2010.12.30

白石歩道、荷干沢~カワゴノ沢の径路の探訪 その1

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(白石歩道のひとコマ)

まだ暖かめとはいえそれなりに寒い日が続くようになってようやく天気も安定してきましたね。でもその割には遊びすぎてお山へ行けなかったんですけど、暮れも押し迫ってようやく行く余裕ができました。

今回(12/29)は世附(世附川流域の山山)の廃道探訪で、奥世附歩道ではなく、一番手近なとはいえまだ未踏だった白石歩道と荷干沢(フジモク沢・本水沢)~カワゴノ沢の径路をようやく歩いてました。

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(大杉歩道・沢を渡る箇所で一部荒れていた)

さすがに年末になるとハイカーが減りますね。朝一の西丹沢行きのバスがガラガラだったので、交通費を浮かせるために谷峨へ先回りしました(実は行きでは初めて)。そして細川橋に着いたら、昨晩の雨が凍ってつるつるになった道を上がってまずは神社へ向かったんですけど、初詣を控え参道にはすでに提灯が飾られていて、そのおかげでこの神社の名前も初めてわかりました。「大室生神社」って云うんですね!

神社に参拝したら二本杉峠を越えて千鳥橋へ。大杉歩道の方は沢を渡る箇所が若干荒れたぐらいで、慎重に行けば通行にさほど支障はない状態でしたが、一部判りづらい箇所があるかもしれません。

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(富士見林道・車両が通れず落葉道と化していた)

千鳥橋に降り立ったら次は富士見林道を歩いて地蔵平へ。実際歩いてみると台風以降車両が通れてないのでしょうね。道には大量の落ち葉が積もり、それが程よいクッションとなってなかなか歩きやすくなってます。

地蔵平までの道も想像よりは荒れていませんでしたけど、それでも車両が通れるようなるのにはあと何年かかるのだろうかと思ってしまう状態。今回は地蔵平に戻ってくる予定なのでとりあえず地蔵平は素通りして、そのまま白水ノ沢出合へ向かいます。

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(白水ノ沢出合)

地蔵平から20分ほどで白水ノ沢出合についたら、ここからがメインディッシュでもある白石歩道の始まりなんですけど、すぐに見つかると思っていた道形がなかなか見つからなくて焦りました。しかも出合周辺のスズタケは雨後のせいかこれまたダニがびっしりだったし・・・(苦笑)。

以前白水ノ沢右岸尾根を下った時は一番白石沢寄りの枝尾根を下降したとはいえ、末端附近で明瞭な道形があったのにこれはどういう事?? しょうがないのでそれらしき踏跡を探しつつトラバースをすると、これがスズタケが被るにもかかわらずそれなりに行けるので行ってみましたが、この辺りは少々自信がありません。

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(白石歩道・一つ目の枝沢を越えると道形は明瞭になった)

これは困ったなぁと思いつつ道形を確認するため尾根を上下に探してみてもそれらしきものが見つからなかったのでなおも行くと、まもなく着いた一つ目の枝沢(荷干沢670m圏二俣右俣)の出合から先には明瞭な道形が延びていました。

やれやれと思いつつさっそく辿り始めると、当然ながらスズタケは被りますけど、道形がわかると本当に歩きやすいですね。もう奥世附歩道のことを考えたら天国のように思えます。

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(倒木にヤブの濃い箇所も)

それに当初はビッシリ取り付かれて先が思いやられたダニも気がついてみればほとんど付いていない状態で一安心。足下に荷干沢を見下ろしつつ歩けるのもなかなか風情があって良いですね。

とはいえ一箇所だけ倒木のせいで藪の中高捲きを強いられる箇所がありましたが、それをなんとか越えて一息ついていると、藪の中間近に黒い動物が近づいてきて一瞬クロスケか?と思ったら、見た目小さいし、毛艶が良すぎるので良く確認してみるとそれはなんと黒い猟犬。猟犬も世附では初めての遭遇でしたが、もしかするとトレーニングで放しているのかも知れません。

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(白石沢出合が見えてきました)

高捲きを終えるとその先が白石沢左岸の枝尾根で、判りづらくもよーく見てみると、ここが白石歩道とこの先歩く予定の荷干沢~カワゴノ沢の径路との分岐で、ここからスズタケが被る細いトラバース道を見つけて慎重に降りていくと、下に白石沢の出合が見えてきて、まもなく出合上の小広いテラスに降り立ちました。

沢で顔を洗ってダニチェックをしたら今度は荷干沢の径路、なんですけど、これものっけからわかりづらくてしばらく捜索しましたが、スズタケの中、尾根の端をぐるりと回っているのがおそらく径路だと思います。

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(白石沢出合より先は基本的に沢に沿ってついている)

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(荷干沢<フジモク沢>の徒渉を何度か繰り返し・・・)

白石沢出合から先の径路は基本的に荷干沢の広い沢床に沿って施業図通りに付いている感じで、途中施業図では左岸をぴょこんと高捲く箇所が記載されいるのですが、実際のその辺りは高捲く必要性があまりない感じだったし、試しに左岸斜面を登ってみても道形が見つからなかったのでここは諦めました。

というか本当に道があるのだろうか?という疑念が後になって出てきたのは、実はカワゴノ沢の出合に着いて、そこから施業図通りにカワゴノ沢へ入ってみると・・・

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(カワゴノ沢<荷干沢・フジモク沢790m圏二俣左俣>二つ目の滝)

いきなり両岸が迫って4mほどの滝が二つ続いて、これらの滝はビブラムでもさほどの難なく捲けましたけど、この辺りは本当に施業図通りに道がついていたのかちょっと怪しいかも知れませんね。

その二つ目の滝を捲き終えるとその先になぜか古ぼけたマークがあって、そこからスズタケが被る左岸側の斜面をカワゴノ沢左岸尾根へトラバースする細い踏跡が通っていました。左岸尾根上には明瞭な踏跡が通っていますし、これが出合からの高捲きルートでかつ正式な?径路なのかもしれません。

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(カワゴノ沢の径路・滝を越えると雪が出てきた)

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(カワゴノ沢・城ヶ尾歩道徒涉点附近)

この辺りから沢床はうっすら白くなって、まもなく見覚えのある城ヶ尾歩道が沢を横切る地点まで来てしまいました。

ということはここから城ヶ尾歩道の左岸側を少し登った所にある分岐は城ヶ尾歩道とカワゴノ沢の径路の分岐ではないのん?という事に気がついて、時間にも余裕があったので調査がてら分岐から右の直進路を行ってみると、これがほぼ水平にトラバースして後半はスズタケの藪が煩かったけど左岸尾根へ繋がる道でした。あとで過去の記事も訂正しなければ。

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(この日の地蔵平)

気になった調査が終われば、短かったけど欲張らずに今回はここまで。沢周辺にできている氷の造形をカメラに収めつつ、忍橋林道に上がって帰路に就きました。

白石歩道や荷干沢の径路は奥世附歩道とは違い、道形がまだそれなりに残っていてスムーズに歩けたのがなによりも嬉しかったかも。今回白石歩道を桃ノ木沢の出合まで辿らなかったのはまた別のプランがあるからなんですけど、この辺りを通る歩道ってどこからどこまでが白石歩道でかつ城ヶ尾歩道で、そして奥野歩道なのかよくわかりませんね。

ただ名称図だと白水ノ沢出合から桃ノ木沢出合までは少なくとも白石歩道と判断できるので、そこの間は白石歩道としても良いのではと思っています。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.12.29 (Wed)   晴 時々 曇
谷峨駅 07:42→ 細川橋 08:10/08:20-二本杉峠 09:05- 千鳥橋 09:30- 地蔵平 10:00- 白水ノ沢出合 10:20/10:25- 白石沢出合 11:40/11:45- カワゴノ沢出合 12:35- 城ヶ尾歩道徒渉点 13:00/13:45- 忍橋林道終点 13:50- 地蔵平 14:40/14:50- 千鳥橋 15:15- 二本杉峠 15:55- 細川橋 16:30
 

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2010.12.14

奥世附歩道の探訪 その2・樅ノ木沢の右俣と左俣の間をのろのろ

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(奥世附歩道・1192m峰北鞍部附近)

さてさて、12月に入ってまだまだ暖かめとはいえそれなりに寒くなって、ようやく世附(世附川流域の山山)の山遊びが楽しい季節になりましたネ。(^^)

ということで日曜日(12/12)は4月以来となる奥世附歩道の探訪。今回は梅ノ木沢からではなく、金山沢と水ノ木沢の中間尾根上部の1192m峰北鞍部から西へ辿ってみたのですが、結果から云うとここまでは行きたいなと目論んでいたビリ沢歩道(樅ノ木沢ノ頭南尾根)どころか、樅ノ木沢ノ頭(1306m峰)へ突き上げる樅ノ木沢の左俣までもたどり着けずに、その二つ程手前の枝尾根までなんとか辿ってきました。

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(朝の甲相国境稜線)

先の週末は土曜に野暮用があってバスで道志に入れなかったので、今回もリッチに都留市からタクシーでスカイバレーキャンブ場の入口まで入って(¥8190)からのスタート。

先月の紅葉の時期は別のキャンプ場ですけどそれはそれは大盛況だったのに、この時期にしてはかなり暖かめとはいえさすがにこの日は誰もいません。さっそくクッキリ綺麗に見える富士を励みに前ノ岳~ブナノ丸へ上がったのですが、気になっていた雪はブナノ丸近くになってちょこっと出てくるぐらいでした。

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(1192m峰北鞍部附近の緩斜面)

ブナノ丸からは甲相国境稜線を西へ行き、金山沢と水ノ木沢の中間尾根のピークに着いた所で、目の前に見えるbさん呼称「いいくに山」(1192m峰)を眺めつつ奥世附歩道の通る北鞍部へ下ります。

