シキリ尾根とカワゴノ沢の間をブナを愛でつつ登り降り
(菰釣山シキリ尾根上部のひとコマ)
さてさて・・・今週の週刊「世附の山歩き」は水ノ木界隈からこのシーズン初めてとなる菰釣山界隈で、シキリ尾根とカワゴノ沢(荷干沢・本水沢・フジモク沢790m圏二俣左俣)の間の枝尾根を登り降り、と言った所でしょうか。
ということで今回(01/14)は菰釣山からシキリ尾根を少し下ってカワゴノ沢1000m圏三俣中俣右岸尾根を下降。一旦カワゴノ沢に降りたら右岸の枝尾根(カワゴノ沢1000m圏三俣左俣右岸尾根)を登り返して再びシキリ尾根に上がり、次はカワゴノ沢910m圏二俣中間尾根下降。再びカワゴノ沢に降りたら、沢を少し下って城ヶ尾歩道を捉え、三たびシキリ尾根に上がり、シキリ沢右岸尾根~地蔵平を経て、大杉歩道経由で細倉橋に出るコースを歩いてきました。
(菰釣山山頂より)
菰釣山もサガセ西沢の林道も昨年の5月以来だったんですけど、世附川流域に甚大な被害をもたらした一昨年の台風の影響が少なかった道志側も昨秋の台風ではかなり被害が出たようで、西沢林道は洗掘に路肩の欠損が相次いでかなり荒れていました。おそらく現状回復は年単位でかかるものと思われます。
とはいえ林道から登山道に入ると、さすがに沢沿いの道せいか同じように荒れている箇所もあったけど、こちらは通行にあまり支障はない感じ。確か予報では鉄板の晴れだったはずなのにもう曇ってきたのはさすがにこの時期の丹沢と言った所でしょうか。。。
(シキリ尾根を下り始めます)
それでも菰釣山の山頂からは東から雲が迫ってきてはいたもののまだ富士が見えててラッキーでした。おそらくこの日最後となる展望を心ゆくまでと楽しんだら、シキリ尾根を下り始めます。
シキリ尾根も周囲のスズタケの枯死が進み、一部のブナはブナハバチの影響で枯れた木も見受けられますけど、それでも立派なブナの林立する様子はいつ訪れても見事です。なのでついつい周囲を寄り道してしまい・・・ハッと我に返って目的の尾根を下り始めるというマヌケぶり。。。
(カワゴノ沢1000m圏三俣中俣右岸尾根のひとコマ)
その最初のカワゴノ沢1000m圏三俣中俣右岸尾根は下り出しこそシキリ尾根の延長のような雰囲気ですが、ひと下りすると密ではないもののスズタケが深くなって一気に歩きづらくなります。
それでもそんなスズタケ帯は長く続かず、周囲にアセビが混ざってくるとスズタケも薄くなって歩きやすくなりました。そして尾根右側の緩斜面に寄り道しながら下って行くと、尾根が徐々に急になってカワゴノ沢へ急降下。沢の流れが見えてくる頃、尾根が緩くなったなぁと思ったらすぐ先が末端の1000m圏三俣でした。
(カワゴノ沢1000m圏三俣・右の折れた大木が気になる)
この三俣は地形図で見たとおりの小広い所で日差しが入れば良い休憩ポイントになるでしょう。カワゴノ沢の本谷はおそらく右なのですが、左の方が水流はあるし、ちょっとした滝もあるしでこちらの方が本谷の雰囲気。しかし東向きで日差しが入るせい?なのか??沢の凍り具合がいまふたつですね。
あと末端近くに生えていた↑↑大きくうろの開いた大木。パッと見で沢で大木になるシオジかサワグルミかと思ったのですが、周囲を見回してもそれらしい落ち葉は見あたらず、周囲に積もっている落ち葉を見る限りクマシデのようにも見えて、そおいや先週の要所小屋沢の枝沢で見かけたのも同じ木だったのかなぁ・・・と。これは一度葉のある時期に確認しなければいけませんね。
(シキリ尾根へ登り返します・カワゴノ沢1000m圏三俣左俣右岸尾根)
そんな訳で思いの外長居してしまいましたが、歩き出しが遅かったのでもうひとがんばり。とりあえず次の目的の尾根を下るためにシキリ尾根を目指して三俣の一番右岸側の尾根に取り付きました。
この尾根は(カワゴノ沢1000m圏三俣左俣右岸尾根)は遠目で見た限りではスズタケが深そうに見えたものの、実際には岩がちのせいかスズタケがこれまた思いの外薄くてスイスイ登れます。
(シキリ尾根に戻りました)
三俣から15分とかからずに左手から次の目的の尾根が合わさると、徐々に立派なブナを見るようになり、そして同時にスズタケも被ってきますが、もう知れてます。そこからひと登りでシキリ尾根に飛び出しました。
シキリ尾根と合流したところから少し上がった所がブナの美しい平坦池だったので今回はこちらでランチ。天気は良くないし寒かったけど、下の三俣でで休まないで我慢して良かったです。
(今度はカワゴノ沢910m圏二俣中間尾根を下って・・・^^;;;)
(カワゴノ沢に降りたらしばらくは沢沿いに下る)
ランチを終えたら、来た「道」ではなくて「尾根」を分岐まで戻ります。そしてその分岐から右へ分かれている尾根が次の目的の尾根である910m圏の二俣に降りる尾根。ということでそのまま右の尾根に入ると、下り出しは藪がほとんど無く、気持ちよさげな尾根右手の緩斜面を寄り道しながらしばらく下ると、さすがにスズタケが出てきますがこちらも被る程度。
