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2011.01.25

奥世附歩道の探訪 その4・水ノ木沢と梅ノ木沢の間を繋ぐ

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(奥世附歩道・梅ノ木沢右岸尾根西手前の緩斜面)

「週刊」と名のつくからには今週ももちろん「週刊・世附の廃道」、刊行でございます。(^^)

今回は奥世附歩道の未踏部分をつなぐということで、先々週歩いたゼン棚沢1050m圏二俣右俣から東へ梅ノ木沢右岸尾根、梅ノ木沢まで奥世附歩道を辿り、それから梅ノ木沢右岸尾根に戻って尾根伝いに梅ノ木沢出合へ下降。あとは水ノ木歩道、菰釣山林道を降りて菰釣橋、馬印に出、大棚にも寄って、後は大棚沢林道、日蔭沢(日陰沢)右岸尾根を登り返して平野へ出るコースを歩いてきました。

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(今回も先ずはゼン棚沢1050m圏二俣中間尾根の下降から)

今回は当然ながらお車ではなく、例のごとく相模湖から延々とバスを乗り継いで下善の木に出てからスタート。この週は寒い日が続いたせいか天気は良いのに三ヶ木からのバスからしてハイカーが少なかったです。

下善の木でバスを降りたら今回も先ずは菰釣山へ。バスの乗客の少なさとは裏腹に菰釣山の山頂には先客さんがいてビックリ。この日も展望は良好で休憩がてら展望を楽しんでから先々週と同様に西隣のピークへ向かい、これまた同じくゼン棚沢1050m圏二俣中間尾根を下降。奥世附歩道が尾根を横切る箇所へ向かいました。

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(奥世附歩道・このゼン棚沢1050m圏二俣右俣より先を行く)

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(いいくに山<1192m峰>と富士山・奥世附歩道の道すがら)

じきに奥世附歩道に出たらここで薄い道形を追いつつ東へ行き、間もなく降り立ったゼン棚沢1050m圏二俣右俣までが先々週歩いた所で、今回はここから梅ノ木沢までの間を繋げるのが目的。

さっそく道形を追うと、その先も見た目と同様にそこそこ明瞭で、ちょっとしたザレ場を高捲いたりしながら延びています。

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(ちょっとした崩落地も通りがかる)

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(歩道が横切る尾根は自然林が美しい)

右手の沢側に見えるbさん呼称いいくに山(1192m峰)の見え方も新鮮ですけど、やはりこの辺りは山側の自然林が素敵です。先週のような飛び抜けた大木こそ見かけませんでしたけど、なかなか立派な木が揃っていて、この辺りは枝尾根の一本一本丹念に歩いてみなければいけませんね。

そんな周囲の素晴らしい雰囲気とは裏腹にこのあたりからスズタケが薄くなると同時に道形も薄くなってきて、トップの写真ような素敵な緩斜面に変わった辺りが今回のハイライト。ここはのんびりしたくなるような所でしたけど・・・今回の所は時間の都合もあって次の機会にまわすしかなく・・・なおも道形を追いますが、ここはスズタケがない故に道形が薄いのであとは施業図に近い形でそれらしき道形を追うようになってきます。

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(梅ノ木沢に降り立ちました)

やがてちょっと道形っぽくがなってきたなと思ったら梅ノ木沢右岸尾根に到着。このままスムーズに梅ノ木沢へ下れると思ったのはやはり甘くて、実際は奥世附歩道の初訪でもあった大ダルミ(大樽)から梅ノ木沢へ歩いた時と同じく、スズタケが茂って道形が薄くなっているので、結局ここも施業図に近い形でそれらしきのを追いながら降りる感じでした。

そして梅ノ木沢に降り立った所は、初訪の折りに降り立った所より少し下の1150m圏のちょっとしたテラスの辺りで、日当たりも良いし今回はここで軽くランチ。先のことを考えるとのんびりできないのが惜しかったけど、それはまた別の機会ですね。。。

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(梅ノ木沢右岸尾根のひとコマ)

さて奥世附歩道の方は短いながらも今回はこの梅ノ木沢まで。水ノ木歩道は去年の4月に通しで歩いたので、ここは再び右岸尾根に戻って右岸尾根を下降。梅ノ木沢出合に出てから水ノ木歩道に入りました。

水ノ木歩道は梅ノ木沢出合からひと下りした所ですぐに右岸へ移れば、あとは植林の中明瞭に延びているものとお気楽に思っていたら、やはり所々昨秋の台風の影響もあって道を捜索する箇所がありました。でもそれもトラバースする感じで行けばすぐに道は見つかる感じです。

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(水ノ木歩道・基本明瞭だが昨秋の台風の影響が所々で見られる)

それは1192m峰南東尾根を乗越し、右岸側の枝沢を渡ってからも同じ感じで、去年も言いましたけど水ノ木歩道自体が地形図の破線路とは全く違う箇所を通っているので、通行には注意が必要なことを付け加えておきます。(施業図は正確に記されている)

じきに再び水ノ木沢に降り立ち、直進するように沢を渡って左岸に戻ったらすぐ先が菰釣山林道で、ここからしばらくは林道歩き。菰釣橋周辺があまり荒れた感じでなかったのは意外でしたが、馬印の辺りはそれなり?で、ただ林道上に車のタイヤや重機のキャタビラの新しい跡があったことに驚きました。コレは台風で取り残されたのを動かしてるのか、それとも明神峠からの道が生きてるのか??

