(スゴノ頭と薬師岳を振り返る)
さすがに前日が寝不足だったせいかこの日はぐっすりと眠れて、タイマー設定をすっかり忘れていたのにピタリと3時半に起床。そう、この日は行程がちょっと長めなのでそれなら薬師岳からのご来光も組み合わせてしまえ、ということなのでした。
それでも山頂に近い小屋ゆえ、さすがにご来光狙いの人は多くてみなさん次々に起きていく感じ。この日の朝はオベントにしてもらっていたので暗い中用意したらさっそく出発です。
(薬師岳でご来光を狙うも・・・)
前の晩、あれだけ綺麗に見えていた星空や夜景もこの時点でガスがかかり始めていて夜明けはどうなる事やら、と思いつつヘッデンつけてとぼとぼ歩いていくと、徐々に明るくなっていき、山頂につく頃にはもうライトが要らないくらい明るくなってきたんですけど、辿り着いた山頂はやっぱりガスだったんですね(笑)。
しかし昨日と言い今日と言い薬師さまはツレないな~。それはともかくご来光まで時間があったのでオベント食べつつ待っていたんですけど、結局ガスはいっこうに晴れなかったので諦めて先を行くことにしました。ボクなんかは通過点に過ぎないから良いけど、ココを目的に来た人達はちょっとかわいそうだったなぁ。。。
(北薬師岳を過ぎると一気に晴れてきた!)
そんな訳でガスガスの中稜線を北へ行くと一気に人気(ひとけ)がなくなりますね。途中古びた道標?の立っているピークが北薬師岳でしょうか。
その北薬師からしばらく行くと、あれ?周囲がヤケに明るくなってきたなと思ったらいつの間にやら周囲がスーッと晴れてきて、5分もしない間に足下に↑↑のような光景が広がっていたのにはビックリするやら嬉しいやら。
(左中程の立山がわかるでしょうか?)
そんな様子に一気に気分もよくなり、じきに2832m峰一つ北のピークに上がったら、ここからがこの日の本番。
行く先のガスが切れて現れつつある山山に、右手にはここからはこんな見え方をするのかぁと思った赤牛岳。そして正面にこれから通る稜線を見下ろしながらすいすい降りる道のりはまさにジェットコースター。本当に爽快としか言えない気持ちの良い道のりでした。
(間山からひと下りした辺りだと思う)
(スゴ乗越小屋)
下るにつれ砂礫の道から土に変わり、高木が出てくるとまもなくスゴ乗越小屋で、思いの外早く着いたし、もうお腹も減り始めたし(笑)しかもこの日はこれからがしんどい行程なので小屋前でラーメンを煮て食べていたら、小屋番さんが出てきてしばらくお話。
その中で小屋の水のお話とか、山ガールとは言ってもココに若いのが来るのはまだ珍しいとか(笑)休憩したおかげでいろいろと良いお話を聞けました。実は前日にバテていなければスゴ泊の予定だったんですよね。やはりココは一度泊まらなければ。。。
(この二つの山を越えなければ五色へは行けません)
かなり早めのランチを終えたら、この先の行程に備えて美味しいお水を頂いて、まずは最低鞍部のスゴ乗越へ向かいます。しかし下れば下るほど先に見えるスゴノ頭と越中沢岳のふたコブの存在がだんだん大きくなっていくので、それが結構憂鬱です。
そして下りきったスゴ乗越の鞍部が意外に広々していることに驚きつつ、ここで休むと先へ行きたくなくなるのでそのまま登り返しに移りました。
(スゴノ頭のお次は越中沢岳)
スゴノ頭への登りは見た目通りに急で、しかも暑い。それでも登りは意外に順調でしたが、途中で西へ捲くと思い込んでいたのは間違えで、実際にはスゴノ頭山頂の直下まで登らされます(笑)。
一つ目を終えてもお隣には次の越中沢岳の屹立がなんとも素敵です。んが、もちろん一度下ってアレを登り返さなければいけない訳なんですけど、う~ん、意外に軽く行けそうに見えますね。(^^)
(薬師岳と降りてきた稜線を振り返る)
(越中沢岳を越えてもまだ鳶山が残ってるのです)
ということでさっそく下って登り返すと、もちろん急登が続いてしんどいことはしんどいんですけど、意外に気持ちが良いぞ。天気が良いせいなのかな?振り返ると今さっきすいすい降りてきた北薬師からの稜線も一望できて、それも気分が良いですね。
それでも最後の登りはちょっとお疲れ気味で、なんとか越中沢岳の山頂まで登り切ると、ここでようやくこの日の目的地である五色ヶ原が見えてきました。遠くから見ても広々として気持ちよさそう。早くあそこでのんびりしたいなぁ。。。
(オヤマリンドウ)
とはいえ五色ヶ原へはもう一仕事しなければいけないので、もういっぺん下ってから次は鳶山へ。もう最後という事もあるんでしょうけど、この最後の登りはさすがにキツカッタ。でも道は稜線を忠実に行くのではなく、東に捲き気味につけてあるので少しは楽なんでしょうけど。
道中も盛りを過ぎた夏の花に混じってウメバチソウやトウヤクリンドウ、オヤマリンドウなど秋の花が目につきますが、う~ん問題なくどこかで逢えると思い込んでいたタカネマツムシソウが見当たらないのですがぁ。。。
(越中沢岳を振り返る)
ヘロヘロしながらなんとか鳶山を越えればあとは五色ヶ原へ下るだけなのに、もう周囲はガスに覆われて五色ヶ原の広がりを見下ろしながら下る感じではなかったのはちょっと残念だったかな。クロユリも見つからなかったし。
それでも予定よりは早く着いたので途中の木道でお昼寝なんぞしてから、この日のお宿である五色ヶ原山荘へ向かいました。
(ようやく五色ヶ原が見えてきた・右奥は針ノ木岳)
小屋に着いたら先ずはビールを買い、ちょっと晴れてきたのでビール片手に五色ヶ原の散策をしたんですけど、この時点では綿毛が圧倒的でしたがチングルマがほんとうに多いですね。7月下旬辺りとかかなり見事そうです。
でも下のテン場まではまだ晴れていましたけど、帰路のヒュッテ跡までの登りにさしかかると再びガスに覆われてあとはそのまま。小屋に戻るとタイミング良く?すぐに雨が降ってきました。
(五色ヶ原のテント場より)
さて五色ヶ原山荘の方ですけど、中はみんな小さい個室で山小屋と言うより年代物の旅館と言った風情ですね。この日は平日という事もあってかなり余裕がある感じでした。あっ、あとこの小屋にはお風呂があることを事前に知らなかったので、話を聞いた時は本当に狂喜してしまいましたよ!
おかげで四日間の汗を流せてキレイさっぱり。それだけでも気分が良いのに、この日も同宿者に恵まれ、雨のせいで☆空はさっぱりでしたが、本当に楽し一夜を過ごす事ができました。それと事情はわかりませんが、この小屋は物が安いですね。ビールもペットのお茶も。
・・・・・☆
◆ 2011.08.10 (Wed) 晴 時々 曇
薬師岳山荘 04:00- 薬師岳 04:50/05:15- 北薬師岳 05:55- 間山 07:00- スゴ乗越小屋 07:30/08:15- スゴ乗越 08:40- スゴノ頭(直下)09:20- 越中沢岳 10:40/10:50- 越中沢乗越 11:25- 鳶山 12:15-(途中休憩30分)- 五色ヶ原山荘 13:20
五色ヶ原山荘 一泊二食 ¥9000
ビール(ロング缶)¥600
お茶(PET)¥350
板チョコ ¥200