2012.10.10

三頭山から奈良倉山、山沢入へ抜ける

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(まだまだ緑が優勢・三頭山北面巻道のひとコマ)

さて、かの連休のお山は日曜のつもりが朝から雨。結局体育の日の月曜(10/08)になってしまいました。こんな事なら土曜に歩いておけががよかったかもー。

今回は近年ず~っと課題になっていた小菅の山沢入でもいってみようと思ってはみたものの、コースどりに悩んで(今まで訪れる機会がなかったのもコレが理由なんですけど・・・)、悩んだ結果かなり久しく歩いていない三頭山からの縦走という形をとってみました。

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(オヤマボクチ)

ということで数馬行きの一番バスを捉えるため五日市で電車を降りたら、同時に多数の山のカッコをした人が乗り込んできて一瞬ビックリしたんですけど、連休はハセツネさんの日だったんですね。そんな盛況ぶりをよそにバスの方は一番という事もあってガラガラ。数馬に着くと辺りは晴れの予報はどこへやら、無情にもガスって寒いくらい。

コレってこのあと予報通りに晴れるのかなぁ?と思いつつ、まずは三頭大滝を目指してとぼとぼスタート。天気は良くないのに相変わらずバイク乗りは元気です。そんな音を聞きつつ都民の森の敷地に入り、徐々にエンジン音が聞こえてこなくなってくると大滝に到着しました。滝は雨後のせいか水量は豊富ですが・・・寒いわ(笑)。いつまでも夏気分のままTシャツ一枚でのこのこやって来たのはマヌケすぎましたね。

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(三頭山山頂・小雨)

三頭沢の方も10月に入ってしまうとさすがにお花もお終いモード。シロヨメナにシラネセンキュウ、アキノキリンソウ、カメバヒキオコシあたりがなんとか残っている感じで、これからとなるともうオヤマボクチぐらいでしょうか。

こんな天気ではハイカーもほとんどいなくて、山頂(西峰)も↑↑こんな感じ。一息ついたら、とりあえずヌカザス尾根を下って北面巻道に入ります。

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(北面巻道のひとコマ・Part2)

ガスってはいるものの北面巻道はいつ歩いても楽しいですね。お花はトリカブトぐらいになってしまいましたけど、それでも林相の良さは出色。

あと周囲はまだまだ基本緑ですけど、ツル性の植物や気の早いカエデ系などが一部色づき始めていて、頭上も足下もちょっとだけそんな彩りを添えていました。

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(それでも一部は色づいている)

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(北面巻道のひとコマ・Part3)

あと時期的にイノシシが元気なようでそこかしこ掘り返してるのは良いんですけど、エサ取りに夢中なせいか鉢合わせることもしばしば。基本イノ公はなかなか姿を見せてくれないのでこんなのもかなり珍しい。

でも親子連れは特に怖いですよ。クロスケと一緒で基本は逃げてくれますけど、パニクられて脚でも突っつかれた暁には完全にアウトですから。個人的にはクロスケよりも怖く、イノ公を見かけると反射的にどこか登れる木を捜してしまうのがもう習い性になってます(笑)。

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(鶴峠への下りしな)

そんな感じでじきに稜線の道と合流したら、一旦鶴峠へ急降下。いやホント分岐から鶴峠~奈良倉山までは15年近く歩いてないので、どんな感じになってるのかちょっとワクワクだったんですけど、鶴峠までは意外や自然林がそれなりに続いて楽しい道のり。

そんな自然林から植林に変わると鶴峠は間近で、さすがに今は林道がぼちぼち延びてきているんですね。

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(レイジンソウ)

それは峠から登り返した奈良倉山側も同じ感じで、しばらくはチトたいくつな道のりですけど、そこからようやく植林を抜けると素敵な雑木林の中を行くようになって、ここで一時的に晴れてきたこともあってちょっとテンションが上がったところでしょうか。

そんな雑木林の中を歩くとじきに奈良倉山の捲道に出て、そのまま奈良倉山へ登るのではなく南にぐるりと廻ってから山頂に行く段取り。そおいや南東尾根にに乗った辺りには長作への道が整備されていた覚えがあるのですが、あたくしの記憶違いなのかそれとも廃道になってるのか・・・。

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(植林帯をようやく抜けると)

南東尾根に乗ったらひと登りで奈良倉山で、ここもご無沙汰している間に西側に伐採されて明るくなった展望台ができたようで、そちらでランチでした。ここは晴れていれが富士が見えそうですけど残念ながらこの日はX。でも大峰や泣坂ノ頭が間近に見えるのが個人的にはなんとも良いですね。

ランチを終えたらここから西の松姫峠へ。道中リンドウを期待してたものの、う~んこの日もフられてしまった。こちらではリュウノウギクが咲き始め。暖かい日が続いたのでイマイチ現実感はありませんけど、今年のお花もそろそろフィナーレが近いようです。

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(大峰と泣坂ノ頭が間近だ・奈良倉山より)

30分ほどで着いた松姫峠の変わりようにも驚きつつ、そんな峠を素通りするように牛ノ寝通りに入ります。

ふた頑張りぐらいして鶴寝山に上がると、ここから西は「花のひかり」を始めてから何度か歩いている所のハズでしたが、鶴寝山の大ブナになんと柵が巡らされていたのには驚きました。牛ノ寝通りはここ5年ほどで大変貌を遂げているので人が増えたせいもあるのでしょうけど、もしかしてかのブナハバチにやられて樹勢が落ちたとか??

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(牛ノ寝通りのひとコマ)

鶴寝山直下のもう一本の大ブナがごく普通に残っていた事にホッとして先を行くと、しばらくは牛ノ寝通りの素敵な自然林を愛でつつ歩ける道のり。もう何度も言ってますけどここはいつ歩いても楽しい。

なので山沢入の分岐にもあっけなく到着してしまい、後ろ髪ひかれつつもここで右手に下る巡視路に入ります。

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(山沢入の大トチ)

巡視路は下り出しから素敵な道のりで徐々に期待は高まってくると、まだまだ緑の覆う中、そやつは遠目から見ても一発でわかる風貌というか雰囲気を醸し出していて

いざ対面すると、天気のせいでかなり暗くなっているせいなのか、そのごつごつした風貌のせいかなのかはわかりませんが、ある意味周囲を威圧するようにも感じる存在感に圧倒されそうになってしまいました。

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(ワサビ田を見るようになると林道は近い)

でも巨樹はその一番の大物だけでなく、すぐ下には主幹が折れているものの5mオーバーのトチもいてこれもなかなかの風貌。あなたに逢えて良かった。天気には恵まれなかったけど、おかげでホクホク気分で帰り道に就けたのでした。(^^)
 
・・・・・☆
 
もうお気づきの方もいらっしゃることでしょうけど、ぐぐたす(Google+)はじめました。相変わらずSNSの利点を完全に無視した甚だ自分勝手な使い方ですけど(笑)、こちらで漏れてしまった山のお話などを簡単に触れています。こちらも宜しかったらご覧くださいませ。
 
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◆ 2012.10.08 (Mon)   曇(一時 晴れたり、降られたり)
武蔵五日市駅 06:22→ 数馬 07:25- 三頭大滝 08:30- 三頭山 09:35- 北面巻道分岐(ヌカザス尾根)10:00- 北面巻道分岐(主稜線)10:50/11:00- 鶴峠 11:45- 奈良倉山 12:45/13:30- 松姫峠 14:00- 山沢入分岐 14:45- 小菅の湯 15:55
 

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2012.10.02

黒川山の水源林巡視路をゆるゆる歩く

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(大菩薩嶺と富士山・鶏冠山より)