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(久しぶりに大棚にも寄りました・^^)

今回は今の時期の凍り具合を見てみたくて大棚にも寄りましたが、水量が多いせいかなのか、東向きのせいかのか、標高が低いせいなのか?思ったよりも凍っていませんでしたけど、やはりこの滝は見事ですね。

再び林道に戻ったらあとは林道をせっせと登っていき、日蔭沢橋へ。ここが日蔭沢右岸尾根の取付でもあるんですけど、昨秋の台風の影響でたもとの斜面が流されて取付くことができなかったので、林道を奥へ行った所から適当に取付いてみました。

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(大棚沢林道・日蔭沢橋まで来るとかなり荒れている)

右岸尾根は登りだしから植林と雑木林に分けられたスズタケの被る痩せ尾根で、これはお隣の高指山東尾根(バラシマ沢右岸尾根)と同じ雰囲気。

ただこちらはそれが上の送電塔まで続いて、その先は巡視路になっているので歩きやすくはなりましたが、お隣の尾根のようなブナの美林を楽しめる箇所が少なかったのが少々残念だったかも。

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(日蔭沢右岸尾根・尾根上部は送電塔の巡視路になっている)

それでも甲相国境稜線上の1086m峰に上がる手前はそんな素敵な自然林が広がっていて、ホッとしました。(^^)

とはいえ1086m峰に着いたのはすでに4時半過ぎ。平野の最終バスの事を考えると全く余裕のない時間で、あとは暮れなずむ富士を眺めつつ急ぎ足で平野へ向かったのでした。
 
 
奥世附歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。相変わらずしつこいぐらいに余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。
 
 
・・・・・☆
 
◆ 2011.01.22 (Sat)   晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30- サガセ西沢ゲート 09:15- 菰釣山 10:15/10:25- 奥世附歩道横切る 10:45- ゼン棚沢1050m圏二俣右俣 10:55/11:00- 梅ノ木沢右岸尾根 11:45- 梅ノ木沢 12:25/12:45- 梅ノ木沢右岸尾根 12:55- 梅ノ木沢出合 13:15/13:25- 菰釣山林道 13:55- 菰釣橋 14:20- 馬印 14:35- 大棚 14:45/14:55- 日蔭沢橋 15:30- 1086m峰 16:35- 平野 17:10
 

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2011.01.19

城ヶ尾歩道の完全な完歩へ

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(まさに白水ノ沢右岸尾根の主、幹周り5mを優に超えるミズナラの大木)

はい今週ももちろん「週刊・世附の廃道」、刊行でございます。(^^)

今回(01/16)は一応完歩としていた城ヶ尾歩道の信玄平~白水ノ沢~白水ノ沢右岸尾根の間(この間は奥野歩道かも知れないし、白石歩道かも知れないけど)の不明部分を確認・トレースしてから、白水ノ沢右岸尾根を登って城ヶ尾山に上がり、鳥ノ胸山への尾根を北へ浦安峠、雑木ノ頭と辿って水晶橋に戻るコースを歩いてきました。

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(朝の城ヶ尾峠)

今回はかなり珍しくお車でサガセ東沢のゲートがある水晶橋に出てからのスタートだったんですけど、この日はとにかく寒くて、全てを着込んで歩いてもコレが寒くて寒くてなっかなか体が温まりません。

それでも城ヶ尾峠に着いた所で天気は快晴だし、これから南面かつ峠より低い所を歩くし、スズタケの藪歩きもあるので、ここで軽装になったんですけど、峠から信玄平へ下り始めても吹き付ける風は冷たく、体は温まるどころかなおも冷えてくるばかり。

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(信玄平への道すがらより)

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(城ヶ尾歩道・4つの林班界である「い・ぬ・り・ろ」地点)

本当は歩き出しの時点で帽子にシェルの手袋をつけて信玄平まで行けば良かったのでしょうけど、それもあとの祭り。信玄平で寒いながらも少し休憩してから奥野歩道と反対に密かに西へ延びている城ヶ尾歩道に入ります。

信玄平から涸沢を渡って↑↑の立木に「い・ぬ・り・ろ」と書いてある4つの林班界地点までは丁度1年前(本当に!)に歩いており、今回はここから白水ノ沢へ下り、白水ノ沢右岸尾根上までの城ヶ尾歩道の道形を確認するのが目的。

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(城ヶ尾歩道・白水ノ沢に降り立った所)

なのでさっそく西へ下り始めるとまもなく去年見つけた道形が見つかり、さっそく辿ってみたんですけど、「緩くトラバースするもの」と思い込んでいたその道形は結構急降下しながらもトラバース気味に延びていたのは意外で、じきに白水ノ沢が間近になる頃道形が突然途切れて、あれれ??と思っていたら、あとはザレを下って白水ノ沢に降りる段取りでした。

そして白水ノ沢に降りたち、沢の周囲を見渡してみて愕然・・・。そこは去年右岸尾根の方から白水ノ沢へ降りた時とまったく同じ場所(白水ノ沢930m圏二俣)で、今さっき降りてきたザレは去年見た様子から「ここから道が延びていることはないだろう」決めつけていた斜面だったのでした。

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(城ヶ尾歩道・白水ノ沢右岸側も道形が!)

ということはやはり去年の時点で城ヶ尾歩道をキッチリ辿っていたのかというと、さにあらず。とりあえず確認のために上流側の大滝を確認してから降り立った場所に戻り、そこから登り気味にトラバースしている踏跡を無視して、施業図通りに白水ノ沢に沿って緩く下ってみると、まもなく登り気味にトラバースしている明瞭な道形を発見!