じきに1192m峰北鞍部に降り立ったら、尾根を横切る奥世附歩道のかなり薄い道形を確認。今回はタクシーのお陰で早く登り出せたのでまずは北鞍部東側(水ノ木沢側)の緩斜面をゆるゆる散策してみると、周囲の林自体は若干荒れている印象ですけど、想像通りのゆっくりしたくなるような自然林の広がる素敵な所でした。

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(最初こそそれなりに道形を確認できたが・・・)

そんな光景を目の当たりにするとこのまま東へ引き込まれそうになりますが、今回は訳あって??奥世附歩道を西へ行きます。

歩道を辿り始めると歩き出しこそ道形らしきものがあったものの、間もなくの枝沢を渡り終えると例のごとく判別しづらくなり、斜面は徐々にスズタケが深くなってきます。

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(樅ノ木沢右俣1140m圏二俣)

それでもこの辺りはまだ何とかわかるような箇所もあって、スズや倒木を乗り越えつつ手持ちの施業図に近い形でのろのろ行くと小一時間程で樅ノ木沢の右俣に飛び出しました。

そこは1150m圏二俣のすぐ下で、そこから「道形らしきもの」を右岸に沿ってひと下りで出る二俣が1140mの二俣。ここは明るく小広い所で休憩もそこそこにまずはダニチェック。でもさすがに寒いせいかダニは殆どついていないことに一安心して、それから顔を洗ってようやく休憩です(笑)。

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(奥世附歩道の道形は本当に少ない)

左に大岩の塞ぐ沢を見上げると空は真っ青で爽快。本当に気持ちが良いです。でも爽快な気分になったのは天気が良いだけじゃなくて、久しぶりにズスタケにまみれながら歩いたので気分が少々昂揚していることもあったのでしょうね。

まぁダニが少ないとわかればあとは道形が薄かろうと、スズが煩かろうと、倒木が多かろうと個人的には無問題。(^^) ここから先も道形は殆ど消滅しているので施業図に近い形でトラバースしてきます。

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(モミの美しい枝尾根を横切り)

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(偵察途中に見つけた露岩より1192m峰)

とはいえ藪に倒木が煩い上に、今回は歩道のトラバースなので横切る枝沢・枝尾根を一つ一つ確認しつつ、高さを確認するために枝尾根を少し上下して偵察したりもするので、元々進まないのがより一層進まないのはまぁ当然と云えば当然の話。

おかげで↑↑こんな露岩の展望地が見つかったり、基本二次林の中でもちょっと美しい林が見つかったりと、想定外の収穫もあったので、こんなのもまぁ悪いことではないんですよね。

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(枝沢に降りると青空とスズタケの緑が美しい)

それでものろのろとしか行けないから、行く先に見えるビリ沢歩道(樅ノ木沢ノ頭南尾根)どころか、ここまでは問題なく行けるだろうと思っていた樅ノ木沢の左俣すらまだ先に見える状態ですでに12時過ぎ。もう三時間もかかってるのかよ(笑)。

まぁ4月の大ダルミ(大樽)から梅ノ木沢までの間だって一時間半かかっていた訳だから想像できなくはないけど、ここまで歩きづらかったとは・・・。

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(結局左俣へもたどり着けず、今回はここまで)

平野バスの事を考えると歩道を辿るのは14時がリミットと考えていたんですけど、とてもとても。藪潜りが続いたおかげでご飯も食べられず、かなり疲れてきたので、結局左俣の二つ手前の尾根(樅ノ木沢右俣970m圏二俣左俣1070m圏二俣左俣左岸尾根・笑)で今回は打ち止めにしました。

でも打ち止めとは云ってもここから国境稜線まで上がらなければ平野へ帰れないので、急な藪尾根をもうひとがんばり。奥世附歩道から稜線までの標高差はまぁ知れていて、30分ほどで国境稜線に這い上がりました。

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(かなり急な枝尾根を詰めていきます)

這い上がった所は樅ノ木沢ノ頭のちょい手前。でもここって今朝、国境稜線から降りた所から15分ほどで歩ける距離なんですよね。それをを5時間近く掛けて迂回してきたとは・・・我ながらなんともアホアホです(笑)。

それでもこういう歩きの後は妙な爽快感があってこれはこれで良いものです。気分が落ち着いたら入念にダニチェックをして、ようやくランチにありつき、あとはヘロヘロになりながら平野へ向かったのでした。

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(甲相国境稜線・樅ノ木沢ノ頭附近)

そうそう、この日は予定より早く下山したので山伏峠を下った辺りから高速バスの予約をしたんですけど、「席は取れるモノ」と思い込んでいたら16時台の旭日丘発はおろか、なんと17時台の平野発の終バスまで満席だったのは全くの想定外でした。

こんなのは初めての出来事だったんですけど、バスの台数を減らしたのか単に利用者が増えたせいなのか。理由は今のところわかりませんが、早めに下山したお陰で16時前の吉田行き路線バスにに乗れたのは幸いで、これでこの日平野の終バスをあてにして行動していたら大変なことになっていました。まぁそうなっても石割の湯へ行ってヒマを潰せば良いと言えば良いんですけどネ。
 
 
奥世附歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。相変わらずしつこいぐらいに余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。
 
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.12.12 (Sun)   晴 時々 曇
スカイバレーキャンブ場入口 07:20- 前ノ岳 08:10- ブナノ丸 08:30- 1192m峰北鞍部 08:55/09:10- 樅ノ木沢右俣1140m圏二俣 10:20/10:40- 樅ノ木沢左俣手前の尾根 12:45- 甲相国境稜線 13:15/13:45- 石保土山 14:15- 山伏峠 14:50- 平野 15:45
 

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2010.11.24

雑木林を楽しみつつ歩く高柄山

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(高柄山東尾根・上部は雑木林が美しい)

紅葉が終盤にさしかかると確かに前道志を歩く好機ではあるんですけど、それでもこの時期に前道志の辺りを歩いたのって何年ぶりでしょう。今回は訳あって(笑)高柄山で集合がかかり、それにあわせての山行きで、高柄山までのコース取りをどうしようかかなり悩んだ結果・・・

今回は藤野の杉西から秋山川橋を渡って高倉山~金剛山~田野入峠(天神峠)まで稜線伝いに歩いたら、一旦南の田野入に降り、車道を金山方面へ歩いて高柄山東尾根(東稜)を登り返して高柄山に上がり、あとは北尾根(北稜)を下って杖突、そして四方津駅に出るコースを歩いてきました。

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(秋山川橋より桂川側)

藤野に出るのは冬の蛭ヶ岳以来でしたけど、時間が遅いことも事もあって陣馬山絡みで凄い人出でしたが、奥牧野行きのバスに乗るハイカーは当然ながら私一人。エアリアに従って杉西で降りたんですけど、駅からさほど遠くないこともあってこの辺りもまだ住宅街の感じなんですね。

そんな訳でそそくさと歩き始めたら実はここから秋山川橋へ下る道を探すのが大変で、下降路は県道を東野方面へしばらく歩いた所の右手に藪が若干被る道が延びているのがそれでした。エアリアでは車道のように記されていますが実際はろくすっぽ利用されてないような感じではあるものの明瞭な山道です。エアリアのうそつき。

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(高倉山への道すがら)

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(オオモミジ)

想像よりかなり立派だった秋山川橋で対岸へ渡り、芝田らの道と合流すれば、しばらくは明瞭な登山道を辿る段取り。尾根上に上がる前は一旦植林帯に入ったものの、それもすぐに抜けて雑木林に変わると見頃に入った紅葉を見ながら歩けます。メグスリノキやイロハモミジなど赤いのも意外に多くてちょっと嬉しかったかも。

尾根上の明るい雰囲気も良いですし、丹沢はガスってましたけど、周囲の展望がちょこちょこ楽しめるのも良いですね。

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(金剛山・・・491m峰の方)

エアリアの金剛山を過ぎ、しばらく行くと県境の辺りで登山道は藤野の方へ下ってしまいますが、さすがに尾根筋は藪が若干被ってくるものの踏跡は明瞭。こちらも金剛山とされる491m峰からも北へ明瞭な道が延びているようですね。

491m峰を過ぎると尾根は田野入峠へ向け急降下。露岩の痩尾根が続いてここの下りは少々スリリングでなかなか面白かったです。

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(田野入峠の馬頭観音像)

いくつか小ピークを越えながら降りていくと明瞭な切り通しの鞍部に降り立ちましたが、ここが田野入峠(天神峠)でした。峠の西側に鎮座していた馬頭さまの穏やかな表情が印象的です。

本来ならこの先もそのまま尾根伝いに歩きたい所ですけど、今はゴルフ場ができているので今回は一旦南の田野入へ峠道を降りてみましたが、下まで5分とかからないんですね。坂下バス停のすぐ下手に出ました。

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(高柄山東尾根下部より田野入峠~金剛山~高倉山の稜線)

一旦県道に出たらしばらくは車道歩き。この日は待ち合わせがあった上に歩き出しが予定より30分遅れていたので、落合の集落を通るのは泣く泣くパスして、新しいトンネル経由で高柄山東尾根の取付けへ。

例によって正確な取付がわからないので適当に取り付いてみましたが、登りだしはかなりの藪だったのでおそらく不正解だったのでしょう(笑)。でも藪も僅かな距離で、急な登りをこなすとじきに東尾根上に出ました。

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(東尾根上部のひとコマ・Part2)

ここまで来ればあとは東尾根を辿るだけ。しかし歩いてみると東尾根も植林が意外や少ないんですね。特に金山からの登山道をあわせてからの雑木林が見頃の紅葉と相まってとにかく美しかったです。前道志でもここまで植林の少ないコース取りができた事は失礼ながらも驚きでした。

そんな様子に気分を良くして歩いて行くと、徐々に人の声が聞こえてきて高柄山に到着。そこにはすでにぴよぴよさん、takigoyamaさんカセージンさん、タカさん、そして今回の企画の首謀者でもあるかずさんとみんなお揃いで待ってくれていました。<(_ _;)>

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(高柄山北尾根上部にて)

