少々あったのが、今後気がかりといえば気がかり。

そして↑↑の「是より、右は さいはら、左は ちちぶ こすげ」と刻まれた石標にも久しぶりに再会。一軒家にもまだ住人さんがいらっしゃるようで、そんなことにホッとしつつ小寺のバス停へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.02.11 (Mon)   晴
上野原駅 08:28→ 阿寺沢入口 09:20- 阿寺沢の径路入口 09:35- チョウナ沢 10:20- 径路を見つける 11:45- 阿寺沢の径路と合流 12:40- チョウナ沢 13:00/13:10- 山ノ神 13:55- 880m圏二俣 14:25- 西原峠 14:50- 小寺BS 15:40
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2013.02.12

久しぶりの丹沢縦断(小丸~箒杉沢~不動ノ峰)

B130213a
(箒杉沢のひとコマ)

先の三連休は先週歩けなかったこともあって、いろいろ歩いてきました。そんな連休の山行き第一弾(02/10)は丹沢方面。

まずは表丹沢県民の森からマルガヤ尾根を登って小丸へ上がり、中鍋沢右岸尾根たる小丸北尾根を下降。尊仏ノ土平に降り立ったら箒杉沢を左俣出合(1050m圏二俣)まで遡り、草鞋沢右岸尾根たる不動ノ峰南東尾根を登り返し、蛭ヶ岳~青根と3年前とは逆に丹沢を南北に縦断するコースを歩いてきました。

B130213b
(マルガヤ尾根下部・快い雑木林が続く)

ということで表側から丹沢に入ったのって20年ぶりぐらい。なのでいっそのこと大倉から歩いてみようかとも思ったんですけど、行程が長いので今回は渋沢駅からタクシーで県民の森に出て(¥2330)からのスタート。

上を見上げると金冷シの辺りは霧氷で真っ白だけど、おそらく間に合わないだろうなー。名前だけは聞いていた登山訓練所に寄りつつ、ミズヒ沢との出合までは基本林道歩き。こちらはさすがにハイカーが多い。桁が違う感じですね。

B130213c
(草原状のマルガヤ尾根上部)

出合に着いたら少し休んでマルガヤ尾根に取り付きます。意外にも植林は短く15分ほどで抜けると、あとは好ましい雑木林が続く素敵な尾根。両隣を見ても雑木が多く、なかなか魅力的ですねぇ。

なのでそんな雑木林が上まで続くのだろうと思っていたら、中腹辺りから草原状に変わったのには驚きました。展望も宜しいし、シロヤシオもぼちぼちいるけど、ヒル出るんですよね?ここ。

B130213d
(富士と鍋割山)

B130213e
(小丸北尾根<中鍋沢右岸尾根>・全編ほとんど植林)

おかげでルンルン気分で登れて、あっという間に鍋割山稜の登山道に到着。東へ緩く登ると小丸の山頂でした。

ちょっとしか歩けなかったけど小丸も鍋割山稜もブナが美しそうな所のようですね。そんな小丸の山頂を少し散策したら、北尾根の下降に移ったんですけど、そのまま北へ降りたら東の枝尾根だったので慌てて西へトラバースして、ようやく北尾根に。

B130213f
(塔ノ岳西尾根の奥に不動ノ峰)

北尾根にトレースがなかったのは快適に下れて嬉しい事だったのですが、こちらは思いの外植林が多くて、正直趣的にはどうでしょう?3年前に登ったコシバ沢右岸尾根は地形図とは違って植林なしの好印象だったのとは対称的になってしまいました。

あと今回歩いた小丸北尾根と不動ノ峰南東尾根は名称図(西丹沢頂稜河川土地名称図)に名前こそついてないものの径路が通っていたようで、でも北尾根の方の道筋はその径路とは関係なさそうな、おそらく植林みちでしょう。

B130213g
(尊仏ノ土平・晴れているとこんな感じなのか)

積雪に尾根が短いこともあってスイスイ下れて、30分ほどで広々とした河原の尊仏ノ土(ど)平に出ました。晴れているとこんな感じなんですね。あと雪が残っているのも、そこをより趣あるものにしているのかもしれません。

そんな再訪をしばし愉しんだら、左岸側の林道を下って今度は箒杉沢へ向かいます。

B130213h
(箒杉沢の治山運搬路・道路だった名残も見受けられる)