これは・・・と思ってさっそく辿ってみると、スズタケが被るものの道形は明瞭に右岸斜面を登っていて、やはりこれが城ヶ尾歩道でした。やった!やった!

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(城ヶ尾歩道・白水ノ沢右岸尾根に近づくとこんな所も)

道形はしばらく行くと右岸尾根の素敵な緩斜面を交えつつ行くようになり、この辺りは長い城ヶ尾歩道のハイライトの一つに入るでしょう。

あと道中4m近い大ブナや、右岸尾根に上がる手前辺りでは丹沢ではかなり珍しいであろう5mを優に超えるミズナラの大木(トップの写真)に出逢えたのも大収穫でした。

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(白水ノ沢右岸尾根のひとコマ)

そして道形はまもなく右岸尾根の主尾根を乗り越し、主尾根を西の枝尾根との間の緩斜面に出た所で城ヶ尾歩道の「完全な完歩」達成!この主尾根と西の枝尾根の間も歩道の候補が3つほどあったのですが、それも今回歩いて解決しました。

この辺りから雲が少々出はじめたし、主尾根と枝尾根の間は広い緩斜面になっていてランチの適所だったので、時間は早めでしたが今回はここでランチ。去年は道を探しまくってこの辺りでのんびりできなかったので、この辺りでのんびりできたのも嬉しかったです。ちょっと寒かったけど(笑)。

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(白水ノ沢右岸尾根のひとコマ・Part2)

これから後は右岸尾根を白石沢出合へ下ってから、白石歩道~城ヶ尾歩道経由で「この場所」に戻り、それから右岸尾根を登って城ヶ尾山へ向かう八の字周回の予定だったんですけど、この時点でもうお昼だし、このペースでは帰りが遅くなってしまいそう。

なのであれこれ考えた末、ここから直接城ヶ尾山へ登ったら甲相国境稜線を西へ行き、鳥ノ胸山への尾根を浦安峠・雑木ノ頭まで辿って水晶橋へ戻る、というこれも八の字周回なルートに変更しました。

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(城ヶ尾山への登りはスズタケが健在だが、すでに落葉が始まっている)

白水ノ沢右岸尾根を歩くのは下りに採った3年前の初訪以来でしたが、改めて登りで歩いてみると意外に自然林も多く、緩斜面以外にもいろいろ見所がありますね。

ただご多分に漏れずこの辺りもスズタケが枯れ始めているようで、以前はスズタケがわしわし茂っていた尾根上部はまだ葉っぱこそ残ってはいるものの、落葉が徐々に始まっているようでさほどの労なく尾根上を歩けるようになっていました。

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(高原状の室久保川側より加入道山・大室山)

そして城ヶ尾山に上がったら、あとは基本的に登山道。鳥ノ胸山への尾根は初めて歩きましたが、こちらもなかなかいい雰囲気ですね。特に↑↑の室久保川側の様子が高原のようで、少々丹沢らしからぬ光景が印象的。

この尾根も一度通しで歩かなければいけないなぁと思いつつ、冷え切った手をさすりながらあとは一路水晶橋を目指したのでした。

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(雑木ノ頭への道すがら)

とりあえず城ヶ尾歩道完歩記念として過去のリンクをつけておきます。
新緑か紅葉の時期にでも城ヶ尾歩道を通しで一気に歩きたいな。(^^)

☆大栂南東尾根~大栂東尾根
【2010.04.03】
☆大栂東尾根~イデン沢(菰釣沢)~イデン沢940m圏二俣右俣右岸斜面
【2010.01.10】【2010.11.14】
☆イデン沢940m圏二俣右俣右岸斜面~菰釣山シキリ尾根~カワゴノ沢
【2010.03.20】
☆カワゴノ沢(フジモク沢790m圏二俣左俣)~カモオキ沢出合~中ノ丸南尾根~白石沢
【2010.03.27】
☆白石沢~白水ノ沢右岸尾根~信玄平
【2010.01.16】【2011.01.16】 
 
 
城ヶ尾歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。相変わらずしつこいぐらいに余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。
 
・・・・・☆
 
◆ 2011.01.16 (Sun)   晴 後 曇
水晶橋 07:45- 城ヶ尾峠 08:35/08:50- 信玄平 09:25- 白水ノ沢 09:55/10:20- 白水ノ沢右岸尾根 11:10/12:20- 城ヶ尾山 13:20/13:35- 浦安峠 14:20- 雑木ノ頭 15:00- 水晶橋 15:45
 

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2011.01.14

石尾根南面の素晴らしき尾根歩き

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(水根山南西尾根<入奥沢 カタサメ沢右岸尾根>のひとコマ)

まぁ奥多摩と言ってもボクは主に日原・石尾根周辺ばかりですけど、奥多摩へぼちぼち通っているとそれなりのスケールのある未踏尾根が少なくなるのはまぁ当然と言えば当然の話で、それこそちびりちびりと惜しむようにそれらの尾根を歩いているのが今の現状な訳なのですが、今回歩いた入奥沢のカタサメ沢右岸尾根たる水根山南西尾根もそんな数少ない尾根の一つ。

先月水根沢の方を歩いたら、長年懸案となっていたこちらの方も俄然歩きたくなってしまい、成人の日(01/10)は安定した冬型で展望も楽しめそうな石尾根日和。ということでこの日はその水根山南西尾根を登路に採り鷹ノ巣山へ行ってきました。