さて先週シオジの森を歩いたら東京都の水源林を歩きたくなって、悩んだ末に選んだのが久しぶりとなる黒川・鶏冠山界隈。先週は土曜(09/29)に歩いてきました。

せっかく開設してくれた塩山駅からの柳沢峠・落合行きのバスもようやく乗る機会に恵まれて、このバスの乗車も実はこの日の楽しみの一つでした。まだ暑いせいかこの日は席がちょうど埋まるぐらいの人出で、裂石で降りる人も意外に多くて、それがちょっとした驚き。特に裂石から上日川峠の道って久しく歩いていないけどなかなか良い道なので。

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(六本木峠)

そんな訳で標高が高い所だし曇っていたので少々寒さを感じながらのスタート。六本木峠を目指しましたが、途中の岩場では久しぶりにキシャヤスデがうじゃうじゃ。今年は方々で大発生している情報が流れているので先が思いやられましたが、この後にヤスデを見かけることはありませんでした。

この日は台風が近づいていたのでずっと曇りのままか、と思っていたら六本木峠を過ぎた辺りから晴れてきたのは嬉しい誤算。晴れると少々暑くなってきますけど、おかげで気分は上々で柳沢峠から一時間弱で横手山峠に着きました。

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(横手山峠からまずは一番北の巡視路を行き・・・)

さてここから直接黒川山へ向かうのが普通でしょうけど、コース的に時間に余裕がありまくりなので(笑)まずは北の巻道経由で鶏冠山へ。

北の道は初めてでしたけど、東京都の水源林らしい素敵な自然林を愛でつつ歩けたのは目論見通り。ちょっと遠回りでしたけど、次の機会に恵まれたときはツツジの時期に歩いてみたいですね。

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(鶏冠神社)

峠から小一時間程で鶏冠山と黒川山の鞍部に着くと、さすがにここからは人出が多くなります。それでも鶏冠山の方はタイミングが良かったのかなぜ貸し切り。奥多摩方面はまだ雲がかかっていたものの展望は良好で、大菩薩を北から間近に見るのもかなり久しぶりでした。

あと周囲の岩場に生えるツツジの類も色づき始めていましたけど、今年の紅葉はどうでしょうねぇ。近場に関して言えばこれから気温が急激に下がってくれないと、ちょっとというか今年もあまり宜しくないような気もしますけど。。。

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(周辺のツツジ類は色づき始め)

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(見晴台からは意外や南ア全山見えた・笊から塩見辺り)

心ゆくまで休んだら来た道を戻り、今度は黒川山の展望台へ向かうと、ををを・・・雲が多めながらも南ア全山が姿を見せてくれたのは久しぶりでこれは嬉しかったなぁ。

ただお昼時と言う事もあって後からハイカーが続々と上がってきたので、キリの良いところでおいとまして横手山峠に戻り、黒川金山跡へ向かいました。

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(巡視路には珍しい馬頭さま)

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(寺屋敷尾根の大ミズナラ)

峠周辺は植林帯だったものの、しばらく行くといかにも水源林らしい自然林に変わって楽しくなってきます。この辺りはミズナラの大物が目立ちますね。あとこの金山への道は古道だったようで、巡視路にはかなり珍しい馬頭さまが祀られていたのが印象的。

あと↑↑の大ミズナラの山門も前に訪れた時には完全に見落としていたのでした(汗)。

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(黒川金山跡循環歩道は通行止のようです)

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(循環歩道下端の分岐はカツラの林)

ノゾキノタワを越えてひと下りすると、ようやく黒川金山の上の分岐に出るのですが、前に歩いた循環歩道の方はどこがで荒れているらしく通行止め。

なので歩いたことのなかったショートカットの方を下って循環歩道の下の分岐へ下ると、一帯がほのかに甘い香りの漂うカツラの林。この辺りはカツラだったのか。。。これも葉のある時期に訪れたからわかったようなものだし、カツラは先週見られなかったのでこれも嬉しい誤算でした。

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(カツラの落葉・すでに色づき始めている)

ここまで来たら後はなおも下るだけ、ではなく道は一旦大高巻きをしてから黒川橋へ下る段取り。途中の分岐もまだ小さい道標が残っているのでおそらく見落とすことはなさそうです。

分岐を過ぎればここでようやく黒川橋へ向け急降下。三条新橋(ちなみに泉水谷林道は車両通行止め)に出たら、これまた久しぶりに丹波のバス停を目指して青梅街道をひたすらに歩いたのでした。

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(これも見落としてました・5m弱のケヤキ)

今回登りは楽させてもらいましたが、懸案となっていた1000m超の下りをノントラブルでこなせて、ちょっと自信がつきましたでしょうか。でも水源林はいつ歩いても楽しい。贅沢言えばもう少しお花が欲しいけど(笑)、それでも今回はミズナラを中心に見落としていたおおものとの出逢いも多く、そちらの収穫も多かったのでホクホクでした。いい事があると不思議とそれが連鎖するんですよね~。(^^)
 
・・・・・☆
 
◆ 2012.09.27 (Sat)   曇 後 晴
塩山駅 08:30→ 柳沢峠 09:20/09:25- 六本木峠 10:05- 横手山峠 10:35- 鶏冠山 11:15/11:25- 見晴台 11:35/11:45- 横手山峠 12:05- ノゾキノタワ 13:05/13:10- 黒川橋 14:30- 三条新橋 14:45- 丹波BS 16:00
 

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2012.09.24

小金沢流域にもこういう所が・・・

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(小金沢シオジの森のひとコマ)

まだ残っていたのですね!
ということで先の土曜(09/22)はリハビリを兼ねて大峠から雁ヶ腹摺山~大樺ノ頭~シオジの森~大峠の周回コースをのんびりと歩いてきました。

そおいえば雁ヶ腹摺山って前に中双里から吹切尾根を登り、大樺尾根を下降して以来を丸6年ちかく訪れていなかったのでした(笑)。登山道はもちろんのこと、久しぶりとなる大峠への道すがらもご多分に漏れずスズタケの枯死がすすんでかなりスッキリしている印象です。

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(ヤマトリカブト)

そう言う訳でお花はあまり期待していなかったのですが、それでもシロヨメナにヤマトリカブト、カメバヒキオコシ辺りはさすがにすぐに出てきて、そんな再会に喜びつつゆるゆると登っていきます。

あとこの日はガスっていたおかげか、人通りの多い道の荒れた感じがうまく包み隠されていてなかなか素敵な雰囲気。吹切尾根と合流した辺りは尾根も広がって、ここは短い登り区間のハイライトでしょう。

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(雁ヶ腹摺山山頂周辺の黒木林)

吹切尾根と合流すると最後の登りに変わってあっけなく雁ヶ腹摺山直下の草原に飛び出しました。けどこちらもお花が減っていてマルバダケブキやノハラアザミ、タムラソウ、アキノキリンソウがぽつぽつ。

運が良ければ・・・と思っていたマツムシソウは見つからず、もしかするとこの草原では絶えちゃったのかも、と思ってしまいましたが実際はどうでしょうか。

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(大樺ノ頭、北方向に私製の道標ができていた)

さすがにこの天気では訪れる人もほとんどいない山頂で少し休んだら、大樺ノ頭へ向かいます。

山頂直下のコメツガがメインな雰囲気のある黒木林は案外短く、じきに小金沢流域でお馴染みのカラマツ植林に変わっるのはわかっちゃいるけど、ちょっとガッカリ。それでも久しぶりに歩いてみると、道中黒木の林が思いの外残っていて、決して悪くない雰囲気でした。

