« 2012年4月 | トップページ | 2012年7月 »

2012.05.28

初夏の三ツ峠を存分に堪能する

B120528a
(大幡川 チヨ沢1040m圏二俣中間尾根、というかその辺りの扇状地を往く)

ここへ来て土曜の天気の良い日が続きますね。今週(05/26)はかなり久しぶりとなる三ツ峠で、水雲山の尾根の一つ西隣の尾根である大幡川 チヨ沢(日本山岳案内ではヤナ沢、アナ沢の記述もあり)1040m圏二俣中間尾根登路にとって水雲山~三ツ峠に上がり、府戸尾根を南下。霜山から数見川右岸尾根を新倉山、そして末端の日月神社まで辿って寿駅に下るコースを組んで歩いてきました。

そおいえば水雲山の方も随分とご無沙汰していてこちらの方は丸6年ぶり。今はバス便も望めなくなってしまったのでタクシーで宝のけいごや橋に出てからのスタート(¥2960)でしたけど、さっそく林道を歩き出すとかなり荒れてますね。北口登山口まではジムニークラスならなんとか行けそうですが、それでもその先は完全にアウト。

B120528b
(ツルシロカネソウ)

しかも水雲山の尾根の取付辺りは大崩落で林道が倒木土砂のデブリで埋まっており、それを乗り越えつつ一時間ほどてくてく歩くとようやく林道の終点に到着。その手前から延びる送電線の巡視路に入りました。

しばらく行ってチヨ沢を渡ったら巡視路と別れて適当に目的の尾根に取り付こうと思ったのですが、この辺りまで来るとチヨ沢の左岸斜面はすでに扇状地状になっていて、緑の覆われた周囲はもうどこでも歩けそうな緩斜面にしかみえません。

B120528c
(このミズナラを見るとようやく尾根らしくなる)

そんな様子に素通りはもったいないというか単にできない訳でして(笑)のっけからあっちへこっちへ気になる所を見つけては彷徨うことになったのですが、いやーこの辺りの林の様子がとにもかくにも素晴らしかった。自然林と言うよりはそれに近い二次林なのでしょうけど、サワグルミにケヤキにミズナラ、ブナ、イヌブナ、モミ、イタヤカエデなどなどの大木も散見されて、そんな木を見つける度にフラフラするわけですからなっかなか先へ進めません。

ただそう言う地形であるからこそ目的の尾根をキッチリ捕らえるにはそれなりの技倆を求められるかも。本当に尾根というよりただの緩斜面を詰めるような感じの登りがかなり上まで続いて、↑↑の立派なミズナラを見るとその先でようやく尾根が盛り上がって尾根歩きに変わるといった感じでした。

B120528d
(ヒメイワカガミ・咲き始めから見頃くらい)

B120528e
(中間尾根上部はこんな岩登りを強いられる)

そんな尾根上は(と言う云い方もかなり変なのだが)灌木茂る痩尾根で倒木も絡んで結構歩きづらかったもののそれはまだマシな方で、お目当てのヒメイワカガミが出てくるころから尾根が徐々に急になってきて、気がつけばほぼ岩登り状態。。。

途中のカンテ状の岩なんかは行けそうにも見えたんですけど、丸腰クンなのでおとなしく左右に捲いたり、ちょっとしたルンゼを登ったり、どこかは結局直登したりと(笑)まぁそれなりに安全を確保しながら登れるルートもあるのかも知れませんが、通過にはそれなりの用意が必要かなと思います。

B120528f
(コイワザクラ・なんとか間に合った)

B120528g
(ウラジロヨウラク・まだ蕾だが少ない)

でもそんな所だからこそ今年は諦めていたコイワザクラにもなんとか間に合いました。(^^)

でもそのコイワザクラ以上に嬉しかったのが↑↑のウラジロヨウラク。まだ蕾でしたけど、こういうのが自然と目に入るようになったのも実は嬉しいんですよねー。

B120528h
(ミズナラのピークまで来ると一安心)

B120528i
(ピークからは水雲山も間近に見える)

そんなお花達を急な岩場で必死にカメラに収めつつなんとか登り切ると、そこは周囲の開けた小さな岩コブ。先の鞍部にはミズナラの大木が立ち、ふと左側を見上げるとおっと!水雲山が↑↑こんなに近くにみえます。

ミズナラのピークからは傾斜が緩んだものの、この手の尾根には通過のしんどいギャップがつきものなのでまだ気は抜けないな~、と思いながら岩コブをいくつか越えるとあっさりと御巣鷹山~水雲山との尾根の合流。そこからかなり明瞭になった踏跡を下ると水雲山に到着しました。

B120528j
(水雲山・祠は倒壊していた)

B120528k
(扇状地状になった大幡川の源流部を見下ろす・右は本社ヶ丸)

水雲山に着いたら先ずは権現さまに参拝と思ったら、あれれ6年の間に祠が倒壊していました。こんな嶮しい山の上ですから面倒見される人ももういらっしゃらないのでしょうね。

それでもこの山からの展望は素晴らしく、小広いテラスもあって座りながら寝ながらにしてこの展望を楽しめるのも良いトコロ。いい具合に曇ってくれたこともあってのんびりできました。

B120528l
(コヨウラクツツジ・満開)