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(水根山南西尾根下部はアセビのトンネル)

先月から石尾根南面からの入山が増えたとはいえ、朝の峰谷行きのバスに乗ったのは何年ぶりでしょう。峰谷バス停前の民宿だか旅館がいつのまにやら廃業していたのがちょっと淋しいですね。。。まずは南西尾根の取り付けであるカタサメ沢出合へ向け林道をてくてく歩きます。

歩き出しから30分ちょいでカタサメ沢出合に着いたんですけど、この沢は出合から10m弱の結構高い滝なんですね。ここは右のデブリを伝って滝上に上がり、カタサメ沢沿いにしばらく行った所から適当に南西尾根に取り付きました。

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(立派なツガが多く伐り残されている)

峰谷周辺は急峻な露岩が多い印象ですけど、こちらもご多分に漏れず登りだしは同じ感じの痩尾根が続きます。まもなく尾根が緩むとアセビのトンネルに変わって、それを抜けると立派な黒木がやたらと目に付くようになったので確認してみるとそれはほとんどがツガ。

しかも2~3m級のが平気でポンポンと立っていて、そんな様子にビックリするやら嬉しいやら。尾根の両脇は明らかな二次林なので、どうやらこれらは伐り残されたもののようです。

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(こちらもツガ)

そうそう、そおいや近所の峰谷には栂ノ山がありましたね。あの辺りも植林される前はこんなツガが多かったのかなぁ・・・などと思いつつ木々を愛でつつ歩くようになってしまったのでペースも一気に落ちますが、今回は鷹ノ巣だけなので遅くなっても無問題です。

日当たりの良い南面のせいもあるのでしょうけど、今の時期は黒木の常緑ですらどこか瑞々しく感じますね。それもちょっと好ましいと思いました。

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(南西尾根中部・ツガ林がまだ続く)

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(幹廻り5mオーバーのまさに大栂)

ツガ並木はすぐに途切れるだろうという予想は外れて、なかなか途切れず続いていたことにも驚いたんですけど、↑↑こんな双頭の5mを超すツガが見つかったのも驚きでした。これこそ本当の大栂。世附の大栂にもかつてこんな木があったのでしょうかね。片方の幹が枯れかけているのが残念でしたけど、それでもなかなかの存在感。

でもこれでクライマックスか?と思ったらそうでもなく、4mを超えるツガと思しき枯木が出てきたところでようやくそれがツガ林お終いのサイン。今までの痩尾根から一転、尾根が広がり今度は立派なブナが目につくようになってきました。

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(ツガが途切れると・・・)

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(登るにつれブナが出てくる)

しかも出てきたブナがこれまた見事なものだから、あっちへウロウロこっちへウロウロしながら登る感じになってしまい、ますますペースダウン。しかしこの南西尾根がここまで見所のある尾根だとは想像以上でした。当初はヤケト尾根か巳ノ戸谷からの下りで考えていたんですけど、これは登りにとって大正解。下りじゃ本当にもったいないです。

しばらく行くと徐々にお約束の枯れたスズタケも出てきましたが、ちょっと被る程度で歩くに支障のないレベル。緩い鞍部からひと登りすると奥から入奥沢をトラバースして榧ノ木尾根と結ぶ道(巡視路??)に飛び出しました。

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(こちらは幹廻り4m弱の大ブナ)

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(奥からの道を過ぎるとスズタケが煩くなる)

ここまで来れば水根山も近いからあとひと頑張り、と思ってそのまま先を行こうとしたら・・・げげ、行く先は枯れていながらも密生したスズタケが壁のようになっていてビックリ。

スズタケがごく普通に生えていた昔だったらこれは本当にげんなりする光景なんですけど、今となってはあまりに懐かしい光景で(笑)いやぁこんなの久しぶりだなぁ、と嬉々としてスズの中に突っ込んでしまいました。

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(南西尾根上部は緑のスズタケも!)

とはいえ藪の密な箇所は意外に短く、ちょっとした尾根の肩に上がるとシカ道を辿れるようになって楽になりました。

そしてこの先でまだ葉の残ったスズタケが現れたのも嬉しかったなぁ。日に照らされて輝くスズタケの緑のなんと眩しいことよ。でもこの辺りもすでに落葉が始まっているので、ここのスズも風前の灯火なのでしょうね。

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(鷹ノ巣山山頂)

そんな緑のスズタケも長くは続かず、再び枯れたスズの中を行くとカラマツが混ざるようになってようやく榧ノ木尾根の登山道と合流。すぐ先が石尾根縦走路の捲道でしたが、ここまで来たら最後まで、ということでやっぱり水根山まで上がってしまいました。

水根山に上がったら埃を落として、ここでようやく鷹ノ巣山へ向かいます。さすがにこの時期ともなると人出は少ないですが、霞み気味ながらも展望は良好だし、思ったよりも寒くなかったのでひさしぶりに長居してしまいました。さすがに昼寝はできませんでしたけど(笑)。

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(久しぶりに稲村岩にも寄りました)

帰途は当初久しぶりとなる浅間尾根を考えていたんですけど、峰谷からのバスは遅いし、かといって峰谷橋まで歩くのもなんかイヤなので思案していると、長らく寄っていなかった稲村岩に寄ってみよう!というプランがふと浮かんでこのプランに即決。そうと決まればあとはそのまま帰路に就き、東日原へ向かったのでした。
 
