西丸を南北に縦断して石保土山へ
(西丸南西尾根<要所小屋沢左岸尾根>上部のひとコマ)
さて先週に「週刊」と銘打ったわけですから今週ももちろん世附(世附川流域の山山)に入りましたが、今回は廃道探訪ではなく「週刊世附の山歩き」と言った所でしょうか。(^^ゞ、
今回も平野を起点に高指山~バラシマ峠に出てからバラジマ歩道・林道を降り、要所小屋沢左岸尾根たる西丸南西尾根を辿って西丸に登って、山伏歩道が一部通る山伏沢(エアリアでは沖ビリ沢)右岸尾根たる西丸北東尾根を下降。山伏沢に降り立ったら山伏沢880m圏二俣中間尾根たる石保土山南東尾根を登り返して、平野へ戻るコースを歩いてきました。
(バラシマ歩道・バラシマ峠からの下りだしは快適)
この日の朝は快晴の上に風もなく寒くなる条件が揃っているような気もしたのですが、実際には先週よりもかなり暖かく、歩き出しから上着を脱いで歩けるぐらいの暖かさ。振り返ると真正面に聳える富士の姿をちらちら見つつまずはバラシマ峠を目指します。
そして高指山から北へ下りきった鞍部がバラシマ峠なのですが、名称図(西丹沢頂稜河川土地名称図)によると茨島峠は富士岬平の一つ北のピークになってるんですね。それはともかくバラジマ歩道はこちらの峠からしっかり延びており、さっそく入るとなかなか素敵な自然林の中をつづら折れに下って行きます。
(バラシマ歩道・バラシマ林道から下はスズタケが煩い)
間もなく植林帯に入ってもしばらくは普通に歩けたものの、下るにつれ間伐後放置された枝木が行く手を阻む感じになってすこぶる歩きづらくなり、そうこうしているうちに道形自体が判別できなくなっていました。ここで慌てて施業図(第3次国有林野施業実施計画図)を広げるとバラジマ歩道は北の枝尾根上を通っていて、そおいえば植林帯に入って間もなくその尾根を横切った時に尾根側にマークがついていたのを思い出してもあとの祭り。
今更尾根に戻るのも面倒なのでそのままバラシマ沢に降りると5分ほどでバラシマ林道に出たので、ここで林道がその尾根が乗り越す所まで登り返してからバラシマ歩道の上の取付を確認(次はキッチリ歩かねば)。そしてここから改めてスズタケ茂るバラジマ歩道を下ると、5分とかからずに301号送電塔巡視路の橋が架かる二俣に出て、バラシマ林道に上がるまでが「バラジマ歩道」のようです。
(小菅川の雄滝を彷彿とさせるバラシマ沢の滝)
バラシマ林道に上がったらしばらくは林道歩きなのですが、こちらは南の大棚沢林道よりかなり荒れています。でも少しマトモな箇所を見てみるとここはかつて舗装されていたようですね。
個人的に意外だったのがこの林道の道のりで、初めてだったせいもあるのでしょうけど周囲の雰囲気は悪くないし、渓相も意外に良くて、この↑↑の滝なんて林道上から見ると本当に小菅川の雄滝を彷彿とさせて、思わず沢に降りて撮影していました。
(林道が完全に寸断されていた・西丸南西尾根の取付附近)
要所小屋沢の出合にかかるバラジマ橋からしばらく下ると林道が沢でスッパリと寸断されていたのですが、偶然にもここが西丸南西尾根の取付だったので、周囲を散策がてら休憩してから尾根に取り付きました。
林道を歩いている時から周囲を見ていて疑問だったのが南西尾根の末端部の林相で、施業図によればこの辺りはヒノキの植林になっている筈なのが、実際にはスズタケが青々と茂る雑木林だったこと。登りだしからスズタケの中を突っ込むように登る事になろうとは・・・。施業図のウソつきー。
(西丸南西尾根・のっけは5m弱の大モミに始まって・・・)
スズタケをワシワシと分けつつのろのろ登っていると、ひと登りで城ヶ尾歩道や白石歩道を想起させるような径路が尾根を横切っていたことに驚いたのですが、その脇に5m弱のモミの巨木がすらりと立っていたのにはもっと驚きました。
いきなりの大物の出逢いに喜んでいると尾根はここから世附でよく見かけるモミの自然林が広がっていて、いったいヒノキ植林はどこ行ったのでしょう。
(尾根全般にわたって立派なモミが散見された)
周囲には3mクラスの立派なモミが散見されて、こりゃ参ったな~と喜んだ途端、すぐ先でようやくヒノキ植林のお出ましでした。植林なのでもちろんスズタケは減って歩きやすくなるのですが、ここまで来たら施業図にはウソを突き通して欲しかったなぁ(笑)。
そんな植林も長くは続かず、再び自然林に変わると再び黒木の木々を愛でつつ登る感じ。途中ツガのかたまった箇所もあって良いアクセントですね。ツガは3m半のが南西尾根では一番だったでしょうか。