B120528m
(トウゴクミツバツツジ・1500m以上はまだ蕾が多い)

そんな休憩終えたらお次は目の前の御巣鷹山を目指してひたすらに登り詰めていきます。

尾根は急ながらも足下のヒメイワカガミはすでにあまた花を咲かせ、ツルシロカネソウやシロバナエンレイソウもちらほら。頭上にはオオカメノキがほのかに香りを漂わせ、トウゴクミツバツツジはほとんど蕾ながらも花はそこそこありそうだし、コヨウラクも久しぶりだなぁ・・・なんてご機嫌になって歩いていると、さほどの時間もかからずにあっさり北口登山道と合流。なんとこちら側にも私製の道標があったのには驚きました。

B120528n
(一応上まで行った証拠に・・・笑)

B120528o
(ホソバノアマナ)

そして御巣鷹山の草原に出たらとりあえず御巣鷹山の山頂に寄り、例によって人の多い開運山は捲いて(笑)、曇ってきたこともあって富士も見えなかったので四季楽園に三ツ峠山荘も足早に通り過ぎ、木無山の草原でようやく一休み。ちなみにお花の方はワチガイソウにシロバナノヘビイチゴが目立つくらい。マメザクラは盛りを過ぎていましたけどなかなか見事でした。

休憩を終えたらそのまま府戸尾根を下り霜山を目指しましたが、途中の送電塔から富士がうっすら見えたのは諦めていたのでラッキーでした。結局この日、山で富士を見たのはこの時だけ。

B120528v
(ヒメスミレサイシン)

B120528p
(霜山東峰・道標はないが新倉山へはここから下る)

木無山から一時間ほどで霜山西峰に着いたら三角点だけ確認して来た道を東峰へ戻ります。周囲に道標は皆無なものの新倉山などの数見川右岸尾根の道はこちらのピークから分かれており、さっそく下り始めると急なせいか道形は若干薄めながらもロープも張られて至ってすんなり歩けるのは前に歩いた9年前と変わらない感じ。

最低鞍部に降り立ち、そこから右に分かれている大棚の滝のルートを一瞥して1184m峰に登り返すと、なんとこのピークは手製のテーブルベンチ?やらお花が植えられたちょっとしたというより妙に不自然な公園のようになっていました。昔からここはこうなっていましたっけ?記憶にないんですけど。。。

B120528r
(新倉山手前の1184m峰が妙に整備されていて・・・)

B120528q
(サンショウ)

その1184m峰から二つ目の細長いピークが新倉山とされていて、尾根の続きは灌木に埋もれてパッと見全くわかりませんが実は左へ延びています。9年前は暑さと湿気で藪歩きがイヤになってそのまま浅間神社へ下ったので、今回ようやくこの尾根の続きを歩ける訳です。

藪に突っ込んで尾根を下り始めると、まぁこれが想像通りな灌木の藪のうるさい広尾根の急降下。尾根を外さぬように様子を見ながらジグザグに降りたいところも、灌木の中にはバラヤブも多数仕込まれており(笑)当然スムーズに降りさせてはもらえません。

B120528s
(数見川右岸尾根1019m峰西鞍部の山ノ神と大杉)

それでも慎重に降りていくと徐々に尾根の形が整ってパッと藪から解放されるとすぐ先が1019m峰の西の鞍部。左右から明瞭な道が尾根を乗り越していて、鞍部の南側には一際大きい杉の大木(5m弱)が目に入ったので近づいてみると、その傍らには山神さまが祀られていました。

そんな山神さまに参拝して先を行くと、ここからは雰囲気も一変。スッキリしたアカマツ植林に変わって、チゴユリやミツバツチグリぐらいながらもお花も復活。下道も現れてようやく歩きやすくなったのですが。。。

B120528t
(こういうスッキリした箇所もあったが・・・)

B120528u
(アカマツ林ゆえに灌木茂る箇所の方が多い)

ルンルン気分で歩けたのもそう長くは続かず。下るにつれ灌木の藪が徐々に茂ってきて、結局藪歩き。それでも下道は明瞭なのでそれを探りながら下れば良かったのですが、苦し紛れに藪を避けようと下道を外すと却ってしんどくなる感じです。

それでも元は畑だった思しき小広い平地に出るとようやく藪からも開放されて、あとは画然とつけられた道形を追うだけ。まもなく林を抜けて周囲がパッと開けるとそこは日月神社の園地で、左手に数時間前までいた三ツ峠の山を眺めつつ下るとじきに意外に立派な日月神社(エアリアではなぜか山崎稲荷神社になってる・・・)に着きました。

B120528w
(日月神社の園地になっている尾根末端・左奥には三ツ峠も見える)

神社で道中の無事を感謝したら、あとは寿駅へ向かってフィナーレ、なのですが、車道に降り立ってから直線距離では至近の寿駅へ行くのに北の暮地から廻るのか、それとも南の下の水から廻るのかかなり迷うところ。ここは思案の末、もしかしたら駅が見えたところでそのまま対岸のホームへ行けるかも・・・と思って南回りにしてみたところ、コレはどうやらハズレだったようです(笑)。でも北回りと10分と違いはないと思われますけど。。。

