冬の花咲く檜洞丸・神ノ川からひとめぐり
(冬の花咲く稜線・大笄直下にて)
あけましておめでとうございます。
今年もみなさん無事に山歩きができることを心より祈っております。
・・・・・☆
先週末は(と言う云い方も今回ばかりは何だかしっくり来ないのが不思議)天気がイマイチ宜しくなく、何度か山行きができると踏んでいたのに結果としては大晦日(12/31)だけ。と言う事でこの日が山納めともなりました。
そんな今年の歩き納めは久しぶりに神ノ川からの檜洞丸。広河原に出てから1521m峰北東尾根たる源蔵小屋谷と彦右エ門谷の中間尾根を登路にとって矢駄尾根を下る周回コースを組んで歩いてきました。
(源蔵小屋谷出合)
しかし神ノ川から歩き出すのは何年ぶりでしょうか。暮れも押し迫っているというのに気温が異常に高いし(なんと5℃!)、早朝にもかかわらず車がぼちぼち来ていたことに驚きつつさっそくスタートします。広河原までの県道は改修が入ったせいか、土砂も避けられていて意外に歩きやすく、広河原へは1時間程で到着。
少し奥の堰堤脇で休んだら、お次は彦右衛門谷を遡って源蔵小屋谷の出合へ向かったのですが、出合までは堰堤が延々と続くので最初は高捲こうとしたものの、降りる予定の枝尾根の末端の様子がわからないので(実際は高捲き可)、やめて沢沿いに歩いてみると、堰堤は左岸側に鎖なり手がかりがあったりして簡単に越えられたのには助かりました。
(ほんの短い枝沢の、尾根直下の源頭なのにこの水量!)
そんな訳で小一時間程かかって源蔵小屋谷の出合に着いたら、ここでようやく目の前の中間尾根に取り付きます。まずは伐採後放置された荒れた二次林下の急登が続いて、気温が高いこともあってのっけから大汗。
しばらく登ると大岩が出てきたので(そのまま行くことも可)ここで左の枝尾根へトラバース。雨後のせいなのか?短い枝沢にしては異様に水量の多い源頭部の様子に驚き、思わず手を合わせて(笑)、そこから枝尾根に這い上がるとなんと今度は・・・
(見た目トータル50mどころでは済まないこの滝、ちょっとスゴいんですけど・・・)
対岸の↑↑源蔵小屋谷枝沢の立派が滝が目に入ったんですけど、当初は落ち口あたりだけでもなかなかの大滝だなー、と思いつつ周囲をよく見てみると・・・どうやらこれって上から下まで滝のよう!しかも落ち口辺りだってまだ傾斜がついてるのでその上もありそうですし、ヘタするとトータルで三桁近い??ようにも見えたかなりの大滝で、あまりの意外な光景に呆然とするやら興奮するやら。
この滝は見た目高さの規模がかなりあるので、丹沢通には当然知れている滝なのだろう、と帰宅後「源蔵小屋谷」でググってみても、なんとこの滝に触れているサイトは皆無。困りましたー。あの・・・お願いですから詳細をご存じの方がいらっしゃったらご教示頂けるとほんとうに嬉しいです <(_ _)> <(_ _)>
(彦右エ門谷 源蔵小屋谷中間尾根・中部までは二次林が続く)
(蛭ヶ岳方面・正面のミカゲ沢ノ頭北西尾根が懐かしい)
ということでのっけから想像を遙かに超える出逢いにニヤニヤしながら先を行くと、ここからは想像通りの荒れた二次林下の登りが続くようになって、ようやく歩きに集中できるようになります(笑)。
途中の開けた箇所からは↑↑蛭こそ隠れているものの、二本に分かれるミカゲ沢ノ頭北西尾根や急な地蔵尾根の姿が懐かしく、また歩きの良いアクセントでもありました。
(さすがのシロヤシオ)
そして振り返るとやっぱりあちらは晴れていた石尾根方面がクリアに見える頃、おおよそ1100m過ぎぐらいでしょうか?目論見通りお約束のシロヤシオが出てきます。
しかし同じシロでも奥多摩辺りとは大木の規模・数が違います。安倍奥ほどではないにしても立派な大木がポンポン目に入るのはさすが檜洞丸周辺と言えるでのしょうね。
(1200mを越えた辺りから自然林に変わってきた)
(丹沢の核心部で5m級の大ミズナラとは!)