早い人はもう10:30位には山頂に着いていたと言う事で、タカさんからおにぎりをもらって軽く昼食を摂ったらここからが今回の本番??で、今回の企画というのはかずさんが7月にクロスケ(というかクロ子?)に襲われた現場を尋ねて北尾根(北稜)を歩くというもの。

まぁカズさんが襲われた日はボクも偶然近所(塩瀬沢)を歩いていたし、そもそも山に入るという事はクロスケのテリトリーに入らせてもらう事でもあるのに、クロスケが出たのどうのと必要以上に騒いでいる風潮に憤慨して過去に何度かわざとそう言う現場へ赴くようなことをしてきたボクでも、今回のはさすがに世の中ナメ切った企画でしょーとは思ってはいたんですけど、

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(467m峰周辺は藪がうるさい)

下り出しでいきなりの歓迎ビラに一同大爆笑。

あとはいろいろ話したり、途中でカモシカを見かけたり(ボクは見られませんでしたが)、takigoyamaセンセによる木のレクチャー会があったりとゆるゆる下りつつ、現場ではかずさんが再現したりと(笑)・・・まぁいろいろありました。

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(北尾根下部のひとコマ)

そんなこんなで何事もなく無事に麓の杖突に降り立ったらあとは四方津駅へ向かうだけだったんですけど、こちらの方は皆さん親切ですねぇ。離れた民家に置かれていた草の束をこれは箒草なのかどうなのかと話していたら、民家にいた方が聞こえていたのかこれが箒草ですよと教えてくれたり、

かずさん襲われた当日にお世話になった地元の方々にも偶然会えて、お礼やら現状報告をできたのがなにより良かったし、部外者の私たちもいろいろ良いお話を聞かせてくれたのもよかった。

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(杖突の集落より扇山・四方津御前山)

おかげで四方津駅までの帰路がなんとも言えない良い気分で帰れたのは、かずさんの人徳・・・かどうかはわかりませんが(笑)最後の打ち上げも楽しく、参加者のみなさまいろいろありがとうございました。
 
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◆ 2010.11.21 (Sun)   晴 時々 曇 
藤野駅 08:25→ 杉西 08:35- 秋山川橋 08:45- 高倉山 09:15- 金剛山(491m峰)10:05- 田野入峠(天神峠)10:30- 高柄山東尾根取付 11:00- ホウジ丸 12:05- 高柄山 12:25/12:50- 467m峰 14:00- 杖突 14:50- 四方津駅 15:40
 

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2010.11.16

錦繍の世附・大栂東面からイデン沢の懐へ

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(城ヶ尾歩道・大栂北東尾根を横切る辺り)

それなりに涼しい日が続いているせいかここへ来て紅葉の進み具合が早くなってきて、先の週末で1000mあたりでしょうか。日原でこのレンジはかなり悩んでしまうんですけど、よく考えてみるとこのレンジってちょうど城ヶ尾歩道のラインじゃん!って事に気がついて、日曜(11/14)は半年ぶりとなる世附(世附川流域の山山)でした。

と言う事で今回はサガセ西沢から菰釣山に上がり、大栂へ南下した後、大栂の短い北東尾根(これもイデン沢900m二俣中間尾根になってしまう・・・)を下って城ヶ尾歩道に。それからまずは北のイデン沢(菰釣沢)1000m二俣まで歩道を辿ってから引き返して、一月の初訪の折りに雪で今ひとつわからなかった大栂東尾根(イデン沢780m圏二俣中間尾根)までの歩道を確認しつつトレースし、東尾根に上がったらまた引き返して、途中から適当にイデン沢に降り、沢伝いに900m圏二俣右俣に入って今回も大ケヤキの緩斜面へ。それから再び城ヶ尾歩道をシキリ尾根まで辿り、シキリ沢右岸尾根を下降。忍橋に降りたら地蔵平に出て、西尾根を伝って屏風岩山へ登り返し、東尾根を下って大滝橋へ出る、という文字面だとかなりややこしいコースを世附の紅葉愛でつつのんびりと歩いてきました。

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(菰釣山から大栂への道すがら)

今回は日曜という事もあり久しぶりに大枚はたいて都留市からタクシーを走らせ、なんとサガセ西沢ゲートまで(¥8090・ツルタクシーさんありがとう。そして教えてくださったKさんありがとうございました!)出てからのスタート。そのおかげで菰釣山に着いたのも8時過ぎと・・・これって普段ならまだバスの車中にいる時間ですよっ!

さすがに山頂附近は落葉寸前の状態でしたが、天気は今ひとつながら山頂からは富士や南アがクッキリと見えたのは意外でこれは幸先が良いカモ。少し休んだらさっそく南の大栂へ向かいます。

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(大栂より菰釣山)

シキリ尾根はもちろん素晴らしい尾根だけど、菰釣山の南尾根だって大栂までは負けずに素晴らしい所です。毎度のごとく周囲のブナにひかれて、ついつい寄り道しながら降りていく感じになってしまうのはもうしょうがないですね。

そして降りていくにつれ紅葉も徐々に復活。まぁ枯れかけのブナだって大まかに言えば紅葉の類だし(笑)、コハウチワは終わりかけだったものの、コミネカエデの真っ赤に色づいた紅葉が多くて道中はなかなか見応えがありました。

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(大栂北東尾根・若いイヌブナが多い)

そして大栂に着いたらまた一休みして(笑)それから短い北東尾根の下降に移ります。この尾根は短いながらも周囲から見るとなかなか優美に見せていて気になっていたんですけど、意外や尾根上は若いイヌブナが多いですね。これはすぐ下に城ヶ尾歩道が通っていることと無関係ではなさそうです。

でもここは尾根上よりも尾根の両サイドの林に紅葉が本当に素晴らしくて、できることなら晴れて欲しかった。それに尾根上のスズタケこそ薄かったものの、なぜかお約束のダニがひっついてきます。でも大栂までの道の方が藪は濃かったのにダニなんてつかなかったぞ。この差はいったい何なのか・・・本当に不思議だ。

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(大栂北東尾根のひとコマ・Part2)

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(イデン沢<菰釣沢>1000m圏二俣・黄葉はチドリノキ)

当初はスズタケが薄かった尾根上もイデン沢の沢音が聞こえてくる頃から徐々に濃くなってきますが、それでも程度としては知れたもの。途中立派な大モミを見つけたりとなっかなかスムーズに降りさせてもらえません。

それでもじきに明らかな切り開きとなっている城ヶ尾歩道に降り立つと、歩道からイデン沢の斜面もまた見事な紅葉に覆われていて、ビックリするやら嬉しいやら。沢に沿って黄色に彩るチドリノキはもちろん見事なんですけど、目をひいたのはメグスリノキの赤。高木ばかりでうまくカメラに収められなかったのは残念でしたが、まさか世附でここまで赤を楽しめるとは想像以上でした。

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(城ヶ尾歩道・大栂東尾根へ向かう道すがら)

城ヶ尾歩道に出たら、まずは北の1000m圏二俣へ向かってから来た道を戻り、チドリノキの見事な黄葉輝くケヤキ並木の中にあるケヤキのご神木さん?にももちろんご挨拶。そして「大栂南東尾根から派生する尾根群と大栂から直接派生する尾根群を分ける沢」に着いたら、ここから一月の初訪の折りに雪でうまく探せなかった大栂東尾根までの歩道をトレースすべく登り返します。

さすがに雪がないとこちら側にも道形はそれなりにあって、きちんと辿れて拍子抜け。実際の歩道は一月に下った箇所よりも一段下を通っていました。

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(大栂東尾根1050m圏附近)

結局先ほどの沢から20分とかからず大栂の東尾根に到着。ここから東尾根を忍橋まで下るのはさすがに早すぎてあんまりなので、またまた来た道を引き返し(笑)途中からは城ヶ尾歩道からも外れて、緩斜面を拾いつつ適当にイデン沢へ。

このイデン沢へ降りる箇所も、ブナにケヤキ、イタヤカエデなどの立派な木々が見られてなかなか素敵な雰囲気でした。

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(イデン沢940m圏二俣右俣を行きます)

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(今回も大ケヤキでランチ ^^)

そしてイデン沢に降りたら城ヶ尾歩道へは戻らず、沢伝いに900m圏二俣の右俣に入り、一路大ケヤキへ。そおいえばイデン沢も城ヶ尾歩道もかの豪雨の影響があまりないことに実はこの辺りでようやく気がついたんですけど、ホントそんなことを思い出させないほど荒れている様子がないんですよね。

というわけで大ケヤキの緩斜面も変わった様子はなく、今回もここでランチと相成りました。(^^)

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(メグスリノキ)

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(城ヶ尾歩道のコル<イデン沢840m圏二俣中間尾根>)

ランチを終えたら、緩斜面を適当に上がって斜面を横切る城ヶ尾歩道を捉え、歩道を東へ辿ります。

ここから先も荒れている箇所は以前から荒れていた箇所で、豪雨後に荒れた箇所はほぼ皆無。もちろんスズの煩い箇所もあるけど、ここも対岸や山肌に見える紅葉がとにかく見事で、そんな様子にか細い歩道をついついよそ見しながら歩いちゃうから、危ないことこの上ありません。

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(オオモミジ)

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(シキリ尾根に上がりました)

そしてシキリ尾根に上がったらあとはもうお馴染みのルートで、すぐ先のシキリ沢の源頭ピークまで降りてからシキリ沢右岸尾根の方に入ります。

右岸尾根の方は途中の植林帯に手が入ったおかげで明るくなっていて驚きましたが、これは嬉しいことですね。紅葉は右岸尾根ももちろん楽しかったのですが、意外だったのが富士見林道に降り立ってから忍橋へ戻る間の赤の多さでした。

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(ウリハダ・・・ではなくホソエカエデ)

ここでようやく出てきたイロハモミジに、真っ赤なウリハダだなぁと思っていたのは実はホソエカエデ(念のため落葉をカメラに収めておいて良かった)で、そして橋の奥にはメグスリノキ。豪雨後の様子見で立ち寄っただけなのに、忍橋は富士見林道で一番赤を楽しめる所?なのかも??