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◆ 2011.01.10 (Mon)   快晴
奥多摩駅 07:50→ 峰谷 08:25- カタサメ沢出合 09:00/09:10- 奥からの巡視路 11:05- 水根山 12:05/12:10- 鷹ノ巣山 12:30/13:50- 稲村岩 15:05/15:15- 東日原 15:55
 

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2011.01.09

奥世附歩道の探訪 その3・水ノ木沢の源流部をめぐる

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(奥世附歩道・ゼン棚沢<水ノ木沢本谷>源流部を往く)

さぁて、暦も実際の気候もようやく真冬になってそろそろ「週刊・世附の廃道」の始まりでしょうか。(^^) 土曜日(1/08)は白石歩道から奥世附歩道の方に戻ってきましたよ。

ということで今回は水ノ木沢本谷であるゼン棚沢源流部辺りをぐるりと。菰釣山西隣の1370m圏峰に突き上げるゼン棚沢1050m圏二俣中間尾根を下ってから奥世附歩道にアクセスして、先ずは東のゼン棚沢1050m圏二俣右俣まで辿ってから、来た道を引き返して中間尾根に戻り、今度は歩道を西へゼン棚沢(水ノ木沢本谷)、そして金山沢と水ノ木沢中間尾根上の1192m峰北鞍部まで辿って、甲相国境稜線に上がり、そこから西へ高指山まで縦走して平野へ出るコースを歩いてきました。

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(菰釣山より水ノ木沢を繞る山々を見下ろす)

今回はこの冬初めて相模湖から延々とバスを乗り継いで、お馴染みとなった道志の下善の木に出てからスタート。雪は西沢林道と、甲相国境稜線に上がるまでの道のりで少々見かけたぐらいでほとんど無い状態でした。

さすがに雲一つない快晴となれば菰釣山からの展望も超良好で海も富士も高山も見え見え状態。休憩がてらそんな展望を楽しんでから西隣のピークへ向かい、さっそくゼン棚沢1050m圏二俣中間尾根の下降に移ります。

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(ゼン棚沢1050m圏二俣中間尾根・自然林が美しい)

中間尾根は下り始めから踏跡がこれまでになく明瞭で藪も灌木が邪魔するぐらいで薄く、それがちょっと不自然にも感じたんですけど、周囲のブナが見事で自然とそれらを見ながら降りていく感じ。

やがて左に尾根が分かれると施業図で記されている奥世附歩道が通る箇所が近くなるので、周囲を見つつ慎重に降りていったら、あれれ??じきに尾根の右側にマーキングが複数ついた分岐に出てビックリ。でもその辺りは奥世附歩道の通っている箇所とほぼ同じなので周囲をよく見てみると、薄い道形が尾根を乗り越していたので確認がてら先ずはマークのない左(東)から辿ってみると、

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(先も気になるが、本日はゼン棚沢1050m圏二俣右俣まで)

薄いながらも道形を捉えられるので慎重に行き、涸沢を渡って狭い枝尾根の末端近くを横切った所でその位置からこれが奥世附歩道だとわかりました。そして少々トリッキーな感じでゼン棚沢1050m圏二俣右俣に降り立つと、そこから先にも薄い道筋が延びていて、思わずニンマリ。

その勢いからこのまま梅ノ木沢まで辿ってしまおうかっとも思いかけたんですけど、今回は水ノ木沢の本谷であるゼン棚沢の源流部の方を歩く予定だったので、この先は又の機会にして来た道を中間尾根まで戻り、今度はマーキングのついた右(西)へ辿り始めます。

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(奥世附歩道のひとコマ・Part1)

結果から言うとこの周辺に付いていたマーキングは水ノ木沢の遡行用だったんですね。なので先の中間尾根の踏跡がしっかりしていたのもおそらく同じ理由なのでしょう。ザレた斜面をトラバースして沢に近づいた所でマーキングはなくなり、ここからは普段通りに施業図を元に行きますが、この辺りは当然スズタケが被るものの藪は薄めで、道形がなくなってもトラバースしているウチに薄い道形が再び現れる、というをの繰り返す感じです。

そしてこの辺りは周囲の斜面が緩く、自然林も見事でなかなか良い雰囲気です。そんな光景を愛でつつ緩く下って行くと、まもなく水流のない水ノ木沢の本谷でもあるゼン棚沢に降り立ちました。

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(ゼン棚沢1100m圏二俣)

この辺りも日当たりが良く、変わらずいい雰囲気だったので周囲を散策。沢を少し下った↑↑の1100m圏二俣はサワグルミの立つ広い平地で、本当はここでランチにしたかったんですけど、奥世附歩道は今までスムーズに歩けた例しがなかったので・・・とにかく長い休憩をとれなかったのが心残り。

この辺りは緩斜面が故に道形がわかりづらかったんですけど、構わず施業図に近い形でトラバースしていくと、やがて薄い道形が現れるのが今までと違う所でこれは本当に助かりました。

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(奥世附歩道のひとコマ・Part2)

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(奥世附歩道のひとコマ・Part3)

そんな状態がこの先も続いてくれたので、今までより格段にスムーズに奥世附歩道を辿れたのが妙に気持ち悪かったりもしたんですけど(笑)、それでも歩道が枝沢へ降りる箇所は崩れたりして結構判りづらいですね。

でも藪をこいでもダニはほとんどつかないし、歩いていても今回は本当に楽しいですよ。(^^)

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(ゼン棚沢1060m圏二俣左俣・急なザレ場のトラバースを強いられる)

