2010.08.28

南ア南部まったり縦走 5(聖平~聖沢~聖沢登山口)

B100828a
(岩頭展望台より聖沢を振り返る)

前の晩も綺麗な星空を楽しめたのですから、この日の朝ももちろん雲一つない快晴。でもたいへん名残惜しいのですがこの日はとうとう下山の日。そして丸一日かけて帰京する一日でもありました。

静岡駅行きのバスは14時過ぎしかないので、茶臼越えて畑薙というプランもふと浮かんだんですけど、帰りはさすがにお風呂に入ってからにしたいもの。なので今回は聖沢登山口から出ている井川観光協会の一番バスに乗り、白樺荘で一浴してのんびり。それから同じ井川のバスで畑薙へ戻ってから静岡駅、という予定です。

B100828b
(朝の聖平小屋)

ということで聖沢登山口8時半の始発バスに間に合わすべく、この日は5時前にスタート。聖沢の道はエアリアを見る限り、尾根道ではなく意外に時間のかかる沢の高捲き道とはいえ、下りで4時間半以上というのはいくら何でもかかりすぎだろう、という予想は当たって滑り出しは至って快調でした。

しかも早朝は日差しが入らないのも涼しくて快適です。岩頭展望台も周囲の開けた気持ちの良い所で、周囲の展望を楽しみつつ、ここで一回目の大休止。

B100828c
(滝見場から見える滝)

あとこの道はトラバース道のせいか沢を横切る機会が多いのも良い所かも。汗をかいても水量豊富な沢で顔を洗えて、そう言う意味でも気持ちの良い道でした。

岩頭展望台よりもせせこましかったのが意外だった滝見場を過ぎると、ここから急降下?と思ったんですけど、この辺りも丁寧に道がつけられているんですね。思いの外時間がかかって少々焦りましたが、時間の読みが甘かったのは滝見場から聖沢吊橋の間だけ。

B100828d
(聖沢吊橋)

吊橋の手前辺りから、いままでの黒木の林に変わって雑木林になると、やはり太平洋側のせいなののかhomeの山と同じような雰囲気になって、なんか心底ホッとしてしまいました。そして吊橋を渡って聖岳東尾根の末端部を高捲くところも、なんか日原の巡視路を歩いているような感じがしたし、周囲のスズタケが枯れているものなんかそっくりで、最後はawayの山とは思えんなぁ・・・と。

最後に植林帯に変わる所に至っては決定的だなぁと思いつつ結局3時間ほどで林道に降り立つと、そこが聖沢登山口のバス停でもありました。そこには百間洞でご一緒してから同じコースだった方がいらっしゃっただけで、ここで折り返す筈のバスがいない(登りの便は8時には登山口に着いている)のが不思議というかちょっと不安が。。。

B100828e
(吊橋を過ぎると雑木林に変わる)

それでもバスの時間に余裕があったので近くの沢で水浴びをしてから再びバス停に戻ってバスを待ったのですが、時間になってもなっかなか来ないなぁと思っていたら、バスはなんと椹島方面からやってきました。おそらく椹島までいってから引き返してきたのでしょうね。

大井川沿いのこの林道を通るのももちろん初めてでしたが、車窓から見ても本当にごく普通の山間の林道なんですね。そして沼平や畑薙のバス停の辺りもまぁなんと素朴なこと。南部とはいえ南アルプスの玄関口ですからもっと華やかなところだと想像していたんですけど、良い意味で裏切られた感じです。(^^)

B100828f
(おそらく出会所小屋跡)

んで白樺荘に着いたらさっそく温泉へ。建物は新しいのに一日500円というのはお安いですね。でもお風呂から上がった後は畑薙戻りのバスが出る13時までやることがないので(笑)大広間でビールを飲んでから畳で寝ていたんですけど、しばらく寝ていたら突然誰かに起こさて、体を上げると・・・

そこには先ほどのバスでも一緒だった方と、同じく百間洞でご一緒して赤石廻りで下山された方が立っていて、ボクが静岡へ戻るのに丸一日かかることに同情してくれたのか??なんと車で静岡駅まで送ってくれるとのこと。コレはラッキーというか本当に助かりました。<(_ _)><(_ _)> おかげで静岡駅で軽く打ち上げをしてから帰京して、そのあと軽く夕食もとって(笑)帰宅してもまだ18時前。予定通りだったらまだ静岡駅に着いたところですよー!