そして忍橋から地蔵平へ向かうと、土砂や倒木が道を埋めている箇所かいくつかあって、ここまで下るとさすがに豪雨の影響が垣間見られます。富士見林道は去年からずっと改修をしていて、忍橋の手前辺りは簡易舗装まで施されていたのに、それもこの豪雨で残念ながらおしゃかの様相です。

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(富士見林道は豪雨の爪痕が深い)

林道は酷いことになっていたけど、それでも頭上の紅葉・・・特にイロハモミジはどれも綺麗に色づいており、植林の多い地蔵平の辺りも、その赤が周囲をいい具合に彩りを添えて良い雰囲気でした。

さて地蔵平に着いたのが14時30分。この時間だと日の短い今の時期は道志歩道(さかせ古道)か大杉歩道で細川橋に出るのが穏当な線なんですけど、今までの紅葉の良さに欲張りしたくなって結局 屏風岩山へ登り返してしまいましたー(笑)。

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part1)

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part2)

屏風岩山西尾根ももちろん紅葉は盛りで、しかも時折晴れ間も出てくるようになったのは神の御業なのでしょうか。そんな光景に出逢えたことに感謝しつつ、後は日没との競争をしつつ東尾根を駆け下ったのでした。

去年、紅葉の時期にシキリ尾根を下ったときは赤が本当に少なかったので、実のところ今回赤は全く期待してなかったんですけど、実際に歩いてみたら先週のタワ尾根以上に赤を楽しめた一日になったのは全くの想定外でした。でもこれで晴れていたら最高だっただろうな・・・。来年こそはそんなタイミングで紅葉を楽しみたいですね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.11.14 (Sun)   曇(薄日もちょこっと) 
サガセ西沢ゲート 07:25- 菰釣山 08:15/08:25- 大栂 09:05/09:20- イデン沢1000m圏二俣 10:05/10:10- 大栂東尾根1050m圏 10:30/10:35- イデン沢940m圏二俣右俣の緩斜面(大ケヤキ)11:30/12:15- シキリ尾根1030m圏 12:55- 忍橋 13:45/13:55- 地蔵平 14:30/14:40- 屏風岩山 15:45/15:50- 大滝橋 16:50
 

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2010.09.08

ゆづく ・・・と!

 
今回の台風は勢力も弱いし、大したことないだろうと高をくくっていたんですけど、こちらの方は大丈夫だったものの、南の丹沢辺りは雨が相当降ったみたいで、ニュースで酒匂川の凄い濁流な映像が流れているし、その上にこんな↓↓↓ニュースも。。。
  

神奈川 土砂崩れで3人けが

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100908/k10013870611000.html
 
 
今日一日で丹沢湖では雨がなんと500mmも降ったとか。これだけ降れば普通の山でも何かあるのは避けられないんですけど、何かと脆い箇所の多い西丹沢のこと。どういう状況になっているのか大変気がかりです。

そうそう、そおいや夕方のニュースではきちんと「ゆづく」と読まれていたのには驚きました。実はコレが一番言いたかったことだったりするのですが、とにかく被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。
 

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2010.07.28

イワタバコに逢いに前道志へ

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(この日のお目当てはイワタバコ)

しかし暑い日が続きます。天気が良いのは良いんですけど(笑)先週末は少々不安定でしたね。先週はイワタバコお目当てで奥多摩でも・・・のつもりも土曜の雲の様子を見ると奥多摩はかなり天気が不安定そう。なのでここは少しは安定している南の前道志に変更し、朝一で入山・お昼前に下山完了という先行逃げ切りパターンで行く事にしました。

ということで翌日曜(07/25)は梁川駅から塩瀬沢~舟山北東尾根を登路に採り、その後は前道志の稜線を西へ立野峠まで。そして梁川駅に戻るコースを歩いてきました。

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(塩瀬沢の二俣)

しかし二番電車だと今までは日原の一番バスか遠出と相場が決まっていたのですが、近場の前道志へ行くのにこの電車を使うのはもちろん初めてのこと。でも朝早いと少しは涼しくていいですね。おかげで梁川駅から至って快適に歩き出せます。

塩瀬沢は以前矢平山北西尾根を歩いた時以来ですけど、その時はいちのせ橋へ出るのにエラくハマってしまったので今回は松浦本の通りに行ってみました。この辺りは地形のせいか日差しがあまり入らず、いちのせ橋までの道のりもぼちぼちいたお花を愛でつつこれまた至って快適な道のりでした。

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(舟山北東尾根のひとコマ)

一息ついたら橋右岸側の袂から塩瀬沢沿いの道に入るんですけど、さすがにこの時期のせいか周囲は草ボウボウ。前の晩に雨が降ったのか草藪は濡れていますが、却って涼しくなっていいや。でもそんな藪のトンネルもすぐに抜けて、道は間もなく沢に沿い始めます。

するとあっさりと出てきましたイワタバコ。ちょうど花は盛りでなかなか見事だったんですけど、早朝の暗い谷底なので周囲が暗すぎ。というかもう少し経ってから出てくると思っていたので、出てくるのがちょっと早すぎますよ(笑)。

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(オオバギボウシ・ヨツバヒヨドリ共に蕾だった)

イワタバコはその先でもぼちぼち見られて充分楽しめましたが、暗すぎてカメラにはうまく収められなかったかも。そして間もなく出る矢平山北西尾根が延びている二俣は素通りし、次に出る二俣の中間の尾根が目的な舟山の北東尾根。

末端部は切り立っていて取り付けないので、一度左の本谷側に入って滝の手前から戻るように北東尾根に取り付けば、あとは尾根を詰めるだけ。ようやく日差しが入って少しカラッとしたかなぁと思ったのもつかの間、すぐに汗が噴き出します。

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(前道志の稜線・雑木が美しい)

舟山の北東尾根は基本雑木に植林が混ざる感じで悪くない雰囲気でした。そして尾根を横切る寺下峠みちを突っ切ると最後の登りになりますが、ここでなんとシカが・・・。ボク自身前道志でその姿を見るのは初めてでしたが、当然の事ながら複雑な気分になってしまいますねぇ。。。

そして前道志の縦走路に出たら西へひと登りで舟山の山頂。とはいえ実際は稜線上の単なるピークのような感じなのはもうわかっているのでガックリしませんヨ。ここは素通りするように稜線を西へ行き、周囲の雰囲気の良くなった所でお休み。800mそこそこしかない所なので休んでいる間も汗が止めどなく流れる感じ。でもこれも真夏の低山を歩いてるだなぁ、とい実感が湧いてきて決して嫌いではありません。

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(富士の姿わかります?・細野山直下より)

でもこの時期の前道志は初めてでしたけどお花はほとんどないですねぇ。ここもご多分に漏れずシカさんに食べられちゃったのでしょうか??それでも時折交える美しい雑木林は盛夏でもやっぱり雰囲気が違います。気分良くスタスタ歩いているとあっけなく立野峠に着いてしまいました。

ここで倉岳に上がるかしばらく悩んだんですけど、稜線のお花があまりに少なかったので倉岳はヤメにして、おとなしく?梁川駅へ下る事に。

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(立野峠みちの水場)

さっそく立野峠から植林の中を下って水場に降り立つと、ここから沢沿いの道に変わって雰囲気がグッと良くなります。驚いたのはトチの本当に立派な巨木がぼちぼち見かけられたこと。さすがに日が高くなってるので沢沿いとはいえ、塩瀬沢のような涼しさは感じられなかったけど、なかなか楽しい道のりです。

足下には咲き始めのギンバイソウやこれまた咲き始めヌスビトハギが続き、ダイコンソウ、フシグロセンノウ辺りがポツポツ。そしてなんとなく記憶のある香りが漂っていたので周囲を捜索するとやっぱりいました、こちらも今年お初のヤマユリ。

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(ヤマユリも今年お初 ^^)

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(倉岳から鳥屋山の稜線・梁川大橋より)

ただ降りても降りてもイワタバコを見かけなかったのは少々意外でしたけど、まぁこちらは行きがけに楽しめましたので。。。それでもこの峠みちの意外な楽しさに気をよくしつつ梁川駅へ向かいました。

そして下山を終えたとはいえまだ朝っぱらの時分なのにあとはビールを飲みつつ帰宅したんですけど、家に着いてネットの雨雲をチェックしてみるとすでに奥多摩も前道志の辺りも雨雲にすっぽり覆われていて、今回の判断がピッタリ当たっていたことに思わずニヤリとしてしまいましたー。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.07.25 (Sun)   快晴
梁川駅 05:45- いちのせ橋 06:15- 二俣 06:45- 舟山 07:55- 鳥屋山 08:35- 立野峠 09:00- 梁川駅 10:15
 

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2010.06.09

ミカゲ沢ノ頭北西尾根から蛭ヶ岳へ

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(ミカゲ沢ノ頭北西尾根<仏谷 金山谷中間尾根>上部のひとコマ)

いやぁ・・・丹沢の東の方もなかなか良いもんだねぇ!というのが今回歩いて心底思ったことでした。(^^) そんな訳で日曜(06/06)はあまり良くなくても丹沢のシロヤシオを見に蛭ヶ岳へ。今回はミカゲ沢ノ頭北西尾根を登路にとり、久しぶりに地蔵尾根を下って戻る神ノ川側の周回ルートを組んで歩いてきました。

しかし檜洞丸のシロヤシオが満開のせいでしょうか、朝の6時過ぎだと言うのに神ノ川ヒュッテの前には車がズラーっと並んでいてビックリしてしまいました。北側でこうなのだからメインな西丹沢の方はさぞかし凄い人出だったのでしょうね。まずは二色どころか三色の花を咲かせるニシキウツギが盛りな林道じゃなくて県道をてくてく歩いて広河原を目指します。

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(タニギキョウ)

