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2011.08.03

花の稜線・白馬岳から朝日岳へ 2

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(ようやく夏山らしい光景が見られた・ 鉢ヶ岳~雪倉岳の稜線)

前の晩は寝不足気味という事もあって4時前までぐっすり。だったんですけど、目が覚めてラジオをつけたらいきなり緊急地震速報のチャイム音が鳴り出して焦りました。こちらでは全く揺れはなかったものの、結構大きかったようですね。

それから眠い目をこすりながら自炊場へむかうとすでに電気がついており、昨日はガスって外が全く見えなかった窓からは南の杓子・鑓ヶ岳や旭岳が見えていて、ちょっと期待出来そうな雰囲気です。

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(白馬岳から下り始めると晴れてきた!)

んがご飯を食べてから外に出て歩き出すと、すでに外はガスに覆われていてガックリ。今日もあかんのかぁ・・・と思いつつ白馬山頂に上がり、南の三国境へ向かうとあれあれ周囲が徐々に明るくなってきてどうやら晴れてきている感じだぞ!

そうなると昨日は気がつかなかった咲き残りの↓↓ツクモグサ(初めて見ました)なんか見かけちゃったりして、気分も徐々にノってきました。

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(ツクモグサの咲き残り・^^)

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(白馬岳を振り返る)

そして三国境を過ぎると人もガスも一気に減り、おおーっ。振り返れば↑↑↓↓のような光景が広がり、しばし見とれてしまいます。

白い砂礫の稜線にはヒナを連れたライチョウがこちらを気にすることもなくヒョコヒョコと動き回り、この日もなかなか先へ行かせてもらえません。まぁこの日は行程は短いし、お花がいろいろ咲いているので別にどうでも良いんですけど。(^^)

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(旭岳と清水尾根)

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(ムカゴトラノオ)

こちらでまず目についたのがミヤマムラサキ。イワオウギとばかり思い込んでいた中にタイツリオウギやリシリオウギらしき物が混ざっていたことに今更ながら気がついたり。きちんとカメラに収めておけば良かったです。

そして鉢ヶ岳を前にして道が東へ捲きはじめると、雪が消えた直後の斜面にはチングルマやシナノキンバイ、ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラ、イワイチョウ、ショウジョウバカマ、ミヤマキンポウゲ、アオノツガザクラなどが咲き乱れ、雪渓をいくつも横切る楽しい道のりはこの日前半のハイライトともいえる箇所でした。

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(この日見かけたお花の一部・Part1)

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(ハクサンコザクラ)

そんな道のりから赤茶けた砂礫の上を行くようになると再び稜線に戻って、下りきった鞍部にあるのが雪倉の避難小屋。晴れたのはもちろん嬉しいことなんですけど、今度は暑くなってしまい(笑)小屋の裏側で少し休んでから雪倉岳へ向かいます。

この登りではタカネバラが沢山咲いていてもう何年分も見てしまった感じでしょうか。コマクサや咲き終わりながらもウルップソウがまだまだ見られるのは個人的には少々意外だったかも。イワシモツケ、ミヤマハンショウヅルにクモマスミレも多く見られて登りながらも相変わらず楽しい道のりが続きますね。

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(雪倉岳への登りしなより鉢ヶ岳を振り返る)

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(この日見かけたお花の一部・Part2)

しかし雪倉岳へ登る間にこちらにも早々とガス来てしまい、もはやコレまでかと思いながら先を行くと、ここからガレた急降下の始まり。

一段標高が下がるせいでしょうか、ここから出てくる花ががらりと変わってまずはアカバナシモツケソウ、ハクサンシャジン、オニアザミ、オオバギボウシ、シロバナクモマニガナ、ミヤマカラマツ、ミネウスユキソウにタテヤマウツボグサ。そしてニッコウキスゲが見事でした。でもちょくちょく見かけるタカネマツムシソウはまだ蕾ですねぇ。。。

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(雪倉岳からツバメ平への下りしなより)

しばらくはそんなガスの中をお花愛でつつ下っていたんですけど、なんとここでもう一度ガスが晴れたと思ったら足下に↑↑のような光景が広がっていてちょっと感動的ですらありました。

そんな中をゆるゆる下ってツバメ平に降り立つ頃、ようやく咲き始めたタカネマツムシソウやシロウマアサツキに逢えて一安心。コメツツジも見かけましたが、普通のコメツツジでしょうか。

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(この日見かけたお花の一部・Part3)

