黒部源流を馬蹄形に歩く 3(雲ノ平~太郎兵衛平~薬師岳)
(朝の雲ノ平・左に黒部五郎を見ながら)
んー前の晩は結構飲んで酔っぱらったまま寝てしまったら、案の定酔いが覚めた10時過ぎにパッチリと目覚めて、あとはほとんと眠れずじまい。でもそのおかげで星空を堪能できたのは良いんですけど、やっぱり翌朝は眠いですよねぇ。。。
それでもしっかりと朝食をとってからのご来光待ちも、肝心の方向に雲がかかってダメそうだったので、さっさと出発しました。
(ご来光は水晶のどの辺りから出てくるのだろう?)
この日はこの山行きで唯一朝からクッキリと晴れていた日で、朝から黒部五郎や薬師岳がくっきり見えているし、前日はガスでわからなかったんですけど、黒部五郎と三俣蓮華の間には笠ヶ岳が見えるんですね。
ただこの雲ノ平の木道歩き、祖父岳からの下りもそうだったんですけど、木道上に朝露のたっぷり附いたハイマツや灌木が億被さってきているので、歩いているだけでかなり濡れますです。なので慌ててザックカバーとロングスパッツを出してしまいましたよ。とにかく雲ノ平周辺は木道歩行時の朝露対策が必須だと思います。もちろん刈り払いが入れば別ですが。
(この日の朝は薬師岳もクッキリ)
とはいえ朝露は晴れてさえいればその冷たさが心地よいので (^^) 個人的にはさほど問題は無いのですが、ボクがイヤだったのはその先の木道が切れてから薬師沢へ急降下する箇所。ここは暗い黒木の中、滑りやすい湿った岩岩を気にしながら下るという神経をかなり遣うところで、ここは下りの苦手なボクにとっては登りの方がまだマシなように思えます。
あとこの下りで読売新道のようなネズコ(クロベ)の大木なんかも見られるのかなぁ~と密かに期待していたんですけど、さすがにそれは甘かったようです。やっぱりああいうのは黒部でも珍しいのかなぁ。。。
(薬師沢小屋に降り立ちました)
そんな訳でなんとか薬師沢小屋に降り立ったら、ここで大休止。しかしココは良い所ですね。流量豊富な黒部の流れの一段上にへばりつくように建っている小屋の風情がなかなかよいです。ただチト暑く感じるのは標高が低いせいかも。
ここで美味しい水をたらふく頂いたら、太郎兵衛平へ登り返します。
(太郎兵衛平への道も木道が多い)
痩せ尾根をすこし登ると、じきに木道歩きに変わるのですが、快適と思われる道も日差しが強く、標高が低いこともあってこれが暑いのなんの。寝不足と相まってこの日はこの辺りの登りが一番キツカッタ。
そんな木道沿いにはニッコウキスゲにキンコウカ、ミヤマアキノキリンソウ、シナノオトギリ、オタカラコウと黄色いお花が目立ちます。
(薬師沢と雲ノ平を振り返る)
やがて道が薬師沢から離れ、太郎兵衛平への最後の登りはよりしんどくなるのかと思ったら意外に短くて一安心。じきに傾斜が緩むと周囲が一気に開けて、だだっ広い草原の中にぽつんと立つ太郎平小屋が見えてきました。
黒部五郎から太郎兵衛平にかけては緩い広尾根が続いていて、遠目からでもこれは完全にボクの好みだなぁ・・・とは思っていたんですけど、実際も素敵な所ですね。
(ようやく太郎平小屋が見えてきた)
小屋周辺は当然ながら登山者も多く、夏山らしい雰囲気が却って好ましいかも。本当はここでラーメンでも煮てランチにするつもりだったんですけど、本当にバテてしまったのでもう小屋のラーメンを頼んじゃいました(笑)。北アは楽だわ~。でもなかなか美味しかったですよ。軽食頼めばセルフのお茶だって心置きなく飲めますし。
ランチを終えたら水を汲んで、薬師岳へ向かいます。が、朝は見えていた山頂はもうガスに隠れています。。。
(しかし薬師岳へ向かう頃にはまた・・・)
それでも振り返れば、太郎兵衛平らから黒部五郎のたおやかな稜線がなんとも魅力的に見えて、次はあそこかな~などと思いつつ薬師峠のテン場に降り立てば、ここから薬師岳へ向けて本格的な登りが始まります。
地図を見る限りは登山道は尾根についていると思い込んでいたので、しばらく沢伝いに登るのには驚きましたが、ちょっとは涼しいので悪くないですね。
(太郎兵衛平を振り返る)
(シロバナタテヤマリンドウ)
道が沢を離れると間もなくケルンのある平坦な草原に出ますが、そこが薬師平でしょうか。そこから薬師岳の懐に入るように登っていくところは、ガスってなければ薬師の巨きさを感じながら登れるところなんだろうなぁ。。。
そんな訳でガスガスの中を淡々と登っていき、広い稜線の傾斜が緩むとじきに薬師岳山荘に着いてしまいました。
(本日のお宿・薬師岳山荘)
(薬師岳へ向かうも、ガスっていたので帰路についた途端・・・)
でも寝不足ながらもさすがにこの時間で山歩きを終えてしまうのはあんまりだし、空を見上げるとなんか晴れそうな気配も感じられるので、とりあえず薬師岳の山頂まで行ってみることに。
小屋から40分ほどで山頂に着くと、稜線の東側が少しだけ晴れて赤牛辺りがちょこっと見えて喜んだのもつかの間、すぐにまたガスってしまったので、あっさりと諦めて小屋へ戻り始めたら
(げげ、晴れてきたっ!)
