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2011.06.08

タワ尾根、小川谷源流部を8の字周回

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(シロヤシオとトウゴクミツバツツジ、アズマシャクナゲが一斉に咲く 石楠花尾根)

先の週末はその前の週から一転、そこそこ天気の良い週末になりましたね。でも先週はムリヤリ火曜に歩いたのがたたったか、後が大変で(笑)そのせいで土曜はまったく起きられずに山行きは翌日曜(06/05)になってしまいました。

ということで今回は孫惣谷の栃ノ木窪右岸尾根を辿って一旦篶坂ノ丸に上がり、それから北の鳥居谷の左俣である元小屋窪辺りを適当に降り、上段歩道を捕まえて小川谷の三又に出たら石楠花尾根を登り返して、長沢背稜/都県界尾根の縦走路まで登った所で縦走路を西へ行き、時間がないので酉谷山は捲いて(笑)タワ尾根を通しで下降するという、タワ尾根と小川谷源流部の辺りを8の字に周回するコースを歩いてきました。

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(栃ノ木窪右岸尾根・防火帯の切られた?カラマツ林)

日曜はちょっと長めのコースだったので久しぶりに一番バスのスタート。珍しくいっきさんも一緒の電車バスだったこの日は不思議と朝から快調で、まずはてくてく林道を歩いて栃ノ木窪へ向かいます。

おろせ橋からのしんどいヘアピン登りもこれまた快調にこなして栃ノ木窪には一時間ちょいで到着。ここで休憩がてらパンを食べてから、先ずは水流のない栃ノ木窪に上がり、それから右岸の尾根に取り付きました。

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(栃ノ木窪右岸尾根上部はさすがの自然林)

のっけが手入れの良い植林帯なのは想像通りで、ひと登りして尾根広がるとここでオロセ尾根と採石事務所を結ぶ水源林巡視路が横切ります。というかここから巡視路が尾根上へも分岐していて、実はそれが通い慣れた孫惣谷左岸の巡視路の潰れ小屋から下ってきた道。しばらくはその巡視路を追いつつ尾根を登る形になります。

その巡視路を辿りつつ登っていくとやがて巡視路が尾根を左に外れるので、そこで尾根の直登に切り替えるとすぐに左岸の巡視路を突っ切り、今度は防火帯の切られたような感じのカラマツ植林を行くようになりますが、

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(朝の篶坂ノ丸)

そんなカラマツ林もさほどは続かず、じきに緑の美しい自然林に変わるともう篶坂ノ丸は間近。さすがと思わせる立派なミズナラやブナも散見される尾根上をゆるゆる登ると、あっさりと広い篶坂ノ丸の山頂に到着しました。

日差しがあったこともあって気持ちのよい山頂には先客さんがいらっしゃって、休憩がてらしばらくお話ししていたんですけど、虫が多かったのは参りました。汗も引いたところで山頂を辞して、次は北の元小屋窪を適当に降りていきます。

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(元小屋窪<鳥居谷左俣>のひとコマ)

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(上段歩道はほぼ変わりなし)

歩きやすいところを選びつつ、適当にトラバースを交えつつ元小屋窪に降り立つとじきに上段歩道に出たんですけど、勢い余って危うく上段歩道を見落とす所でした(笑)。

あとは緑覆う上段歩道をてくてく歩いて三又へ降りる段取り。道中変わった箇所はないものの、小川谷林道が通行止のせいか通行者が極端に少ない感じに見えます。

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(三又は相変わらず素敵なところです)

そんな道中も、ずんずん下って下段歩道と合流し小川谷に沿っていくようになると雰囲気が一変。とにかくシオジやサワグルミなどの渓畔林が殊に美しく、三又の辺りはいつ訪れても素敵な所なんですけど、それでもただの和み系でなく、ちょっとした深山の緊張感を漂わせている所もこの辺りの魅力のように感じます。

