奥世附歩道の探訪 その4・水ノ木沢と梅ノ木沢の間を繋ぐ
(奥世附歩道・梅ノ木沢右岸尾根西手前の緩斜面)
「週刊」と名のつくからには今週ももちろん「週刊・世附の廃道」、刊行でございます。(^^)
今回は奥世附歩道の未踏部分をつなぐということで、先々週歩いたゼン棚沢1050m圏二俣右俣から東へ梅ノ木沢右岸尾根、梅ノ木沢まで奥世附歩道を辿り、それから梅ノ木沢右岸尾根に戻って尾根伝いに梅ノ木沢出合へ下降。あとは水ノ木歩道、菰釣山林道を降りて菰釣橋、馬印に出、大棚にも寄って、後は大棚沢林道、日蔭沢(日陰沢)右岸尾根を登り返して平野へ出るコースを歩いてきました。
(今回も先ずはゼン棚沢1050m圏二俣中間尾根の下降から)
今回は当然ながらお車ではなく、例のごとく相模湖から延々とバスを乗り継いで下善の木に出てからスタート。この週は寒い日が続いたせいか天気は良いのに三ヶ木からのバスからしてハイカーが少なかったです。
下善の木でバスを降りたら今回も先ずは菰釣山へ。バスの乗客の少なさとは裏腹に菰釣山の山頂には先客さんがいてビックリ。この日も展望は良好で休憩がてら展望を楽しんでから先々週と同様に西隣のピークへ向かい、これまた同じくゼン棚沢1050m圏二俣中間尾根を下降。奥世附歩道が尾根を横切る箇所へ向かいました。
(奥世附歩道・このゼン棚沢1050m圏二俣右俣より先を行く)
(いいくに山<1192m峰>と富士山・奥世附歩道の道すがら)
じきに奥世附歩道に出たらここで薄い道形を追いつつ東へ行き、間もなく降り立ったゼン棚沢1050m圏二俣右俣までが先々週歩いた所で、今回はここから梅ノ木沢までの間を繋げるのが目的。
さっそく道形を追うと、その先も見た目と同様にそこそこ明瞭で、ちょっとしたザレ場を高捲いたりしながら延びています。
(ちょっとした崩落地も通りがかる)
(歩道が横切る尾根は自然林が美しい)
右手の沢側に見えるbさん呼称いいくに山(1192m峰)の見え方も新鮮ですけど、やはりこの辺りは山側の自然林が素敵です。先週のような飛び抜けた大木こそ見かけませんでしたけど、なかなか立派な木が揃っていて、この辺りは枝尾根の一本一本丹念に歩いてみなければいけませんね。
そんな周囲の素晴らしい雰囲気とは裏腹にこのあたりからスズタケが薄くなると同時に道形も薄くなってきて、トップの写真ような素敵な緩斜面に変わった辺りが今回のハイライト。ここはのんびりしたくなるような所でしたけど・・・今回の所は時間の都合もあって次の機会にまわすしかなく・・・なおも道形を追いますが、ここはスズタケがない故に道形が薄いのであとは施業図に近い形でそれらしき道形を追うようになってきます。
(梅ノ木沢に降り立ちました)
やがてちょっと道形っぽくがなってきたなと思ったら梅ノ木沢右岸尾根に到着。このままスムーズに梅ノ木沢へ下れると思ったのはやはり甘くて、実際は奥世附歩道の初訪でもあった大ダルミ(大樽)から梅ノ木沢へ歩いた時と同じく、スズタケが茂って道形が薄くなっているので、結局ここも施業図に近い形でそれらしきのを追いながら降りる感じでした。
そして梅ノ木沢に降り立った所は、初訪の折りに降り立った所より少し下の1150m圏のちょっとしたテラスの辺りで、日当たりも良いし今回はここで軽くランチ。先のことを考えるとのんびりできないのが惜しかったけど、それはまた別の機会ですね。。。
(梅ノ木沢右岸尾根のひとコマ)
さて奥世附歩道の方は短いながらも今回はこの梅ノ木沢まで。水ノ木歩道は去年の4月に通しで歩いたので、ここは再び右岸尾根に戻って右岸尾根を下降。梅ノ木沢出合に出てから水ノ木歩道に入りました。
水ノ木歩道は梅ノ木沢出合からひと下りした所ですぐに右岸へ移れば、あとは植林の中明瞭に延びているものとお気楽に思っていたら、やはり所々昨秋の台風の影響もあって道を捜索する箇所がありました。でもそれもトラバースする感じで行けばすぐに道は見つかる感じです。
(水ノ木歩道・基本明瞭だが昨秋の台風の影響が所々で見られる)
それは1192m峰南東尾根を乗越し、右岸側の枝沢を渡ってからも同じ感じで、去年も言いましたけど水ノ木歩道自体が地形図の破線路とは全く違う箇所を通っているので、通行には注意が必要なことを付け加えておきます。(施業図は正確に記されている)
じきに再び水ノ木沢に降り立ち、直進するように沢を渡って左岸に戻ったらすぐ先が菰釣山林道で、ここからしばらくは林道歩き。菰釣橋周辺があまり荒れた感じでなかったのは意外でしたが、馬印の辺りはそれなり?で、ただ林道上に車のタイヤや重機のキャタビラの新しい跡があったことに驚きました。コレは台風で取り残されたのを動かしてるのか、それとも明神峠からの道が生きてるのか??
(久しぶりに大棚にも寄りました・^^)
今回は今の時期の凍り具合を見てみたくて大棚にも寄りましたが、水量が多いせいかなのか、東向きのせいかのか、標高が低いせいなのか?思ったよりも凍っていませんでしたけど、やはりこの滝は見事ですね。
再び林道に戻ったらあとは林道をせっせと登っていき、日蔭沢橋へ。ここが日蔭沢右岸尾根の取付でもあるんですけど、昨秋の台風の影響でたもとの斜面が流されて取付くことができなかったので、林道を奥へ行った所から適当に取付いてみました。
(大棚沢林道・日蔭沢橋まで来るとかなり荒れている)
右岸尾根は登りだしから植林と雑木林に分けられたスズタケの被る痩せ尾根で、これはお隣の高指山東尾根(バラシマ沢右岸尾根)と同じ雰囲気。
ただこちらはそれが上の送電塔まで続いて、その先は巡視路になっているので歩きやすくはなりましたが、お隣の尾根のようなブナの美林を楽しめる箇所が少なかったのが少々残念だったかも。
(日蔭沢右岸尾根・尾根上部は送電塔の巡視路になっている)
それでも甲相国境稜線上の1086m峰に上がる手前はそんな素敵な自然林が広がっていて、ホッとしました。(^^)
とはいえ1086m峰に着いたのはすでに4時半過ぎ。平野の最終バスの事を考えると全く余裕のない時間で、あとは暮れなずむ富士を眺めつつ急ぎ足で平野へ向かったのでした。
奥世附歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。相変わらずしつこいぐらいに余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。
・・・・・☆
◆ 2011.01.22 (Sat) 晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30- サガセ西沢ゲート 09:15- 菰釣山 10:15/10:25- 奥世附歩道横切る 10:45- ゼン棚沢1050m圏二俣右俣 10:55/11:00- 梅ノ木沢右岸尾根 11:45- 梅ノ木沢 12:25/12:45- 梅ノ木沢右岸尾根 12:55- 梅ノ木沢出合 13:15/13:25- 菰釣山林道 13:55- 菰釣橋 14:20- 馬印 14:35- 大棚 14:45/14:55- 日蔭沢橋 15:30- 1086m峰 16:35- 平野 17:10
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