それでもこの日の三ツ峠はバラエティに富んだ行程でかなり楽しめたので、そんなのはもうどうでも良い話。しかも寿は駅のまん前にコンビニがあるのです!そんなコンビニでビールを買い込み、いそいそ帰途についたのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2012.05.26 (Sat)   晴 後 曇
けいごや橋 08:25- 林道終点 09:25- 巡視路離れる 09:45- ミズナラのピーク 11:20- 水雲山 11:35/12:20- 御巣鷹山 13:10- 木無山 13:45- 霜山 14:50- 新倉山 15:40- 1019m峰 16:10- 日月神社 16:55- 寿駅 17:10
 

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2012.05.15

今年はちょっと遅めの熊倉山

B120515a
(アカヤシオ・酉谷~熊倉稜線でやや盛りすぎでした)

今年はお花の咲き具合が遅れ気味で推移していたのでかなり久しぶりにGW以降にしてみたのですが、高温に荒天があったせいでしょうか?なんとか稜線でギリ間に合いましたー。

ということで先の日曜(05/13)はアカヤシオのお花見で恒例となっている秩父の熊倉山。例によって宗屋敷尾根~シラカケ岩~熊倉山~聖尾根でしたが、今回は聖山から下も もとの登山道(廃道)ではなく、なおも尾根伝いに降りてみました。

B120515b
(宗屋敷尾根下部のお花はほぼフモトスミレのみ)

B120515c
(1284m峰への登りしな)

今年も一番電車で日野に出て、澄み切った空のもと宗屋敷尾根の尾根取付までてくてく。今年は花が少なめの上に時期も遅いせいか、熊倉山の方を見てもアカヤシオと思しきピンクの塊が見えません。

駅から40分ほど歩いて着く取付の山ノ神に挨拶して、それから尾根に取り付いたら後はひたすらに登るだけ。1008m峰でアカヤシオの花が終わっているのは予想できたものの、その上の1284m峰でもほとんど終わっていたのは想定外でちょっと焦りました。おかげでイワウチワもアウト。コレも想定外でした-(泣)。

B120515d
(1284m峰も花はほぼ終わり)

それでも1370m圏の岩コブへ一旦登ってりや北のギャップへ降りると、ようやくここで綺麗に咲いているアカヤシオに逢えて本当にホッとしました。コレなら稜線も大丈夫そう。

ということでお花は少ないもののそれなりにピンクに染まった尾根を詰めて蝉笹に上がると、をを!お花は少なめながらも思ったよりも咲いてるじゃないの!

B120515e
(シラカケ岩より・花は少なめだが意外に咲いていた)

ということで↑↑ほぼ定点となっているシラカケ岩からも画像だとわかりづらいかもしれないけど、奥の岩コブがそれなりにピンクに染まっていたのもこれまた意外。

ギャップからの登りしなに人の声が聞こえていたのでもしかしたら誰かいるのかもと思っていたのですが、結局この日のシラカケ岩も貸し切り。天気は良くても暑すぎず、快適に過ごせました。(^^)

B120515f
(稜線ではまだ綺麗なのも見られた)

B120515g
(三門の広場)

というかこの日は安定した好天なのに熊倉山も3名ほどとかなり淋しい人出で、こから聖尾根を下るために通せんぼされた林道コース(谷津川林道は道が荒れているため通行止)に入ります。

ひと下りした三門の広場は例年より遅めのせいか新緑が始まっていて素晴らしかったです。

B120515h
(オオヤマザクラ)

B120515i
(1307m峰より)

1307m峰のアカヤシオもほぼ終わっていたので今年は定点はなしです(泣)。でもヒカゲツツジの花付きはほぼ例年並みでした。

でもここのテラスからの展望はいつ訪れても素晴らしい。ボクはよくわかりませんが両神山はもちろん、この日は珍しく奥に白い山々もクッキリ見えていてこれらはおそらく日光や上信越の山なのでしょう。

B120515j
(ヒカゲツツジ・花付きはほぼ例年並み)

1165m峰を過ぎ、例の捲道の分岐がある1060m圏ピークの所は変わりなしでしたけど、少し下る西の枝尾根から聖尾根へ戻るトラバース道の分岐にあった私製の道標がなくなっていました。ここは上り下りともに要注意ですね。

ということで聖尾根の下降は相変わらず全くお勧めできない状況に変わりありません。

B120515k
(聖山より・・中央やや右より奥の▲が熊倉山)

そして下り着いた聖山直下の聖宮さまが放置されているせいかひどく荒れていたので、整理だけさせてもらって聖山に上がってみると、なんと↑↑ここで曇られるとは~(笑)。

足下のお花がほとんど終わっているせいか早く聖山に着いてしまったので、今回はなおも尾根伝いに下ってみました。

B120515l
(ギャップ状の聖山西鞍部)

さて下り始めは新緑美しい雑木の痩尾根で、コレはなかなかよい雰囲気だな~なんてのんきに下れたのは最初だけ。岬状の尾根の突端に寄ってから少し戻って右折するように下ると、ここから尾根は急降下。いやぁここは本当に急で気を遣いました。場合によってはロープが要るかもしれませんね。

そしてほとんどギャップといえる西の鞍部にようやく降りたってホッと一息。ではなく、ギャップと言うぐらいですのでこの先は急な登り返しが待っていて、しばらくはそんなジェットコースターのような痩尾根の登り降りが続く感じ。

