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2011.10.18

三ツ峠から本社ヶ丸へ・紅葉と展望の稜線

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(開運山より・御坂主稜の奥に南ア全山が聳える)

いやぁ先週の連休は紅葉シーズンに入ったというのに風邪をひいてしまい、ようやく今週は歩けると思ったらこの天気。でも日曜(10/16)は天気が回復傾向だったので、遅い歩き出しでしかもすぐに稜線に上がれる山、ということで3年ぶりに三ツ峠から本社ヶ丸へ。そのあとは稜線を222号鉄塔まで辿ったあと、その直上ピークから北へ派生している穴沢840m圏二俣中間尾根を下降して笹子駅に出ました。

早朝は雨だったせいか河口湖駅から出る天下茶屋行きのバスはかなり余裕がある感じ。それでも登山口から歩き出せばすでにピーカンで、色づき始めた紅葉と三ツ峠にしてはかなり少ない人出と相まって歩き出しから気分は上々です。

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(色づきがイマイチな中、サラサドウダンの赤が目立つ)

木無山までの道中はさすがにパーティが何組かいたものの、この時期の三ツ峠からすると閑散と言ったレベルで木無山も開運山までの道中もなんか別の山を登っているような印象すら受けました。

肝心の紅葉の方は台風に高温続きでは色づきは正直イマニイマサンな印象ですが、それでも御坂は岩の多い山。サラサドウダンとホツツジが頑張ってくれて??想像よりもかなり楽しめたのはこれまた正直意外でした。

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(開運山より・府戸尾根の奥に富士山)

お花狙いの夏場だったら捲く事の多い開運山もこの好天ならもう上がるしかないでしょう (^^) と言う展望を見せてくれて、目前に聳える富士はもちろんのこと、ガスが徐々に晴れてきている御坂主稜の稜線もなかなか。そしてその奥には笊から甲斐駒までの南アの稜線もくっきり見えています。

そんな展望を楽しみつつしばらく山頂にいた方とお話をしたら、お次は御巣鷹山へ。鞍部の草原は終わりかけのシロヨメナやホソエノアザミにフジアザミ、オヤマボクチ辺りがポツポツ。このあたりもサラサドウダンの紅葉が一番目だっていました。

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(タカノツメの黄葉)

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(三ツ峠~清八山間も思いの外色づいていた)

御巣鷹山を越えて清八山へ向かうと一気に急降下し、鬱蒼とした自然林に変わると今度はヤマトリカブト。最低鞍部辺りでもすでに木々が色づいていて驚きましたが、これは台風の影響もあるでしょうね。

色づきはこちらもあまり宜しくなく、綺麗な黄色と言えば↑↑のタカノツメぐらい。赤はドウダンやホツツジが目立って、カエデの類は傷んでいてほんとうに宜しくないですね。たっぷりの日光とツツジの類がなかったらこの日の紅葉は満足できなかったかも。結果として選んだ山も正解でしたー。

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(サラサドウダンと釈迦ヶ岳・清八山より)

そしてランチは展望の宜しい清八山のテラスで。本社ヶ丸ならともかく、こちらなら誰も来ないだろうと思い込んでいたら通りがかるハイカーがいたのには驚きましたけど、もしかしたら往復かも知れませんネ。

富士や南アもさることながら、眼下に甲府盆地を見下ろしながらランチをとるなんて随分久しぶりのような気がします。(^^)

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(本社ヶ丸への道すがら)

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(途中の岩峰より)

ランチを終えたら、今度は本社ヶ丸へ向かいます。こちらでもたっぷりの日差しとサラサドウダン、ホツツジのおかげでそれなりに見られるようになっていてなかなか楽しい道のり。

途中の岩峰に着くと、今まで隠れていた八ヶ岳がようやく姿を現してくれ、それも嬉しかったですね。お昼を過ぎるとかなり暑くなってきたものの、通り抜ける風が心地よ意外や快適に歩けます。

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(本社ヶ丸東峰)

3年ぶりに訪れた本社ヶ丸山頂(西峰)は周囲の灌木が育ってきましたかね?山頂は狭い上に普段なら人出も多いだろうし、清八山でランチにしたのは正解だったようです。

そんな山頂でちょこっと休憩したら東峰へ向かったのですが、まぁ清八峠からの道すがらもちょこっと気になっていたんですけど、やはりこの辺りもブナハバチがぼちぼち出現しているようですね。数本ながら葉が再展開しているブナもいたし、ハバチでかなり弱っている大木もいたりして・・・

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(222号鉄塔)