(この辺りはツガ)
スズタケも被ることは被るけど歩くに邪魔にならない程度で、下から続いていた黒木が少なくなってブナの立派な木々が目立ち始めると、最後の登りになって西丸の山頂に飛び出しました。
思いの外林相が良かったせいか登りに二時間近くかかっていてので、ここで丁度頃合いも良かったんですけど、西丸に着いた途端曇りだしてなかなか晴れてくれません。しばらく待っても晴れる気配がなく、かなり寒かったのでのんびりするのは諦めておにぎりとパンを詰め込んだら先を行きます。
(西丸山頂)
自然林と植林に分けられた北東尾根をさっそく下り始めるとひと下りで左手から山伏歩道が合流。この辺りはどうしても自然林側の歩きやすい山伏歩道の方を歩いてしまいますね。
山伏歩道は痩せた鞍部で一旦北東尾根上に上がりますが、すぐに右へ捲きだし、一つ先の鞍部で再び北東尾根に復帰するもここですぐに右へ分かれてしまうので、この分岐から先が個人的には未踏区間。基本的には植林の中を下って行く感じで、小広い1004m峰を過ぎると左の急斜面をマーキングを拾いつつ適当に降りていくようになり、じきに山伏沢に降り立ちました。
(山伏沢880m圏二俣・中央の尾根が石保土山南東尾根)
そこは石保土山南南東尾根とも言える尾根が延びている890m圏の二俣辺りで、この尾根を登っても石保土山へは行けるのものの甲相国境稜線の南尾根群はをとりあえず東から辿っているので、今回もすぐ先に見える一つ東の南東尾根が延びる880m圏の二俣へ向かいます。
下の880m圏二俣はサワグルミの立派な木が目立つ小広い別れになっていて、右手には先週登った山伏沢出合からの尾根が延びています。ここで顔を洗いつつ休憩したら、中間の尾根である石保土山の南東尾根に取り付きました。
(石保土山南東尾根<山伏沢880m圏二俣中間尾根>中腹辺り)
(妙な踏跡をたどると岩屋?があった)
登りだしは暗いモミの植林で施業図を見てわかっちゃいたものの正直無粋ですね。でも尾根を横切る奥世附歩道の中段歩道はあっさり発見。ちょっと嬉しいです。
でも植林を抜けてじきに横切るであろう奥世附歩道の方はおおよその場所は判別できたものの、道形はあやふや。それよりもなおも上がって尾根上に岩が現れると尾根を横切る?踏跡があって、試しに右へ追ってみたところじきに↑↑こんな岩屋?らしきものが見つかりました。当時使われていたかどうかはもちろん不明ですけど。。。
(南東尾根上部はさすがにスズタケが出てくる)
(こんな大岩も)
植林を抜けるともちろんスズタケが出てきますが、それよりも地形図を見てもわかるように尾根が急でそちらの方がしんどい感じ。しかも大岩を捲いたりする箇所もスズや倒木に阻まれて歩きづらいこと歩きづらいこと。
それでも石保土山の南・南南東尾根が合流する辺りは突然藪が切れて、↑↑こんな大岩のある庭園のような所も通りがかって、実はここも結構な急斜面なんですけどそれでもなかなか楽しいところでした。
(南東尾根上部・この辺りはなぜかスッキリしている)
(大棚ノ頭直下の送電塔より西丸と南西尾根)
そんな庭園を過ぎ、尾根が痩せると最後の登りになって、さほどの時間もかからずに石保土山に到着。冷たい風が稜線を吹き付ける中、寒くて気が向かなくても(笑)念入りにダニチェックをして帰路につきました。
今回は先週よりもスムーズに歩けず時間がかかりましたが、特に登りの西丸・石保土山への二本の登りの尾根は想像以上の尾根でかなり楽しめました。西丸南西尾根はその林相からビリ沢歩道(樅ノ木沢右岸尾根)を彷彿とさせますし、石保土山の方は植林もあるけど変化もあってあとの南南東・南尾根共にちょっと楽しみになってきました。山に入れば人に会うことはまずない静かな所だし、今の時期はダニを必要以上に気にする必要もない。世附はやっぱり楽しいや。(^^)
・・・・・☆
◆ 2011.12.25 (Sun) 晴 時々 曇
富士山駅 07:15→ 平野 08:10- 高指山 08:50/09:00- バラシマ林道に出る 09:25- バラシマ歩道・301号送電塔巡視路分岐 09:30- 尾根取付 10:00/10:10- 西丸 11:55/12:15- 1004m峰 12:35- 山伏沢880m圏二俣 12:50/13:00- 石保土山 14:30- 富士岬平 15:30/15:35- 平野 16:10
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