B120515m
(痩尾根に張り付く木々たち)

B120515n
(ヤマツツジ)

まぁ802m峰から聖山の間もある意味秩父の山らしいこんな感じの尾根ですけど、それでもここまでエグいとは正直想像していませんでした。ただ尾根が痩せているのでRFは容易な方だと思います。

この先は巨岩を捲いたり、植林を交えたり、妙な裸地ピークを越えたり。そして風が通るせいなのか雑木の尾根なのに落ち葉が飛ばされて、尾根上がスッキリしていたのも印象的でした。

B120515p
(基本的にはこんな痩尾根が続く)

三角点のある622.7m峰の先でもまたしんどい急降下がありましたが、ここは比較的短かったのが救い。そこさえこなせばあとは尾根末端を目指すだけです。

とはいえ末端で三分する尾根は実際分岐まで来てもどれを降りようか迷ってしまうもの。でもここは何となく真ん中の尾根を行ってみると上手い事広い道形が現れて、林を抜けてパッと開けた場所に出たらもう↓↓足下にはゴールの三峰口駅が見えていました。

B120515o
(ここまで来たら駅は近い・奥には武甲山も)

ということで難なく三峰口駅に降り立ったのはいいのですが、三峯神社からの直通バスができたせいなのでしょうかね。駅前が本当にほんとうに淋しくて、そんな様子がいたたまれなくなって、今回も駅前のおそば屋さんで結構飲み食いしてから帰途についたのでした。
 
・・・・・☆
 
さて・・・最後に今年もしつこく例年と同じ事を申し上げますと、今回のコースは登り下り共に道筋が不明瞭かつ急で、岩場も多く、「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断ができるスキルのある人向けのコースであって、お花目当てでガイド片手に安易に入れるコースでは決してありません。熊倉山は登山道/非登山道問わず今現在でも遭難の絶えない山で、残念な事に最近は遭難が増えている状況にあります。この点を充分に留意されつつ、自らのスキルを冷静かつ謙虚に判断されて山歩きに臨まれることを切に願います。

ちなみに過去の様子はこちら。参考程度にどうぞ。(^_-)

2011年 【2011.05.08】
2010年 【2010.05.04】
2009年 【2009.04.29】
2008年 【2008.05.04】
2007年 【2007.05.05】
2006年 【2006.05.03】
2005年 【2005.04.30】
2004年 【2004.04.25】
 
・・・・・☆・・・・・☆
 
◆ 2012.05.13 (Sun)   晴 一時 曇
武州日野駅 06:50- 尾根取付 07:35/07:40- 1003m峰 08:50/09:00- 1284m峰 09:40/09:50- 蝉笹 10:30- シラカケ岩 10:40/11:40- 熊倉山 12:10- 1370m峰 12:40- 1165m峰 13:10- 聖山(725m峰)14:05- △622.7m峰 14:45- 三峰口駅 15:15
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.05.10

緑華やぐ、お坊山~滝子山

B120510a
(お坊山東面径路のひとコマ)

GW前半は連荘できたものの後半は不安定な天気が続いて、結局お山は天気が安定した5日のみ。GWと言う事もあっていろいろ候補があった中から選ばなければいけなかったので、かなり迷った末に決めたのが久しぶりとなるお坊山と滝子山でした。

今回は笹子駅から大鹿沢峠みちとお坊山東面の径路をぐるりと辿ってお坊山へ。それから稜線を北へ曲り沢峠まで行ったら南のスミ沢におり、スミ沢の1230m圏二俣中間尾根を登り返して滝子山へ上がり、南尾根(寂しょう尾根)を下降して笹子駅に戻るコースを組んで歩いてきました。

B120510b
(芽吹く浜立尾根・大鹿峠の登山口より)

この日はGW後半唯一の好天とあって少し早めでも笹子駅は結構な人出。笹子は四方を山に囲まれているので駅から歩き出すとそれなりバラけるものの、やはりかなりの人が滝子山へ向かうようです。ボクも今回は方向が一緒なのでまずは新緑愛でつつ大鹿沢の林道をてくてく。

小一時間程でスミ沢コースの登山口である道証地蔵を過ぎると、当然ここからは一人旅。お地蔵さまから10分ほどで大鹿峠の登山口に着いたのですが、今の時期芽吹きに新緑が見事ですね。特に↑↑浜立尾根の存在感はいつ見ても圧巻です。

B120510c
(ルイヨウボタン・これもかなり久しぶり)

さてこの大鹿峠みち。実はここを歩くのは初めてで、この辺りは林道が出来て以降つけ替えられたのでしょうかね。のっけから新緑眩しい雑木林の道が素晴らしく、思わずほくそ笑んでしまいます。

そして足下には決して多くはないもののお花もぼちぼちあって、ヒトリシズカにフデリンドウ、ニリンソウ、ヨゴレネコノメ、ツルキンバイ、ミツバコンロンソウ。そしてそして少し早いかもと思っていたルイヨウボタンも咲いていて狂喜してしまいました。こやつは滝子山で見かけて以来5、6年ぶりの再会でしたので。。。

B120510d
(こちらはいちおう大鹿峠みち)

B120510e
(ミツバコンロンソウ)