そしてなおも登っていくとようやく丹沢らしいブナの自然林に変わって、あとはこのまま上までそんな木々を愛でつつ行くのかなぁ・・・と思っていると
今度はちょっと目を惹くおおものがいたので近寄ってみると、なんとそれは幹周り5mほどの大ミズナラ。いや5m級の大ミズナラならぼちぼちいることは確かなんですけど、でも丹沢の核心部では見かけないミズナラの、しかもそれも「おおもの」。これには驚いたと言うより、驚愕したと言う方が正しいでしょう。
(雪が残っていたのは1521m峰直下ぐらい)
(檜洞丸を前にしてようやく晴れてきた)
想定外の収穫の多さにほくほくしながら登っていくと、主稜線近くでようやく雪が現れました。そんな薄い雪を踏み踏み行くとまもなく登山道と合流。あとはほど近い檜洞丸へ上がるだけです。
しかも嬉しい事にここでようやく晴れてきて、ガスが切れた所からは霧氷が現れ思わず歓声。0℃ほどでの暖かさでも霧氷ってできるんですね!とはいえ予想よりもかなり時間がかかってしまい、お腹が減っていたのでまずは山頂で腹ごしらえ。
(檜洞丸直下より御正体山・大室山方面)
(気温が高めなのになんと霧氷が!)
さすがに暮れも押し迫ると檜洞の山頂は人こそぼちぼち来るものの、思いの外少ないという印象。8年前に訪れた時はツツジの最盛期でしたからその時の印象が強かったんでしょうね。
おかげで晴れた上に暖かかったのでゆっくりできたし、しかも行く先の大笄(おおこうげ)方面にも霧氷ができていて「今から行くからまだ溶けるなよ~」と心の中で念じていました(笑)。
(冬咲きのシロヤシオ)
(逆光も素敵です)
さて、檜洞から犬越路の間は18年ぶりなのでほぼ覚えていなくて、まるで初めてのような新鮮な感じで歩けたのがとにかく嬉しい。その上晴れて、霧氷まで楽しめたのですから文句のつけようもありません。
あと↓↓のブナやシナノキの大木が林立するこの緩斜面も印象的。人の多い檜洞山頂を避けてここでのんびりするのも悪くないですね。
(このブナは見事)
そして大笄を前にした鞍部が矢駄尾根の分岐。ここにはテーブルベンチがあったので寝っ転がって上を見上げると、青い空に白い花をつけた木々が目に入って、しばしボーッとしてしまいます。
しかも晴れて気温が高いせいか寝っ転がってもぽっかぽか。こんなに快適に霧氷を楽しめたのはラッキーというか至福のひとときでした。
(熊笹ノ峰からの下りしなより)
そんなテーブルを占領したひとときも後からハイカーがやって来たところでおしまい。あとは矢駄尾根を下って神ノ川へ向かったのでした。
しかしこの日は堰堤越えに(笑)滝に巨樹に自然林に、雪に霧氷に盛りだくさんだったまさに贅沢な一日。素晴らしい山納めとなったことにほんとうに感謝です。一昨年の山歩きのない山納め(笑)の影響か?去年はいろいろあって山へなかなか行けなかったので、今年は何事もなく普通に歩ける一年になると良いな~。
・・・・・☆
◆ 2012.12.31 (Mon) 曇 後 晴
日陰沢橋 07:00- 広河原 07:50/08:05- 源蔵小屋谷出合 08:55/09:05- 1521m峰 11:50- 檜洞丸 12:05/13:00- 大笄 14:05/14:20- 県道突っ切る 15:20- 日陰沢橋 16:00
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