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2011.03.31

雑木林美しき楢山沢から高畑山へ

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(楢山沢上流部で見かけた炭焼跡)

しかし彼の大地震後の計画停電で山はしばらく無理かなぁ?と思っていたら、思いの外早く・・・休日のみですけど・・・公共交通機関もそれなりに動くようになって、こちらの心身も落ち着いてきてようやく山歩きをする気にもなってきました。

でも先週の降雪で世附の廃道探訪がまたXになってしまったので、ならばお花の様子見で前道志でも、ということでも今回(03/27)は秋山側の楢山沢を詰めて高畑山へ上がり、それから前道志の主稜を東へ舟山まで辿ったら、少し戻って北へ延びる大平沢 コゴマ沢右岸尾根を降りて梁川駅に戻るコースを組んで歩いてきました。

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(雛鶴神社)

さすがに大地震の後と言う事もあって電車もバスもハイカーは少ないですね。そうそう、行きがけに駅前の自転車置場で山の格好をしていたのが気に触ったのか職員さんにちょっと嫌味を言われましたが、同調圧力なんてクソ食らえ!ですよ。あほらし。

そんな訳でバスも終点の無生野まで乗ったのは私一人で、バスを降りたらさっそく歩き出したんですけど、去年(こちらでは未報告。楢山沢~楢峠~高畑山~倉岳山~トヤ山北尾根 <2010.03.22>)の無生野の辺りは梅が満開だったのに今回はまだ蕾。ちょっと嫌な予感をもちつつ雛鶴神社に参拝して、今回も奈良山林道に入ります。

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(フサザクラ・咲き始めた)

麓の梅が蕾だったので花は期待薄かなー、と思っていたら道中なんとか咲き始めのフサザクラに逢えました。もちろん今年お初です。(^^)

やがて林道の終点に着いたらそのまま楢山沢に降りるとすぐに二俣で、植林下の滝の掛かる左が去年歩いた楢峠へ繋がる枝沢。なので今回は右の本谷を歩いたんですけど、周囲の雑木林の素敵な雰囲気に去年訪れた時から次は本谷の方を歩こうと決めていたのでした。

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(楢山沢のひとコマ)

ということで落ち葉を踏みつつV字状の狭いながらも明るい沢をルンルン気分で詰めていくと、じきにトップの写真の炭焼跡を過ぎ、そこからひと登りで早くも水はなくなってしまいましたが、沢の両側にはこれまた素敵な雑木林が広がっています。

そして沢筋に灌木が茂りだした所で左岸側の斜面を捲き気味に登っていくと、ここでようやく黄色いダンコウバイのお出まし。この標高でもまだ咲き始めのものもあって花は「近年では遅め」ですね。

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(楢山沢のツメから左岸側へ避けた辺り)

なおも登っていき、前道志の主稜と雛鶴峠からの吊り尾根を結ぶショートカット道の辺りにも炭焼跡がありました。結局この辺りの雑木林は薪炭林の名残なのでしょうね。

もうここまで来ると高畑山は間近で、急なツメを登り切ると丁度吊り尾根の合流点に飛び出しました。すぐ隣が高畑山なのですが、朝見えていた富士はすでに消えかけていたので、すぐに踵を返して倉岳山へ向かいます。

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(白谷ノ丸~大峰の稜線は白い・天神山より)

前道志の稜線でダンコウバイが咲き始めでは野の花はまだまだで、今回はスミレすら見つかりません。でもこれは寒くて花が異常に遅れているというより近年の春が異常に暖かすぎるだけで、ひと昔前だったらこんなものだったと思います。

そして今回は倉岳山の山頂でランチをとったのですが、人出はもちろん普段よりは少ないけど、山頂には常時複数のハイカーがいる状態だったのは交通の便の良さもあるのかも知れません。これにはちょっと驚いたのと同時に、ホッともしました。

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(前道志主稜・細野山を過ぎた辺りか)

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(ダンコウバイは見頃)

のんびりランチを終えてから稜線をなおも東へ行くと、この先からは人の気配が一気に消えてあとは一人旅。雑木林を愛でつつ、花を探しつつ細野山、鳥屋山、そして舟山まで来たら再び踵を返して、今回の準メインでもある大平沢 コゴマ沢右岸尾根の下降に移ります。

下降に採るとこの右岸尾根との分岐が若干わかりづらいかも知れませんが、うまく北へ延びる尾根を捉えれば、まずは塩瀬沢の枝沢のツメでもある広い雑木の緩斜面のお出まし。

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(大平沢 コゴマ沢右岸尾根上部の緩斜面・バックは713m峰)

