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2012.07.20

久しぶりの山は、南大菩薩のお花見

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(牛奥ノ雁腹摺山北西尾根の道すがら)

いやぁ、公私ともにいろいろあって久しぶりの更新。一ヶ月半振りにようやく山歩きができましたわ。(^^)

山歩きができないうちになんと梅雨明けまでしてしまったので、とりあえず無理なく、それなりに涼しく(笑)それなりにお花のあるところということで、牛奥ノ雁腹摺山から米背負峠まで大菩薩の主稜線をお花の様子見を兼ねて歩いてきました。

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(北西尾根登山口はこんな感じだが道標はない)

ということで甲斐大和からのバスもかなり久しぶりに乗ったのですが、こちらもご多分に漏れず山ブームのせいか顔ぶれが若くなってるし、バスも一応全員着席できるようにしているみたいですね。でもなぜか続行便の方が早く出るのは以前と変わらず(笑)ギリの電車で出たのは正解でした。

サラサドウダンももう終わっているので、今回は小屋平ではなく手前の大菩薩湖入口でバスを降りてスタート。まずは1kmほど県道を歩いてから日川林道に入り、東へ戻るようにトラバース。林道端に咲くノコギリソウの姿に驚きつつ、やがて登り勾配から下り勾配に変わるとまもなく雨沢を渡って、次の尾根が目的の道が通っている牛奥ノ雁腹摺山北西尾根。登山道は木段から始まっていて見た感じキッチリ整備されている様子ですが、なぜか周囲に道標はありません(笑)。

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(何か曰くありげな大岩も・・・)

なにぶんこの周辺は主稜線の日川側・小金沢側どちらにしてもカラマツ植林が大半で、尾根の様子はあまり期待していなかったんですけど、実際歩いてみると尾根はカラマツ植林と自然林(厳密に言うと二次林)に分けられていて、雰囲気は意外に悪くないなぁ、と言った印象。

そして尾根の中間辺りでは↑こんな曰くありげな大岩が尾根を塞いでいて、それを左から捲いて岩頭に上がると、そこからは雄大な展望を楽しめる好スポット。ガスが上がる周囲の山山を眺めるのもなかなかオツでございます。

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(北西尾根上部のシラベ林・倒木まで綺麗に囓られまくり)

その岩頭から一旦緩く下って、登り返すと周囲は一面立ち枯れた黒木の林で一瞬縞枯れ??とも思ったんですけど実際はシカに囓られて枯れていたのでした。

この先はまだ生きてはいるものの囓られた姿が痛々しいシラベ林が続いて、ここも後数年で丸裸になりそうだなーと思いつつ登り切るとあっさり牛奥ノ雁腹摺山に到着。のんびり歩いても大菩薩湖から100分ほどで牛奥雁に上がれるこのルートはバス利用でも十分使えることがわかったのは収穫で、このルートはこれからいろいろと使えそうです。

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(賽ノ河原への下りしなより・右手の富士がわかるでしょうか?)

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(カイフウロ)

牛奥雁はほぼ素通りな感じで主稜線を南下すると、さっそくお花が出てきます。キンポウゲ、ニガナ、シロバナニガナ、そしてなぜかフライング気味なカイフウロ。年々お花が減って淋しくなっているのはしょうがないけど、それでもまだまだ見られるので良しとしましょう。

そしてこの頃には雲も切れて晴れてくれたわけですから、稜線歩きは楽しいし、風が強いおかげで意外に涼しく快適そのもの。ルンルン気分で歩けます。

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(黒岳直下の広葉樹林)

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(ヤハズハハコ)

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(白谷ノ丸周辺・お花はまだこれから)

1時間ほどで出た白谷ノ丸も夏の花はまだこれからで、前述のお花にウスユキソウにノアザミ、ハナチダケサシ、ヤハズハハコ、イワキンバイ、ネバリノギラン。まだまだ蕾のお花が多いです。