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(シオジの森への下りしな)

こちらも丸6年ぶりな大樺ノ頭も周囲のスズタケが枯れた以外あまり変化はなく、北方向には前にはなかった私製の道標がつけられています。

前に大樺尾根を降りた時、大樺ノ頭からはスズの藪だろうという事前の予想が外れて途中まで明瞭な道がつけられていたことに本当に驚いたのですが、この道がシオジの森の整備絡みの道だとわかったのはそれから3年ほどの後のこと。それ以来懸案とはなっていたんですけど、まさかリハビリという形でここを訪れる事になろうとは。。。

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(オノオレカンバ)

さっそく下降を始めると、道はさすがに当時よりは荒れてきてはいますけど、普通に明瞭。黒木林を抜けるとまたまたカラマツ植林と自然林に分けられた中を行くようになります。

自然林側の方はミズナラにダケカンバの立派大木も目についてなかなか良い感じ。当時は余丈のスズタケの密藪だった周囲も今は枯死が進んで少々不気味かも。

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(水平道分岐を過ぎると林相がより良くなる)

下るにつれブナが目に入ってくるようになると大峠への近道でもある水平道との分岐に出たのですが、なぜか水平道の方は通せんぼされていました。おそらく途中で崩落でもあるのでしょう。

ここはなおも直進するように下るとじきに道は尾根から外れて、まこと美しい自然林の中を急降下。こんな林が小金沢流域にもう少し残されていたならこの辺りももう少しは訪れる気になるのになぁ。。。

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(小金沢シオジの森のひとコマ・Part2)

下って下って足下に小金沢林道がちらちら見えるようになると、沢に近づいて周囲の木々がシオジ、サワグルミなどの渓畔林に変わってシオジの森の下端の分岐に到着。林道はすぐ下のようなので、ここから沢沿いにつけられた道を登り返します。

ここからがシオジの森の核心部で、道中は3m級の立派な木も目立ってこちらもなかなかの美林帯。苔むした岩を見つつ行く感じは酉谷をちょっと想起させますね。(^^) ただなぜかカツラが見当たらなかったんですけど、単に見落とした可能性もなきにしもあらずな訳で。。。

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(ダイモンジソウ)

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(水平道は東京都の水源林巡視路を彷彿とさせる感じ)

そんな一角で、というより誰も来ないだろうからと結局道の上でのんびりランチをとって、それからひと登りで先ほどの水平道と合流。大峠方面に通せんぼがないのでおそらく問題なく行けるのでしょう。

ということでさっそく水平道を行くと、自然林の中をしっかりした道が本当に水平に延びていて東京都の水源林巡視路のよう、というかもう既にそのものでしょう(笑)。

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(枝折れながらも5mオーバーのミズナラ)

もちろん先を行くとカラマツ植林も絡んできますけどそう多くない感じだし、立派な木々も散見されて林相も良い。

そして、なによりお花もまだまだ咲いていて、ダイモンジソウにレイジンソウ、キオン。サラシナショウマにも逢えたのはかなり嬉しかったです。

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(シロヨメナ)

水平道はトラバース道であるが故に想像よりも長い感じはしましたが、微妙に登り勾配になって周囲に黒木が混ざってくるとそろそろ大峠も近しのサイン。まもなく大峠について無事にリハビリを終えることができました。(^^)

もうここでは何遍も言ってますけど小金沢の流域って本当にカラマツ植林ばかりで食指がなかなか動かない山域なんですけど、林道にもほど近い一角にこれだけの自然林が伐採を逃れて残っている理由って一体何なんでしょうね。とにかく整備されるぐらい貴重な所であるのは間違いないし、大峠発で雁ヶ腹摺山と絡めた周回コースを組めるのも魅力。なんか酉谷が恋しくなってきましたよ。
   
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◆ 2012.09.22 (Sat)   曇(一時 晴れたり降られたり)
大峠 07:55- 雁ヶ腹摺山 09:05/09:25- 大樺ノ頭 10:15/10:25- 水平道分岐 11:25/11:35- シオジの森下端 11:55-(休憩70分)- 水平道と合流 13:35- 大峠 15:20
 

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2012.07.20

久しぶりの山は、南大菩薩のお花見

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(牛奥ノ雁腹摺山北西尾根の道すがら)

いやぁ、公私ともにいろいろあって久しぶりの更新。一ヶ月半振りにようやく山歩きができましたわ。(^^)

山歩きができないうちになんと梅雨明けまでしてしまったので、とりあえず無理なく、それなりに涼しく(笑)それなりにお花のあるところということで、牛奥ノ雁腹摺山から米背負峠まで大菩薩の主稜線をお花の様子見を兼ねて歩いてきました。

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(北西尾根登山口はこんな感じだが道標はない)

ということで甲斐大和からのバスもかなり久しぶりに乗ったのですが、こちらもご多分に漏れず山ブームのせいか顔ぶれが若くなってるし、バスも一応全員着席できるようにしているみたいですね。でもなぜか続行便の方が早く出るのは以前と変わらず(笑)ギリの電車で出たのは正解でした。

サラサドウダンももう終わっているので、今回は小屋平ではなく手前の大菩薩湖入口でバスを降りてスタート。まずは1kmほど県道を歩いてから日川林道に入り、東へ戻るようにトラバース。林道端に咲くノコギリソウの姿に驚きつつ、やがて登り勾配から下り勾配に変わるとまもなく雨沢を渡って、次の尾根が目的の道が通っている牛奥ノ雁腹摺山北西尾根。登山道は木段から始まっていて見た感じキッチリ整備されている様子ですが、なぜか周囲に道標はありません(笑)。

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(何か曰くありげな大岩も・・・)

なにぶんこの周辺は主稜線の日川側・小金沢側どちらにしてもカラマツ植林が大半で、尾根の様子はあまり期待していなかったんですけど、実際歩いてみると尾根はカラマツ植林と自然林(厳密に言うと二次林)に分けられていて、雰囲気は意外に悪くないなぁ、と言った印象。

そして尾根の中間辺りでは↑こんな曰くありげな大岩が尾根を塞いでいて、それを左から捲いて岩頭に上がると、そこからは雄大な展望を楽しめる好スポット。ガスが上がる周囲の山山を眺めるのもなかなかオツでございます。

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(北西尾根上部のシラベ林・倒木まで綺麗に囓られまくり)

その岩頭から一旦緩く下って、登り返すと周囲は一面立ち枯れた黒木の林で一瞬縞枯れ??とも思ったんですけど実際はシカに囓られて枯れていたのでした。

この先はまだ生きてはいるものの囓られた姿が痛々しいシラベ林が続いて、ここも後数年で丸裸になりそうだなーと思いつつ登り切るとあっさり牛奥ノ雁腹摺山に到着。のんびり歩いても大菩薩湖から100分ほどで牛奥雁に上がれるこのルートはバス利用でも十分使えることがわかったのは収穫で、このルートはこれからいろいろと使えそうです。

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(賽ノ河原への下りしなより・右手の富士がわかるでしょうか?)