そんな訳であっさりカワゴノ沢に着地したら、さて次はどうしましょう。一つ下流側の尾根(890m圏二俣中間尾根)も未踏なんだけど、ここで一気に歩いてしまうのも勿体ないので、この尾根はまたの機会にとっておくことにして、その未踏尾根の一つ下流側の尾根(870m圏二俣中間尾根)を通る城ヶ尾歩道を登ってシキリ尾根に戻ることにしました。
(城ヶ尾歩道のひとコマ)
(再びシキリ尾根に戻りました ^^;;;)
今回未踏尾根を歩かないで城ヶ尾歩道が横切る870m圏二俣まで下ったのは、昨秋の台風後の周囲の様子や城ヶ尾歩道自体の様子も気になっていたからに他ならないのですが、実際はさほど荒れている様子はなくて一安心。
なので至ってスムーズに歩けてカワゴノ沢から20分ほどで三たびシキリ尾根に戻ったら、今回は時間的に少し余裕があったので、そうなるともちろんシキリ沢右岸尾根の方を下るでしょう。(^^)
(シキリ沢右岸尾根はブナも良いけどもモミも見事)
改めて降りて見るとこちらもモミにブナの木々が見事で、今回みたいにシキリ尾根・イデン沢界隈の枝尾根をマメに歩いてみても(もちろんどこも良い所ですけどネ)林相的にはシキリ尾根~シキリ沢右岸尾根のラインを超えるところはないなぁというのが正直な印象です。
今回は忍橋には寄らずにそのまま尾根伝いに末端の忍橋林道の分岐点に降り立ったら、あとは先が見えているのですが、朝のサガセ西沢の件があるので実はちょっと心配でした。
(富士見林道にも路肩の欠損が・・・イデン沢出合附近)
でもその心配はやはり当たっていて、富士見林道もイデン沢の出合附近で昨年の5月にはなかった路肩の欠損が発生していて、もうこれで一年二年ではどうにもならないレベルになってしまったようですね。
のっけがそんな感じだったので、あとの二本杉峠越えである大杉歩道がより気がかりになってしまったのですが、こちらの方は若干危なっかしい箇所があったものの、まだなんとか行ける感じで本当にホッとしました。ここは安牌の道、というか大杉歩道はすでに世附の山への命脈となっているので必要以上に荒れるのは正直かなりしんどいのです。
(この日の地蔵平)
☆最後にシカさんのお話
近年こちらでもニホンジカが徐々に増えていることはその都度「花のひかり」でも書いていたのですが、今シーズン世附(世附川流域の山山)に入って驚いたのがシカの多さ。一昨年の台風以降相当増えているようで姿もフンも本当によく見かけます。その様子はすでに往年の日原のシカ最盛期直前な12、3年前ぐらいのレベルまで増えている感じがしました。
日原の方はその後狩猟が解禁されて個体数は減りましたが、世附の方は今回の記事でも書いたとおり、昨年一昨年の台風の影響で林道等に甚大な被害が出ており、ずっと先のことになるであろう林道の改修/開通までは実質的な狩猟ができずに、おそらく限界までずっと増え続ける事になると思われます。これから世附の山がどう変わるのか、個人的には急激な変化があるような気がしてますけど、注視していきたいと思っています。
・・・・・☆
◆ 2012.01.14 (Sat) 晴 後 曇
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30- サガセ西沢ゲート 09:15- 菰釣山 10:10/10:20- 中間尾根分岐 10:35/10:45- 1000m圏三俣 11:35/12:00- シキリ尾根に戻る 12:20/12:45- カワゴノ沢910m圏二俣 13:15- 城ヶ尾歩道横切る(870m圏二俣) 13:30- 1000m圏シキリ沢源頭ピーク 14:00- 忍橋林道起点 14:25- 地蔵平 14:45/15:00- 千鳥橋 15:25- 二本杉峠 16:00- 細川橋 16:35
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コメント
ba_sobuさん、
まぁ世附も遅かれ早かれこうなることはわかってはいたんですけど、それでも実際に来るとちょっと複雑ですね。いったいどうなることやら。。。
土曜は丹沢の山だけ曇るというこの時期ならではの天気に当たってしまいました~(笑)。
投稿: komado | 2012.01.19 23:54
komadoさん
貴重な情報ありがとうございます
林道の欠損と鹿の増加 気になります
スズタケの多いのも山の豊かさと思い始めたこのころ、そのスズタケもそのうち???
しっかし行かれたのは土曜日ですよね?、写真で見るとけっこう、曇っていたようですがっ!!
投稿: ba_sobu | 2012.01.18 22:04