そんな様子にやっぱりこの時期の三又は一度は訪れないとね~、とご機嫌になりつつ、今回はこちらでランチ。いつものようにお昼寝は出来ませんでしたけど、林道が止まっているお陰で通行者もなく、のんびりすることができました。

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(石楠花尾根下部あたり)

休憩を終えたら今度は石楠花尾根なんですけど、丸八年ぶりの再訪となった目的は明らかに名前負けした規模ながらも(笑)自生しているアズマシャクナゲ花期の様子が見たかったため。

取付から1205m峰までの急な鉄砲登りをなんとかこなせば、あとは八年の間にスズタケが消えてしまったこともあって比較的楽に歩けて、ツガの林立する痩せ尾根に、ミズナラの疎林が美しい広尾根を交えて、今回は登りにとったこともあってかなり新鮮な気分で歩けます。

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(アズマシャクナゲ・盛りはやや過ぎたか)

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(石楠花尾根上部)

そして1400m圏峰に上がるとここで散りかけながらもシロヤシオがいたのには驚きましたが、実は密かに狙っていたのでこれは想定内のお話。

でもそこからなおも上がってシロヤシオやトウゴクミツバツツジの花が満開になってくると、その中にアズマシャクナゲが混ざってきたのは想定外というか本当に驚きました。花々を見かけた瞬間、ここは北関東の山かよと思いかけたぐらいで(笑)、当然規模は知れているものの日原というか奥多摩でもこの三種のツツジが同時に見られる場所があったんだぁ、としばし茫然としてしまいました。

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(シロヤシオ・高い所はまだまだ満開)

とはいえその三つを見る分には至って普通に見られるんですけど、これがいざカメラに収めるとなると、痩尾根上と言う事もあってかなり難しく、ボクのウデではあまり宜しくないながらもトップの写真が精一杯。

そんな訳でかなり時間をかけてなんとかカメラに収めたら、なおも盛りのシャクナゲやシロヤシオを愛でつつ登っていくと、やがて長沢背稜/都県界尾根の縦走路に飛び出しました。

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(長沢背稜/都県界尾根・徐福ノタオ辺り)

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(トウゴクミツバツツジも見事な花付き)

縦走路に上がった時点で13時過ぎ。これならタワ尾根廻りでも17時台のバスに間に合いそうなので、当初の予定通り縦走路を西へ行きましたが、周囲がガスってきたのをこれ幸いに酉谷山は捲いてしまいました。

縦走路もトウゴクミツバツツジが花盛り。サラサドウダンはぼちぼち咲き始め、足下に大量に生えているマイヅルソウも一部咲き始めて、野の花では実は今回これが一番うれしかったかも。

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(タワ尾根上部もトウゴクミツバツツジが見事)

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(イワカガミは花盛り)

タワ尾根に入っても先月は見事に蕾をつけていたトウゴクミツバツツジが一斉に咲き出しており、尾根上部は見事でしたし、アズマシャクナゲやチチブドウダンも去年よりは花付きが宜しく、個体数が少ないながらもこちらも見事でした。

でも今回タワ尾根を降りたのは石楠花尾根では見られなかった↑↑イワカガミに逢いたかったからで、個人的にも6月に入ってようやく今年の初物。こちらも多くないながらも花盛りでもう十二分に楽しめましたです。(^^)

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(篶坂ノ丸に戻ってきました)

あとはウトウノ頭のプレートがなぜが二つあった事に驚きつつ、8の字の要である篶坂ノ丸に戻ったら、霧に煙るタワ尾根をすいすい降りて一石山神社を目指したのでした。
 
日原は自然林が素晴らしいのでこの時期はどこを歩いても本当に楽しいんですけど、今回は石楠花尾根がある意味かなりの衝撃でした。これは世附の時にも書きましたが、季節を変えて歩くことってやっぱり大事なんですね。ホント今回は久しぶりに参りましたわ。そんな感じです。

・・・・・☆
 
◆ 2011.06.06 (Sun)   晴 後 霧
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:55- おろせ橋(八丁橋)07:35- 栃ノ木窪 08:05/08:10- 左岸巡視路突っ切る 08:55- 篶坂ノ丸 09:25/09:50- 上段歩道(元小屋窪)10:10- 三又 10:55/11:35- 1205m峰 12:00- 縦走路 13:15- タワ尾根乗越す 14:15- ウトウノ頭 15:00/15:05- 金袋山 15:35- 一石山神社 16:25- 東日原 16:55
 

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2011.06.02

シロヤシオを愉しむ大平山と都県界尾根

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(シロヤシオ・高い所でも満開間近!)