それでも1541m峰を通り222号鉄塔までの稜線は素敵な自然林が続いて、ここも紅葉こそイマイチなれど、豊富な日差しカバーしてくれて楽しめました。

そんな林が切れて周囲が開けると222号鉄塔で、この直上の小ピークから北へ派生しているのが下る予定の穴沢840m圏二俣中間尾根。この辺りのめぼしい尾根はほとんど歩いてしまっている今、ここは数少ない未踏の尾根で、個人的にはまさに虎の子だったりします(笑)。

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(穴沢840m圏二俣中間尾根・下り出しは灌木が煩い)

休憩を終えてさっそく下り始めると最初は灌木が煩く、急な露岩の尾根といった感じですが、それもひとしばらく下っているとじき抜けて傾斜も緩んで歩きやすくなります。

するとこちらはブナこそ少ないものの、ツガが次々と現れて驚きました。大まかに見ると広葉樹の方が多いのですが、印象としてはまさに栂の尾根。4mクラスの大木もあって、これは西の枝尾根とは雰囲気が違うというか、この尾根が植林から逃れた故に残されていたのでしょうね。

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(ツガの多い尾根、4m位の大物もいた)

1153m峰あたりからは尾根も広がって、あとは歩きやすいところを選びつつ尾根をゆるゆる下って行く感じ。林道が横切る所も末端附近から難なく右へ逃げられて、難なく着地できます。

普通ならまぁここでお終いなのでしょうけど、ここまで来たら末端まで降りるのがスジでしょう、ということで林道を越えてなおも尾根を下るとじきに尾根が大きく広がって、もうどこでも歩けるような緩斜面に変わってコレは気持ち良いなあ、と思い始めた途端、本当の尾根末端である穴沢の840m圏二俣に出てしまいました。

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(中間尾根1153m峰)

ここで穴沢の左岸へ渡ると、すぐに通い慣れた穴沢沿いの林道に出る段取り。下りの尾根は短いながらも思わぬ掘り出し物だったなぁと気をよくしつつ、あとは林道をてくてく歩いて笹子駅へ向かったのでした。

・・・・・☆
 
◆ 2011.10.16 (Sun)   快晴
河口湖駅 08:50→ 三ツ峠登山口 09:30- 木無山 10:35- 開運山 10:50- 御巣鷹山 11:10- 清八山 12:30/13:20- 本社ヶ丸 13:45/14:00- 222号鉄塔 14:45/15:00- 1153m峰 15:30- 林道 15:45- 穴沢840m圏二俣 15:55- 笹子駅 16:25
 

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2011.10.04

宝永山を見上げつつ、その真下まで

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(宝永第三火口より宝永山赤岩を見上げる)

ちょっと遅れましたが(笑)先の連休は土曜の日原に続いて珍しく連荘で、翌日曜(09/25)は珍しく富士山の方で、今回は7月に御殿場口を下って以来気になっていた双子山(二ッ塚)から御殿庭、そして宝永第二火口の縁まで上がってみました。

今回はお車で御殿場口新五合目に出てからのスタート。晴の予報も五合目に着いた時に一瞬富士山山頂が姿を現したぐらいで基本的にはガスの中。双子山周辺は高木がないので少々不安になりつつスタートするとやはりというか周囲がガスガスで全く判らず、登山道に沿って張られているお助けロープがないと先へ進めない状態です。

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(双子山・この時は姿を見せてくれていたが・・・)

この時点で本場もののフジアザミやイタドリの花は盛りすぎと言った所でしょうか。黒い砂礫の斜面を淡々と登っているうちに時々ガスが晴れて下双子山辺りが姿を現した時はちょっとホッとしますね。

それでも双子山と下双子山の鞍部に着くと再びガスに覆われてちょっと不安になりつつも先ずは下双子山の方へ向かうと、こちらは山頂に石碑があって、晴れていたらさぞかし展望の良い山頂なのでしょうねぇ。。。

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(双子山から三辻まではこんな感じの所を行く)

下双子山からガスの中慎重に鞍部に戻って次は双子山へ向かいますが、大砂走りの下りしなに見えた時はタダの丘に見えた双子山も実際に歩いてみるとなかなかの急登。そんな登りをこなして山頂についてもガスに強風ともう心が折れかけるような天気で本当にこれからどうしよう・・・とこの時点ではかなり悩んでいました。

それでも鞍部に戻って道を西へ行くとガスが徐々に晴れてきて、晴れ間も覗いたなと思ってフト振り返るとガスの中歩いた双子山が姿を現していたのはちょっと複雑でしたが、それでもガスが晴れたおかげでだだっ広い砂礫の中を歩くという富士のスケールを感じられるようになったのには正直ホッとしました。

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(三辻からはカラマツの中へ)

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(小天狗塚・常時西風が吹き付けるような所なのでしょう)