今回この大鹿峠みちを訪れたのは、何を隠そうこの峠みちとお坊山東尾根の間に径路が通っていることを新しい松浦本で知ったからなのですが、お坊山東尾根のあの雑木林を知っている人であれば、おそらくピンと来るでしょう。

そのお坊山東面径路の詳しい概要は本を見ていただくとして(笑)、大まかに言うと今回は峠みちを二番目のベンチまで上がってから、東面径路に入ってふた登りぐらいしてでる分岐を今度は左に入って、山腹を東へトラバース。お坊山東尾根の登山道に出るというU字コース。

B120510f
(お坊山東面径路のひとコマ・Part2)

二番目のベンチからワクワクしつつ東面径路に一歩足を踏み入れてみると実際は想像通り、ではなく、新緑の時期の好天と相まってその佇まいは想像以上。これはお坊山の一番美味しいところを贅沢に味わえる好コースですね。いやぁ参りました。

というかお坊山東尾根の上部の道が整備されてすでに10年以上経っているのですが、この東面径路も「込み」で整備されていたのですね。

B120510g
(すみ沢を繞る山稜と滝子山・お坊山のジャンクションピークより)

お坊山東尾根に出ても素敵な雑木美林は東峰まで続くのでまだまだ楽しめます。(^^)

のんびり登って20分ほどで東峰に着いたら、天気も良かったので久しぶりに西峰にも寄ってみましたが、周囲の灌木が育って展望も少し楽しみづらくなってきましたね。

B120510h
(タチキランソウ)

B120510i
(芽吹く稜線・曲り沢峠への道すがら)

そんな西峰からジャンクションピークに戻ったら一旦大鹿峠に下り、次は曲り沢峠を目指します。

お坊山東面の山肌を覆う新緑はもちろん素晴らしかったけど、この稜線の新緑もまた素晴らしい。ミズナラの芽吹きにブナはすでにこの標高でも新緑。花は少なめながらもミツバツツジが彩りを添え、こちらもまた佳き道のりでした。

B120510j
(曲り沢峠からスミ沢へ下ります)

途中のヒミツの場所でランチをとって曲り沢峠に着いたら、峠から南のスミ沢へ一旦降りるのですが、この曲り沢峠とスミ沢を結ぶ道も実は初めて歩く道。こちらはカラマツ植林が主体でしたけど、それよりこちら側から浜立山へ突き上げる尾根がかなり美味しそうに見えます。

でも今回歩く尾根はそのお隣の尾根で(笑)、じきにスミ沢の登山道と合流したら対岸に見えるのが目的のスミ沢1230m圏中間尾根。お坊山から見えていたので覚悟はしていたものの、こちらはのっけからカラマツ植林。

B120510k
(コガネネコノメ)

B120510l
(スミ沢1230m圏二俣中間尾根・ウラジロモミの緩斜面)

エイザンスミレで埋まる斜面を藪を避けつつ慎重に登って尾根上に上がると、しばらくはすっきりしていたもののじきに灌木の藪のお出まし。それでも藪は適度に疎なのでそれなりに歩きやすかったのが救いです。

そんな藪を分けつつ登っていき、尾根が緩むと突然藪が途切れてスッキリしたウラジロモミの林に変わってホッとしたのやはりつかの間。また同じようなカラマツ・アカマツ植林に戻って灌木の藪が続きます。

B120510m
(この日の「おおもの」は5mほどの大ミズナラ)

なので途中で↑こんなおおものがいたのには驚きました。かなりの老木というかもう相当弱っているので、すでに時間の問題なのかも知れないけど、だからこそあなたに逢えて良かった。

あとは急になった尾根をひたすらに登り詰めると、さほどの時間もかからずに滝子山の稜線に飛び出しました。

B120510n
(滝子山より)

滝子山は人が多いのでわざとズラして訪れてみたものの、この時間でも10人近くのハイカーが思い思いに休んでいたのはさすがですね。

ボクもあとは笹子へ降りるだけなので久しぶりに山頂からの展望を楽しみつつのんびり。この時間でもまだハイカーが上がってきます、というよりコレはおそらく北からの縦走組なのかも、と今この記事を書いていて気がついたのでした(笑)。

B120510o
(滝子山南尾根・ミツバツツジが中腹以上で盛りだが、花は少ない)

B120510p
(露岩より南尾根を見下ろす)

心ゆくまで展望を楽しんだら、来た道を戻って南尾根に。今回はミツバツツジの状況を見たくて南尾根を降りたのですが、さすがにこちらも花付きは良くないものの、それなりの数があるので意外に楽しめました。

たたこちらの尾根はご存じの向きも多いでしょうけど、岩場が続いて下降は全く推奨されておらず、要は悪い子なんですね。

B120510q
(南尾根中腹辺り)

B120510r
(ミツバツチグリ)

それでもこの尾根は登りに採るなら雑木に自然林に岩場にお花にとバラエティに富んだ好ルート。イワカガミもすでに葉は緑に変わっていて、あと三週間もすればもうお花が咲き出すんですよね~。