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(カイフウロ)

牛奥雁はほぼ素通りな感じで主稜線を南下すると、さっそくお花が出てきます。キンポウゲ、ニガナ、シロバナニガナ、そしてなぜかフライング気味なカイフウロ。年々お花が減って淋しくなっているのはしょうがないけど、それでもまだまだ見られるので良しとしましょう。

そしてこの頃には雲も切れて晴れてくれたわけですから、稜線歩きは楽しいし、風が強いおかげで意外に涼しく快適そのもの。ルンルン気分で歩けます。

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(黒岳直下の広葉樹林)

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(ヤハズハハコ)

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(白谷ノ丸周辺・お花はまだこれから)

1時間ほどで出た白谷ノ丸も夏の花はまだこれからで、前述のお花にウスユキソウにノアザミ、ハナチダケサシ、ヤハズハハコ、イワキンバイ、ネバリノギラン。まだまだ蕾のお花が多いです。

今回結果として良かったのが白谷ノ丸でちょうどお昼どきだったということ。風が強かったので場所には気を遣いましたけど、足下に広がる展望を楽しみつつランチをとれるのはやっぱり良いですね。ここより下は気温が一段高くなるので、ホントここはそう言う意味でも適地だと思います。

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(イワキンバイ)

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(ウスユキソウ)

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(湯ノ沢峠の草原)

久しぶりに1時間ほどのんびりしたら腰を上げて主稜線をなおも南へ。白谷ノ丸から先は一気に標高を下げるせいか、お花が徐々に増えてきますが、同時に暑くもなってきます。

30分ほどで湯ノ沢峠に降り立つと、ここから人とポツポツすれ違うようになります。昨秋の台風で止まっていた峠に通じる林道もすでに開通しているようですね。ここで今年は完全に無理だと思っていた名残のサンリンソウに逢えたのはラッキーでした。

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(アヤメ・数は極少)

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(ニガナ)

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(ハナチダケサシ)

そして峠からひと登りして大蔵高丸に出るとお花は種類も量もより増えて、ここで前述のお花にプラスしてアヤメにシモツケ、ヨツバヒヨドリ、ヤマオダマキが登場。

でもこの日のお目当てだったシモツケソウは1週間早かった。シモツケソウが咲くと草原が一気に華やいでなんとも夏らしくなるんすけどねぇ。。。

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(ハマイバ丸より下ではフジイバラが満開)

しかし今年は木の花がイマイチなせいか道中見かけたサラサドウダンやニシキウツギは残花/落花ともに少なく、ニッコウナツグミも花はかなり少なく、淋しい状態。

でもハマイバ丸を過ぎると俄然増えてくるフジイバラの方は普通に満開でした。お花自体は地味ですけど、これだけ咲いているとやはり壮観で足下の花の少なさを十二分にフォローしてくれました。

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(天下石への下りしなより・大谷ヶ丸の奥の富士がわかるでしょうか?)

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(スズタケが一斉に枯れ始めている・米背負峠への下りしな)

牛奥雁から続いた草原歩きも天下石を見るとようやくおしまい。あとは米背負峠へ向かって下山するだけなのですが、う~ん、峠への下りしなのスズタケがとうとう枯れはじめていました。

えーと近年スズタケの枯死は「シカが葉を食べ尽くしたから」という説がまことしやかに流れていますが、ボクがここ10数年この近辺の藪山で見続けてきた感触ではそれは明らかに間違いだと思っています。その一つの証拠がコレ↑↑。やっぱりスズが丸裸になるのは「食べ尽くされる」のではなく「枯れる」のです。もちろんシカがスズの葉を大量に食べることによって何らかの「スズタケが落葉して枯れるメカニズム」が働くのだと漠然と推測してはいますけど。

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(米背負沢の登山道は改修されて歩きやすくなった)

あと米背負峠周辺のブナは今年はほぼ無傷で、ブナハバチはほとんどでなかったようですね。米背負沢の登山道も改修が入ったようで歩きやすくなっており、全くの初心者でなければ今のところは問題なく歩ける状態になってます。

ごく普通に見られるコアジサイも今年初で、米背負沢で見かけた時は嬉しかったな~。さすがに一月半振りの山歩きのせいか翌日は結構な筋肉痛になっていましたけど、やっぱり山歩きは楽しい。久しぶりに歩いて心底そう思いましたわ。
   
・・・・・☆
 
◆ 2012.07.16 (Mon)   晴
甲斐大和駅 08:10→ 大菩薩湖入口 08:40- 北西尾根登山口 09:20- 周囲の開けた露岩 10:00/10:10- 牛奥ノ雁腹摺山 10:25- 黒岳 11:30- 白谷ノ丸 11:40/12:45- 大蔵高丸 13:40/13:55- ハマイバ丸 14:35- 米背負峠 15:25- 大蔵沢二号橋 15:55- 日川渓谷レジャーセンター 17:00
 

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2012.05.10

緑華やぐ、お坊山~滝子山

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(お坊山東面径路のひとコマ)

GW前半は連荘できたものの後半は不安定な天気が続いて、結局お山は天気が安定した5日のみ。GWと言う事もあっていろいろ候補があった中から選ばなければいけなかったので、かなり迷った末に決めたのが久しぶりとなるお坊山と滝子山でした。

今回は笹子駅から大鹿沢峠みちとお坊山東面の径路をぐるりと辿ってお坊山へ。それから稜線を北へ曲り沢峠まで行ったら南のスミ沢におり、スミ沢の1230m圏二俣中間尾根を登り返して滝子山へ上がり、南尾根(寂しょう尾根)を下降して笹子駅に戻るコースを組んで歩いてきました。

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(芽吹く浜立尾根・大鹿峠の登山口より)

この日はGW後半唯一の好天とあって少し早めでも笹子駅は結構な人出。笹子は四方を山に囲まれているので駅から歩き出すとそれなりバラけるものの、やはりかなりの人が滝子山へ向かうようです。ボクも今回は方向が一緒なのでまずは新緑愛でつつ大鹿沢の林道をてくてく。

小一時間程でスミ沢コースの登山口である道証地蔵を過ぎると、当然ここからは一人旅。お地蔵さまから10分ほどで大鹿峠の登山口に着いたのですが、今の時期芽吹きに新緑が見事ですね。特に↑↑浜立尾根の存在感はいつ見ても圧巻です。

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(ルイヨウボタン・これもかなり久しぶり)

さてこの大鹿峠みち。実はここを歩くのは初めてで、この辺りは林道が出来て以降つけ替えられたのでしょうかね。のっけから新緑眩しい雑木林の道が素晴らしく、思わずほくそ笑んでしまいます。

そして足下には決して多くはないもののお花もぼちぼちあって、ヒトリシズカにフデリンドウ、ニリンソウ、ヨゴレネコノメ、ツルキンバイ、ミツバコンロンソウ。そしてそして少し早いかもと思っていたルイヨウボタンも咲いていて狂喜してしまいました。こやつは滝子山で見かけて以来5、6年ぶりの再会でしたので。。。

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(こちらはいちおう大鹿峠みち)

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(ミツバコンロンソウ)

今回この大鹿峠みちを訪れたのは、何を隠そうこの峠みちとお坊山東尾根の間に径路が通っていることを新しい松浦本で知ったからなのですが、お坊山東尾根のあの雑木林を知っている人であれば、おそらくピンと来るでしょう。

そのお坊山東面径路の詳しい概要は本を見ていただくとして(笑)、大まかに言うと今回は峠みちを二番目のベンチまで上がってから、東面径路に入ってふた登りぐらいしてでる分岐を今度は左に入って、山腹を東へトラバース。お坊山東尾根の登山道に出るというU字コース。

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(お坊山東面径路のひとコマ・Part2)

二番目のベンチからワクワクしつつ東面径路に一歩足を踏み入れてみると実際は想像通り、ではなく、新緑の時期の好天と相まってその佇まいは想像以上。これはお坊山の一番美味しいところを贅沢に味わえる好コースですね。いやぁ参りました。

というかお坊山東尾根の上部の道が整備されてすでに10年以上経っているのですが、この東面径路も「込み」で整備されていたのですね。

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(すみ沢を繞る山稜と滝子山・お坊山のジャンクションピークより)