そんな訳で歩き始め当初はまず無理だろうと思っていた、bさん呼称いいくに山(1192m峰)北鞍部も気がついてみるともう目の前。

そんな様子に「これはもう楽勝だ~」と思い始めた途端、最後の沢でもあるゼン棚沢1060m圏二俣左俣が↑↑急斜面のザレ場になっていて、さすがにスムーズには行かせてもらえません。

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(朝降りた中間尾根と菰釣山が見えた)

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(1192m峰北鞍部)

それでもここはザレ場の上部をなんとかトラバース出来て一安心。凍った沢の写真を撮ってから斜面を這い上がると、そこから先は藪もなく今までより明瞭な道筋が延びていて、枝尾根を乗り越すとその先はもう見覚えのある1192m峰北鞍部の広い緩斜面でした。

北鞍部に着いた時点でまだ13時過ぎ。今回は今までの事を考えると本当にスムーズに行けてなんか夢のようなんですけど、こうもスムーズに行けてしまうと平野ではなく、菰釣山を越えて細川橋というプランも可能なだけに、シキリ尾根も歩きたいし・・・とちょっと悩んでしまいました。贅沢にも(笑)。

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(樅ノ木沢ノ頭)

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(富士岬平より)

それでも帰路の選択肢の多さを考慮するとやはり平野の方が無難だったので、今回の所はおとなしく平野へ向かうことにして、あとは霞みながらもクッキリ姿を見せてくれた富士を眺めつつルンルン気分で帰路に就きました。あっそうそう、この日は石保土山で平野発の最終高速バスを無事予約できました~♪
 
 
奥世附歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。相変わらずしつこいぐらいに余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。
 
 
・・・・・☆
 
◆ 2011.01.08 (Sat)   快晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30- サガセ西沢ゲート 09:15- 菰釣山 10:10/10:20- 奥世附歩道横切る 10:55- ゼン棚沢1050m圏二俣右俣 11:20/11:30- ゼン棚沢 11:50/12:00- 1192m峰北鞍部 13:15/13:20- 油沢ノ頭 13:45/14:05- 石保土山 14:55- 山伏峠分岐 15:25- 高指山 16:05/16:15- 平野 16:50
 

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2011.01.05

カロー谷から滝入ノ峰を登り降り

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(滝入ノ峰手前の広尾根)

この年末年始はな~んかよく歩けますねぇ(笑)。今年の山始めは3日(01/03)と去年と同じくですけど行き先は珍しく日原でした。

今回は近場の懸案ながらもコース取りが難しく、長らく歩く機会の無かったカロー谷 杓子窪左岸尾根たる滝入ノ峰北西尾根登って、見通尾根(倉沢見通シ尾根)をそのまま降りるつもりも立入禁止になっていたので、急遽変更して栄造尾根ともいわれる横篶窪左岸尾根を下降。カロー谷に降り立ったら巡視路を下ってかろう橋へ戻るコースを歩いてきました。

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(カロー谷・この左岸斜面から滝入ノ峰北西尾根に取付いた)

この日はショートコースと言う事もあって三番バスでの日原入りでしたけど、さすがに正月は人出が少ないですね。大晦日ほどでないにしろハイカーは少なく、東日原から歩き出せばあとは当然ながら一人旅。

林道をてくてく歩いてまずは一石山神社に初詣。一年の無事を祈ったらかろう橋まで行き、ここでカロー谷の巡視路に入ってまず滝入ノ峰北西尾根の取付け探しから始めます。

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(滝入ノ峰北西尾根<杓子窪左岸尾根>下部・大木は伐り残されている)

実の所北西尾根はカロー谷出合附近に延びているのですが、この辺りは大岩で切れ立っている上に水道施設もあって取り付くことができません。ここは巡視路をひと登りしてからカロー谷に降り、間もなく出た3m滝の左岸斜面からぐずぐずの斜面を登って、ちょっとしたテラスに上がったところから尾根に取り付いてみました。

テラスからの急登をこなせば、あとは急なものの難なく歩ける感じ。植林と自然林に分けられた露岩混じりの尾根を登っていきます。

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(立派なツガも目立つ)

まぁ植林とは言っても意外に明るい感じだし、基本的に尾根は急なものの時折緩んだりして藪もなく意外なほど歩きやすかったです。

尾根上には伐り残されたと思しきブナやミズナラに、そうそう、岩がちなせいか中段歩道でもよく見かけたツガの大木も目立ちました。

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(金袋山の見え方も新鮮だ)

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(北西尾根・ヨコスズ尾根に上がる直前)

中段歩道を突っ切ってもしばらくは植林と自然林に分けられた尾根が続きましたが、ようやく植林が切れると、ここからヨコスズ尾根へ向け最後の急登が始まります。

ここは地形図通りの本当に急な箇所で、ズルズル滑りながらも木や岩を手がかりに登っていく感じ。そんな風に登っていると周囲に立派なミズナラが目につくようになって、まもなくヨコスズ尾根に這い上がりました。

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(すごい落ち葉・股下60cmぐらい・・・^^)

滝入ノ峰は北の隣のピークなので直ちに北へ向かったんですけど、雑木の広尾根はとにかく素晴らしく、この辺りはいつ歩いても気持ちの良い所。登り方向は初めてでしたが、前回の材木小屋尾根もそうでしたけど、登りにとるとやはり尾根の見え方が変わりますねー。

そんな中をざくざく落ち葉をラッセルしながら行くと、途中の吹きだまりでは股下近くまで落ち葉が積もっている箇所もあって狂喜してしまいました。こういう所をガサガサ歩くと足許がぬくぬくでほんとうに良い感触なんですよ。。。