その緩斜面の様子に思わずこのまま塩瀬沢を下るもの良いかも、と思いかけましたが(はなねこもいるし)、それをこらえて713m峰に登り返すと、こちらの尾根もなかなかの雰囲気。

713m峰を過ぎると尾根は時折露岩を交える急な痩せ尾根に変わって、これも良いアクセントです。途中トラロープがフィックスされていたのには驚きましたけど、その先から尾根に西側が幼木の植林帯になったお陰で開けている感じなのも悪くないですね。

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(右岸尾根中部は西側の見晴らしが良い)

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(アブラチャン)

でも植林が少ないのがこの尾根の一番良い所で、514m峰から西と東どちらの尾根を降りるかかなり悩んで西の尾根を採ったんですけど、さすがにしばらく下ると植林に変わって、最後はアズマネザサの藪を突破して車道に降り立ちました。

ここまで来たらあとは車道を辿って梁川駅へ向かうだけ。秋山側では蕾が多かったフサザクラはアブラチャンは標高が低いせいかこちらでは満開。でもこの道中で一番の収穫だったのが沢に架かる橋でその沢の名前がわかった事でしょうか。

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(降りてきた右岸尾根を振り返る・梁川大橋より)

そして梁川大橋に着くと今さっき降りてきた右岸尾根を一望できるんですけど、あーっ!なんと514m峰からは東の尾根を採れば最後まで植林が縁なく降りられそうなのがわかったのはガッカリ。でしたけど、この尾根の枝尾根たちはみんなそれなりのスケールがあるので、また気の向いた時用にとっておく事にしました。(^^)
 
・・・・・☆
 
◆ 2011.03.27 (Sun)   晴 時々 曇
上野原駅 08:28→ 無生野 09:20- 奈良山林道終点 09:45- 高畑山 10:50- 倉岳山 11:50/12:40- 舟山 14:10- 713m峰 14:30- 514m峰 14:55- 車道 15:20- 唐栗橋 15:50- 梁川駅 16:05
 

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2011.03.09

ひさしぶりのはなにた

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(花新田・フクジュソウはごく一部で咲き始め。見頃は彼岸近くになりそう)

いやぁ、よくよく考えてみたら↑↑ここは丸10年ぶりでしたネ。(^^ゞ
ということで今回(03/05)は久しぶりに花新田へ行ってきました。

ええと・・・ここは過去に4年間ほど通っていたんですけど、当時から一部ガイドはあったもののまだ知る人ぞ知る存在だったものが、今のようにここまで人が入るようになったのは2000年代に入って某メジャー誌にガイドが載ったことと、インターネットの普及が大きかったと思います。なのでそれからずっとご無沙汰していたんですけど、早い時期なら人も少なかろう、ということでこの時期の様子見もかねての訪問です。

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(細久保最奥の家屋)

さて今回は朝のバスが無くなったせいではないのですが、珍しく車で毛附の駐車場(一日¥300)へ乗り付けてからのスタート。珍しい所から歩き出したおかげで毛附トンネル周辺で地元の方々が作ったシカやイノシシなどの木の動物(これがなかなか見事!)などを見られたのはちょっとした収穫でした。(^^)

そしてすぐに着くと思っていた細久保が意外に遠かったのは少々以外でしたが、10年前はまだ電気が引かれていた↑の最奥の家屋もとうとう廃屋となったようです。そおいや細久保が無住になったと聞いたのは5年ほど前だったかなぁ。。。

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(道は思いの外しっかりしていたが・・・)

なので細久保から先の道の状態が気がかりだったんですけど、前は広大な伐採地だった所が植林されたせいか、道はしっかりしていて難なく歩けます。

ただ周囲にはシカ柵が張りめぐらされていて、途中柵の扉の出入りが何度かありました。シカの侵入を防ぐためにも扉の紐はしっかり締めましょうネ。

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(手前の木が??・奥は4mほどのカツラ)

でも10年違うといろいろと変わった箇所があるのは当然のこととして、結局一番変わったのは自分自身なのかも知れません。とにかく歩いていても当時とは目に入るものが違うのがよ~くわかるのです。

たとえばシカ柵とシカ柵の間の荒れた沢で↑↑こんな4mクラスの大木達がいとも簡単に目に入るのはやはり今だからな訳で、昔は全く目に入っていなかったんですよね。しかし奥のカツラはわかるんですけど、手前の木がわかりません。詳しい人教えて教えて。

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(カラ沢を詰めていきます)