お坊山東尾根に出ても素敵な雑木美林は東峰まで続くのでまだまだ楽しめます。(^^)

のんびり登って20分ほどで東峰に着いたら、天気も良かったので久しぶりに西峰にも寄ってみましたが、周囲の灌木が育って展望も少し楽しみづらくなってきましたね。

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(タチキランソウ)

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(芽吹く稜線・曲り沢峠への道すがら)

そんな西峰からジャンクションピークに戻ったら一旦大鹿峠に下り、次は曲り沢峠を目指します。

お坊山東面の山肌を覆う新緑はもちろん素晴らしかったけど、この稜線の新緑もまた素晴らしい。ミズナラの芽吹きにブナはすでにこの標高でも新緑。花は少なめながらもミツバツツジが彩りを添え、こちらもまた佳き道のりでした。

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(曲り沢峠からスミ沢へ下ります)

途中のヒミツの場所でランチをとって曲り沢峠に着いたら、峠から南のスミ沢へ一旦降りるのですが、この曲り沢峠とスミ沢を結ぶ道も実は初めて歩く道。こちらはカラマツ植林が主体でしたけど、それよりこちら側から浜立山へ突き上げる尾根がかなり美味しそうに見えます。

でも今回歩く尾根はそのお隣の尾根で(笑)、じきにスミ沢の登山道と合流したら対岸に見えるのが目的のスミ沢1230m圏中間尾根。お坊山から見えていたので覚悟はしていたものの、こちらはのっけからカラマツ植林。

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(コガネネコノメ)

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(スミ沢1230m圏二俣中間尾根・ウラジロモミの緩斜面)

エイザンスミレで埋まる斜面を藪を避けつつ慎重に登って尾根上に上がると、しばらくはすっきりしていたもののじきに灌木の藪のお出まし。それでも藪は適度に疎なのでそれなりに歩きやすかったのが救いです。

そんな藪を分けつつ登っていき、尾根が緩むと突然藪が途切れてスッキリしたウラジロモミの林に変わってホッとしたのやはりつかの間。また同じようなカラマツ・アカマツ植林に戻って灌木の藪が続きます。

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(この日の「おおもの」は5mほどの大ミズナラ)

なので途中で↑こんなおおものがいたのには驚きました。かなりの老木というかもう相当弱っているので、すでに時間の問題なのかも知れないけど、だからこそあなたに逢えて良かった。

あとは急になった尾根をひたすらに登り詰めると、さほどの時間もかからずに滝子山の稜線に飛び出しました。

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(滝子山より)

滝子山は人が多いのでわざとズラして訪れてみたものの、この時間でも10人近くのハイカーが思い思いに休んでいたのはさすがですね。

ボクもあとは笹子へ降りるだけなので久しぶりに山頂からの展望を楽しみつつのんびり。この時間でもまだハイカーが上がってきます、というよりコレはおそらく北からの縦走組なのかも、と今この記事を書いていて気がついたのでした(笑)。

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(滝子山南尾根・ミツバツツジが中腹以上で盛りだが、花は少ない)

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(露岩より南尾根を見下ろす)

心ゆくまで展望を楽しんだら、来た道を戻って南尾根に。今回はミツバツツジの状況を見たくて南尾根を降りたのですが、さすがにこちらも花付きは良くないものの、それなりの数があるので意外に楽しめました。

たたこちらの尾根はご存じの向きも多いでしょうけど、岩場が続いて下降は全く推奨されておらず、要は悪い子なんですね。

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(南尾根中腹辺り)

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(ミツバツチグリ)

それでもこの尾根は登りに採るなら雑木に自然林に岩場にお花にとバラエティに富んだ好ルート。イワカガミもすでに葉は緑に変わっていて、あと三週間もすればもうお花が咲き出すんですよね~。

そんな様子に今年のイワカガミはどこへ見に行こうかなとフト思いつつ、笹子駅へ向かったのでした。

・・・・・☆
 
◆ 2012.05.05 (Sat)   晴
笹子駅 07:40- 道証地蔵 08:30- 登山口 08:40/08:45- 最初のベンチ 09:10- 次のベンチ 09:40- お坊山東尾根に上がる 10:25- お坊山東峰 10:55- 西峰 11:05- 大鹿峠 11:25-(途中休憩40分)- 曲り沢峠 12:40- すみ沢コースと合流 13:00- 稜線に上がる 13:50- 滝子山 14:10/14:35- 南尾根登山口 16:00- 笹子駅 16:30
 

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2012.05.04

浅川峠を「越えて」権現山へ

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(新緑の浅川峠みち・アセミ沢出合附近にて)

今年のGW前半は好天が続きましたね。ということで川苔山の翌日の日曜(04/29)も連荘でした。当初は丹沢方面の予定だったんですけど寝坊してしまって、遅出でもOKなまたまた権現山周辺。

今回は浅川スタートで浅川峠~曽倉山に上がり、曽倉山東尾根を下降。アセミ沢(日本山岳案内ではアゼミ沢)出合に出たら棚頭の亀石を鑑賞して、それからアセミ沢を少し上がって曲り沢(日本山岳案内ではノンダ沢)左岸尾根を登り返して権現山・・・は結果パスして(笑)、稜線を西へ麻生山まで行き、長尾根を少しだけヒネって降りて駒宮に出るコースを組んで歩いてきました。

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(曽倉山より、バックは扇山)

そおいや4月は結果として二週間隔で浅川行きのバスに乗ったことになるのですが、4月の頭は客が3人しかいなかったバスも乗る度に3倍増える形で(笑)この日はGWという事あって満員御礼。しかし凄い増え方だわ~。そんな訳で浅川に着いたらさっさと歩きだし、新緑眩しい中をせっせと登ってまずは曽倉山を目指します。

しかし前の週は冬のカッコでも充分だったのに、晴れたのは良いけどいきなりの暑さは参りました。少々へばり気味で曽倉山に着いたら水をガブ飲みしてさっそく東尾根の下降に移ります。

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(曽倉山東尾根中腹以降は急降下がひたすらに続く)

のっけは間伐された植林とアカマツ混じりの雑木林に分けられた広尾根で、灌木が若干邪魔なもののルンルン気分で下れる感じでしたが、それも徐々に急になっていき、750m圏以下は急降下がひたすらに続くうようになっていました。

その上尾根は変わらず広いので下降はちょっと技倆を要するレベルですけど、間伐のおかげでもしかしたら意外に判断しやすいのかも。そして足下に左・イチザカ沢と右・ヨシミ沢の流れが見えようになると左手から明瞭な仕事道が合わさって、まもなく出合に着地。

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(棚頭の亀石・親亀、子亀と亀石神社)

左のイチザカ沢の対岸に薄い浅川峠みちが通っているのが見えたのでそっちに移って下り始めると、すぐ先がアセミ沢の出合で目的の亀石はそのすぐ先に見えていました。

亀石の周辺は近年??整備されたようで随分スッキリした印象で、まずは奥の亀石神社に参拝。それから亀石とご対面しましたが、確かにこの石の色は周囲の地質とは明らかに異質で、そういう対象になるのも不思議ではないなとそのスジはまったくの藤四郎なボクでも納得の存在感ですね。ちなみに亀石についてここで記すのは面倒なので <(_ _)> 興味のある方は新しい松浦本(バリエーションハイキング)を読んで頂けたらと思います。

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(アセミ沢・出合附近は雰囲気も良かったが・・・)

