初夏の三ツ峠を存分に堪能する
(大幡川 チヨ沢1040m圏二俣中間尾根、というかその辺りの扇状地を往く)
ここへ来て土曜の天気の良い日が続きますね。今週(05/26)はかなり久しぶりとなる三ツ峠で、水雲山の尾根の一つ西隣の尾根である大幡川 チヨ沢(日本山岳案内ではヤナ沢、アナ沢の記述もあり)1040m圏二俣中間尾根登路にとって水雲山~三ツ峠に上がり、府戸尾根を南下。霜山から数見川右岸尾根を新倉山、そして末端の日月神社まで辿って寿駅に下るコースを組んで歩いてきました。
そおいえば水雲山の方も随分とご無沙汰していてこちらの方は丸6年ぶり。今はバス便も望めなくなってしまったのでタクシーで宝のけいごや橋に出てからのスタート(¥2960)でしたけど、さっそく林道を歩き出すとかなり荒れてますね。北口登山口まではジムニークラスならなんとか行けそうですが、それでもその先は完全にアウト。
(ツルシロカネソウ)
しかも水雲山の尾根の取付辺りは大崩落で林道が倒木土砂のデブリで埋まっており、それを乗り越えつつ一時間ほどてくてく歩くとようやく林道の終点に到着。その手前から延びる送電線の巡視路に入りました。
しばらく行ってチヨ沢を渡ったら巡視路と別れて適当に目的の尾根に取り付こうと思ったのですが、この辺りまで来るとチヨ沢の左岸斜面はすでに扇状地状になっていて、緑の覆われた周囲はもうどこでも歩けそうな緩斜面にしかみえません。
(このミズナラを見るとようやく尾根らしくなる)
そんな様子に素通りはもったいないというか単にできない訳でして(笑)のっけからあっちへこっちへ気になる所を見つけては彷徨うことになったのですが、いやーこの辺りの林の様子がとにもかくにも素晴らしかった。自然林と言うよりはそれに近い二次林なのでしょうけど、サワグルミにケヤキにミズナラ、ブナ、イヌブナ、モミ、イタヤカエデなどなどの大木も散見されて、そんな木を見つける度にフラフラするわけですからなっかなか先へ進めません。
ただそう言う地形であるからこそ目的の尾根をキッチリ捕らえるにはそれなりの技倆を求められるかも。本当に尾根というよりただの緩斜面を詰めるような感じの登りがかなり上まで続いて、↑↑の立派なミズナラを見るとその先でようやく尾根が盛り上がって尾根歩きに変わるといった感じでした。
(ヒメイワカガミ・咲き始めから見頃くらい)
(中間尾根上部はこんな岩登りを強いられる)
そんな尾根上は(と言う云い方もかなり変なのだが)灌木茂る痩尾根で倒木も絡んで結構歩きづらかったもののそれはまだマシな方で、お目当てのヒメイワカガミが出てくるころから尾根が徐々に急になってきて、気がつけばほぼ岩登り状態。。。
途中のカンテ状の岩なんかは行けそうにも見えたんですけど、丸腰クンなのでおとなしく左右に捲いたり、ちょっとしたルンゼを登ったり、どこかは結局直登したりと(笑)まぁそれなりに安全を確保しながら登れるルートもあるのかも知れませんが、通過にはそれなりの用意が必要かなと思います。
(コイワザクラ・なんとか間に合った)
(ウラジロヨウラク・まだ蕾だが少ない)
でもそんな所だからこそ今年は諦めていたコイワザクラにもなんとか間に合いました。(^^)
でもそのコイワザクラ以上に嬉しかったのが↑↑のウラジロヨウラク。まだ蕾でしたけど、こういうのが自然と目に入るようになったのも実は嬉しいんですよねー。
(ミズナラのピークまで来ると一安心)
(ピークからは水雲山も間近に見える)
そんなお花達を急な岩場で必死にカメラに収めつつなんとか登り切ると、そこは周囲の開けた小さな岩コブ。先の鞍部にはミズナラの大木が立ち、ふと左側を見上げるとおっと!水雲山が↑↑こんなに近くにみえます。
ミズナラのピークからは傾斜が緩んだものの、この手の尾根には通過のしんどいギャップがつきものなのでまだ気は抜けないな~、と思いながら岩コブをいくつか越えるとあっさりと御巣鷹山~水雲山との尾根の合流。そこからかなり明瞭になった踏跡を下ると水雲山に到着しました。
(水雲山・祠は倒壊していた)
(扇状地状になった大幡川の源流部を見下ろす・右は本社ヶ丸)
水雲山に着いたら先ずは権現さまに参拝と思ったら、あれれ6年の間に祠が倒壊していました。こんな嶮しい山の上ですから面倒見される人ももういらっしゃらないのでしょうね。
それでもこの山からの展望は素晴らしく、小広いテラスもあって座りながら寝ながらにしてこの展望を楽しめるのも良いトコロ。いい具合に曇ってくれたこともあってのんびりできました。
(コヨウラクツツジ・満開)
(トウゴクミツバツツジ・1500m以上はまだ蕾が多い)
そんな休憩終えたらお次は目の前の御巣鷹山を目指してひたすらに登り詰めていきます。