今回の山行きは天気は今ひとつでしたが、いろいろな人に恵まれた素晴らしい山行きになりました。南の南の事情も今回歩いてわかりましたし、なにより10年ほど前ちょこちょこ訪れていた安倍奥の山々からその大きな姿を見せていた南ア南部の山々をようやく歩けたこともちょっと感慨深かったです。でも次に訪れる時はきっちり晴れた日に歩きたいですね。とにかく今回出逢ったみなさまには本当に感謝です。ありがとうございました。<(_ _)>
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.08.17 (Teu)   快晴
聖平小屋 04:50- 滝見台 05:45- 聖沢吊橋 06:50/07:00- 聖沢登山口 07:45/08:30→ 白樺荘 09:40
 
白樺荘(一日利用) ¥500
ビール(ロング缶) ¥500
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2010.08.24

南ア南部まったり縦走 4(百間洞~聖岳~聖平)

B100824a
(朝の大沢山・バックは聖岳)

昨晩の様子からこの日は絶対晴れると確信はしていたものの、今までが今までだったので、朝起きて外を見るまでかなり不安だったのですが、さすがに朝は聖岳(ようやく間近で対面できました)こそ雲がかかっているものの、他は雲一つない快晴!

でも実際はやったーというより、やれやれようやくかよと言った所でしたけど、やっぱりテンションが上がっていたんでしょうね。居ても立ってもいられず朝食を頂いたら、さっさと準備して出発です。

B100824b
(中盛丸山、兎岳方面はこんな感じ)

この辺りはもちろん初めてなので捲道は行かずにそのまま大沢山へ直登したんですけど、結構急な登りも天気が良いとルンルン気分でこなせます。振り返ると赤石はまだガスがかかっていましたが、百間平に奥の悪沢岳は姿を現し、ガスで皆目わからなかったけどあの辺りはあんな感じだったんだなぁ、と思わず立ち止まってしばし眺めてしまいました。

そして左側も見慣れぬ山々だったんですけど、尾根の途中に立派な小屋が見えたので、アレは何?と地図を見てみるとしらびそ山荘なんですね。あそこは昔林道ツーリングで泊まったことあるんでかなり懐かしかったです。

B100824c
(ようやく再会・タカネビランジ)

そんな感じで兎岳まではゆるゆる歩ける大変気持ちの良い稜線。でも花は意外に少なかったかな?

のんびりペースで百間洞から3時間ほどで兎岳に上がると、ここでようやくタカネビランジとの再会。長かったー。この花はもっと手前で普通に見かけるだろうと思っていたんですけど、天気が良くないこともあってここまで逢えないとは正直思ってもいませんでした。

B100824d
(中盛丸山、大沢山、百間平辺りを振り返る)

B100824e
(兎岳避難小屋・中は利用できるように改修されていた)

花は盛りやや過ぎてしたがまだ綺麗なのもあったので念入りにカメラに収めたら、この日はここからが本番、一旦下って聖岳へ登り返すんですけど、コレが見ただけでもイヤになる上下です。

ただここからお花が増えてきたのは想定外。特に下った兎岳の避難小屋周辺はイワオウギやタカネヨモギあたりがやたらと、そしてなぜかテガタチドリにミヤカクワガタじゃなくておそらくアカイシミヤマクワガタなんかがいたりして、この辺りだけ周囲と少々様子が違っていたのが印象的でした。

B100824f
(コレを下って登り返すのかぁ・・・)

B100824g
(今回見かけたお花の一部・Part1)

そして聖兎コル周辺の崩落した西沢側の方にお花が多かった(種類も量も)のも意外、と思ったんですけど、もしかするとここはシカさんの来づらい所のせいなのかもしれませんね。

痩せた稜線を慎重に降り、最低鞍部に降り立ったらここから聖岳へ登り返しです。最初こそ急でしたがそれをこなすとあとは想像よりは緩くて、もちろんしんどいことはしんどいですけど、案外楽に行けました。ただ楽に歩けたのはこの辺りからガスりはじめて涼しくなったおかげもあるかも。

B100824h
(赤石岳もようやく姿を現した)