しかし5月だというのにいきなり台風に梅雨入りとエラい事になってしまいましたね。おかげで先週末は当然の事ながらお山はお休み。なんですけど実は長沢背稜/都県界尾根のシロヤシオは標高的に日にちが少しズレてくれた方が却って好都合だったので、久しぶりにひとり火曜隊(05/31)で歩いてきましたヨ。

今回は川俣から花新田(はなにた)経由で大平山、七跳山に上がり、それから都県界尾根を西へ三ツつドッケまで行き、ヨコスズ尾根を降りるコースでした。

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(台風後のせいかカラ沢も水量充分)

今は小川谷林道が使えないので大平山なら秩父側から入るのが穏当でしょう、ということで西武秩父駅からタクシーを走らせて川俣からのスタート(¥3770)。雨後のせいか?ガクウツギの濃密な香りが漂う植林帯をせっせと行き、まずは花新田を目指します。

さすがに台風の後だとカラ沢の水量もたっぷりで壮観でしたが、登っていくと水流の切れる場所はほぼ一緒なんですね。まぁそれでも一部水流が顔を出したりした所もありましたけど、やはり名前通りの沢だなぁと言う印象です。

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(今の時期の花新田)

水流の方はそんな感じだったものの、周囲の渓畔林はすでに緑に覆われてなかなか見事。しかもこの辺りで時々晴れてくれたりもしたので、この日花以外で一番ワクワクしたのがカラ沢の花新田までの道のりでした。

そして辿り着いた花新田もすでに周囲は緑に覆われていましたけど、枯れかけたフクジュソウが金色に見えなくもないかも(笑)。でもフクジュソウって花の時しか気にしない事もあるんですけど、結構大きく育つんですね。

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(右の枝尾根へ薄い径路が延びていた)

花新田でパンを食べたら次は大平山を目指します。けどどうやって稜線に上がろうかなぁ、と思いつつ結局右俣を適当に上がるしかないんですが(笑)、今回は歩き出すとすぐ上でマーキングがあることに気がついて、そこからふと右側を見てみると、なんと右の尾根へ向かって明瞭な切り開きが延びていたのでした。

これは気がつかなかったなぁ・・・と思いつつさっそく辿ってみるとまもなく右の尾根上に上がり、そこから先は踏跡となって北のカラ沢の右俣へ緩く下っている感じ。その先が気になりつつも尾根上にも明瞭な切り開きが上がっていたので登ってみると、あっけなく稜線上のブナの広場に出てしまいました。花新田から15分強でしょうか。

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(稜線はスズタケが薄くなり歩きやすくなった)

稜線はすでにガスっており、後はひたすらに尾根を登って大平山へ向かいますが、いやぁスズタケが枯れて本当に歩きやすくなりましたねぇ。こんな天気で藪こぎなら服がびしょ濡れになるのは避けられないんですけど、当然そんな事もなく至って歩きやすくなってます。

ただ大平山はどれも尾根が広いので今後この枯れたスズタケが姿を消すと、特に下降はスズタケが茂っていた頃よりも却って難度が上がるかも知れませんネ。

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(大平山周辺は満開間近)

大平山に着くまでにシロヤシオは見られるのかなぁ、と思いつつ上がっていたものの、実際に現れたのは山頂に着いてから。意外やこの高度でももうほとんど花が開いて満開寸前の状態です。

そしてここからようやくシロヤシオやトウゴクミツバツツジを愛でながら歩けるんですけど、さすがにここまで来るとお腹が減りすぎて、不本意ながら天目山林道が乗り越す大クビレで周囲がガスガスの中、ランチとなりました。

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(七跳山への登りしなにあるシロヤシオの広場)

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(花付きが良い木は本当に凄い!)