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(ヨコスズ尾根の様子)

ここで天気が良ければ三ツドッケの選択もあったんですけど、休んでいる内に曇ってしまい、歩く気も削がれてしまったので、もう見通尾根でも降りてさっさと帰ろうと思って下り始めたら、ヨコスズ尾根の登山道に降りた所でなんと行く先にはロープが張られて立入禁止。

想定外の出来事にこれは困ったぞ、としばらく悩んだんですけど、そおいやカロー谷側の栄造尾根と言われる横篶窪左岸尾根は降りたことがなかったことに気がついて、即座にその尾根を降りる事に決定(笑)。そうと決まればここからは登山道を一杯水方面へ行きます。

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(横篶窪左岸尾根<栄造尾根>のひとコマ)

ヨコスズ尾根の素敵な自然林を愛でつつ横篶山(1289m峰)を捲いて、ひと登りした緩いピークが横篶窪左岸尾根の分岐。ここはなんの変哲のない所でなので休憩もそこそこに下り始めました。

尾根は地形図通りの広い尾根で若干荒れた印象はあるものの、ミズナラの大木も目につきかなか素敵な尾根です。

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(横篶窪左岸尾根と煙窪右岸尾根との分岐)

栄造尾根という名称は日原に通っている人ならご存じの方も多いでしょう。これは小川谷林道にある保安林区域図に書かれているもので、それを見ると主尾根はどうやら煙窪(ケムリ窪)右岸尾根の方のようなのですが、地形図を見る限りこちらはカロー谷へのかなり急な直滑降の上、末端部が穏当に降りられるかどうかも怪しい所。

というかもう地形図を見た時からここはどう考えても横篶窪左岸尾根の方が楽しそうなので、とりあえず1180m圏の煙窪右岸尾根との分岐に着いた時点で考えようと思っていたんですけど、実際に2mほどの目立つブナ(イヌブナかも)が立つ分岐に降り立ったら、やっぱり右の左岸尾根の方に入っていました。

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(横篶窪を横切る中段歩道)

分岐を過ぎると尾根左側がカラマツの植林に変わり、そしてヒノキ林入ると、さすがにこちらも急になって歩きづらくなってきます。

それでも尾根上には植林の仕事道らしき薄い踏跡が残っていて、これをジクザクに追っていると、あっけなく中段歩道に降り立ったと思ったら、そこは中段歩道とカロー谷の水源林巡視路との下流側の分岐。

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(カロー谷の滝はほとんど凍っていなかった)

ここまで来たらとりあえず中段歩道と巡視路との上流側の分岐でもある小屋跡には寄っておきたいので、道を上流側へ行くと、横篶窪を渡ってすぐ先がその小屋跡でした。

小屋跡で少し休憩をしたら、あとはバスの時間に余裕があったのでチンタラとカロー谷の巡視路を下ったんですけど、巡視路から見えた煙窪は出合が結構高い滝なんですね。右岸尾根末端も見た所かなりよろしくない感じで、やっぱり横篶窪左岸尾根の方を降りたのは正解だったようです。

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(4月にリニューアルオープン!だそうです)

風花吹きつける中、東日原に戻ったら、バス停前の「喜び処 みんなのいえ」の入口に大晦日にはなかった↑↑のお知らせが貼ってありました。4月ですか・・・今年の花粉は久しぶりに凄そうなので、この頃でも花粉は収まってないだろうなぁ。。。世附の杉林を見ても今年の蕾のつきっぷりはかなりのもので、この暖かさだと一月中に花粉が飛び出す可能性も十分にありそうでちょっとイヤですねぇ。
 
・・・・・☆
 
◆ 2011.01.03 (Mon)   晴 後 曇 一時 雪
奥多摩駅 08:35→ 東日原 09:05- かろう橋 09:45- 滝入ノ峰北西尾根取付 09:55/10:05- 中段歩道横切る 10:50- 滝入ノ峰 11:40/11:55- 横篶窪左岸尾根下降点 12:20- 中段歩道(横篶窪)12:50/13:00-(途中休憩15分)- かろう橋 13:45- 東日原 14:30
 

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2011.01.03

新雪踏みつつ下段歩道、材木小屋尾根へ

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(材木小屋尾根上部緩斜面のひとコマ)
 
 
あけましておめでとうございます。
今年もみなさん無事に山歩きができることを心より祈っております。
 
 
・・・・・☆

年末はクリスマスの連休に山へ行けなかったせいか山納めは先の世附ではなく、暮れも押し迫った大晦日(12/31)に猟師はいないだろうと踏んで、ちょっと久しぶりの日原でした。

と言う事で今回は4年ぶりに下段歩道から材木小屋尾根に上がり、タワ尾根を金袋山まで下ったら、これまたかなり久しぶりに金袋山から上段歩道・伏木窪の掛小屋跡へ繋がる水源林巡視路~上段歩道で日原に戻るコースを歩いてきました。

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(下段歩道・雪がうっすら)

さすがに大晦日にもなると電車もバスもガラガラですね。二番バスはボクを含めて3名のみとまぁ気持ちいいぐらい(笑)。そんな訳で歩き出しからお山は貸し切りが決定したようなものです。

モノレール軌道が敷設されてから上段・下段歩道を歩くのは初めてでしたけど、行きは下段歩道なので歩きづらいのも少しの我慢。まもなく人形尾根上の分岐に上がると、長らく通せんぼされていた下段歩道の方にも障害物はなく、噂通り改修された雰囲気が漂っています。

