新緑の世附・大栂から再びイデン沢の懐へ
(イデン沢<菰釣沢>のひとコマ)
新緑の日原は当然素晴らしいけど、新緑の世附(世附川流域の山山)だってもちろん素晴らしい。去年に引き続いて今年ももちろん歩いてきましたヨ。で去年はブナ林の美しいシキリ尾根の辺りを歩いたので、今回(05/21)はこれまた出色のブナ美林でならす大栂周辺の新緑を見てみたく、
サガセ西沢から菰釣山に上がり、大栂へ南下したら南東尾根~東尾根を下り一旦城ヶ尾歩道に入ってイデン沢(菰釣沢)へ。それからイデン沢をそのまま下って忍橋に出たら、地蔵平、そして今回は屏風岩山西尾根の一つ西の枝尾根であるセギノ沢(関ノ沢・杉ノ沢)650m圏二俣中間尾根を辿って屏風岩山へ登り返すコースを組んで歩いてきました。
(ツルシロカネソウ)
世附へ行く生命線となっている月夜野始発のバスがとりあえず?4月以降も生き残っていて一安心な道志入りも、久しぶりにおしり道下大先生に遭遇したりして楽しい道のり。ただ表では言えない突発的事由により(笑)今回はなぜか道の駅がある中山からのスタートでした。
通りがかるキャンプ場がとあるイベントで大盛況だったことに驚きつつ、そのまま菰釣山へ向かったのですが、ブナ沢の登山道がツルシロカネソウの花の道になっていたのはこれまたビックリ。要はニリンソウの代わり、なのでしょうかね。季節を変えて歩くことの重要さをのっけから思い知った道のりでした。
(菰釣山山頂)
そんな訳で天気も宜しくとりあえず道のり自体はなかなか良いものだったんですけど、おそらく今年一番となる暑さに、菰釣山に着く頃には半ばグロッキー状態。それでも空気が乾燥しているせいか、少し休んだら身体も落ち着いて復活してきたところでまずは南の大栂へ向かいます。
徐々に枯れてきているとはいえスズタケの中に入ると気になるのがダニーのことなんですけど(笑)、乾燥した日が続いたせいでしょうか?ほとんど付かれなかったのには助かりました。お陰で咲き始めのトウゴクミツツバツツジをちらちら交えつつなブナ美林の逍遙を心底楽しめました。
(大栂への道すがら・Part1)
(大栂への道すがら・Part2)
同じ新緑でも晴れているとやはり輝きが違います。ボクが普段世附を歩いている寒い時期は木々の幹や樹形、そして枝振り、とある意味「素の姿」を愛でているのだと思うんですけど、木の葉が出ると林の表情が一変し、見慣れたはずの場所での見慣れない光景が広がっていて、とにかく新鮮です。
西の植林が惜しすぎる大栂山頂も、緑に覆われたせいなのか??どこどなく小さくなったというかちょっと狭くなったような錯覚すら覚えました。
(大栂より菰釣山・・・は念じてください・笑)
(大栂南東尾根のイタヤカエデではなくハリギリ)
大栂で少し休んだら次は城ヶ尾歩道を目指すべく南東尾根に入ったんですけど、おそらく南東尾根を歩いたことのある人なら↑↑このY字の大木に見覚えのある人も多いと思います。
ボクはいつも裸木の時期しか歩いたことがなかったので、これは何の木なのかず~っと気になっていて、実はこれを調べるのも密かなミッションの一つでした。結果はイタヤカエデだったんですけど、よくよく考えてみたら日原でもたまに3m超の大物を見かけますね。そおいやこの木、Y字の股の辺りからギボウシが顔を出していたのがちょっと微笑ましかったです。(実はイタヤではなく、ハリギリでした。2013.03 追記)
(城ヶ尾歩道に入ります)
なおも下って東尾根に入り、ひと下りすると現れる城ヶ尾歩道の薄い道形を拾って今度はイデン沢へ。
城ヶ尾歩道の方は相変わらず道形は薄いものの、地震の影響もなく主立った変化はなし、な状態。緑覆う時期のケヤキのご神木?に手を合わせて、ゆるゆる歩いて行くと、じきにイデン沢に降り立ちました。