そんな様子に今年のイワカガミはどこへ見に行こうかなとフト思いつつ、笹子駅へ向かったのでした。

・・・・・☆
 
◆ 2012.05.05 (Sat)   晴
笹子駅 07:40- 道証地蔵 08:30- 登山口 08:40/08:45- 最初のベンチ 09:10- 次のベンチ 09:40- お坊山東尾根に上がる 10:25- お坊山東峰 10:55- 西峰 11:05- 大鹿峠 11:25-(途中休憩40分)- 曲り沢峠 12:40- すみ沢コースと合流 13:00- 稜線に上がる 13:50- 滝子山 14:10/14:35- 南尾根登山口 16:00- 笹子駅 16:30
 

| | コメント (5) | トラックバック (0)

2012.05.04

浅川峠を「越えて」権現山へ

B120504a
(新緑の浅川峠みち・アセミ沢出合附近にて)

今年のGW前半は好天が続きましたね。ということで川苔山の翌日の日曜(04/29)も連荘でした。当初は丹沢方面の予定だったんですけど寝坊してしまって、遅出でもOKなまたまた権現山周辺。

今回は浅川スタートで浅川峠~曽倉山に上がり、曽倉山東尾根を下降。アセミ沢(日本山岳案内ではアゼミ沢)出合に出たら棚頭の亀石を鑑賞して、それからアセミ沢を少し上がって曲り沢(日本山岳案内ではノンダ沢)左岸尾根を登り返して権現山・・・は結果パスして(笑)、稜線を西へ麻生山まで行き、長尾根を少しだけヒネって降りて駒宮に出るコースを組んで歩いてきました。

B120504b
(曽倉山より、バックは扇山)

そおいや4月は結果として二週間隔で浅川行きのバスに乗ったことになるのですが、4月の頭は客が3人しかいなかったバスも乗る度に3倍増える形で(笑)この日はGWという事あって満員御礼。しかし凄い増え方だわ~。そんな訳で浅川に着いたらさっさと歩きだし、新緑眩しい中をせっせと登ってまずは曽倉山を目指します。

しかし前の週は冬のカッコでも充分だったのに、晴れたのは良いけどいきなりの暑さは参りました。少々へばり気味で曽倉山に着いたら水をガブ飲みしてさっそく東尾根の下降に移ります。

B120504c
(曽倉山東尾根中腹以降は急降下がひたすらに続く)

のっけは間伐された植林とアカマツ混じりの雑木林に分けられた広尾根で、灌木が若干邪魔なもののルンルン気分で下れる感じでしたが、それも徐々に急になっていき、750m圏以下は急降下がひたすらに続くうようになっていました。

その上尾根は変わらず広いので下降はちょっと技倆を要するレベルですけど、間伐のおかげでもしかしたら意外に判断しやすいのかも。そして足下に左・イチザカ沢と右・ヨシミ沢の流れが見えようになると左手から明瞭な仕事道が合わさって、まもなく出合に着地。

B120504d
(棚頭の亀石・親亀、子亀と亀石神社)

左のイチザカ沢の対岸に薄い浅川峠みちが通っているのが見えたのでそっちに移って下り始めると、すぐ先がアセミ沢の出合で目的の亀石はそのすぐ先に見えていました。

亀石の周辺は近年??整備されたようで随分スッキリした印象で、まずは奥の亀石神社に参拝。それから亀石とご対面しましたが、確かにこの石の色は周囲の地質とは明らかに異質で、そういう対象になるのも不思議ではないなとそのスジはまったくの藤四郎なボクでも納得の存在感ですね。ちなみに亀石についてここで記すのは面倒なので <(_ _)> 興味のある方は新しい松浦本(バリエーションハイキング)を読んで頂けたらと思います。

B120504e
(アセミ沢・出合附近は雰囲気も良かったが・・・)

ここから登り返しが控えているのでパンを食べつつ小休止したら次はアセミ沢に入り、曲り沢左岸尾根末端の延びるの曲り沢出合へ向かいます。

アセミ沢は最初こそちょっとした滝登りがあったりとなかなか楽しかったのですが、奥へ行くにつれ植林の倒木が煩くなって、、う~んこれはちょっとイヤらしいなと思い始めたら曲り沢の出合に到着。尾根末端は先ほど下った曽倉山東尾根と同様にかなり急でちょっとイヤになりかけたものの、気を取り直して左岸尾根に取り付きました。

B120504f
(曲り沢左岸尾根・植林下の登りがひたすらに続く)

曲り沢左岸尾根は下りの曽倉山東尾根の様子や地形図を見る限り、植林主体の尾根かな~?と言う予想は当たって、のっけはヒノキ植林下の登り。でもこの日は暑かったので日差しが完全に遮られる植林は却って助かりました。これで雑木林の登りだったら、まだ暑さに慣れていない身ではかなりしんどかったかも。

それがしばらく登るとアカマツ混じりになって尾根上が明るくなると、灌木低木の新緑に足下にはスミレがちらほら見かけるようになって、決して悪くはない道のり。

B120504g
(オカスミレ)

B120504h
(植林が切れると急登が続く)

急登の始まる手前、おそらく920~940m圏辺りだと思うんですけど、ここで尾根を左に外れる明瞭な径路が延びていたのが少々気になりました。

そしてアカマツ植林がようやく切れると扇~権現の吊尾根へ向け最後の登り。かなり暑いし、尾根は急だし、半端に蔓延る灌木が少々邪魔でしたが、足下にはスミレの類が意外に多くてそれなりに楽しいところでもありました。