いきなりガスが晴れてきたのはちょっと意地悪じゃございません?(笑)
でも下るにつれ周囲が綺麗に晴れ上がっていく様子を見ながら降りるのはなかなか爽快だったのですが、それでも気分はちょっとだけ複雑だったかも。現に夕方近くに登った人は展望がそれなりに良かったそうです。
(夕方には雲海も見られますた)
さて、この日のお宿である薬師岳山荘。こちらも建て替えられたばかりなので中は綺麗でなかなか快適だし、天気が回復傾向という事もあって、ビールを飲みつつガスの動きで変化する周囲の山山をボーッと眺めて過ごしていると、こちらでも同宿者さんとのお話もつきないし、ほんとうに飽きません。
しかも食事はこの山行きで一番美味しかった小屋ですし、夕方には雲海、そして夜は満点の☆空に富山方面の夜景まで楽しめた最高の一夜でした。ただこちらも水の少ない小屋ですので、下から担いでいくとより幸せに過ごせる小屋だと思います。(^^)
・・・・・☆
◆ 2011.08.09 (Teu) 晴 後 霧
雲ノ平山荘 05:20- 薬師沢小屋 07:30/07:55- 薬師沢左俣の橋 08:45- 太郎平小屋 10:10/10:40- 薬師岳山荘 12:20- 薬師岳 13:05/13:15- 薬師岳山荘 13:50
特製ラーメン(大盛・太郎平小屋)¥1000
水(チップ・太郎平小屋)¥100
薬師岳山荘 一泊二食 ¥8900
ビール(ショート缶)¥600
水(PET x2)¥800
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コメント
もりのふうさん、
あれぇ、もりのふうさんも北アへ遠征だったんですか!
しかもあそこを登られたとあっては本当にお疲れ様です。実際すれ違うハイカーさんに心の中でそう思いながら下っていたんですよ。
でもその苦労報われずビール切れもまだショートが残っていたから良かったですね。そおいや前に熊ノ平ではビールが品薄なのを知っていながら早く着いた事をいい事に遠慮無しにいっきに3本も飲んでしまったことを思い出してしまいました。その後間もなく売り切れ(笑)。
投稿: komado | 2011.08.20 20:01
SAKURAさん、
そうそう、今回両方訪れてみてボク的には雲ノ平より太郎兵衛平の方がよほど高原感や雲上感があって印象的でしたし、好みでした。
そういえば、薬師の小屋は軽食にスイーツが充実してましたよ。あんみつとかぜんざいとか。頼もうと思ったら荷物の整理に時間をとられて、時間切れでした-(15時まで)。
投稿: komado | 2011.08.20 19:55
ba_sobuさん、
タダでさえ嫌らしい道なのにカッパ着て虫に囲まれたのでは良い所が全く無いのですが(笑)。
でも山行きって良かった~と言う所よりもそう言う苦労したところの方が記憶に残るから不思議ですよね。
投稿: komado | 2011.08.20 19:51
かずさん、
寝不足でバテてなかったらスゴ乗越まで足をのばすつもりだったので、この小屋は正直ノーマークだったんですけど(稜線の小屋だし)、実際見てみたら綺麗で本当に快適に過ごせましたよ。
前のは相当ボロかったみたいですね。前のを知ってる人はみんな異口同音に「ボロい」と仰っていました(笑)。
投稿: komado | 2011.08.20 19:49
komadoさん、こんにちは。
16日に、薬師沢~雲の平を登ったのですが、しんどかったです。下るのはもっとしんどいだろうなぁと思いながら歩いていたのですが、やはり相当神経を使いそうですね。ちょっとトライしてみたい(笑)。
登りで疲れてしまったので、雲の平山荘でロング缶を買おうとしたらが売り切れでガックリ。その一因がわかりましたよ~(笑)。
投稿: もりのふう | 2011.08.20 17:32
どちらに向われるかと思っていましたが、薬師の方だったんですね。
太郎平は雲の平よりずっと広くて大きく見えます。
薬師岳山荘も綺麗な小屋で食事も美味しく…記し付けよう~♪
小屋は北アルプスが一番綺麗だよね。
ペットボトルは400円かぁ…ふむ!(笑)
目が覚めたら9時で目覚めスッキリ!
何とか寝ないと起きるわけには行かなくて…
7時に寝たんじゃねぇ…うん!
投稿: SAKURA | 2011.08.19 18:35
雲の平~薬師沢小屋まで、わたは登ったのですが、かっぱを着ていた上に 大量にブユに囲まれ大変でした。
今となっては 良い思い出・・・・?
投稿: ba_sobu | 2011.08.19 11:37
ゲゲゲ~!
薬師岳山荘建て替えられてるや~ん!
なんだかショッキングで寂しい気持ち。
これも時代の流れか~。
水よりビールのほうが安い気がするね。(笑)
今回の馬蹄形の旅は懐かしい画像ばかりで、ノスタルジックな気分にひたってます。シミジミ…。
翌日は、立山方面かな~?
投稿: かず | 2011.08.18 23:07