広河原に着いたらここで神ノ川へ降りるのではなく、彦右エ門谷の方に降りて少し休憩。そしてここから源蔵尾根を越えて、ミカゲ沢北西尾根が延びている仏谷出合に出る段取りだったのですが、途中にあった明瞭なトラバース道に入ろうかどうしようか・・・かなり迷った末に入ってみたら案の定行き過ぎてしまい、引き返すのと現在地を確認するのに手間取ってここで40分ほどのロス。

ようやく仏谷出合に降りる枝尾根を捉えて尾根を降りたのですが、地形図を見る限りこの枝尾根の末端も穏当に降りられる感じではなかったので、南の緩い沢筋の方を選んで降りていくと、まもなく沢音と一緒にタニギキョウの小さい花がちらちら現れ、神ノ川の本谷である金山谷に降り立ちました。仏谷出合からちょっと上がった所でしょう。

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(金山谷に降りた所・北西尾根の末端が目の前だった)

対岸は目的のミカゲ沢ノ頭北西尾根で、末端は急ながらも何とか取り付けそうな感じ。この日はここからが本番なので腹ごしらえをしてからさっそく北西尾根に取り付きます。

のっけは想像通りだった岩屑混じりのぐずぐずした急な登りが続くのですが、なんとこんな所にトラロープが張られていたのには唖然。そんな気を遣う登りをこなすと尾根が広がってようやく歩きやすくなりました。

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(ミカゲ沢ノ頭北西尾根・1230m峰への登りしな)

あとは緑に染まる林の中をゆるゆる歩く感じですが、尾根が広いのでそうとは判りづらいけど結構急です。じきにアセビの中を行くようになると、右側が崩落地になっているのか少々展望が利くのも良いアクセントかも。

目に入る白い花はみんなツクバネウツギでしたけど、そこはさすがに丹沢、花こそ無いもののシロヤシオもぼちぼち現れてきました。そして土の地肌がむき出しな小広い裸地に出て、かなり奇妙な所だなぁ、と思っていたらそこが1230m峰でした。

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(1230m峰・過去に小屋?が建っていた??)

周囲には湯飲みや一升瓶の破片が落ちているし、下は基本的に二次林だった事を考えると、もしかすると伐採絡みの小屋でも建っていたのかもしれません。でも実際の所はどうなのでしょう?ネ。

裸地の辺りはさすがに暑いので、木陰に逃げて休んでから先を行くと立派な巨樹(何の木か判らなかった)が目に入り、徐々に自然林も混ざるようになります。

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(1230m峰を過ぎると自然林が多くなる)

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(こんな所に青根と青野原の境界標??が)

そして地面にシロヤシオの花殻が散らばるようになると、まもなく咲いた花が目に入りました。今年は花つきが良くないし、お花は先週の奥多摩で充分堪能しているはずなのに、それでもやっぱり嬉しい瞬間ですね。もちろんトウゴクミツツバツツジも現れて、周囲が徐々に華やかになっていく様子に心も浮き立ちます。

この辺りはお花だけでなく、↑↑のような下手に「青根」、上手に「青ノ原」と彫られた境界標?と思しきものも見つかりましたが、青根はわかるとして青野原というのが丹沢初心者のボクにはどうもしっくりしません。どうにも道標とは思えないし、境界標がこの北西尾根にあるのも不思議だし、この辺りも例えば飯豊本山周辺のようにかなりややこしい境界にでもなっていたのでしょうかねぇ。。。

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(ミカゲ沢ノ頭直下はぐずぐずな露岩の急登が続く)

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(今さっき歩いた北西尾根と檜洞を振り返る)

あとはこのまま上まで行けるのだろうなと思っていたら、最後の鞍部からの登りがこれまたクセもの。今回は右に捲きましたけど、浮いた露岩に神経を遣う急な登りが続いて、それを登り切るとようやく主稜縦走路の通るミカゲ沢ノ頭に飛び出しました。

ここから蛭ヶ岳への最後の登りはやはりしんどかった。本ダルミ周辺はシロヤシオ、トウゴクミツバツツジが満開でなかなか見事だったんですけど、登るにつれシロヤシオの花は少なくなっていく感じ。5年前に歩いた時(大当たりの年だったと思う)は山頂まで途切れずに花が続いていたので、やはり今年は丹沢でもシロは裏年なのでしょうね。

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(臼ヶ岳をバックに)

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(シロヤシオは満開だったがトウゴクミツバツツジの方が目立った)

んであとはヘロヘロ登って、歩き出しから6時間以上かかってようやく蛭ヶ岳の山頂に到着。まさかここまでかかるとは少々想定外でしたが、あとは地蔵尾根を下るだけなのでこの時間でもまだ余裕があったのは幸いでした。

蛭ヶ岳に着くのが少々遅くなったせいかテーブルベンチも無事に確保でき、展望はあまり良くないものの結局小一時間程のんびり。南側からガスが上がってきたのを見計らって、下山を始めます。

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(1376m峰・地蔵尾根の地蔵平)

あとは過去に歩いたことのある所だからとお気楽に考えていたら、さっそく地蔵尾根の下降点を間違えて(笑)、改めて正しい下降点へ出た所で地蔵尾根の下降に移りました。

地蔵尾根は四年ぶりでしたけど、下りに採るとさすがに急ですね。露岩や浮き石も多く神経を遣いますが、道沿いに張られたトラロープはかなり増えている印象です。

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(地蔵尾根・ロープと捲道が増えたような・・・)

「鹿落し」の標識はまだ残っていましたけど、その他のは見かけませんでした。あと四年前に登った時はこんなに尾根を捲くことがあったかなぁ・・・と思うぐらい尾根上の登降を避けた捲道が増えているようにも思いますけど、どうでしょう?

剣ケ峰からしばらく下ると尾根が広がって一旦歩きやすくなりますが、最後の関門でもある岩水沢出合へ降りるところが面白かったけど、想像通りに今回一番しんどい箇所でもありました。エアリアの表記通り、ここを大パーティで下るのはちょっと危険ですね。

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(広河原に戻りました)

そんな訳で何とか神ノ川に降り立てば、あとは日陰沢橋へ戻るだけ。広河原から県道へ上がる道を探すのに少々苦労しながらもなんとか県道に上がると、ここで朝は見られなかった蛭ヶ岳が姿を見せてくれたのが本当に嬉しかった。

最後の最後も良い感じで〆られ、疲れてはいるものの良い開放感に浸りつつ日陰沢橋に戻ると、朝あれだけ並んでいた車はもう一台だけしかなかったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.06.06 (Sun)   晴 時々 曇
日陰沢橋 06:35- 広河原 07:35/07:50-(40分ロス)- 金山谷(仏谷出合附近) 09:15/09:35- 1230m峰 10:50/11:00- ミカゲ沢ノ頭 11:50/12:00- 蛭ヶ岳 12:50/13:45- 1376m峰 14:30/14:50- 剣ヶ峰 15:30- 岩水沢出合 16:25- 広河原 16:50- 日陰沢橋 17:50
 

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2010.05.18

新緑の世附・シキリ尾根とイデン沢の間をのんびりと

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(イデン沢<菰釣沢・コモツリ沢>900m圏二俣)

新緑の日原と来たらやっぱり次は新緑の世附でしょう。(^^)
去年世附(世附川流域の山山)の紅葉を見に行った時から、新緑の時期もぜひ見てみたいと思っていたのでした。

ということで今回(05/15)は道志の御正橋から前ノ岳経由で菰釣山に上がり、毎度のごとくシキリ尾根(南東尾根)を下降。春先に城ヶ尾歩道を探訪した時と同様に1100m圏のピークからシキリ尾根と別れて、今回は先に下流側のイデン沢(菰釣沢・コモツリ沢)840m圏二俣中間尾根を下降。イデン沢に降りたら沢を遡り、900m圏二俣中間尾根を登り返して再びシキリ尾根の1100m圏のピークに戻ったら、そのままシキリ尾根を忍橋林道まで降りて地蔵平。そして屏風岩山西尾根を登り、東尾根を下って大滝橋。と言うコースを歩いてきました。

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(前ノ岳付近にて)

この時期に道志までのバスに乗ったのは初めてでしたが、さすがに人が増えますねぇ。月夜野行きは立客が出るぐらいだったし、その先の長又行きも7、8人は乗っていたのではないでしょうか。それでも長又も間近な御正橋まで乗ったのはボクを含めて二人。そしてここから菰釣山へ向かえば当然一人旅でした。

歩き出しこそ天気は良かったのに、前ノ岳を前にして曇りだして富士が隠れてしまったのは予想よりも早すぎでガックリしてしまいました。でも新緑はすでに甲相国境稜線まで上がってきていて、菰釣山までの道のりもなかなか楽しいもの。菰釣山の山頂で少し休んだら今回もシキリ尾根を下り始めます。

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(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part1)

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(イヌブナの若葉)

楽しみにしていたの新緑のシキリ尾根だったのにこの辺りで暗くなってしまったのはただただ残念だったけど、それでも通い慣れた所でも新緑の時期はさすがに雰囲気が一変しますね!

