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2011.08.15

黒部源流を馬蹄形に歩く 2(野口五郎岳~水晶岳~雲ノ平)

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(朝の野口五郎岳)

さてこの日は前の晩がそこそこ晴れていたのでご来光でも見られるかなぁ、と思っていたんですけど、4時過ぎにのこのこ起き出してみると、う~ん再び周囲はガス。でも空が明るいので今日も午前中は晴れそうな事がわかってちょっとワクワクしてきます。

宿泊者が少ないのとツアーご一行さまの企業力(笑)のお陰で朝食も20分ほど繰り上がって、5時過ぎにはスタート。野口五郎の山頂が↑↑な感じだったので当初こそ少し粘ろうかなと思ってはいたものの、なんとなく足が先を向いていました。

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(歩いていると徐々に晴れてきた・赤牛岳と立山)

しばらくはガスの中を歩いていたのが、先へ行くにつれ徐々にガスが晴れてきて、五郎池に周囲の山山が姿を現す光景は何度遭遇しても感動的な光景ですね!

そしてより晴れてくると、ボクでも一発でわかるような山山が次々と姿を見せ始めてくれて、自然と歩みがトロくなってきます。槍ヶ岳なんかは登山者がケタ違いだから晴れて良かったね~、ってお前はどんな立場でもの言ってんのん(笑)。

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(槍ヶ岳と硫黄尾根)

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(鷲羽岳、双六の左にちょこっと笠ヶ岳)

それにつけても裏銀座は表銀座や槍ヶ岳周辺に比べると格段に人が少なくて、静かに周囲の展望を楽しめるのも良いですね。夏のお花も盛りこそ過ぎたもののまだまだ咲いているのに、そのお花があまり目に入らないのが不思議です。

そんな訳で縦走路から微妙に外れたピークでのんびりしつつのろのろ先を行くと、まだまだ遠かった水晶~赤牛の稜線がいつも間にやらけっこう間近に来ている事に気がついて、そこから下りきった鞍部が東沢乗越でした。

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(東沢乗越)

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(来た道を振り返る・奥に野口五郎岳)

降り立った東沢乗越にはお地蔵さんがいてビックリしましたけど、さっそく手を合わせましたよ。(^^)

あとは水晶小屋へ向けての最後の登り。この辺りがちょっとしたお花畑になっていて、しんどい登りも楽しいですね。イワオウギにヨツバシオガマ、ミヤマタンポポ、タカネヤハズハハコ、ウサギギク、ミヤマキンバイあたりが目立ったでしょうか。

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(水晶小屋への登りはちょっとしたお花畑)

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(水晶岳より鷲羽方面・まだ8時過ぎなのにガスが・・・)

そんな中を登り切ると水晶小屋で、さすがにここからは人が増えてきますね。休憩がてら小屋の方と話をしていると前の晩の宿泊者はなんと100人とか。定員40人ほどのこの小さな小屋で倍以上の人数が寝泊まりして、しかも翌日は元気に歩き出せるなんて凄いというか、単にボクの修行が足りないだけかもー(笑)。

このまま雲ノ平へ向かうのも時間的にあんまりなので、汗が引いたらとりあえず水晶岳へ。水晶は読売新道を歩いて以来だから4年ぶりか。あの時は終日怖ろしいくらいの好天でしたが、今回は山頂に着く頃にはもう西側からガスが湧いてきていました。まだ8時過ぎなのに。。。

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(岩苔乗越より黒部源流・三俣蓮華岳)

あとは前日みたいにこのままガスっちゃうのかなぁ、と思いつつ小屋に戻って次は南へ下ります。ところが道中は当然曇ったりガスったりするものの、時折晴れ間も覗いて意外にしぶとい。

そんな様子に岩苔乗越からそのまま祖父岳へ上がるのではなく、黒部源流廻りにしようかなぁと思いかけたんですけど、初めてだしやっぱりやめてそのまま祖父岳へ向かいました。

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(ハクサンイチゲ)

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(祖父岳より・雲ノ平と薬師岳)

本当に広い祖父岳の山頂に着くと今まで隠れていた薬師岳がようやく姿を現してくれましたが、それでもスッキリとは見せてくれません。そんな様子を見つつしばらく休憩したら、足下に広がる雲ノ平へ下り始めます。

じきに木道に降り立ったら時間に余裕がありすぎなのでまずは木道を辿って日本庭園に寄って、それから来た道を戻って山荘へ。上から見ると心地よさそうな雲ノ平の広がりも実際はハイマツが多いらしく、道にもハイマツが結構被ってきますね。

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(水晶岳を見ながら下って行きます)

そしてテン場分岐の手前にはスイス庭園への木道が分かれていたので試しに寄ってみると、スイスかどうかはボクにはまったくわからないんですけど(笑)、目の前には薬師岳や岩苔小谷を繞る緩い広がりがなかなか素敵です。

しかも今回は泣く泣く割愛した高天原の赤い屋根が見えて、のんびり出来そうな所だったのでここでランチとなりました。

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(雲ノ平山荘が見えてきた)

ランチを終えてのんびりしていると周囲がちょっと暗くなってきたので慌てて山荘へ向かったら、やっぱり雨が降ってきました。それでも小屋まで僅かの距離なので無問題だったんですけど、テン場で水を汲めなかったのは結果としてちょっと痛かったかも。