そしてツバメ平らからは樹林帯に入って赤男山の西を捲いていきます。キヌガサソウはもう終わっていましたが、これはまだ水平道があるので諦めないでなおも先を行くと、ゴゼンタチバナにマイヅルソウ。樹林が切れるとオタカラコウにミヤマバイケイソウ、オオレイジンソウ、ノウゴウイチゴ、キバナコマノツメ、ミヤマツボスミレ。草原のニッコウキスゲが相変わらず見事です。

やがて木道が続くようになるとそこが小桜ヶ原のようでハクサンコザクラは当然見事だったんですけど、個人的にはようやく綺麗に咲いたキヌガサソウに、想定外だったリュウキンカ、ミズバショウに逢えた事の方が嬉しかったかも。

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(水平道は雪渓がいくつか残っていた)

間もなくついた朝日岳との分岐は当然水平道で、キヌガサソウはまだ盛りだし、サンカヨウやオオバキスミレにも逢えたし、スノーブリッジに気を遣いながら雪渓を渡るのも又楽しいです。再びガスって来たこともあったけど、今回の所は水平道を歩いて正解だったようですね。

途中ランチをとったから偶然にも道は登り勾配になって、狭いトラバース道から突然周囲が広がるともうそこは朝日小屋手前の水谷コル。あとは右手に満開のニッコウキスゲを見ながら目前の朝日小屋へ向かったのでした。

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(ハナニガナとシロバナニガナ・水平道にて)

さてこの日のお宿の朝日小屋なんですけど、ロケーションの良さもさることながら、狭いながらも水場つきの綺麗な自炊場が完備されていて自炊に優しい小屋ですね。もちろんここは評判の良い小屋なので食事はかなり良かったようですが、自炊でも良かったです(笑)。

そして蓮華温泉の林道が途中で通行止めになっているせいか宿泊者は少なく、この日の寝所も快適そのもの。しかもこちらでも同宿者にも恵まれて楽しい一夜を過ごす事ができました。

・・・・・☆
 
◆ 2011.07.25 (Mon)   晴 後 曇
白馬山荘 05:15- 白馬岳 05:30/05:45- 三国境 06:25- 雪倉岳避難小屋 08:00/08:10- 雪倉岳 08:50/09:00- ツバメ平 10:25- 水平道分岐 11:15-(途中休憩40分)- 朝日小屋 13:30
  
 
朝日小屋 素泊り ¥6300
ビール(ロング缶)2本 ¥1400
 

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コメント

ふうたろうさん、

そおいや朝日小屋はボクがリンクされている方でもテント泊で冷たい仕打ちにあっていたことを思い出しました(笑)。テント泊さんに冷たいのかなぁ。

そうそうあの時小屋の人が少なかったのは蓮華温泉の林道が土砂崩れで通行止めになっていたからのようです。あの辺りは蓮華温泉周回の方が多いようですよ。小屋番さんも少ないって嘆いてらっしゃいました。

投稿: komado | 2011.08.25 23:35

 ふうたろうが、去年の飽きに、猛烈な雨にぶちのめされながら歩いたコースと同じですね。あの時は花なんて殆ど咲いていませんでした。紅葉でも愛でて、なんて思っても、ひどいガスと雨で展望どころでさえありませんでした。

 朝日小屋、良かったですか…。ふうたろう、この小屋では非常にイヤな思いをしたので、二度とここには行かないでおこうと思っています。半ば締め出しを食らったような気分でしたから…。

 それにしても、この7月のピーク時でも人が少ないものなんですね。やっぱり、百名山を除けば、如何にアルプスといえど、静かに歩けるのでしょうか。確かに、8月の劔はヤバかったけど、その下のはしご谷乗越とかは全然人いませんでしたからね…

投稿: ふうたろう@零族 | 2011.08.25 17:27

ba_sobuさん、

やっぱり早い時期だったのでマツムシソウやアケボノソウはちょっと早かったけど、おかげで今回はタカネイバラを飽きるほど見られたのでOKです。

でもここは夏でも時期をずらして何度か通えたらどんなにか素晴らしい事でしょうね。地元の方が羨ましいわ。今回こちらを歩いてみて花の種類は朝日の方、花の規模は清水尾根と言う事がよくわかりました。白馬ってつくづく凄い山ですねぇ。

投稿: komado | 2011.08.06 19:33

白馬1にコメントつけた名なしは わたしでした 

トップの写真のところで ガスが晴れてよかった !
登山道の砂礫を歩く じょりじょり?した音や
暑いような爽やかなような 嬉しい風に吹かれるの
想像しながら楽ませていただきました 

お花畑はひとりじめ?ッてほどではないですが ゆっくりされたようですね 
わたしの時と3週間?くらいのちがいで やはり雰囲気が変わってる お花の顔ぶれも 変わってる
やまの魅力は 尽きませんね

投稿: ba_sobu | 2011.08.05 05:33

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