ここから登り返しが控えているのでパンを食べつつ小休止したら次はアセミ沢に入り、曲り沢左岸尾根末端の延びるの曲り沢出合へ向かいます。

アセミ沢は最初こそちょっとした滝登りがあったりとなかなか楽しかったのですが、奥へ行くにつれ植林の倒木が煩くなって、、う~んこれはちょっとイヤらしいなと思い始めたら曲り沢の出合に到着。尾根末端は先ほど下った曽倉山東尾根と同様にかなり急でちょっとイヤになりかけたものの、気を取り直して左岸尾根に取り付きました。

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(曲り沢左岸尾根・植林下の登りがひたすらに続く)

曲り沢左岸尾根は下りの曽倉山東尾根の様子や地形図を見る限り、植林主体の尾根かな~?と言う予想は当たって、のっけはヒノキ植林下の登り。でもこの日は暑かったので日差しが完全に遮られる植林は却って助かりました。これで雑木林の登りだったら、まだ暑さに慣れていない身ではかなりしんどかったかも。

それがしばらく登るとアカマツ混じりになって尾根上が明るくなると、灌木低木の新緑に足下にはスミレがちらほら見かけるようになって、決して悪くはない道のり。

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(オカスミレ)

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(植林が切れると急登が続く)

急登の始まる手前、おそらく920~940m圏辺りだと思うんですけど、ここで尾根を左に外れる明瞭な径路が延びていたのが少々気になりました。

そしてアカマツ植林がようやく切れると扇~権現の吊尾根へ向け最後の登り。かなり暑いし、尾根は急だし、半端に蔓延る灌木が少々邪魔でしたが、足下にはスミレの類が意外に多くてそれなりに楽しいところでもありました。

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(エイザンスミレ)

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(バテて権現山はやめてしまいました・・・;;;)

登って登ってようやく吊り尾根に出たら、権現山まではもうひとがんばり。10分ほどで分岐に上がりましたが、GWのせいか行き交う人は多いし、暑くて少々バテ気味だし・・・としばらく悩んだんですけど、やっぱり面倒になって権現山はパス。

権現山に寄らないなんてちょっとタイトルと違うんじゃないのん?と思われる向きもありましょうが(笑)、直下までは来たので今回は勘弁してくださ~い。

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(アケボノスミレ)

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(稜線<権現尾根>もカラマツは芽吹き始めた)

ということで過去二回の山行きでここならのんびり休めそうだというヒミツのポイントを見つけていたので、とりあえず稜線(権現尾根)を西に行って、そこでランチ。にしたんですけど、暑さのせいなのか連荘のせいなのか、食後にちょっと休むつもりが小一時間も熟睡してしまいました。

今回は帰りが猿橋駅まで徒歩になっても麻生沢を下るつもりでいたんですけど、目が覚めたらドッと疲れが出てその気もなくなり、結局今回も長尾根を下ることに・・・(;^^A

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(ミツバツツジ)

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(カメラに収めるためにいろいろイジってゴメンね)

長尾根も二週おきに通っているといろいろと変化があって楽しいですね。ここでようやく今年初となるマトモなミツバツツジに逢えましたし、芽吹きは尾根上部、新緑はそこからさほど下らないうちに始まっていて、サクラの花もこの辺りまで来ていました。

おかげで今年は早々とオオヤマザクラを見られたし、足下のスミレも花盛り。とはいえこのまま長尾根を下るのもあんまりなので、今回は長尾根の登山道が一旦主尾根から外れた所で、その外れた枝尾根を降りてみました。

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(長尾根を外れた枝尾根でも明瞭な道形がついていた)

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(イカリソウ・なぜかかなり久しぶり)

尾根を外れた当初こそ急な広尾根でしたが、ひと下りすると使われなくなって久しいながらも明瞭な道形が現れたのは意外で、これはかつての登山道だったのか、それとも尾名手峠越えの径の一つだったのか。その道形を追うとさほどの時間もかからずに麻生沢の林道に降り立ちました。

こちらに降りたのはヤマルリソウお目当てだったんですけど、ありふれた花の筈なのに久しく見ていなかった↑↑イカリソウに逢えたのがこの日のお花では一番嬉しかったことかも。

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(麻生沢の林道・駒宮登山口の直前で崩落していた)

あとは林道をそのまま下るだけなのでお気楽に歩いていたら、なんと駒宮の登山口に出る直前で道が崩落していて驚きました。去年の今の時期は全く問題がなかったのでおそらく昨秋の台風の影響でしょうか??

ただ崩落の規模は大きいし、地面もかなり柔くなっているので、無理なトラバースは滑落の危険・・・と言うより本当の蟻地獄になってしまうので(笑)ここはしっかり高捲きましょう。実際それなりの踏跡もついているようですし。

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(麻生沢を繞る山稜・左 鋸尾根、中央が三ッ森、右 麻生山と長尾根)

ということで思いもかけない所で高捲きをこなしたら、新緑眩しい駒宮の集落を通り抜けてバス停へ向かったのでした。

・・・・・☆
 
◆ 2012.04.29 (Sun)   晴 時々 曇
猿橋駅 08:18→ 浅川 08:55- 浅川峠 09:30- 曽倉山 09:45- 棚頭の亀石(アセミ沢出合)10:20/10:30- 曲り沢(ノンダ沢)出合 10:45- 吊尾根に出る 12:10- 権現山~麻生山の稜線に上がる 12:25-(途中休憩70分)-麻生山 14:20- 長尾根外れる 15:05- 麻生沢の林道 15:20- 富岡 15:45
 

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2012.04.18

今度はオクノ沢ノ嶺を南から北から

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(尾名手川のひとコマ)

う~ん。↓下の記事でも書きましたけど土曜の天気が本当に恵まれなくて、土曜オンリーな道志行きのバスに乗れないのがかなりツラいですワ。とはいえお天道様には逆らえるわけもありませんですから、いろいろ考えてしまうんです。

なので今週は二週前に歩いた権現山の北面のお隣でも・・・ということで今回(04/15)も浅川スタートでオクノ沢ノ嶺(1252m)南尾根を登路にオクノ沢ノ嶺に一旦上がったら、白矢ノ沢左岸尾根を下降。白矢ノ沢出合に降りたら尾名手川をトバノ沢出合まで遡り、今度はトバノ沢左岸尾根を登り返して稜線に上がって、あとは麻生山~長尾根を下るコースを組んで歩いてきました。

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(オクノ沢ノ嶺<1252m峰>南尾根中腹辺りか)

4月に入ってようやく暖かくなったおかげでしょうか、行きしなの電車もバスも結構な人数が乗っていて、世間的には今年もようやく山シーズンに入ったと言う事なのでしょう。とはいえそんな人出とは裏腹に当初の予報は外れて曇りの中のスタート。まずはオクノ沢ノ嶺南尾根に取り付きます。

南尾根は昨年末以来でしたけど、天気が良くなくて周囲がガスでも雑木美林の尾根は楽しい!というかこういう天気だからこそ林の良いところでないと、楽しみが少なく本当に登るだけになってしまうような気がしますね。

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(オクノ沢ノ嶺西鞍部辺り)

登りだししばらくはガスの中を歩いていたものの天気は一応回復傾向のようで、周囲が何となく明るくなったり、ガスが切れたりを繰り返しながら、登っているうちに徐々に晴れてきました。

登りだしから1時間半ほどでオクノ沢ノ嶺に上がる頃には、対岸の尾名手尾根もうっすら見えるぐらいになっていて、そんな様子に気が急いたか、山頂で休むこともなく今回のメインでもある尾名手川側の白矢ノ沢左岸尾根の下降に移ります。

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(白矢ノ沢左岸尾根・下り出しは広尾根で始まったが・・・)

さてその白矢ノ沢左岸尾根。のっけは少々急ながらも快い雑木林の広尾根だったのが二週前と違う所。これは幸先良いな~と思いながら下るとじきに尾根右手が植林に変わったので、こういう山域だし(笑)これはこのまま下まで行ってしまうのか?