そんな様子に今回もついついのんびりしてしまいますが、1100m圏のピークについた所でシキリ尾根と別れて、そしてそのすぐ下の分岐で先ずは左の840m圏二俣中間尾根の方に入ります。

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(イデン沢840m圏二俣中間尾根・城ヶ尾歩道のコル)

さすがにこちらに入るとこちらではもうお馴染みのダニがひっついてきますが、数としてはそれなりに付かれるものの想定よりは少なかったので定期的に払えばOKな感じ。徐々に濃くなっていく周囲の緑に染まるように降りていくと、まもなく見覚えのある微妙に曲がりくねった大モミが見えてきて、城ヶ尾歩道が尾根を横切るコルに降り立ちました。

当たり前だけど、こちらも雰囲気の一変した城ヶ尾歩道を一瞥してなおも下るとなぜかスズタケが薄くなり、今度は

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(城ヶ尾歩道のコルの脇に立つ大モミ)

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(840m圏二俣中間尾根・その下にはこんな緩斜面も)

このようなモミの大木が目立つ緩斜面が現れて、またまた周囲を彷徨うようにウロウロ。

気の済むまでそんな緩斜面を散策したら、あとは東へ向き出す枝尾根に引き込まれずに下って行くと、じきにイデン沢の840m圏二俣に降りたちました。

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(イデン沢840m圏二俣)

イデン沢ももちろん新緑に覆われており、豊かな沢の流れと相まってなんとも見事です。周囲を見てみると、どうやら釣り師さんはこの辺りまでは来ないようで、そうとわかったら入念なダニチェックのあと、ちょっくら水遊び(笑)。

それから900m圏の二俣へ向けイデン沢を上がりましたが、時折交える小滝も冬とは違って水量豊かでコレがなかなか楽しいです。そして丹沢や御坂に行かないと見られないツルシロカネソウが、ベタな言い方だけど花のほとんどない沢でなんとも可憐に花を咲かせていたのが印象的でした。こやつは沢沿いにもいるんですね。

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(ツルシロカネソウ)

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(イデン沢900m圏二俣中間尾根・下部にて)

そして右から明瞭な沢が合わさる900m二俣に着いたら、ここで二俣の中間尾根を登り返します。

こちらも登りだしからスズがさほど濃くなかったのは、ダニの出る時期なのでちょっとホッとしました。そしてこちらも登りだしからなかなかの新緑を見せてくれて、お腹は減っていたけど歩いているだけで楽しくなりますネ。

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(今回も大ケヤキの緩斜面でランチ・^^)

やがて尾根が直角に右に曲がるピークに出ると、ここから上はもう城ヶ尾歩道の探訪の時に歩いた所。ひと登りすると左手にイデン沢の枝沢と見覚えのある緩斜面が見えてきたので、あとは大ケヤキへまっしぐら(笑)。

この周囲には立派なケヤキがポツポツいるんですけど、ケヤキって他の木々に比べて芽吹きが遅いんですね。周囲が新緑に染まる中、ケヤキはようやく芽吹きを始めた感じでした。当然ランチもここ。今回下手の840m圏二俣中間尾根を先に降りたのは、全てはここでランチにするためだったのでした。(^^)

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(モミ囓られ・今年は世附全域でシカの新しい食痕とフンが目立った)

ランチを終えたら新緑の城ヶ尾歩道を追いたい所なんですけど、時間もかかるのでそれをこらえて城ヶ尾歩道を突っ切ってなおも尾根を登ります。

しかし・・・これまでに「花のひかり」でもたびたび触れましたが、この秋から今までのシーズンにかけて世附全般に亘って↑↑のようなモミがシカに囓られた痕や、地面に落ちているフンがぼちぼち目につくようになりましたね。特にモミは若木がかなりやられていて、今はそれから徐々に太い木に移りつつある状況で、スズタケも徐々に枯れているし、コレって10数年前にボクが日原で見たのと全く同じ過程を辿っているんですよねぇ。。。

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(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part2)

今までは世附の中心部が猟区になっているから、世附の辺りは東丹沢とは違い、今までシカの食害から逃れてきたのでは?とボクは勝手に想像していたんですけど、この状況を見るとそれも過去のお話になっちゃいそうな予感がしています。大木が多い世附のあのモミ林もヘタをするとあと10年保たないかも・・・。

そんな様子に少々複雑な思いも持ちましたけど、再びシキリ尾根の1100m圏峰に戻ればそこからはまた素敵なブナ林が待っています。とはいえ、こちらはブナハバチも出ているんですよね(汗)。シキリ尾根にもブナハバチで弱った??と思しきブナが見られましたし・・・。

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(菰釣山とシキリ尾根を望む・屏風岩山西尾根より)

今回はシキリ尾根を忍橋林道までそのまま降りてから、林道経由で地蔵平へ向かいました。林道端ではフジやヤマツツジ、ウツギの類の出逢いを期待したんですけど、フジぐらいはいるだろうと思っていた道中実際には花は殆ど無く、なぜかヤマブキか咲き始め。

地蔵平の地蔵堂に参拝したら、これまたお馴染みになった屏風岩山西尾根を登り返します。

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part1)

もちろんこちらも新緑の時期は初めてでしたが、今新緑真っ盛りの標高の辺りを歩くので、新緑はこの西尾根とイデン沢の渓畔林がこの日は双璧でしたと断言できる素晴らしさ。これは前にも言ったかも知れないけど、750mぐらいから立派なブナが次々と見られる所なんて奥多摩辺りや中央線沿線の山々ではまずあり得ません。

丹沢では当たり前なのかも知れないけど、そう言う意味でもこの屏風岩山西尾根は出色の尾根だとボクは思っています。

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part2)

西尾根で新緑に染まりつつ屏風岩山に上がったら一息ついただけですぐに下山開始(笑)。あとは東尾根を駆け下って大滝橋を目指しました。そおいや奥多摩秩父方面ではあれだけ凄い咲きっぷりだったフジも下りきった大滝沢でひとかたまり見かけただけ。帰りのバスも丹沢湖の湖畔では今ひとつで後は寝ちゃったからわからないけど、それから下のフジがちょっと気になりました。

今回は日差しが少なかったのはちょっと残念でしたが、それでも新緑の世附を存分に堪能できました。やはり自然林が素晴らしい所は新緑も素晴らしいですね。とにかく新緑は紅葉のように当たりハズレがないので、時期さえ合えばほぼ必ず見られるのがいいところ。 こうなるとブナハバチの時期もかなり気になるんですよねぇ。。。世附はダニがつきものなんですけど(笑)。

・・・・・☆
 
◆ 2010.05.15 (Sat)   曇 時々 晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 御正橋 08:30- 前ノ岳 09:25- 菰釣山 10:00/10:10- シキリ尾根1100m圏峰 10:40- イデン沢840m圏二俣 11:30/11:40- 900m圏二俣 12:00-(途中休憩45分)- シキリ尾根1100m圏峰 13:25- 忍橋林道 13:50- 地蔵平 14:30/14:35- 屏風岩山 15:40- 大滝橋 16:45
  
・・・・・☆・・・・・☆
 
今週も珍しく(本当に!)リンクの紹介です。(^^ゞ

2chのハイキングバススレで北関東から南関東まで関東一円の山バス情報を上げてくれていたYuuichiさんが、YAMA BUS INFOを開設されたのでリンクしました。

以前から関東一円の山バス関係の情報の早さ、そしてフォローの丁寧さにおいてネット上ではピカ一の存在で、ボクのような関東の公共交通機関を利用するハイカーにとっては4月・10月のダイヤ改正の時だけに限らず、すでにマストのブログと言い切れるぐらいの決定版。大・大・大推薦です!
 

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2010.04.05

奥世附歩道から水ノ木歩道へ。その前に城ヶ尾歩道の完歩も。

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(奥世附歩道のひとコマ)

先週は城ヶ尾歩道でダニにかなりつかれたというのに、今週も懲りずに世附(世附川流域の山山)の廃道探訪は続いたのでした。(^^)

ということで今回はその城ヶ尾歩道で最後に残っていた忍橋から延びる大栂東尾根(イデン沢780m圏二俣中間尾根)と大栂南東尾根の間を歩き、これで城ヶ尾歩道を一通り完歩。そしてその後に大ダルミ(大樽)から西へ奥世附歩道を梅ノ木沢まで辿り、梅ノ木沢からは水ノ木歩道を完全にトレースして菰釣山林道~菰釣橋へ出るコースを歩いてきました。

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(菰釣山からの下りしな)

今週も三週連続で相模湖駅から道志の下善の木に出ましたが、晴れの予報も実際には雨上がりの曇りというなーんか先週と同じような感じ。ダニのことを考えるとちょっと気が重いなぁと思いつつ、これまた三週連続でサガセ西沢経由で菰釣山へ向かいます。

ただこれまでと違うのは山に雪が全く見当たらなかったことで、それはこの先のことを考えると良いんですけど、やっぱりスズタケは濡れています。それでも予報の回復傾向を信じてまずは南の大栂へ。

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(大栂より・バックは菰釣山)

菰釣山から一旦下り出すとスズタケが被るようになるのでもちろん服は濡れるんですけど、前日にしっかりした雨が降ったせいかのかどうなのか、意外やダニはつきません。おかげでスズを分けつつ尾根周辺のブナ美林を楽しみながら歩けます。

大ダルミでこの後歩く予定の奥世附歩道の薄い道形を確認したら大栂へ登り返し、山頂では一息ついただけで南東尾根を下りますが、この辺りもブナの美しい自然林が広がっているので、どうしてものんびり歩くようになってしまいますね。

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(大栂東尾根・下りだしかも)

1120m圏のピークで南東尾根と別れて直進するように東尾根に入り、しばらく降りると薄い道形の城ヶ尾歩道が横切る地点に出てここでようやく一休み。心身共に落ち着いたら今回は城ヶ尾歩道の南側へ延びる道形を追います。

道形は比較的明瞭で、すぐ先の沢筋で上がり気味にトラバースする道形と、そのままトラバースする道形とに分かれたのですが、とりあえず明瞭な上がり気味の道形を選んだら、それは途中で薄くなりながらも自然林の中を行き、少々の藪のみで難なく南東尾根に到着。

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(城ヶ尾歩道・東尾根からの歩き始めはごく薄い道形あり)

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(この辺りは道形が判断できる)

ただ、辿り着いた南東尾根の位置が施業図と違って少し上の方に出た感じなので、とりあえず南東尾根を下ってみると、まもなく「平97」の石標がある尾根の肩に出て、そこからは施業図(第3次国有林野施業実施計画図)の記載通りに城ヶ尾歩道が北へ延びていたのでした(笑)。

なので今度は城ヶ尾歩道を逆にを南東尾根から北へ辿ります。道中スズタケが被ったり、道形が薄い箇所もありましたけど、途中で立派なブナを見てなおも西へ行くと、先ほど間違えた明瞭な道形と合流。これでようやく城ヶ尾歩道を一通り完歩できました。(^^)(^^)

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(城ヶ尾歩道の終点?である大栂南東尾根の直前)