B120504i
(エイザンスミレ)

B120504j
(バテて権現山はやめてしまいました・・・;;;)

登って登ってようやく吊り尾根に出たら、権現山まではもうひとがんばり。10分ほどで分岐に上がりましたが、GWのせいか行き交う人は多いし、暑くて少々バテ気味だし・・・としばらく悩んだんですけど、やっぱり面倒になって権現山はパス。

権現山に寄らないなんてちょっとタイトルと違うんじゃないのん?と思われる向きもありましょうが(笑)、直下までは来たので今回は勘弁してくださ~い。

B120504k
(アケボノスミレ)

B120504l
(稜線<権現尾根>もカラマツは芽吹き始めた)

ということで過去二回の山行きでここならのんびり休めそうだというヒミツのポイントを見つけていたので、とりあえず稜線(権現尾根)を西に行って、そこでランチ。にしたんですけど、暑さのせいなのか連荘のせいなのか、食後にちょっと休むつもりが小一時間も熟睡してしまいました。

今回は帰りが猿橋駅まで徒歩になっても麻生沢を下るつもりでいたんですけど、目が覚めたらドッと疲れが出てその気もなくなり、結局今回も長尾根を下ることに・・・(;^^A

B120504m
(ミツバツツジ)

B120504n
(カメラに収めるためにいろいろイジってゴメンね)

長尾根も二週おきに通っているといろいろと変化があって楽しいですね。ここでようやく今年初となるマトモなミツバツツジに逢えましたし、芽吹きは尾根上部、新緑はそこからさほど下らないうちに始まっていて、サクラの花もこの辺りまで来ていました。

おかげで今年は早々とオオヤマザクラを見られたし、足下のスミレも花盛り。とはいえこのまま長尾根を下るのもあんまりなので、今回は長尾根の登山道が一旦主尾根から外れた所で、その外れた枝尾根を降りてみました。

B120504o
(長尾根を外れた枝尾根でも明瞭な道形がついていた)

B120504p
(イカリソウ・なぜかかなり久しぶり)

尾根を外れた当初こそ急な広尾根でしたが、ひと下りすると使われなくなって久しいながらも明瞭な道形が現れたのは意外で、これはかつての登山道だったのか、それとも尾名手峠越えの径の一つだったのか。その道形を追うとさほどの時間もかからずに麻生沢の林道に降り立ちました。

こちらに降りたのはヤマルリソウお目当てだったんですけど、ありふれた花の筈なのに久しく見ていなかった↑↑イカリソウに逢えたのがこの日のお花では一番嬉しかったことかも。

B120504q
(麻生沢の林道・駒宮登山口の直前で崩落していた)

あとは林道をそのまま下るだけなのでお気楽に歩いていたら、なんと駒宮の登山口に出る直前で道が崩落していて驚きました。去年の今の時期は全く問題がなかったのでおそらく昨秋の台風の影響でしょうか??

ただ崩落の規模は大きいし、地面もかなり柔くなっているので、無理なトラバースは滑落の危険・・・と言うより本当の蟻地獄になってしまうので(笑)ここはしっかり高捲きましょう。実際それなりの踏跡もついているようですし。

B120504r
(麻生沢を繞る山稜・左 鋸尾根、中央が三ッ森、右 麻生山と長尾根)

ということで思いもかけない所で高捲きをこなしたら、新緑眩しい駒宮の集落を通り抜けてバス停へ向かったのでした。

・・・・・☆
 
◆ 2012.04.29 (Sun)   晴 時々 曇
猿橋駅 08:18→ 浅川 08:55- 浅川峠 09:30- 曽倉山 09:45- 棚頭の亀石(アセミ沢出合)10:20/10:30- 曲り沢(ノンダ沢)出合 10:45- 吊尾根に出る 12:10- 権現山~麻生山の稜線に上がる 12:25-(途中休憩70分)-麻生山 14:20- 長尾根外れる 15:05- 麻生沢の林道 15:20- 富岡 15:45
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2012.05.01

川苔山・大丹波川から花めぐり

B120501a
(朝の曲ヶ谷沢出合)

今年もGWがやってきました。とりあえず前半は好天に恵まれましたね。とはいえただでさえ人の多いGWに遠出なり泊まりの山をする気は全くない私にとっては歩く山は普段と変わりません。

GW初日の先週の土曜(04/28)はアカヤシオの様子見を兼ねての川苔山。今回は大丹波登山口をベースに曲ヶ谷沢左岸尾根を登って川苔山に上がり、それから踊平に出て大丹波川を下る周回コースを組んで歩いてきました。

B120501b
(曲ヶ谷沢左岸尾根・ひたすらに急登が続く)

しかし大丹波の登山口がスタートだと楽ですねぇ(笑)。朝日に輝く雨上がりの大丹波川の様子が新緑芽吹きと相まってとにもかくにも素晴らしく、そんな様子はこの日の行方をもう決定していたも同然でした。

緑鮮やかなチドリノキは咲き始め、足下にはネコノメソウにニリンソウ、エイザンスミレ、ミツバコンロンソウなどなどお花もよく咲いていて、のっけからいきなりペースダウン。しばらく行くと頭上にはアカヤシオにミツバツツジも見えるようになりましたが、残念ながらお花は少ないですね。