と思ったらその植林帯もじきに途切れたのは意外で、植林が切れてからは露岩に岩屑混じりの痩尾根が続く感じ。藪も薄く若干急ながらもかなり歩きやすかったのはこれまた意外でした。

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(基本的には痩尾根が続く)

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(ヒカゲツツジ・一部咲き始め)

まぁこの山域でこんな様子の尾根なので、もしかしたら・・・と思っていたヒカゲツツジはやっぱりいました。今年はミツバより前にヒカゲ。でもこの標高でも一部が咲き始めで、おそらく坪山も同じ感じではないのかなぁ。。。

この左岸尾根の下降のポイントを思われる980m圏の分岐は尾根が痩せているので、おそらく地形図のイメージで下ると若干面食らうかも。

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(866m峰北鞍部)

それでもこの分岐をうまくく通過すればあとはひたすらに下るだけで、やがて尾根右側が再び植林に変わって尾根が広がると薄いながらもスズタケも現れ、866m峰はもう目の前。

緩く登り返して着いた866m峰の意外な暗さにちょっとガッカリしたものの、それでも先の北鞍部へ降りる箇所の雰囲気がなかなか良かったりするから面白いです。

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(尾名手川・白矢ノ沢出合)

北鞍部を過ぎると尾根は再び痩せてあとは尾名手川へ一直線。末端部が若干しんどい箇所があったものの、さほどの時間もかからずに白矢ノ沢の出合に降り立ちました。

出合に降りて驚いたのが、白矢ノ沢の意外な水量の多さ。雨後のせいとはいえ尾名手川本流とほぼ等量で、出合の周囲は小広くて良い休憩ポイントだったんですけど、帰りのバスの事を考えるとそうゆっくりできないのが辛いところです。

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(フタバアオイ・花は咲き始め)

ということで少し休んだだけで尾名手川を上がって行ったのですが、渓相はなかなか良いですし、周囲は芽吹きも始まってるし、それよりなにより種類は少ないながらもお花が多いのが良いですね。

ハナネコノメは盛りを過ぎて葯のない真っ白な状態になってましたけど、へつりの途中でひとり撮影大会になっていました(笑)。

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(ハナネコノメ・盛りは過ぎているが見事)

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(トバノ沢左岸尾根・登りだしはモミが目立つ)

それでも沢の左岸側が植林に変わると途端に倒木が増えて一気に歩きづらくなり、倒木を潜ったり捲いたりしながら行くと右に枝沢の高い滝を見て、そのすぐ先がトバノ沢の出合でした。

ここも左のトバノ沢が滝になっていて休憩の適地ではあったんですけど、お花の撮影で思いの外時間がかかってしまったので時間的にすぐに登り返さなければいけません。。。

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(まさかこの山域に「おおもの」がいたとは!5m弱の大ツガ)

ということで炭焼跡のある尾名手川側からトバノ沢左岸尾根に取付くと、こちらはのっけはモミの立派な木も散見される雑木林。尾根上には薄いながらもスズタケが被っているもののそれも長くは続かず、藪もじきに切れてスッキリした中を歩くようになります。

それからじきにお隣の白矢ノ沢左岸尾根のような露岩岩屑混じりの痩尾根に変わると、おっとここで想定外な「おおもの」の出現。ドキドキしながら近づいてみると幹周り5m弱の大ツガで、この辺りは基本雑木と植林しかない山域ゆえにこの手の期待は全くしてなかったので、これは嬉しい出逢いでした。(^^)

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(1016m峰には明瞭な捲道が通っている)

この先もずっと同じような痩尾根が続きましたが、1016m峰を前になぜか明瞭な道形が現れたのでコレは何??と思って試しに辿ってみたら単に1016m峰を捲く道でした。それでも下からここまで明瞭な道形は見てなかったので、この道形は一体どこから来ているのでしょう。。。

そんな1016m峰からひと登りすると、地形図通りに尾根が広がって緩い緩斜面の中を行くようになる所がやはりこの尾根のハイライトでしょう。ここでなぜか明瞭な道形が再び現れたので、試しに辿ってみたらいつしか左へトラバースして沢筋へ消えてしまいました。

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(尾根が広がると再び道形が現れた)

でもこの緩斜面の辺りは他にも妙な道形があるし、それに食器なんかも落ちているところを見ると、もしかして昔は造林小屋でもあったのかなぁ?とも思ってしまいましたが、どうでしょう。

そんな事を考えつつ、ふかふかの落葉の尾根を慈しむように登っていくとさほどの時間もかからずに、権現~麻生の稜線に飛び出してしまいました。

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(稜線に出た所・バックはオクノ沢ノ嶺)

稜線に出た所でただちに麻生山へ向かい、麻生山に着いた時点で14時半前。う~ん、これでは帰りのバスの事を考えると麻生沢を下るのは時間的にしんどいのは残念だけどしょうがないですね。もう時刻が変わって久しいのですが、こうなると上和田16時台のバスが30分繰り上がったのが本当に恨めしい。。。

ということで今回も長尾根を下ることにしました。

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(マメザクラ)

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(尾越山の方もご無沙汰してるなぁ・長尾根下部より)

二週間後の長尾根はお花をちょっと期待したんですけど、実際はアレレ?思いの外でした。一番のお目当てさんはいらっしゃったもののスミレの類が本当に少ない。

まぁこの日は尾名手川側の尾根の上り下りで想像以上に楽しんでしまったので、全てを望むのは贅沢というか強欲でしかないですね(笑)。それでも今回は正統に?天神峠経由で下ったのですが、以前は気がつかなかったこととか個人的にいろいろ収穫があって、終わってみればホクホク気分で帰途についていたのでした。(^^)
 
・・・・・☆
 
◆ 2012.04.15 (Sun)   曇 時々 晴
猿橋駅 08:18→ 浅川 08:50- 784m峰 09:20- オクノ沢ノ嶺(1252m峰)10:15- 白矢ノ沢左岸尾根のピーク 10:20- 866m峰 11:20- 白矢ノ沢出合 11:45- トバノ沢出合 12:15/12:30- 1016m峰 13:30- 稜線に出る 14:10- 麻生山 14:20- 天神峠分岐 15:10- 天神峠 15:30- 浅川入口BS 15:55
 

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2012.04.05

権現山周辺を南から北から

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(こちらも雑木の美林が広がる・龍滝沢右岸尾根上部のひとコマ)

さてさて今はミツマタ花期でもあるので「権現山」と言っても本権現(世附権現山)でも前権現(箒沢権現山)でもなくて、去年12月以来となる中央線沿線の権現山の方ですから~。念のため。(^^ゞ

ということで今回は去年歩いたオクノ沢ノ嶺南尾根東隣の龍滝沢右岸尾根を登路に採って権現山に上がり、次は倉宮沢左岸尾根たる権現山北西尾根を下降。白矢ノ沢に降り立ったら少し上がって白矢ノ沢の右俣と左俣を分ける740m圏二俣中間尾根を登り返すつもりが、途中で明瞭な径路を見つけちゃったので(笑)その径路を辿って稜線に登り返し、それから西へ麻生山まで行き、長尾根を下る相変わらずのややこしいコースを組んで歩いてきました。

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(去年歩いたオクノ沢ノ嶺<1252m峰>南尾根を望む)