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(下段歩道・篶坂ノ丸東尾根の掛小屋)

そんな訳で実際歩いてみても新雪の上に落ち葉が積もって足許を慎重に探りながら行くような箇所はあるものの、のっけからして当時改修された4年前よりも歩きやすくなっていました。

初訪の折りは難所だった鈴坂窪の枝沢もまた新たに架け替えられたのか新しい桟道が何事もなくかかっていて、狭いながらも恐怖の高捲きをこなしていた頃なんて今は昔ですね。

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(下段歩道・犬麦谷との分岐附近)

まもなく想像よりもしっかり残っている篶坂ノ丸東尾根の掛小屋を過ぎると、じきに材木小屋尾根を乗越し、そしていつのまにか日陰ながらも素敵な緩斜面が広がっていてただただビックリ。

この辺りってこんなに良い所だったけなぁ・・・と思いつつゆるゆる行くと、緩斜面の切れる辺りが古い道標の残る犬麦谷の分岐でした。足下に見下ろす緩斜面の様子に日陰ながらもこの辺りちょっと歩き回りたい気持ちになりかけましたけど、それは別の機会にして、ここから材木小屋尾根(の枝尾根)に取り付きました。

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(材木小屋尾根の1178m峰への登りしな)

尾根に取り付けば後は登るだけなんですけど、新雪と落ち葉の下は凍っていてこれがかなり登りづらい。雪の中を歩くなんて久しぶりだし、上段歩道に上がるまでは急な登りが続くので、この間の登りがこの日一番のしんどい箇所だったかも。

そんな登りをこなし、尾根が緩むと二重山稜状になってまもなく1178m峰、上段歩道を通過。そしてもうひと登りで植林を抜けると、ようやくかの素敵な緩斜面に飛び出しました。

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(材木小屋尾根上部緩斜面のひとコマ・Part2)

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(材木小屋尾根上部緩斜面のひとコマ・Part3)

ここまでくれば時間もあるし、しばらくはこの緩斜面をゆるゆる歩きまわっていると、ラッキー!尾根の南側(トップの写真)はすでに雪がない箇所が広がっていてランチ場はココしかないでしょう!と言われている気がしたので、早めでしたが初訪の折りと同じくこの辺りでランチにしました。

しかしこの日は朝からそれなりに寒く、吹き抜ける風はかなり冷たかったのに、この辺りはそんな寒さとは無縁でひたすらに暖かく、積もった落ち葉の心地よさと相まって思わずお昼寝。この日の予定を考えれば二、三時間寝たって余裕がありますし。

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(緩斜面はまだまだ続きます・^^)

とはいえ寝ている間に雲がかかったか、ちょっと寒くなって目が覚めたので、そのまま起きて歩き出すことに。

なおも続く真っ白な緩斜面に気をよくしつつ、ゆるゆる登っていくとやがて篶坂ノ丸に飛び出しました。

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(篶坂ノ丸山頂)

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(タワ尾根・金袋山附近)

近年のタワ尾根はかなり人が入っているので誰か入っているかな?と思ったら、山頂には足跡が無く、タワ尾根も貸し切りだったようです。

あとは周囲の自然林を愛でつつ適当に歩きつつ金袋山へ向かいます。

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(金袋山~上段歩道の巡視路)

のんびり歩いても20分ほどで金袋山に着いたら後はどう下山するか、なんですけど、毎度毎度タワ尾根を降りるのもなんだし、今回久しぶりに下段歩道を歩いたので、これまた久しぶりに上段歩道の掛小屋跡に降りる巡視路から上段歩道を降りることに。

掛小屋跡に降りる巡視路は花のひかりを始めてからは初めてでしょうか。やはりのっけの伏木窪左岸尾根上部の緩斜面を横切る辺りが素晴らしいですね。午後なので日陰なのが惜しかったけど。

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(上段歩道・掛小屋跡より先はモノレール軌道が通っている)

道も鈴坂窪の枝沢を前にして折り返す箇所辺りが若干歩きづらいぐらいで、あとはすいすい。

そして掛小屋跡に降り立つと、すぐ下は工事現場になっていて堰堤をつくってらっしゃるのでしょうか。あんな風になっていたんですね。あと帰りの上段歩道は覚悟していた割にはある程度の道の幅が確保されていて思ったよりは歩きやすかったけど、人形尾根を下り始めるとさすがに軌道が道を突き抜けていてかなり歩きづらかったです。

ここのモノレールは水源林に方々設置されているのとは違って簡素なものなので、工事が終わった暁にはおそらく撤去されることでしょうけど、これは予想が当たって欲しいなぁ。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.12.31 (Fri)   晴 時々 曇
奥多摩駅 07:25→ 東日原 07:50- 人形尾根取付 08:30- 掛小屋(篶坂ノ丸東尾根)09:15- 犬麦谷分岐 09:40/09:50- 上段歩道 10:30-(途中休憩60分)- 篶坂ノ丸 12:10/12:30- 金袋山 12:50- 掛小屋跡(上段歩道)13:15- 人形尾根取付 13:55- 東日原 14:30
 

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2011.01.01

過去の記事(アーカイヴ)は・・・

 
長年ブログをやっていると記事が徐々に増えて、各山域のカテゴリーが膨大になってしました。なので今は年ごとに分けておりますので、過去の記事は・・・


バックナンバー の方へお越しくださいませ。(^^)
 

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