ランチを終えたら、ここからがこの日のメーンイベント。さっそく七跳山へ向かってとひと登りするとでてきますでてきます。シロヤシオが!花付きの良いのはビッシリと咲いていてすごい咲きっぷり!思わず一人声をあげてしまいます。

そして尾根が一旦平衡を取り戻すとそこがまさにしろシロヤシオの広場で、周囲は凄い花付きの木々ばかり。とにかく素晴らし過ぎるとしか言いようがない光景が広がっていて、ランチはここまで我慢するべきでした。

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(トウゴクミツバツツジも見事)

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(とりあえずアップも)

ただ周囲をよく見てみると花付きの良くないのや花を全くつけていないシロヤシオの木々も散見されるので、総じて言うとこれでも花付きは「良好」といったレベルなのかも知れませんね。

これまた咲き始めたトウゴクミツバツツジと共に花を愛でつつ、周囲をウロウロしつつ登っていくと、徐々に蕾も増えてくるのでこの辺りは今週末でもまだまだOKというか満開かも。

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(七跳山周辺も満開間近だったが・・・)

そんな興奮がちょっとだけ覚めてくるとようやく七跳山に到着。お花に夢中になってしまったせいで大クビレから40分以上もかかっていました。

ここで南のシロヤシオを確認しに行ったものの、稜線上は先ほどよりもガスが濃くなってシロとトウゴクミツバの組み合わせも↑↑こんな感じになってしまったのはとにかく残念でしたけど、まぁいいか。(^^)

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(三ツドッケ北面はほぼ満開)

あとは長沢背稜/都県界尾根の稜線上や南の縦走路を気の向くままに選びつつ、ツツジを愛でつつ三ツドッケへ。

着いた三ツドッケのシロヤシオも満開寸前の状態。こちらもガスが濃かったのが残念でしたが、それでもなんやかんやで長居してしまうのはお花が見事だからに他なりません。山頂は今週末でもお花を充分に楽しめることでしょう。

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(一杯水への下りしな)

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(ヨコスズ尾根上部は盛りを過ぎた)

もうもう心ゆくまでお花を楽しんだら、ようやく下山です。三ツドッケから一杯水の間は盛りすぎ。それでも台風でお花が落ちている感じでなかったのは意外でしたが、一杯水を過ぎ、ひと下りするともうお花は終盤。

足下を彩る紅白のツツジの花びらもまた趣深く、ルンルン気分でしかも欲張りにもチチブドウダンを探しつつ(笑)あとは東日原へ下っていったのでした。

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(ヨコスズ尾根のひとコマ)

この日は自分の予想ではこんな天気だろうと想像していたとおりの天気だったので、実は山行きにちょっとだけ前向きになれてなかったんですけど、実際に歩けば天気は当たってしまったものの山の楽しみは沢山ありますね。

お陰で本当に歩いて良かった、そう心底思えた佳き山行きになりました。シロヤシオなら丹沢へ行けばもっと沢山咲いているのでしょうけど、ボクみたいなヒネクレ者にはこういう所で静かにお花を楽しめる方がやっぱり好きなんですね。まぁたまには人のたくさんいる華やいだ所も良いけど、そう言う所はたまにじゃないと心底イヤになっちゃうんですヨ。あぁ(笑)。
 
・・・・・☆
 
◆ 2011.05.31 (Teu)   霧 時々 曇
川俣(渓流荘前BS)07:00- 細久保 07:35- 二俣 08:15- 花新田 09:25/09:30- 稜線 09:45- 大平山 10:45- 大クビレ 11:00/11:40- 七跳山 12:25- ハナド岩 13:10/13:20- 三ツドッケ 13:45/14:05- 一杯水 14:30- 東日原 16:00
 

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