初訪の折はただただ荒涼とした光景に見えた箒杉沢も晴れていると印象はやはり違って、トップの写真でもわかるように広々としたガレ沢の奥に白くなった主脈が聳える光景はどこかアルペンチック。新穂高を思い出してしまった、と言ったらちょっと褒めすぎでしょうかねぇ(笑)。

棚沢出合までは広い河原のどこでも歩けますけど、出合先の堰堤から奥は堰堤が続くので、荒れた廃林道(治山運搬路)を辿りつつ、左岸右岸と何度か渡り返しながら登っていくしかない感じです。

B130213i
(箒杉沢左俣出合・中央の尾根がみやま新道の尾根)

棚沢出合から30分ほどで草鞋沢を渡り、廃林道の終点である箒杉沢の左俣出合に到着。堰堤ばかりなのが難ではあるけど、明るい所で、いい平坦地もあったので今回はここでランチ。目の前に延びているみやま新道の通る左俣右岸尾根が気になるところです。。。

が、今回は休憩を取ったところがすでにお次の予定な不動ノ峰南東尾根の末端部。休憩を終えたらそのまま南東尾根に取り付きます。

B130213j
(不動ノ峰南東尾根<草鞋沢左岸尾根>下部)

南東尾根はのっけから自然林(厳密に言うと二次林)でなかなか良い雰囲気。

じきに雪も出てききますが、さすがに南斜面だと雪が腐っていて、そんな雪にときおりズルッと滑ったりしながら登っていきます。

B130213k
(尾根上部にさしかかる所でようやく自然林に)

しかし尾根が急だとしんどいことはしんどいけど、ぐいぐい標高を稼げるから悪くはありませんね。登り始めは見上げても見えなかった丹沢山や塔ノ岳がいつの間にか見えるようになって、しかも間もなくそれよりも上に上がれるところがなんとも快感。

やがて良い感じのブナが出てきたなと思ったら、じきに林が途切れ、小笹の敷き詰められた笹原に変わると最後の登りにさしかかります。

B130213l
(尾根上部は笹原)

B130213m
(来た尾根を振り返る・中央奥に塔ノ岳)

さすがに尾根上部は雪が膝上の箇所もありましたけど、距離は知れたもの。ヘロヘロながらもそんなラッセルを楽しんでいるとさほどの時間もかからずに主脈の登山道に飛び出しました。

そこから西へひと登りで不動ノ峰の山頂。南側は3年前にはなかった柵ができていましたが、これはもうしょうがないですね。

B130213n
(蛭ヶ岳はこんな感じ)

不動ノ峰に着いたのは予想よりも少し早い13時ちょうど。なのでせっかくここまで来たのだから、予定を変更して蛭ヶ岳へ向かう事にしました。

主脈はほんの一部だけ泥濘箇所がありますが、基本はトレースもしっかりついていて、氷化してない程よい圧雪ぐあい。スイスイ歩けます。あと道中、暖かい割に霧氷が残っていたのはラッキーでした。

B130213o
(蛭ヶ岳山頂)

そんな光景に展望にと楽しみつつ、のんびり歩いて小一時間程で蛭ヶ岳に到着。山頂の広場にこしらえてあった大きい雪だるまが微笑ましいです。

この時間になると人も少ないですね。ボーッとしつつカレーパンを食べたら、ようやく下山です。

B130213p
(姫次への下りしなは程よい積雪)

B130213q
(姫次・奥に蛭ヶ岳)

北斜面も雪は深めなもののトレースはしっかりついていて、姫次はまでほんとうに快適なスノーハイクを楽しめました。

ただ雪が深いと木道・階段が怖いですね。場所知らないと踏み抜いてケガしそう・・・と思ってしまうのは私だけでしょうか?凍結は滑り止めがあれば問題ないけど、こちらはまかり間違えると足の骨を折りかねません。丹沢はこの手の施設が増えているのでくれぐれもご注意の程を。
 
・・・・・☆
 
◆ 2013.02.10 (Sun)   晴 一時 曇
表丹沢県民の森 07:30- ヒズヒ沢出合 08:05/08:10- 小丸 09:40- 尊仏ノ土平 10:10/10:15- 棚沢出合 10:35- 箒杉沢左俣出合 11:10/11:45- 不動ノ峰 13:00- 蛭ヶ岳 13:50/14:10- 姫次 15:05/15:15- 登山口 16:20- 東野 16:55
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2013年1月 | トップページ | 2013年3月 »