今回結果として良かったのが白谷ノ丸でちょうどお昼どきだったということ。風が強かったので場所には気を遣いましたけど、足下に広がる展望を楽しみつつランチをとれるのはやっぱり良いですね。ここより下は気温が一段高くなるので、ホントここはそう言う意味でも適地だと思います。

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(イワキンバイ)

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(ウスユキソウ)

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(湯ノ沢峠の草原)

久しぶりに1時間ほどのんびりしたら腰を上げて主稜線をなおも南へ。白谷ノ丸から先は一気に標高を下げるせいか、お花が徐々に増えてきますが、同時に暑くもなってきます。

30分ほどで湯ノ沢峠に降り立つと、ここから人とポツポツすれ違うようになります。昨秋の台風で止まっていた峠に通じる林道もすでに開通しているようですね。ここで今年は完全に無理だと思っていた名残のサンリンソウに逢えたのはラッキーでした。

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(アヤメ・数は極少)

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(ニガナ)

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(ハナチダケサシ)

そして峠からひと登りして大蔵高丸に出るとお花は種類も量もより増えて、ここで前述のお花にプラスしてアヤメにシモツケ、ヨツバヒヨドリ、ヤマオダマキが登場。

でもこの日のお目当てだったシモツケソウは1週間早かった。シモツケソウが咲くと草原が一気に華やいでなんとも夏らしくなるんすけどねぇ。。。

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(ハマイバ丸より下ではフジイバラが満開)

しかし今年は木の花がイマイチなせいか道中見かけたサラサドウダンやニシキウツギは残花/落花ともに少なく、ニッコウナツグミも花はかなり少なく、淋しい状態。

でもハマイバ丸を過ぎると俄然増えてくるフジイバラの方は普通に満開でした。お花自体は地味ですけど、これだけ咲いているとやはり壮観で足下の花の少なさを十二分にフォローしてくれました。

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(天下石への下りしなより・大谷ヶ丸の奥の富士がわかるでしょうか?)

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(スズタケが一斉に枯れ始めている・米背負峠への下りしな)

牛奥雁から続いた草原歩きも天下石を見るとようやくおしまい。あとは米背負峠へ向かって下山するだけなのですが、う~ん、峠への下りしなのスズタケがとうとう枯れはじめていました。

えーと近年スズタケの枯死は「シカが葉を食べ尽くしたから」という説がまことしやかに流れていますが、ボクがここ10数年この近辺の藪山で見続けてきた感触ではそれは明らかに間違いだと思っています。その一つの証拠がコレ↑↑。やっぱりスズが丸裸になるのは「食べ尽くされる」のではなく「枯れる」のです。もちろんシカがスズの葉を大量に食べることによって何らかの「スズタケが落葉して枯れるメカニズム」が働くのだと漠然と推測してはいますけど。

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(米背負沢の登山道は改修されて歩きやすくなった)

あと米背負峠周辺のブナは今年はほぼ無傷で、ブナハバチはほとんどでなかったようですね。米背負沢の登山道も改修が入ったようで歩きやすくなっており、全くの初心者でなければ今のところは問題なく歩ける状態になってます。

ごく普通に見られるコアジサイも今年初で、米背負沢で見かけた時は嬉しかったな~。さすがに一月半振りの山歩きのせいか翌日は結構な筋肉痛になっていましたけど、やっぱり山歩きは楽しい。久しぶりに歩いて心底そう思いましたわ。
   
・・・・・☆
 
◆ 2012.07.16 (Mon)   晴
甲斐大和駅 08:10→ 大菩薩湖入口 08:40- 北西尾根登山口 09:20- 周囲の開けた露岩 10:00/10:10- 牛奥ノ雁腹摺山 10:25- 黒岳 11:30- 白谷ノ丸 11:40/12:45- 大蔵高丸 13:40/13:55- ハマイバ丸 14:35- 米背負峠 15:25- 大蔵沢二号橋 15:55- 日川渓谷レジャーセンター 17:00
 

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【大菩薩・権現山稜 2012】」カテゴリの記事

コメント

k.okamotoさん、こんばんわ。
ようこそいらっしゃいました。(^^)

