畦ヶ丸から下棚沢を繞る山稜をぐるりと
(畦ヶ丸南東尾根の下りしなより前権現を望む)
さて寒い日が続くようになって紅葉も終盤ですね。そうなるとそろそろ西丹沢が恋しい季節。今回は道志側から畦ヶ丸に上がって南東尾根を下降して前権現(箒沢権現山)まで。それから下棚沢の出合へなおも下ってから下棚沢左岸尾根を登り返して畦ヶ丸に戻るという下棚沢を繞る山稜を周回するコースを組んで歩いてきました。
室久保沢の野外活動センターのから歩き出しって、5年ほど前の奥野歩道を歩いたとき以来だったんですけど、その時もかなり迷った覚えがあって、ちょっとイヤだなぁと思いつつ歩き出したら、やっぱり初っぱなから迷い気味(笑)。それでもそこはエアリアを見つつ、試行錯誤しながらマーキングを追いつつ、今回はなんとか直接忘路峠(青い名称図では犬峠)に上がることができました。
(甲相国境稜線のスズタケも落葉がかなり進んでいる)
上手いこと国境稜線に上がれたらお次は畦ヶ丸へ向かったのですが、稜線のスズタケは思いの外落葉が進んでいる感じで、これではスズの濃い大界木山南尾根辺りも今はどうなっている事やら。
徐々に標高を上げると国境稜線から顔を出すように見えた富士もしっかり見えるようになり、久しぶりのブナ林を愛でつつゆるゆる行くとあっけなく畦ヶ丸に着いてしまいました。今更ながらこちら側から行くと畦ヶ丸はほんとうに近い!
(畦ヶ丸南東尾根のひとコマ)
少し休憩したらここからが今回のメイン。まずは南東尾根の下降で、尾根の下り出しこそスズタケが出てきますが、尾根上の下道は明瞭。尾根は急ながらも比較的判りやすい感じです。
ひと下りして登り返す1040m圏のピークからがこの尾根の一番素敵な所で、畦ヶ丸らしい??立派なブナも散見される自然林の広尾根はさっさと下るにはもったいない。天気も良いし、ここは周囲の木々を愛でつつゆるゆる下るのが相応しいでしょう。
(富士がぽっかり)
(前権現も)
そんな広尾根が終わると、尾根が痩せて植林も交えるようになり、がぜん丹沢らしくなります。
こんな↓↓ザレた鞍部を何度も通りがかるのもさすが丹沢。思いっきり落ちた危険な箇所はなかったんですけど、それでも実際に歩くとなーんかヒヤヒヤするのはなぜでしょう?(笑)。
(こんなザレ場を何度も通るのも丹沢らしい)
(前権現山頂附近のひとコマ)
そんな感じで行くといつの間にやら西沢からの今は廃道となった登山道と合流。あとはひと登りぐらいで前権現かなーと思っていたら、結構なアップダウンで焦りました。尾根は相変わらず痩せてるし、急な箇所もあるし、これで人が多ければともかく、訪れる人も少なければ廃道になるのは致し方ないかなあ、と思ってしまいました。
それでもときおり現れる自然林は見事だし、山頂附近の緩やかな広尾根はおとなりの塩地窪沢ノ頭(1033m・ショチクボノ頭)を想起させる素敵な所。というか相似ですね。
(河内川<中川川>が一直線に見えるのが新鮮だ)
山頂には先客さんがいらっしゃったのですが、山頂から見えたこの↑↑一直線に河内川を見下ろせる光景がなんとも新鮮で心惹かれてしまい、広い山頂ゆえに休憩ポイントは周囲にいくらでもあるのに珍しく山頂でランチと相成りました。
今回はパーティで歩いたわりにサクサク歩けたので、休憩も思いの外のんびりとれて、ちょうど1時間経ったところで再出発。先の分岐まで戻り、右折して廃道となったもと登山道を下ります。
(オオモミジ・盛りは900m以下)
ここから西沢までは植林が多いのかな?と言う予想は外れ、急ながらも雑木の多い道だったのは意外。おかげでこの下りしながこの日一番紅葉を楽しめたところで、紅いのは主にオオモミジ、メグスリノキ、そしてイロハモミジも色づき始め。黄色いイヌブナはなぜか葉がやたらと大きく、これも見事見事。
そんな紅葉を楽しみつつのんびり降りて、分岐から40分ほどでこれまた久し振りな西沢に着地。このあたりは世附からの帰り道にしか通らないのでいつも日陰で暗いイメージがあったのですが、この時分だと日差しもあって明るかったのが妙に新鮮でした。
(下棚沢出合・目の前の尾根が左岸尾根)
(下棚沢左岸尾根のひとコマ)
さて、普段だったらここからひと下りで着く西丹沢自然教室に出て山歩きもおしまい。なんですけど道志発ではそう言う訳にもいきません(笑)。お隣の下棚沢の出合から畦ヶ丸目指して左岸尾根に取り付きます。
周囲の事情がほとんどわからないので左岸尾根末端から無理矢理リ取り付いてしまいましたが、少し苦労して取り付いた尾根を少し行くと左手の下棚沢側から明瞭な道がやってきてガックリ。これは尾根中腹にある植林のための径路でしょうか。
(なんとこの時期にイワシャジン!)
そんなガックリ感も周囲の紅葉や、思いも掛けない滝見に(下棚の落ち口よりすぐ上の滝でしょうか)、その上5年ぶりとなるイワシャジンにも出逢えたりしたことでいつの間にか吹っ飛び、この頃になるとこれはなかなか良い尾根ではないですかーと言い出す始末。
そんな楽しい道のりは911m峰を過ぎてしばらく続き、やがて行きしなからも確認できた尾根中腹の植林帯に入ります。
(911m峰までは紅葉も見頃だった)
ただ植林とは言っても尾根の右側は雑木二次林でそれが救いでしたが、尾根上はアセビが茂って結構歩きづらいですね。
でもそんな植林帯も長くは続かず、尾根上が再び二次林に変わると畦ヶ丸へ向け急登が始まります。
(植林が切れると最後の登りにさしかかる)
最後の急登は確かに急だけど、雰囲気は世附側から尾根を伝って甲相国境稜線へ上がる所に似ていますね。それと道中、伐採された大木の切り株がいくつも残っていたのも印象的。伐採される前は見事な自然林だったのでしょうね。
尾根が急だと確かにしんどいけど効率的に標高が稼げるし、世附のようにスズタケも被らないしで順調に登れて、案外あっけなく善六ノタワからの登山道に飛び出したら、朝来た畦ヶ丸はもうすぐ先。
(モロクボ沢ノ頭への下りしな)
朝と同じく畦ヶ丸の山頂で大休止したら、西日のあたるブナ林の風情を楽しみつつ、この日の歩きを反芻しつつ、帰路についたのでした。
・・・・・☆
◆ 2012.11.25 (Sun) 晴
横浜市野外活動センター 06:55- 忘路峠(犬峠)07:45- 畦ヶ丸 08:35/08:50- 1079m峰 09:35- 登山道合流 10:05- 前権現 10:25/11:25- 下棚沢出合 12:30- 911m峰 13:20- 畦ヶ丸 14:45/14:55- 忘路峠 15:25- 野外活動センター 16:00
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