尾根は急ながらも足下のヒメイワカガミはすでにあまた花を咲かせ、ツルシロカネソウやシロバナエンレイソウもちらほら。頭上にはオオカメノキがほのかに香りを漂わせ、トウゴクミツバツツジはほとんど蕾ながらも花はそこそこありそうだし、コヨウラクも久しぶりだなぁ・・・なんてご機嫌になって歩いていると、さほどの時間もかからずにあっさり北口登山道と合流。なんとこちら側にも私製の道標があったのには驚きました。
(一応上まで行った証拠に・・・笑)
(ホソバノアマナ)
そして御巣鷹山の草原に出たらとりあえず御巣鷹山の山頂に寄り、例によって人の多い開運山は捲いて(笑)、曇ってきたこともあって富士も見えなかったので四季楽園に三ツ峠山荘も足早に通り過ぎ、木無山の草原でようやく一休み。ちなみにお花の方はワチガイソウにシロバナノヘビイチゴが目立つくらい。マメザクラは盛りを過ぎていましたけどなかなか見事でした。
休憩を終えたらそのまま府戸尾根を下り霜山を目指しましたが、途中の送電塔から富士がうっすら見えたのは諦めていたのでラッキーでした。結局この日、山で富士を見たのはこの時だけ。
(ヒメスミレサイシン)
(霜山東峰・道標はないが新倉山へはここから下る)
木無山から一時間ほどで霜山西峰に着いたら三角点だけ確認して来た道を東峰へ戻ります。周囲に道標は皆無なものの新倉山などの数見川右岸尾根の道はこちらのピークから分かれており、さっそく下り始めると急なせいか道形は若干薄めながらもロープも張られて至ってすんなり歩けるのは前に歩いた9年前と変わらない感じ。
最低鞍部に降り立ち、そこから右に分かれている大棚の滝のルートを一瞥して1184m峰に登り返すと、なんとこのピークは手製のテーブルベンチ?やらお花が植えられたちょっとしたというより妙に不自然な公園のようになっていました。昔からここはこうなっていましたっけ?記憶にないんですけど。。。
(新倉山手前の1184m峰が妙に整備されていて・・・)
(サンショウ)
その1184m峰から二つ目の細長いピークが新倉山とされていて、尾根の続きは灌木に埋もれてパッと見全くわかりませんが実は左へ延びています。9年前は暑さと湿気で藪歩きがイヤになってそのまま浅間神社へ下ったので、今回ようやくこの尾根の続きを歩ける訳です。
藪に突っ込んで尾根を下り始めると、まぁこれが想像通りな灌木の藪のうるさい広尾根の急降下。尾根を外さぬように様子を見ながらジグザグに降りたいところも、灌木の中にはバラヤブも多数仕込まれており(笑)当然スムーズに降りさせてはもらえません。
(数見川右岸尾根1019m峰西鞍部の山ノ神と大杉)
それでも慎重に降りていくと徐々に尾根の形が整ってパッと藪から解放されるとすぐ先が1019m峰の西の鞍部。左右から明瞭な道が尾根を乗り越していて、鞍部の南側には一際大きい杉の大木(5m弱)が目に入ったので近づいてみると、その傍らには山神さまが祀られていました。
そんな山神さまに参拝して先を行くと、ここからは雰囲気も一変。スッキリしたアカマツ植林に変わって、チゴユリやミツバツチグリぐらいながらもお花も復活。下道も現れてようやく歩きやすくなったのですが。。。
(こういうスッキリした箇所もあったが・・・)
(アカマツ林ゆえに灌木茂る箇所の方が多い)
ルンルン気分で歩けたのもそう長くは続かず。下るにつれ灌木の藪が徐々に茂ってきて、結局藪歩き。それでも下道は明瞭なのでそれを探りながら下れば良かったのですが、苦し紛れに藪を避けようと下道を外すと却ってしんどくなる感じです。
それでも元は畑だった思しき小広い平地に出るとようやく藪からも開放されて、あとは画然とつけられた道形を追うだけ。まもなく林を抜けて周囲がパッと開けるとそこは日月神社の園地で、左手に数時間前までいた三ツ峠の山を眺めつつ下るとじきに意外に立派な日月神社(エアリアではなぜか山崎稲荷神社になってる・・・)に着きました。
(日月神社の園地になっている尾根末端・左奥には三ツ峠も見える)
神社で道中の無事を感謝したら、あとは寿駅へ向かってフィナーレ、なのですが、車道に降り立ってから直線距離では至近の寿駅へ行くのに北の暮地から廻るのか、それとも南の下の水から廻るのかかなり迷うところ。ここは思案の末、もしかしたら駅が見えたところでそのまま対岸のホームへ行けるかも・・・と思って南回りにしてみたところ、コレはどうやらハズレだったようです(笑)。でも北回りと10分と違いはないと思われますけど。。。
それでもこの日の三ツ峠はバラエティに富んだ行程でかなり楽しめたので、そんなのはもうどうでも良い話。しかも寿は駅のまん前にコンビニがあるのです!そんなコンビニでビールを買い込み、いそいそ帰途についたのでした。
・・・・・☆