南大菩薩周辺のお花情報ありがとうございます。
残念ながらお花が徐々に減ってきてますが、その中でもマツムシソウの減り方はひどいですね。今やハマイバの辺りでもほとんどなくなっているような気がします。

それでも今は盛夏晩夏に初秋のお花も咲き始めて種類が一番多い時期。様子を見に行きたいんですけどねぇ・・・

投稿: komado | 2012.08.22 23:02

小窓さんのブログを見て今日(8/19)日川林道ー牛奥雁が腹摺山ー湯の沢峠ーハマイババス停と歩いて来ました。マルバダケブキ、コウリンカ、ヤマハハコ全開,ノコギリソウもまだあり、マツムシソウは白谷の丸で一株、湯の沢峠までの間に二株のみ発見。確かに少なくなりましたね。

投稿: k.okamoto | 2012.08.19 19:51

takigoyamaさん、

はいはい目的は仰せの通りなニです。(^^)ウは見かけていません。あそこにいるのか・・・あとミやテ辺りも狙っていたんですけど、少し早いorシカに食われたかどちらかと思います。

あの辺りも今は少しは華やかになっているでしょうね~。

投稿: komado | 2012.07.25 21:35

更新が無くて気になっていました。21日は
石丸峠-小金沢連嶺-湯の沢峠は雨模様で中止になりました長いコ-スなので逃げ場無いのかと思案していました。

ところ北西尾根がありましたか、目的はニョと附く奴が狙いでした
曰くありげな大岩で(ウ)と附く奴は見ていませんか、
は個人の感想なのでお答えは求めていません(笑)
「樹に咲く」本はあまり出番が無いなでも持っていないといざの時の保険見たいかな

投稿: takigoyama | 2012.07.24 13:14

AKIOさん、

そうか。あの区間は自由乗降区間ですからおっしゃるとおり日川林道の分岐で停めてもらえばいいわけだ。次の機会はそうします。ありがとうございました。(^^)

あのルートはもうできて5年近くは経っているかな?場所が場所だけに車オンリーだと思って諦めていたのですが、今年エアリアを買い換えたときに時間が載っていて、コレは意外に行けるかもともって歩いたのでした。

米背負沢は最後の林道歩きが長いですね。でも一箇所ショートカットできます。あと今は直接県道の大蔵沢橋に降りるルートがエアリアから削除されているんですね。こちらもどうひょうはともかく道は明瞭でした。

投稿: komado | 2012.07.21 01:02

nousagiさん、ようこそいらっしゃいました。(^^)

そうそうあの野バラはバラの類であることはもちろん簡単にわかるんですけど、そこから先が意外に難しい。

んで結局お金で解決というかお高い図鑑を買ったおかげでわかったのでした。木の花の図鑑は3冊で1万ちょいしましたけど買って良かったです。

投稿: komado | 2012.07.21 00:58

Komado さん、こんばんは。

今年はまだこのバスに乗る機会がなくて、稜線の様子が気になっていたところでした。

牛奥雁の北西尾根は小生も気になっていて昨年9月に歩きました。歩きやすい道で、小金沢山方面へのアプローチが短縮できるし、雰囲気もまずまずなので利用価値は大だと思いました。ちなみに、昭文社の地図2012では、赤破線で「道は比較的明瞭」と書かれています。大岩の先からの富士山の眺めは途中展望がないので余計に新鮮ですね。バスも自由乗降なので日川林道の入口でも降ろしてくれます。

米背負峠からの下りは薄暗い印象でしたが、改修されて歩きやすそうですね。でも林道の長い下りはどうしようもありませんが。

投稿: AKIO | 2012.07.20 21:33

北西尾根、地図を見て初めて知りました。
白い花、フジイバラというんですね。
何という花だろうと思っていたのですが
疑問を解消しないまま
数年がたっていました。(^_^;)
よかった、名前わかって。(^^)

投稿: nousagi | 2012.07.20 10:14

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