奥へ進むにつれ道は荒れてきますが、それもほんのひととき。まもなくカラ沢の二俣に降り立てばあとは左の沢を詰めるだけです。

さっそく沢を詰め始めると当初はあった水流もじきになくなり、代わりに雪が出てきます。

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(見上げれば素敵な渓畔林が)

今回歩いて一番気持ちよかったのがこの辺りで、程よく締まった雪のお陰で歩きやすいし、なにより周囲の渓畔林がなかなか良いですね。

歩き疲れてふと斜面を見上げれば、雲一つ無い青空をバックに立派な木々が目に入り、至福のひとときでした。

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(咲いているのはごく僅か)

登って登って、立派なシオジの倒木を越えるとそろそろ・・・なんて話を聞いていたので適当に登っていたら、あれれいきなり咲いたフクジュソウが目に入って、ここで花新田に着いたことを知ったのでした。

しかし周囲のスズタケが枯れたせいで周囲が広々と感じるのは決して気のせいではないでしょう。花はさすがにまだ咲き始めですが、周囲の地面をよ~く見てみるとすでにあまたの蕾たちが頭をもたげており、足の踏み場もありません。

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(標柱は健在でした! ^^)

なのでここは以前の記憶をたよりに遠巻きに歩く羽目になったんですけど、見た所、極端に荒れたとが花が減ったとかいう事はなさそう??ですね。

とはいえ花の最盛期のように境界を完璧に区別がつけられないので、沢をかなり上がった所でようやくランチと相成りました。

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(花新田を見おろす)

さてランチを終えたら後は下山、なんですけど来た道を戻るのもあんまりなので、稜線まで詰め上げてから峠ノ尾根経由で戻ることにして出発なのですが・・・

周囲のスズタケが枯れたお陰でかなり楽になったと思い込んでいたツメの登りが、実際はスズが枯れたお陰でスズ自体が折れ易くなってしまい、まったく手がかりにならなかったので別の意味でまたしんどい登りでした。

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(稜線上のスズタケはとうとう枯れてしまった)

とはいえ稜線へは30分弱で上がれたので、やはり密藪よりは楽だったのでしょう。稜線にはすでに大平山からのトレースがついていて驚きましたが、ホコリを払ってひと下りすれば、この稜線最大の見所でもあるブナの広場に出ます。

五年前の記事を見ると、稜線は当時からすでに落葉が始まっていたもののまだ緑の葉が残っていたのですが、今は完全に枯れてしまい、↑↑このブナの広尾根もブナを愛でつつ自由に散策できるのは果たしていい事なのか悪いことなのか。

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(峠ノ尾根のひとコマ)

それはともかくとして、秩父ならではな両神山や浅間山の姿を梢越しにちらちら見つつ、途中でまだ残っていた古い道標とも再会したら間もなく大ドッケで、今回はここで右の峠ノ尾根に入りました。

今回はさほど長いつきあいではなかった枯れたスズタケも間もなく途切れて、和やかな雑木林を交える辺りはこの峠ノ尾根のハイライトでしょう。ただ展望を密かに楽しみにしていた1050m圏の伐採地にシカ柵が張られて入れなかったのは、行きがけに想像できた筈ですね(笑)。

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(コナラの大木が立つ地藏峠)

そんな伐採地を過ぎれば、あとは地藏峠へ向け急降下。送電塔からは尾根伝いではなく、巡視路を辿った方が楽に峠へ降りられることを完全に忘れていました。

そして地藏峠に降り立てば、峠の北側からは毛附の駐車場が足下に見下ろせて、あとはお気楽に金倉橋へ下れるものだと思い込んでいたんですけど、

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(金倉橋への道はもはやハイキングコースではない)

実際に北の道を降りてみると、のっけから高度感のある急斜面のトラバースなのでちょっと嫌な予感がしてたら、やはりというか道は徐々に細くぐずぐずになり、その上溝状に抉れた小沢を渡らされたりと、これがなかなか素敵な荒れっぷり。もはやエアリアの赤実線コースでも、「ハイキングコース」でもありませんので、要らぬ神経を遣いたくない向きには南の川俣へ下る道を採った方が良いでしょう。
 
・・・・・☆
 
◆ 2011.03.05 (Sat)   快晴
毛附P 08:20- 細久保 09:15/09:25- カラ沢の二俣 10:30/10:45- 花新田 12:10/13:15- 稜線 13:40- 大ドッケ 14:25- 地藏峠 15:50/15:55- 毛附P 16:20
 
・・・・・☆・・・・・☆
 
恥ずかしながら今日気がついたのですが、前のバケモノ沢の記事の山行きの日時がなぜか一月になっていたので、修正しました。実際は 02/26(Sat)です。<(_ _)>
 

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