◆ 2012.05.26 (Sat) 晴 後 曇
けいごや橋 08:25- 林道終点 09:25- 巡視路離れる 09:45- ミズナラのピーク 11:20- 水雲山 11:35/12:20- 御巣鷹山 13:10- 木無山 13:45- 霜山 14:50- 新倉山 15:40- 1019m峰 16:10- 日月神社 16:55- 寿駅 17:10
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コメント
れれちゃん、
いやあれは百歳姉妹といえばもうわかりますよね。(^_-)これからの時期はランもそうですけど、個人的には赤い山芍薬もねらってたりします(笑)。
それはそうと御坂にもあまり行かなくなったからグンナイフウロやクサタチバナなんかも久しく見てないんですよねぇ。。。
投稿: komado | 2012.06.04 23:19
tさん、
なんとそんな事があったのですか。
そおいや芳名帳のケースはまだ残っていてその中には地元の山岳会?の方がノートを置いてくれていますが、誰も来ないのかそれとも気がつかないのか書いている人はほとんどいないようでした。
投稿: komado | 2012.06.04 23:14
komadoちゃん、
…無かった^^;
お役に立てず、申し訳ねぇっす。
勘違いかもしれないけど…見たとしたら、もっともっと下だったと思うのです。
タッキーさん(だよね?^^)との会話、何とか解読できたけど(笑)
ひゃくしゃーひゃくしゃーって???これだけは解読不能でした(笑)
アでもエでもコでも~見たら迷わず!自慢しに来ますね
投稿: れれちゃん | 2012.06.03 13:10
05年2月komadoさん記事を読んで06年7月水雲山へ行く
祠はブル-シ-トに包まれていた、今回の記事で歳月を経は祠は自然に
帰る様が見える
09年7月角研山でお会いした連中は芳名帳に記されていた子孫の方々だった
某西洋旅籠屋に芳名帳は保管されていると伝えた
投稿: | 2012.06.01 16:35
tさん、
乗るときそれなりに聞いてみたところつれなく却下されました(笑)。昔は富○急でも北口登山口まで入ってくれたのに・・・と思いつつ林道を歩き出したら早々と納得。
これからは花は減りますけどランの季節ですね。この日はエのつくのも狙ってましたが逢えたのは順当にひゃくしゃーひゃくしゃーのペアでした。それにつけてもこの辺りでぎぼうしの芽吹きを見るとドキドキしてしまうスケベ心はどうしても収まりません(笑)。前にコのつくのもいつかお目にかかりたいモノです。
投稿: komado | 2012.05.31 19:30
komadoさんこんにちわタクシ-は北口登山道まで入らないのか
こういう情報はありがたいです。知らずに手前で下されらショックだもの
高捲き道も怖くが無そうでコケイラン狙いで6月には行ってみたいと
考えていました。もう一つの(コ)が付くランも狙い
コだとかアが付くランの蕾を見た下りには天井山付近でゲンジスミレを
見られるかと思ったら外しました。三角点ある霜山が新倉山へ下る
道じゃないんだ新ハイ2011年6月号で確認しました。
投稿: | 2012.05.31 17:46
れれちゃん、
そうそう。わかりづらいんですけど、1184m峰は新倉山ではないんですよね。
でもあのブツ、見覚えありますか。あれ四角パイプを切った鐘なんです。確かに見た目古そうな所もあったけど、どうだったかなぁ。。。ホントに記憶にないんですよ。写真もないけど(笑)。
投稿: komado | 2012.05.30 00:01
ごめ~~ん


間違えに気が付いたから、訂正です
新倉山は1180、2mでしたって事で
でもね、新倉山~府戸尾根合流までベンチは無かったと思うの。
写真の錆びた3つのブツには記憶あるんだけど…
後で、昔の写真をひっぺ返して見てみるね。
投稿: れれちゃん | 2012.05.29 21:28
komadoちゃん、こんにちわ。
コイワザクラなんて、超羨ましいなぁ~~!
>1184m峰から二つ目の細長いピークが新倉山
え~~~っ!1184m峰が新倉山だと思ってた…
…って事はエアリアが間違ってるのん?
でも確か、山頂標識は1184m峰にあったよな気が…
私が行った3、4年前もベンチあったよ!(^^)
ここら辺は道狭くて、グンナイフウロが沢山あったんだけど。。
お花と共に刈払いされちゃったのかなぁ??
1184m峰手前に、虎ロープがあったと思うけど…これは赤実線になる前は無かったョ。
ここら辺って、大きな山椒の木は沢山あるんだけど。。
サンショウバラの木は少ないのよね。
投稿: れれちゃん | 2012.05.29 10:38