B120501c
(左岸尾根上部ではこんな自然林も少し残っていた)

そんな訳で小一時間かかって曲ヶ谷沢出合出たら、さっそく左岸尾根に取り付きましたが、のっけは急な岩屑混じりの痩尾根。去年下から見上げたアカヤシオはここのだったんですね。ここも花は少なかったですけど。

そんな痩せ尾根を過ぎると今度は植林下の急登に変わってあとはひたすらに登るだけ。今まで寒い日が続いていたのでいきなりの暑さに対応できなくて難儀します。そして送電塔から先は左植林、右雑木林になったので基本右側を行きますが、正直趣的にはどうでしょう。

B120501d
(三ツドッケ、大平山、蕎麦粒山、都県界尾根の山々を望む)

それでも尾根上部にさしかかると自然林も交えるようになって、おそらく花付きが普通であればアカヤシオで埋まりそうな岩コブを越えてヨウヘイギノ頭(1286m)に出るまでが左岸尾根のハイライトかなと思います。

そんな訳で稜線に出たらあとは川苔山へ向かうだけ。足下のお花は乏しいですがまだマンサクがなんとか残っていました。おそらく今年最後でしょうか。改めてよく見てみるとこの稜線もマンサクがかなり多いんですね。

B120501e
(ここまで来れば川苔山は目の前)

曲ヶ谷北峰からは一気に人も多くなって、ようやく川苔山に到着。なんと歩き出しから4時間もかかってます。

山頂は人出溢れているほどではないものの、とてものんびりできる雰囲気ではないのでどうしようかと思っていたところ、ふと目の前の人と目があったらあれれ??もしかして多摩moguさん?とおそるおそる尋ねてみたら、なんとビンゴ!先週のhillwalkerさんといい、ここへ来て懐かしい人によく会うなぁ。(^^)

B120501f
(フデリンドウ)

とりあえずのんびりできそうな確保してランチ。余裕のあるせいかのか陽気のせいなのか、あっという間というか久しぶりに長居してしまいましたが、こういうのも良いですねぇ。

再び腰を上げたら来た道を戻り、今度は踊平へ。さっき稜線の足下の花は乏しいと書きましたけど、それでもアケボノスミレにフデリンドウ、ツルキンバイ。フデリンドウのお初が奥多摩というのは個人的にはかなり珍しかったりします。

B120501g
(川苔山をバックに・稜線はまだ芽吹き前)

B120501h
(アカヤシオ・踊平付近で一部咲き始めたが花は少ない)

そしてアカヤシオもぼちぼち出てきますが、まだみんな蕾。それでもアカヤシオの蕾はピンクが濃く、コレはこれで趣があるものですね。

・・・・と思っていたら踊平を間近にしたところでようやく咲き始めたアカヤシオがぼちぼち現れてきました。このあたりもさすがに花付きは宜しくないものの、咲きはじめのお花は色が鮮やかで綺麗です。

B120501i
(チシマネコノメ)

さて、お目当てのアカヤシオをなんとか見られた所で踊平から大丹波川へ下ります。

植林の急降下から右岸のトラバース道に変わるとお花がぼちぼち出てきて、まずはハナネコノメにヨゴレネコノメ、コガネネコノメは今年お初。綺麗なヨゴレさんはもしかしてニッコウネコノメ??そしてパっと見わからなかったネコノメさんはどうやらチシマネコノメのよう。ハシリドコロも花盛りだし、バイケイソウもぼちぼち顔を出し始めています。

B120501j
(シロバナノエンレイソウ)

B120501k
(獅子口の水場)

B120501l
(カツラの芽吹き)

お花の多さに下を向きがちだけど、上を見上げれば木々の芽吹きがこれまた楽しい道のり。

お花はまだまだ出てきてヤマエンゴサクにシロバナノエンレイソウ、ニリンソウも咲き始め、おそらくヒナスミレ、コチャルメルソウ、ツルネコノメ、フタバアオイ。そして対岸の崖にはまたツルキンバイの黄色が目立って見事でした。

B120501m
(ツルキンバイ)

B120501n
(コガネネコノメ)

なおも下って植林帯を交えるようになるとこれまた今年お初のヒトリシズカ、ミヤマハコベ、エイザンスミレが増えてきて、ニリンソウも花を開いた株が目立ってくると、朝来た曲ヶ谷の出合に出て、ここで丁度ひとめぐり。

B120501o
(曲ヶ谷沢出合に戻ってきました)

ここから登山口までのお花は行きしなに「帰りに撮ればいいや」と思っていたんですけど、実際はもう日が傾きほぼ日影の道のり。朝の輝きはとにかく素晴らしかったし、これはやはり朝のうちにカメラに収めておくべきでしたね。

それでもこれだけ一日楽しめたのですからそんなことはもう些細なことでしかなく、なんともいえない充足感に浸りつつ大丹波の登山口へ向かったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2012.04.28 (Sat)   晴
大丹波登山口 07:35- 曲ヶ谷沢出合 08:15/08:25- 送電塔 09:35- ヨウヘイギノ頭(1286m)11:00- 川苔山 11:30/12:50- 踊平 13:55- 獅子口 14:20/14:40- 曲ヶ谷沢出合 16:05- 大丹波登山口 16:30
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2012年4月 | トップページ | 2012年7月 »