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(大栂南東尾根・この日のランチ場)

城ヶ尾歩道の完歩という一つ目の目的が達成されたら、次は奥世附歩道です。とはいえもうお昼時なので一度南東尾根に這い上がり、ダニチェックをして(少しついていた)からブナの美しい平地でランチ。

でもこの辺りも一昔前まではスズタケの密叢地だったのでしょうね。こうやってのんびりできるようになっているのが、日原と同様に果たしていい事なのだろうかと言う疑問は少なからずありますけど、大栂周辺も本当に素晴らしい所だと思います。

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(奥世附歩道・歩き出しこそ薄い道形を確認できたが・・・)

ランチを終えたら大栂へ登り返し、北へ下って大ダルミに戻ります。ここから西へ薄い道形が延びているのが奥世附歩道で、施業図によると大ダルミから甲相国境稜線の上部をただひたすらにトラバースして要所小屋ノ頭直下の山伏歩道まで延びている歩道です。

ただボク自身、過去にビリ沢歩道など樅ノ木沢周辺の尾根を上り下りしているときに、その横切っているはずの奥世附歩道の道形を確認できなかった事からもわかるように、こちらは廃道どころかすでに道形自体が自然に還っている箇所もかなり多そうな感じではありました。

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(徐々にスズタケが濃くなり・・・)

なので大ダルミ側の薄いながらも道形らしきものを確認できたことが、実は少々意外ではあったんですけど、いざ辿り始めるとスムーズに道形を追えたのは枝尾根を越え、ザレ場を越えてしばらく行った所まで。

そこから先は徐々にスズタケが濃くなって道形が不明になった、と言うよりスズタケの中にそれらしきトラバースしやすい筋というか、獣道というか一部仕事道の跡なんかも通ってそれが交錯して、正直どれが本当の奥世附歩道なのかわからない状態になっていました。

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(この辺りでは獣道と交錯して判断が難しい)

こうなったらあとはスズの中進みやすい箇所を選びつつ、小刻みな上下を繰り返しながら施業図に近い感じでトラバースするしかありません。

この辺りではさすがにダニがぼちぼちひっつきましたが、先週のようなこともなく、スズタケの中をのろのろ突き進み、ザレた沢筋を慎重に越えていくと、ようやく梅ノ木沢とその右岸尾根が間近に目に入るようになり、そしてこれまたようやく梅ノ木沢に飛び出しました。

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(ようやく梅ノ木沢に飛び出しました)

飛び出したのは1150m圏辺りでしょうか。ここより上流側は大変急峻で歩道の横切る余地はなさそうな感じ。なのですぐ下の少々小広いテラスに降りてみると、そこから先の梅ノ木沢右岸尾根側へ道形らしきものが延びていました。

ということは実際よりちょっとだけ上をトラバースしていたのか、歩道の通りにトラバースできていて、沢に出た所で歩道もひと下りするのか、それは今となってはもうわからないんでしょうけど、ほぼ外さずに歩けたことがわかったのがちょっと嬉しかったです。

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(水ノ木歩道??梅ノ木沢980m圏あたり)

とはいえ奥世附歩道がそんな感じでしたから、時間もかなりかかってこの時点ですでに14時半。菰釣橋に車を置けるような特別なヒトとか(笑)、車で道志側にからでも入ってない限り、帰路のことを考えると先週以上によろしくない時間です。

とはいえ今回はこの先も予定通りで、ここから梅ノ木沢というか水ノ木歩道をそのまま下ります。施業図によると水ノ木歩道は菰釣山林道から水ノ木沢沿いを北へ梅ノ木沢出合までで道が途切れているのですが、それが西丹沢頂稜河川土地名称図だとその出合からなおも梅ノ木沢沿いを遡り、奥世附歩道に接合する破線が記されているので、おそらくここからが水ノ木歩道の「始まり」なのでしょう。

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(梅ノ木沢910m圏二俣・大ダルミへ繋がる右俣の滝)

なのでまずは梅ノ木沢を下りましたが、短いながらもナメ滝の多い、明るく、快い沢ですね。実際に下っていると高い滝もありましたけど、それも難なく捲けて山靴でもさほど問題なく下れました。そしてこちらも道中はハナネコノメがいっぱい。ただこちらでもコチャルメルソウが全く見られず、で世附にはコチャルメルソウが単に自生していないのか、いても稀品なのでしょうかねぇ。。。

なのでルンルン気分で軽快に下っていき、やがて左岸側に見覚えのある↑↑の滝をみると梅ノ木沢の出合はすぐ先。出合で水ノ木沢の本谷(ゼン棚沢)と合わさりましたが、雨後のせいか川幅一杯の水量がなかなか見事です。

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(水ノ木歩道・梅ノ木谷出合からは道形あり)

梅ノ木沢出合からは左岸側に植林帯が絡むこともあって、水ノ木歩道の道形もスズタケが被るものの明瞭になります。ただ沢と離れて左岸植林帯の脇を行くのは少し趣に欠けるかも知れませんね。

そして左岸側から次の枝沢が合わさると、ここで水ノ木歩道は右岸へ移ることになっているんですけど、それらしきのが見つからなかったのでなおも沢に沿って下ると、次の滝を前にようやく右岸へ渡る道形を見つけ、そこから高捲き気味にひと登りした所で意外や明瞭な道と合流しました。

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(水ノ木沢の枝沢を越えると登山道のように明瞭になった)

道は明瞭ながらも細く、当然のごとくスズタケも被りますが、植林の中、水ノ木沢の右岸をやや高捲き気味にトラバースする感じで延びています。その明瞭さに驚きつつ道を辿っていくと、まもなく1192m峰南東尾根を乗り越し、ここで一旦右岸側からの枝沢に少し入ってその枝沢を渡ると、再び水ノ木沢の右岸側を行くようになりますが、今度はきちんと高捲いてトラバースするようになりました。この辺りは施業図の方は正確だけど、地形図の破線路とはかなり違うので要注意です。

その右岸側の枝沢を渡ってからは「ほぼ登山道」とも言えるたいへん歩きやすい道に変わって、あとはすいすい。もうこのまま菰釣山林道まで行けるのだろうと思っていたら、突然という感じで間伐後の倒木帯に行く先を阻まれてしまいました。

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(菰釣山林道に上がりましたが・・・)

これは困ったなと思いつつ、ここで梢越しに対岸の山肌を見るとそろそろ菰釣山林道も近いはずなので、下へ下る薄い踏み跡を見つけてそれを追うと、まもなく明瞭なつづら折れの道に変わって目論見通り水ノ木沢に着地。マーキングを追って水量の多い沢をなんとか飛び石で渡ると、そこは見覚えのある菰釣山林道でした。

この時点で16時前。これでは平野の最終高速バスを捉えるのも当然無理な話なので、このまま林道を下って浅瀬入口BSか、切通峠を越えて山中湖なら旭日丘まで、の二者しか選択肢はありません。しばらく悩んだ末、三週連続で新松田に出るものなんだし、山では見えなかった富士も見たいし、平野から旭日丘までの歩行時間も計っておきたかったので、今回は山中湖側へ出ることにして、長い長い帰路につきました。

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(富士山が見たかったから平野へ降りたのです)

それでもお彼岸を過ぎて日が延びましたね。帰りは日没との戦いと思っていたら、実際は切通峠を越えて平野へ向かう所でようやく日没。平野で帰りの最終バスを予約して(実は平野発の吉田行き最終バスに乗れば、旭日丘発最終の高速バスに乗り継げる)、山中湖の夜景を楽しみつつなおも歩いて旭日丘に着いたのは19時過ぎ。

でも思ったよりというか普段よりも疲労感が少なく感じたのは幸いで、これは「山での登り」が行程上かなり少なかったからでしょうか。今回歩きそびれた世附川沿いの林道も一度は通しで浅瀬まで歩いておかなければいけないなぁ、と思いつつ、ようやくありついたビールを一気に飲み干したのでした。(^^)


奥世附歩道・城ヶ尾歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。相変わらずしつこいぐらいに余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。

・・・・・☆
 
◆ 2010.04.03 (Sat)   曇 後 晴 
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30-サガセ西沢ゲート 09:10- 菰釣山 10:05/10:15- 大栂 10:45- 東尾根・城ヶ尾歩道分岐 11:00- 南東尾根(平97)11:40-(途中休憩50分)- 大栂 12:55- 大ダルミ(大樽)13:00- 梅ノ木沢 14:25/14:35- 梅ノ木沢出合 15:10- 菰釣山林道 15:45/15:55- 菰釣橋 16:10- 馬印 16:25- 切通沢橋 17:05- 切通峠 17:50- 平野 18:25- 旭日丘(山中湖BS)19:05
 

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2010.03.29

城ヶ尾歩道の探訪 その4・一年ぶりにフジモク沢へ

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(一週間後はなんと雪・菰釣山シキリ尾根のひとコマ)

えっと・・・実はお彼岸の振替休日(03/22)にお花の様子見で前道志(楢山沢~楢峠~高畑山~倉岳山~トヤ山北尾根)の方を歩いてきたんですけど、最近ちょっと忙しいのでこちらで纏める事ができず、山歩きの記録倉庫の方のみにアップしました。もしお暇でしたらご覧頂けたらと思います。<(_ _)>

ということでここからが本題。しかし土曜(03/27)の天気のハズレ方には参りましたネ。とはいえ、それにもめげず今週も世附(世附川流域の山々)の廃道探訪をしてきました。今回は先週の続き、城ヶ尾歩道の未踏分を繋げるということで、先週切り上げたカワゴノ沢から尾根(カワゴノ沢左岸尾根)を越えてフジモク沢(荷干沢・本水沢)~中ノ丸南尾根下部の枝尾根・主尾根~白石沢の間を完全にトレースしてきました。

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(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part2)

