« 高畑山と舟山のあいだを南へ北へ | トップページ | マンサク探しまくり・棒ノ折山 »

2012.03.27

東丸を一山として歩く

B120327a
(かなり久しぶりの東丸山頂)

う~ん。なんか「世附の山歩き」は週刊ではなくとうとう月刊になってしまいましたね。(^^ゞ 先の日曜(03/25)は10年近くぶりとかなり久しぶりだった東丸界隈でした。

ということで今回は吉政から切通峠を越えて切通沢橋に出たら、先月歩いたバラシマ沢(茨島沢)790m圏二俣中間尾根の東隣の尾根の950m峰を通る740m圏二俣中間尾根を登り返して西丸~東丸稜線に上がり、東丸へ。そして東丸からは東丸北東尾根たる東丸ノ沢左岸尾根を下降して東丸ノ沢の出合に降り、それから林道に上がって、菰釣橋~水ノ木造林小屋の山ノ神、そして大棚も見物して、なおも大棚沢林道を登り返して切通峠、ではなく1083m峰東尾根に沿って延びる送電線巡視路経由で吉政に戻る、という相変わらずのややこしいコースを組んで歩いてきました。

B120327b
(バラシマ沢<茨島沢>740m圏二俣中間尾根下部・カヤトを往く)

今年は寒い寒いと言われながらもさすがに三月下旬ともなると山中湖もかなり暖かいですね。でも目の前の富士には雲が立ち上がるようにまとわりついていてどうやら風がかなり強そうな感じ。まずは切通峠を越えて目的の尾根の取付でもある切通沢橋を目指します。

峠を越えて林道に降りるまでは順調にいけますけど、その先の林道歩きが林道が荒れているせいでわかっちゃいるけど意外に時間がかかります。ちなみにお花は切通沢橋周辺でキブシが咲き始め、フサザクラはつぼみが膨らんできて開花直前と言った所。そんなお花のチェックをしながら休憩を取り、それから目的のバラシマ沢740m圏二俣中間尾根に取り付きました。

B120327c
(カヤトの一角より・橡ノ丸と丸尾山)

この中間尾根は施業図(第3次国有林野施業実施計画図)を見ると全編ほぼ植林のようで、登りはじめこそその通りな手入れの悪い暗い植林帯でしたが、ひと登りすると木が途切れて伐採跡のカヤトの草原に変わったのは天気が良かっただけにちょっと嬉しい誤算。

しかもカヤトにはうまい具合にトレースがついていて藪漕ぎも不要。行く先に広がる青い空も眩しいぐらいで見ているだけで嬉しくなってしまうし、振り返ればもう見慣れた光景ながらも、雑木の山肌を纏った丸尾山、橡ノ丸の尾根の姿がなんともそそられます。

B120327d
(950m峰)

B120327e
(950m峰を過ぎるとスズタケが出てくるが長くは続かない)

そんな気持ちの良い登りはカヤトの切れる950m峰まで。そこから少し先を行くとお馴染みのスズタケが現れますが、今やスズは枯死が進んで適度に疎になっているし、藪自体もそう長くは続かず想像よりもかなり歩きやすいです。

それにこの中間尾根は基本植林ながらもちょこちょこっと雑木の区間も交えて、あまり期待していなかったこともあるけど、趣もそれなりにあって想像よりも悪くない尾根でした。

B120327f
(東丸への登りしな)

それでもスズタケの藪が続くようになると西丸~東丸稜線への最後の登りになって、じきに稜線と合流。そう言えばボクが初めて西丹沢というか世附を訪れたのが何を隠そうこの西丸東丸だったんですけど、当時一番驚いたのは純粋なスギ・ヒノキ植林帯の中でもスズタケがワシワシ茂っていたこと。

そんなスズタケもこの辺りは世附の中ではまだマトモなに残っている方ながらも往年の濃さにはほど遠く、下って登り返す東丸への道中も随分と歩きやすくなったなぁ、と言う印象。登りかえしは意外にしんどかったもののあっけなく東丸に着いてしまいました。

B120327g
(東丸ノ沢左岸尾根<東丸北東尾根>上部のひとコマ)

この頃には稜線にも強風が吹き付けるようになってかなり寒くなっていたのですが、偶然にも山頂の北東斜面に風の通らない小広いテラスがあったのはラッキーでした。今回はもちろんそのテラスでランチ。休憩中も天気がめまぐるしく変わって休憩を終えることにはなんと雪が。。。

その雪は再び歩き出す頃には止んでくれましたが、東丸から北へ延びる尾根を捉えて東丸ノ沢左岸尾根を下り始めてもしばらくはかなり寒かったです。

B120327h
(左岸尾根から見える西丸はなかなか立派だ)

しかしこの東丸ノ沢左岸尾根が施業図を見ても今回のハイライトだと目していたのは想像通りで、のっけからモミ、ブナの立派な木々が散見される素敵な林相が広がっていて、3~4mクラスの立派なモミをいちいちチェックしながら下っていく感じ。

それと、尾根の左側に広がる↑↑西丸の立派な姿もおそらくこの辺りからしか見られない光景。快く思っている山がこうも立派に見えるのはそれだけで嬉しいような気もしますね。

B120327i
(4m超のモミ・左岸尾根ではモミの大木が多くみられた)

B120327j
(左岸尾根下部にて)

でも地形図ではRFの要もないだろうと思い込んでいた左岸尾根の下降は900~870m圏辺りが意外にややこしく、ここの通過がこの尾根のポイントになると思います。

そこさえこなせばあとは金山沢へ向け急降下するだけで、植林の中、スズをひっつかみつつ下るとじきに奥に滝が見える東丸ノ沢の出合にピタリと着地しました。

B120327k
(水ノ木の造林小屋上にある山ノ神)