さて、この日のお宿である雲ノ平山荘。建物がまだ真新しくて、余計なお世話ですけどコレいくらかかってんのん?と心配してしまうほど中も本当に凝っている造りですね。なので中はもちろん綺麗ですし、なにより裸足でのんびり出来る2階のテラスがポイント高いです。ここでビールを飲みつつガスの動きで変化する周囲の山山をボーッと眺めて過ごしていたんですけど、同宿者さんとのお話もつきないし、ほんとうに飽きないですね。

この日も布団一枚を確保できたし、先のテラスでは夜の☆空も楽しめたりと良い一夜を過ごせましたが、小屋の水が天水の上に洗面所がまだ工事中なので、テン場で水を汲んでおくともっと幸せに過ごせる小屋だと思います(笑)。
 
・・・・・☆
 
◆ 2011.08.08 (Mon)   晴 後 曇
野口五郎小屋 05:05- 野口五郎岳 05:20- 竹村新道分岐 05:55- 東沢乗越 07:10- 水晶小屋 07:55/08:00- 水晶岳 08:25/08:35- 岩苔乗越 09:45- 祖父岳 10:25/10:40- 日本庭園 11:15- スイス庭園 12:00/12:50- 雲ノ平山荘 13:00
  
 
雲ノ平山荘 一泊二食 ¥9000
ビール(ロング缶x2)¥1400
水(1L)¥100
お茶(1L)¥200
 

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コメント

サンバさん、

をを湯ノ沢行かれていたんですね。
もう近場の山は徐々にお花が減るのはしょうがないところなんですけど、矢っ張り淋しいですよね。

それもでも南大菩薩の方は御坂に比べたらまだマシで、近場で最後まで残りそうなのももしかしたらこの辺りなのかも知れません。

投稿: komado | 2011.08.23 21:50

komadoさん

近場のお花畑とは湯の沢高原、白谷ノ丸辺りですか
去年花種が少なくなったと嘆いていらっしゃいましたね。8月7日(日)に行って来ましたが、確かに目立った
のはコウリンカ、ヤマハハコ、ウスユキソウ、ヒヨドリ
ソウ位それ以外にもまだまだありましたが株が少ない。
以前あったアカネランは見かけず。マツムシソウは
まだかと思いますが全くありませんでした。

投稿: サンバ | 2011.08.22 20:07

サンバさん、

ふふふ。この夏は諸事情により高い所へ行きやすくなっているので高い所が続いています。(^^) 今年も涼しい時期が間にあるから少しは楽だけど、それでも暑すぎると低い所はそれだけで心が折れて行きたくなくなってしまいます。

5年ほど前のように近場でもお花が多ければ少しは違ったんでしょうけど。。。

投稿: komado | 2011.08.22 19:40

komadoさん、こんにちは最近夏は高山の報告が多い
ですね。
その昔裏銀座縦走で三俣蓮華小屋で豪雨に会い雲の平
に行きそこなった事を思い出しました。素晴らしい画像
昔を思い出しながら楽しく拝見しました。

投稿: サンバ | 2011.08.21 10:24

そうそうカズさんのレポ、悲惨だったもんね~。
アレでボクも水晶岳は絶対に泊まらないと思ってそう言うコースを組んでいますけど、あそこは位置的に便利ですからね。混むのも仕方ないですよね。

話を聞いてみんな元気なのは小屋の窮屈さから解放されたから元気になったのかも知れませんネ(笑)。

投稿: komado | 2011.08.20 19:46

相変わらず水晶小屋は増築していないようす?
僕もあの中に入れられたことあります。(泣)
暑いのと窮屈なのと、悲鳴や怒号で、ほとんど寝ら無かったです。

それでもなぜか翌日は快適に歩けました。
水晶小屋マジック?
横になって目をつむるだけでも体力が回復するんですね。

投稿: かず | 2011.08.18 22:56

SAKURAさん、

そうそう野口五郎はテン場がなくなっちゃったから烏帽子から雲ノ平か三俣まで間がかなり開いちゃうんですよね。

SAKURAさんが今回も避難小屋だし、重荷を担げて羨ましいですよ。でも今回ボクも二食付きでしたけどなぜか水一杯なら14、5kgは担いでいたようなので、避難小屋の山行きにも目処が付いたような気がします。

あと今回の山行きでお花の記述が少ないのは夏の花が終わりかけ秋が始まりとちょっとした端境になっていたことと、あとは前の白馬が多かったからなのでしょうねぇ。。。

投稿: komado | 2011.08.18 00:13

懐かしいコースを拝見です。
すべてのお写真に見覚えあり…
展望が楽しいコースでルンルンですね~♪
水晶小屋の真下の左側にミヤマオダマキのいい株が満開で、お初だったので感激でした。
雲ノ平山荘は去年は改造中とかで営業してませんでしたが、素晴らしいのができたんですね。
我々はお水が豊富な幕場の方の泊でした。
1時には雲ノ平山荘着はさすがに早いですね。
我々は大荷物で烏帽子から雲ノ平の幕場までは恐ろしく遠かった。
もう、とうに小屋泊まりの年なのになぁ…トホホ!

今年も亀さんのように駒ケ岳から越百山まで避難小屋泊で縦走しました。
私は眺め育った山々なので感激でしたが、やはり北アルプスは美しいですよね~♪
次回のレポはどちらに向われるのかなぁ…?

投稿: SAKURA | 2011.08.17 17:52

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