そおいや前に浅川行きのバスに乗ったのっていったいいつのことだったっけ・・・って思ってしまうほど久しぶりだった浅川行きのバスは、ボク以外にもハイカーが乗っていてちょっとホッとしました。

雲一つ無い快晴のもと、屏風のように広がる南大菩薩の稜線をしばらく眺めてからスタート。じきに龍滝沢右岸尾根尾根に取り付くと、のっけは植林に伐採後放置されて育った灌木混じりな若木の雑木帯が続きます。

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(ゆるゆる歩ける・龍滝沢右岸尾根中腹辺り)

そんな灌木帯も長続きはせず、やがてお隣の尾根と同じような素敵な雑木美林に変わると、ここからが本番。いやぁ、こういう所はいつ歩いても楽しいですねぇ。尾根に緩急がついているところも良いアクセントです。

しばらく行き、尾根が急になると右手が植林になりましたけど、その急登をこなして登り切ると植林はなくなり、今度は露岩混じりの痩尾根を行くようになって、ふた頑張りぐらいで麻生山~権現山の稜線に飛び出しました。

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(権現山より・正面に三頭山、左奥は雲取山)

稜線に出たら少し休んでから権現山へ。しかしこの辺りのバスがみんな遅いせいでしょうか。山頂には誰もいませんでした。でもそれがボクの権現山のイメージでもあるんですよね。

正面の富士は雲がかかっているし、開けた北側も↑↑霞んでもうこんな感じ。南斜面が見えているせいもあるのでしょうけど、雪は高い所を除いてほとんど無い感じです。

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(権現山北西尾根<倉宮沢左岸尾根>1039m峰)

一息ついたら今度は北尾根に入り、すぐ下で分かれる北西尾根を捉えます。分岐附近が急なのを見越して手前からトラバース気味に尾根を捉えたのは安全に行けて正解でした。

しかしこの北西尾根、下り始めるとまもなくアカマツ・カラマツ植林主体に変わって灌木が蔓延ってきます。しかもその灌木は決して濃い訳ではなく、左から右側へ億被さるように延びていてこれが微妙に歩きづらく、少々イラつきました。下ではヒノキに変わりましたけど、尾根自体趣には今ひとつ欠ける感じですね。

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(ヨゴレメコノメ)

そして暗い植林下の意外にしんどい急降下を終えると北西尾根末端、ではなく、ここまで来たらせっかくなので尾根末端の倉宮沢の出合まで降りてみましたが、そこは尾根というよりすでに沢床。間もなく着いた出合でおにぎりを食べたら、今度は740m圏の出合へ向け左の白矢ノ沢を遡ります。

さてこの白矢ノ沢。登りだしこそ倒木に灌木が煩かったものの、時折小滝を交える渓相の意外な良さに驚きました。広い沢床にかき消されているもののどうやら径路も延びている感じ。

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(白矢ノ沢右俣と左俣を分ける740m圏二俣)

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(白矢ノ沢左俣の立派な滝)

そんな様子に気をよくしながらゆるゆる上がって行くと、やがて左から滝をかける740m圏の出合に到着します。エアリアを見る限り右が本谷のようで径路もそちら側に延びているものの、見た目そそられるのはやはり左の方。

なので時間に余裕もあったので試しに左俣に入ってみると、いきなり↑↑8mほどの滝があって大当たり。でもこちら側は斜面が切り立っていて中間尾根には取り付けないので、来た道を戻って右俣に入り、しばらく行った所から上がれそうな斜面を見つけて中間尾根に這い上がりました。

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(白矢ノ沢740m圏二俣中間尾根・アカマツ植林&灌木の藪が続く)

尾根上に上がるとのっけは痩せた岩尾根で足下に先ほどの滝を見下ろしたり、左俣の先を見ることもでき、楽しかったのもつかの間。間もなくアカマツとヒノキに分けられた植林帯に入ると先ほどの径路が右から合わさりましたが、じきに右へ外れてしまったので結局尾根上を辿るしかありません。

尾根上は左側がアカマツのせいでしょう、灌木の藪がうるさく歩きづらいです。でもよくよく考えてみればこんな灌木の藪尾根を歩くなんてずいぶんと久しぶりなんですよね。おそらくアカマツの多い御坂方面へ行かなくなったせいでしょうけど、なんか妙に懐かしかったりして。

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(中間尾根を左右に捲きながら明瞭な径路が延びていた)

それでもそんな植林の無粋な尾根ではじきに飽きてきて、稜線の様子を思い出してみてもこんな状態が上まで続きそうだな~と思い始めたとき、なぜか突然尾根を横切る明瞭な径路に飛び出しました。おそらく1060~80m圏辺りでしょう。

飛び出した当初こそ一瞬判断できませんでしたが、すぐに中間尾根下部で分かれた道だと気がついて、そうと解れば無粋な尾根より行く先の不明な径路の方が面白そうなのは当たり前。さっそく辿ってみることにしました。

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(カラマツ植林を抜けると権現~麻生の稜線は間近)

径路は主尾根から東へぐるりとトラバースするように徐々に上がり、傾斜が緩くなった1100m圏で中間尾根上に戻ってきたのであとはこのまま尾根上を行くのかな、と思っていたらさにあらず。

じきに中間尾根から左(東)へ外れて、カラマツ植林の中またトラバース。しばらくは明瞭だった道も徐々に細くなり、藪も被るようになってきましたけど、道筋自体は明瞭。やがてカラマツ林を抜けて、雑木林の中を行くようになっても道はもまだまだ東へトラバースしながら延びているので、もしやこれは権現山まで行っちゃうの??

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(麻生山をバックに)

とも思い始めたのですが、それからまもなくトラバースからジグザクに上がるようになるとあっけなく麻生山~権現山の稜線上に上がってしまいました。そしてそこから西へ小ピークを一つ越えると朝登った龍滝沢右岸尾根の合流点で、偶然にもちょうど一周してしまったようです(笑)。

ちょうど一周できたところで未踏の尾根探訪はおしまいで、ここからはお花探しがメイン。まず西の麻生山へ向かうと、道中意外にもというかあっさりとマンサクが見つかり、しかもマクロまで撮れて拍子抜け。とはいえこちらも木の割にお花は極少といった感じではありましたけど。。。

B120405m
(山はまだまだ早春の木の花がメイン)

それでも他の木の花は長尾根を下り始めてからで、まずはダンコウバイ。そして中盤にさしかかった所でようやくキブシにアブラチャン。スミレなどの野の花は本当に下の方で咲き始めと言った所。今年はお花が本当に遅いですね。

B120405n
(雑木林が延々と続く長尾根も捨てがたい)

天神峠・駒宮分岐の開けた伐採跡も今は灌木が育って雰囲気が変わっていました。今回は実は未踏だった右の道を下ってみましたがこちらも悪くないですね。それに富岡のバス停に出るにはこちらへ降りた方が近道かも知れません。

そんな訳で意外にあっけなく麻生沢からの林道に降り立ったら、春爛漫の集落を通り抜けて富岡のバス停を目指したのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2012.04.01 (Sun)   晴 時々 曇
猿橋駅 08:18→ 浅川 08:50- 820m圏緩斜面 09:20- 1110m圏尾根の肩 10:00- 稜線に出る 10:20- 権現山 10:35/10:40- 1039m峰 11:10- 倉宮沢出合 11:45/12:00- 白矢ノ沢740m圏二俣 12:15/12:25- 径路横切る 13:00- 稜線に出る 13:25- 麻生山 14:00/14:10- 天神峠分岐 15:20- 駒宮 15:30- 富岡 15:50
 

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