花崗岩の白さが美しい金山沢の河原から林道に這い上がったら、ここから長~い林道歩きの始まり。とはいえ今回は時間的に余裕があるのでいろいろ寄り道できます。ちなみにダンコウバイは菰釣橋附近で咲き始め。これはお彼岸の前道志とほぼ同じレンジですね。

そしてそして今回は水ノ木の造林小屋の上にある山ノ神にようやく参拝する事ができました。小屋の脇から延びる道が参道だったんですね!4mを超える大ブナに5m級の大モミやアカガシなどのいかにも世附らしい社叢の奥に鎮座する山ノ神は独特の神々しい雰囲気があって、ここはもっともっと早く訪れるべきでした。

B120327l
(もちろん大棚にも寄りました)

B120327m
(298号鉄塔より、奥に菰釣山~大栂、右手前が東丸)

山ノ神に参拝したあとは久しぶりに大棚も鑑賞(水量豊富でダイナミック!)して、そのあとの帰途は今まで楽した分のツケを払う長い長い林道歩き。林道が荒れているせいか登りも思いの外時間がかかります。単独の時は馬印から林道の終点まで40分ほどで歩けましたけど、今はそうはいかなそうですねー。

今回は朝と同じルートで切通峠に戻るのもなんなので、送電線巡視路が通る1083m峰東尾根経由で歩いてみましたが、尾根に上がって最初に出る298号鉄塔からの展望が大変よろしく、この時期にしては奥の檜洞も蛭ヶ岳も?かなり鮮明に見えていました。

B120327n
(暮れなずむ甲相国境稜線)

そして1086m峰からの下りも、傾いた日差しのあたる稜線がこれまた殊の外美しく、切通峠に戻るのではなくこちらに回って本当に良かったなぁとしみじみ思いながら吉政へ向かったのでした。

今回で西丸南西尾根(要所小屋沢左岸尾根)から東へ三本並ぶ尾根群をようやく全て歩くことができました。本当はもっと早く歩けると思っていたのに結果として2ヶ月もかかったのは予想外でしたけど、それでもそのおかげで季節の移ろいや別の魅力も発見することができて本当に有意義な山行きになりました。今回歩いた東丸の北面もなかなかステキでしたし、西丸~東丸間の枝尾根群は植林が多いと言う先入観を一度捨てて、残った未踏の尾根をぼちぼち歩かなければいけないなぁ、と思った次第です♪
  
・・・・・☆
 
◆ 2012.03.25 (Sun)   晴 時々 曇 一時 雪
吉政 07:25- 切通峠 07:45- 切通沢橋 08:45/08:55- 950m峰 09:45- 稜線合流 10:15- 東丸 10:55/11:55- 東丸ノ沢出合 13:20/13:40- 造林小屋 14:15/14:25- 大棚 14:40/15:00- 切通沢橋 15:50- 298号鉄塔 16:40- 1086m峰 17:00- 吉政 17:20
 

|

« 高畑山と舟山のあいだを南へ北へ | トップページ | マンサク探しまくり・棒ノ折山 »

【前道志・道志・丹沢 2012】」カテゴリの記事

コメント

はっぴーさん、

あぁ、やはりそんな感じでしたか。。。
昨日ちょこっと歩いた所は少し標高が低いんですけど、それでもこちらも咲き始め~見頃前でした。

今年は本当に遅いですね。近年の平均からすると二週間近くずれている印象。それでもこれからのお花も意外や順調に準備しているようなので、気温が一気に上がると一気に咲き出しそうですね。

投稿: komado | 2012.03.29 23:47

大栂歩かれていた方がいらしたんですか!?
お遭いできたら楽しかったのに残念でした。

お花にはチョット早かったですね。
ネコさん、ホンの一部開花で、ほとんどが まだ目を開けていませんでした。
あとはユリワサビ少々でした。
林道終点から遡行開始したのですが、水ノ木沢はやっぱり長いですね。

投稿: はっぴー | 2012.03.29 20:57

はっぴーさん、

ご無沙汰してます。
週末の悪天が恨めしい今日この頃、定期的に歩かれているご様子がちょっと羨ましいです。

それはそうと菰釣から水ノ木沢とは本当にお隣だったようで。この日はうちにコメントをくれた方が大栂辺りを歩かれたようですし、この辺りで人に会うことは滅多にないのに意外に人が入っているものなのですね(笑)。

水ノ木沢のお花はいかがでしたか?今年はお花の開花が遅くてあの日は菰釣橋でもフサザクラがXでダンコウバイも咲き始めでしたから。ハナネコノメは咲いていたでしょうかねぇ。。。

投稿: komado | 2012.03.29 19:29

こんにちは♪
25日、ブナ沢乗越から菰釣、大栂、水ノ木沢へ出て、
花さがしをしていました。
まだ記事UPしてませんが・・・(^^;

途中、この界隈がお好きなkomadoさんのこと話題にさせていただきましたが、
まさかお隣?にいらしたとはビックリです。

お天気、確かに途中で雪がちらついて、午後は雲が多くなりましたね。
菰釣山からの富士山も雲がかかっていてスッキリ見えず残念でした。

山ノ神に初めて東丸から下ってきた時、
何かほっ~と気持ちが和んだのを覚えています。
ちょうどヤマツツジがきれいな時でした。

投稿: はっぴー | 2012.03.28 18:01

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 東丸を一山として歩く:

« 高畑山と舟山のあいだを南へ北へ | トップページ | マンサク探しまくり・棒ノ折山 »