行く所は南関東では一番天候の不安定な丹沢ですので、基本的に山行きの際に最悪のことも一応は考えてはいるんですけど、曇るならともかく青根あたりから雪が降り出したのは全くの想定外でした。とはいえこの日のバスの乗客は少なく、月夜野行きはボクを含めて3人。そして道志方面のバスに乗り継いだのは私一人と普段通り(笑)。丹沢がホームの皆さんはわかっていらっしゃったのでしょうか・・・。

それでも雨じゃないので歩くのに支障は無く、助かりました。そんな訳ですから今週もサガセ西沢経由で甲相国境稜線に上がれば周囲は↑↑こんな銀世界。そして菰釣山に上がったら今週もまたシキリ尾根を下降。まずは城ヶ尾歩道が尾根を横切る1030m圏を目指します。

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(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part3)

それでも思いもかけず雪に樹氷のシキリ尾根を歩く機会に恵まれたのですから、これはラッキーでした。美しい森林はいつ歩いてもやっぱり美しいものですね。

ただし雪に凍ったお陰かダニはつきませんが、下るにつれ雪や氷が溶けるので当然服は濡れます。それでもこの頃には雪がやんでいたので、午後になれば服も乾くだろうと構わずそのままいきました。

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(ブナ沢ノ頭と南東尾根<カモオキ沢右岸尾根>・シキリ尾根より)

城ヶ尾歩道が横切る1030m圏まで降りると、もう周囲に白いものは見当たらず、周囲は少し濡れているだけで先週とあまり変わらない感じになってました。ここから城ヶ尾歩道に入って、まずはカワゴノ沢870m圏二俣中間尾根の辺りを降ります。

「辺り」というのは、今回施業図の通りに尾根の東側やそこから西側へトラバースする箇所もできる限り忠実に追ってみたのです。実際歩いてみると道形のない箇所も多かったけど、下部のトラバース区間はそれなりに道形が残っていました。

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(城ヶ尾歩道は左・カワゴノ沢左岸尾根を乗り越える所にて)

カワゴノ沢(フジモク沢・本水沢・荷干沢790m圏二俣左俣)に降りると、先週は咲き始めだったハナネコノメは満開どころかすでに盛りすぎといった感じ。と、ここで世附ではハナネコと同様に早春の沢につきもののコチャルメルソウを見たことがないことにフト気がつきました。世附にはコチャルメルソウがいないのか、それとも単にボクが見つけられないだけなのか、はたしてどちらでしょうね。

対岸の植林尾根(フジモク沢790m圏二俣中間尾根=カワゴノ沢左岸尾根)にはスズタケが茂って見た目入りづらい感じですけど、いざ入り込んでみると明瞭な道が延びていました。そしてすぐ先には施業図通りに分岐があって、目的の城ヶ尾歩道はもちろん左でしょう。

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(カモオキ沢出合を目前に道は中央の崩落で寸断されていた)

その左の道を辿るとまもなく尾根上に上がり、そのまま乗り越すように北のフジモク沢へ下り始めます。この辺り道や周囲の様子から、そおいや去年というか丸一年前にこの道歩いたなと気がついて、なおもそのまま行くと十字路(これも記憶に有った)を越えた先で、道はカモオキ沢の出合(フジモク沢・本水沢・荷干沢870m圏二俣)を目前に崩落で寸断されていました。

去年、カモオキ沢出合側から逆にカワゴノ沢へ尾根を越えた時、カモオキ沢出合附近で尾根の取付がなかなか見当たらなかったのはこの為だったんだ、とようやくわかった反面、全く偶然に城ヶ尾歩道の一部を歩いていたことは驚きでもありました。

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(カモオキ沢出合<フジモク沢870m圏二俣>)

カモオキ沢の出合はブナ沢ノ頭南東尾根の末端が延びている所でここも一年ぶりの再訪。両岸共に一部植林があるのが玉にきずだけど、広々として好ましい所だし、おかげでのびのびランチをとる事ができました。

ランチをとり終えたら左岸側に延びる城ヶ尾歩道をなおも追いますが、ここから先はスズタケが被るものの道形が比較的明瞭になったのにはちょっと拍子抜け。その明瞭具合は世附言語で云えば??奥野歩道(旧東海自然歩道)のレベルでしょうか。ただ道形がわかりやすくなるとスズタケが絡むようになるのが嫌らしいというか、この辺りらしいですね。

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(カモオキ沢出合からは道形がやや明瞭になるがスズタケが煩い)

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(カワゴノ沢出合から最初の沢)

ただ沢を横切る所は藪から開放されるので、ここで一息つけるというかダニを払える(笑)。やっぱり歩いているとヤツが結構ひっつきますねぇ。。。なのでスズを漕いで解放されたらダニを払う、と言うのを繰り返す感じでしょうか。

そして二つ目の沢から三つ目の沢を越えてしばらく行くまではこの辺りで一番ヤブの濃い箇所で、基本スズタケが谷側に倒れていることもあって、この辺りは奥野歩道そのままの様子と言い切れると思います。

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(スズタケが濃い、奥野歩道のような箇所もあった)

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(こんなところも)

そんなスズの濃い箇所を抜けて、藪はまだ被るもののかなり薄くなって少し安心していたんですけど、実は今回ここからが大変な所で、徐々に東へ行くにつれ体にひっつくダニも比例して増えていくというオソロシー状況に。。。(^^;;;;;

これまでは沢と沢の間にダニを払えば良いぐらいだったのが、この辺りになるとスズタケやちょっとした灌木に体が触れる度にダニがどっちゃりとくっつく始末で(笑)、その度に必死にダニを払いながら進むという、七年前の金山沢と水ノ木沢ノ中間尾根を登ったときのことを想起させるようなヒドさ。

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(中ノ丸南尾根が近づくと藪は薄くなったが・・・)

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(中ノ丸南尾根を乗り越す手前か)

でも西丹沢ってなんでこんなにダニが多いのでしょう!これは雨後のせいなのか(この可能性が一番高い鴨)場所のせいなのか時期のせいなのか、よくわからないけど、個人的に今までの経験から少なくとも世附の辺りの於いては、自然林よりも植林下のスズタケの藪の方がダニは多いような気がしています。

そんなこんなでのろのろと東へ行き、見覚えのある鳥獣保護区の看板を見かけるとまもなく中ノ丸南尾根(白石沢右岸尾根)を乗り越しましたが、こちらにも同じ看板がありました。以前中ノ丸の南尾根を登ったとき、当時はまだ真新しかったこの看板の存在が不思議だったんですけど、そこに城ヶ尾歩道が通っていたから付けられてたんですね。でも今はこの辺りまで猟師さんが来る事ってあるのかなぁ。。。

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(白石沢へ向かう箇所も藪の薄い箇所はあったが・・・)

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(白石沢へ降りる所はこんな感じ)

中ノ丸南尾根を乗越すと再びスズタケが被る箇所が現れましたが、それも距離的には知れたもの。白石沢の沢音や対岸の白水ノ沢右岸尾根が近づいてくるとそろそろ白石沢も近く、白石沢に降り立つ直前に合流するはずの白石歩道との合流点はよくわからずに、ようやく白石沢に降り立ちました。

そこは一月に城ヶ尾歩道を信玄平まで辿ったときにおおよそ見当をつけていた所で、そこから道筋なりに左岸側へ辿ると自然と一月に取付いた切り開きに行けるようになっていて、この辺りの判断も間違えのないことがわかって、今回ここまでトレースできた事とこれまた二重の喜びでした。

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(白石沢出合)

とはいえ城ヶ尾歩道の大半をトレースできたのはいいのですが、この時点ですでに14時半近く。今は道志側のバスがない以上実は結構な時間で、ここから沢沿いに白水ノ沢出合まで延びている白石歩道を、今のペースで道を探りながら歩いていたのでは地蔵平に着く頃には日が暮れてしまいます。

なので白石歩道を歩くのはまた別の機会にして、帰りは白石沢~フジモク沢をそのまま下る事に。(^^;;; 一旦すぐ上流側にある桃ノ木沢出合まで往復してから、全身入念なダニチェックを行い、帰路につきました。

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(白水ノ沢出合)

白石沢にしろフジモク沢にしろ事前の情報の全く持ち合わせてないまま下降してしまいましたが、実際歩くとしんどい滝場もなく、フジモク沢と合流してから堰堤を二回ほど捲いたぐらい。実際しんどかったのは雨後のせいか水量が多くて山靴で飛び石徒渉をする時ぐらいだったのは幸い、というか実はこれもまた楽しいもの。

結局地蔵平には桃ノ木沢の出合直下から1時間30分弱と意外に早く着きましたが、この時間では細川橋で17時台のバスを捉えられるギリギリの時間。まぁ土曜日だし、そんなにガツガツしても山行きがつまらなくなってしまうだけなので、もう最終バスでいいや、と大杉歩道経由でのんびりと細川橋へ向かう事にしました。

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(大又沢林道ではフジザクラが咲き始めた)

ということで地蔵平からは先週と全く同じ行程。千鳥橋までの大又沢林道沿いも先週はダンコウバイが満開で周囲をほんのりと黄色く染めていたのに、この日はもうほとんど終わりに近くて、これまた盛りを過ぎていたフサザクラが目立つくらい。でも先週密かに期待して密かにフラれていたフジザクラ(マメザクラ)がこの日は咲き始めていて、この日はこの花を見られただけでもう十二分に満足だったのでした。(^^)

城ヶ尾歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。ダニもかなり多いし(笑)、相変わらずしつこいぐらいに余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。

・・・・・☆
 
◆ 2010.03.27 (Sat)   曇 時々 雪
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30-サガセ西沢ゲート 09:10- 菰釣山 10:10/10:20- 菰釣山シキリ尾根1030m圏 11:05- カワゴノ沢870m圏二俣 11:30/11:40- カモオキ沢出合 11:50/12:45- 中ノ丸南尾根乗越す 13:55- 白石沢(桃ノ木沢出合往復)14:20/14:30- 白石沢出合 15:00- 白水ノ沢出合 15:30- 地蔵平 15:45/15:55- 千鳥橋 16:15/16:25- 二本杉峠 17:05- 細川橋 17:45
 

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