そんな砂礫の歩きも三辻を過ぎるとカラマツ林に入って雰囲気も一変。台風のせいか?すでに枯れかけた葉が目立つのが気になりましたが、天然のカラマツ林というのも珍しく、新鮮だし、新緑や黄葉の時期なんかもかなり良さげですねぇ。

そしてカラマツの高木が減ってくると小天狗塚の北鞍部を横切るのですが、この辺りは西風が強いのでしょうね。↑↑上の写真のようにカラマツの枝葉が東へ一方的に向いているのが、また面白かったです。

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(御殿庭上<第三火口>からもうひとがんばりして・・・)

小天狗塚の鞍部から六部河原を渡って御殿庭入口に着いたらそのまま御殿庭上へ向かうと、今度はカラマツからシラビソ、コメツガ、トウヒなどの黒木の森に変わったのですが、黒木の森とはいえ例えば奥秩父や南アルプスあたりとは雰囲気がかなり違いますね。

何が違うのかはうまく表現できないんですけど、湿度が足りないせいなのかヤケに明るいせいなのか、下草が妙に鮮やかだし、この登りも面白かったです。

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(第二火口の縁より・奥の窪みは第一火口)

御殿庭上について漸くわかったのはここが宝永の第三火口なんですね。カラマツの高木がいるのでちょっと判りづらいかも知れないけど明らかに火口とわかる地形。当初はここまでの予定だったんですけど、もうひと登りした第二火口の方がちょっと開けてそうな雰囲気だったので、とりあえずそこまで頑張ることにしました。

見た目よりも距離が長かったものの、第二火口の縁の尾根まで来た所で今回はお終い。第二火口はさすがに火口らしい雰囲気で縁の先には宝永の赤岩が間近に聳えていますが、実際に歩くと結構時間がかかるんでしょうね。その奥の第一火口の大きさも判るし、第二と第一との間に縁には登山者がアリのように見えてそれもまた楽しいです。

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(イタドリ・紅葉が始っているのもあった)

ということで広くて場所にも事欠かなかったのでこの縁でランチにしたのですが、ランチ中もガスに覆われたり晴れたりを繰り返す感じ。そして反対側を振り返れば雲海なんかも見られるし、御殿庭上で終わらせなくて本当に良かった。

それに標高が高い割に(すでに2200mぐらいはあったはず)思ったよりも寒くなかったのもラッキーだったかも。そんな訳で天気はイマイチながらも周囲の雰囲気を心ゆくまで楽しんだら、宝永山にちょっと後ろ髪引かれながらも下山を始めます。

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(六部河原の流れの奥に宝永山赤岩)

来た道をそのまま戻るのもなんなので御殿庭上まで下ったら、西の御殿庭中へトラバースして(登り勾配だったのは意外)それから尾根道を下って御殿庭(下)へ向かい、東の御殿庭入口に戻る段取り。しかし御殿庭って一体どこのことなのでしょう。それとも入口・上・中・下に囲まれた辺りがそうなのでしょうかねぇ。。。

入口から三辻まで戻ってから、ここで南の幕岩を目指します。

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(こりが幕岩でしょうか??)

三辻から南へ下り出すとこちらも始めはカラマツ林で、それから馴染みのある広葉樹林に変わる所もまた素敵ですね。木々も少し色づき始めているし、それよりなによりナナカマドがどの木も実をたわわに実らせているにも見事でした。

じきに幕岩上を過ぎるとまもなくに須山口との分岐に着いて、そこから幕岩へ下って行くのですが、ひと下りして砂礫に埋もれた沢筋に降り立つと、上流側に立派な枯滝が聳えているのが見えます。標識等がないもののコレがおそらく幕岩?なのでしょうか??

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(幕岩からの下りはなかなか素敵な樹林帯だった)

その幕岩の沢筋を少し下るとすぐにブナやミズナラ、ダケカンバなどの自然林のトラバース道にに変わって、あとはのんびりと御殿場口を目指したのでした。

今回イマイチ天候には恵まれませんでしたが、それでも富士のスケールにめまぐるしく変わる植生など、想像以上に楽しい山行きになりました。双子山だけがかなり残念でしたけど、新緑紅葉はもちろん、雪のつく冬も面白そうだなぁ、と。ここは季節を変えて通ってみたいなぁ、と思っています。

・・・・・☆
 
◆ 2011.09.25 (Sat)   曇 一時 晴
御殿場口新五合目 08:05- 下双子山 09:10/09:15- 双子山(二ツ塚)09:45/09:55- 三辻 10:35- 御殿庭入口 11:10- 御殿庭上 11:50- 宝永第二火口の縁 12:15/13:25- 御殿庭中 13:55- 御殿庭(御殿庭下)14:15/14:25- 三辻 15:00- 幕岩 15:25- 御殿場口新五合目 16:25
 

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