(イデン沢に降り立ちました)
紅葉のイデン沢も良かったけど、この時期もはやり素敵ですね。丁度お昼時だったので、程よい適地を探してランチにさせてもらいました。水流が近いとナゴみますねぇ。
今回もちょこっとお昼寝してから腰を上げて、城ヶ尾歩道をなおも追うのではなく、そのままイデン沢を下ります。
(イデン沢のひとコマ・Part2)
じきに出る左岸側にある奥多摩の獅子口を想起させるような伏流水の湧く水場を過ぎてからが、遡行の妙味が薄いイデン沢の「それらしい所」で、それゆえに徐々に濃くなる緑の中をビブラムでゆるゆる歩くのが却って適しているのかも。
そんな楽しい「それらしい所」も840m圏の二俣辺りまで。浅瀬のあの荒れようではどうやら釣り師さんも入れてない?ようで??気兼ねなく歩けたのもまた良かったです。
(忍橋が見えてきた)
(この日の地蔵平)
のんびり歩いても小一時間程で忍橋に着いてしまい、ここから地蔵平までは林道歩き。富士見林道は相変わらずというか、昨秋の台風で崩れた箇所のデブリがより増えて、もはや山道のような箇所もあるぐらい。今後この林道に再び自動車の類が通る事って果たしてあるのでしょうか。。。
そんな訳でシカさん天国となっている林道を40分ほど下ると、地蔵平に出ます。
(登りだしからいきなり・セギノ沢650m圏二俣中間尾根)
さて、地蔵平に出たらあとは二本杉峠越えか、屏風岩山越えの二択が基本なんですけど、この日はまだ時間に余裕があったのでとりあえず屏風岩山へ登り返すことにしたものの、毎度毎度西尾根を辿るのもさすがに飽きてきます。もちろん西尾根は良い尾根なんですけどね。
なので今回は西尾根の一つ西隣の枝尾根である、セギノ沢650m圏二俣中間尾根を歩いてみることにして、とりあえずなおも林道を歩いて尾根の取付を目指しました。
(セギノ沢650m圏二俣中間尾根・中腹辺り)
10分ほどで中間尾根の取付に着いたら、ぐずぐずの斜面を登って尾根に取り付いたんですけど、雑木と植林に分けられた尾根をひと登りするといきなり伐り残されたと思しき立派なブナが出てくるのはさすが!というかその直後にモミやケヤキ、イヌブナの同じような立派な木が続いて、それから本格的な登りになる感じです。
植林の方もふた登りぐらいで間もなく切れ、それからは極端な大木こそ無いもののブナの立派な木々が次々現れるのはやはり西尾根と同じような感じの、こちらもなかなか素敵な尾根ですね。
(屏風岩山西尾根上部)
そんな様子に気分を良くしつつ登っていくと、いつしか尾根が広がって本当に広々とした920m圏のピークで西尾根と合流。あとはひたすらに屏風岩山を目指したのでした。
そうそう、帰りは17時台のバスだったのでガラガラだろうと思っていたらなんと満員の臨時が先にやってきたので驚いたんですけど、そおいえば西丹沢は檜洞のシロヤシオがあったんですね。偶然ですがこの週にして良かったです。次の週だったらエラい事になってましたわ。。。
・・・・・☆
◆ 2011.05.21 (Sat) 晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 中山 08:30- サガセ西沢ゲート 09:25- 菰釣山 10:20/10:35- 大栂 11:15/11:20- イデン沢1000m圏二俣 12:10/12:55- 忍橋 13:40- 地蔵平 14:20/14:30- 中間尾根取付 14:40- 西尾根合流(920m圏)15:20- 屏風岩山 15:45- 大滝橋 16:45
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