他の山は早い時点でガスが切れて姿を見せてくれたのに↑↑の赤石だけは姿を見せたのはほんの数分といったレベルで、まあ今回の所は間近に姿を見られただけも充分、でしょう。

あとはニセピークに何度か騙されつつもゆるゆる登っていくと、ようやく人の姿が見えてきてラストスパート。なんとか聖岳の山頂に到着しました。

B100824i
(聖岳山頂)

もうこの頃にはガスが上がってきていて展望は今ひとつでしたが、思いの外広い山頂には人が沢山いたので、とりあえず落ち着けそうな場所を探して東へ移動。適当な所を見つけたらさっそくランチです。

実はこの時点でまだ持参の食料が4食分もあったのに、百間洞の仕事ぶりに思わずオベントも購入してしまっていたのでした(笑)。凝った包み紙の中には混ぜご飯のおにぎりに天むす。もちろん美味いです。そおいやこの天ぷらは夕食のおそばにも入っており、食材の共用の仕方にも感心してしまいました。

B100824m
(今回見かけたお花の一部・Part2)

B100824j
(聖平への下り始めも急だ)

んでランチを終えたら腰を上げて・・・のつもりが急に襲われた眠気に勝てずその場で一時間ほどぐっすりお昼寝してしまい、これで密かに狙っていた茶臼岳は時間的に諦めざるを得なくなってしまいました。

しょうがないのでとりあえず奥聖までのんびり往復してから聖平へ向かったんですけど、こちらも急でエグいぐらいに下りますねぇ。まぁ時折ガスが晴れて気持ちがいいし、下りだから楽ですけど。

B100824k
(小聖岳附近より聖岳を振り返る)

下って下って小聖辺りに出ると尾根が一旦緩むんでフト振り返ると、聖が壁のように聳えていて思わずボーッと眺めてしまいましたが、これを見ながらの登りも結構しんどいものがありますね。

小聖を過ぎると間もなく樹林帯に入り、そろそろお終いの雰囲気。この辺りもお花が多くて見事ではあるんですけど、シカさんのお嫌いなお花ばかり。そして聖平の分岐がある最低鞍部に降り立つ頃には周囲は完全にガスに包まれて、これで茶臼への未練もキレイさっぱりなくなりました。

B100824l
(聖平への下りしな・下るにつれシカの影響が出てくるようだ)

ということでこの日のお宿は聖平小屋。小屋に着いたハイカーに振る舞われるお茶がやたらに美味かったなぁ。小屋は綺麗でスタッフの対応も良く、大変気持ちの良い小屋でしたが、ここもトイレが遠い!荒川小屋より遠いかも。まぁここは素泊まりでも同じ距離ですけど(笑)。

ガスも夜になるときれいになくなり、この日は前の日以上の星空を楽しむ事ができました。あぁ明日で下山なんてホントにもったいないなぁ。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.08.16 (Mon)   晴 後 曇
百間洞山の家 05:00- 大沢岳 06:00/06:10- 兎岳 07:55/08:10- 兎岳避難小屋 08:20/08:30- 最低鞍部(聖兎コル)08:50- 聖岳 10:00/11:15- 奥聖岳 11:30/11:40- 聖岳 12:10- 小聖岳 12:45- 聖平小屋 13:30
 
聖平小屋 一泊二食 ¥8000
ビール(ロング缶) ¥700
 

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2010.08.22

南ア南部まったり縦走 3(荒川小屋~赤石岳~百間洞)

B100822a
(雷鳥親子をカメラに収めようとして近づいたら・・・)

この日は天気の回復を信じていたんですけど、朝起きたら無情の小雨に濃霧。今日もダメか・・・とテンションがた落ちのせいか朝ご飯を食べ終わってもなっかなか腰が上がりません。でもそんなふうにのろのろしているといつの間にやら雨も上がったので、とりあえず赤石岳の避難小屋までは行こうと決めてのろのろ出発。

大聖寺平へのトラバース道にはまだチングルマが咲いている箇所がありましたけど、この辺りは最後まで雪の残る所なのでしょうね。そして大聖寺平で再び稜線に出ると昨日と同じく風が吹き付けますが、風は昨日よりはおとなしめ。ホッとしました。

B100822b
(・・・ヒナ追い詰め(笑)・小赤石岳付近にて)

というか風はおとなしめどころか、この日は時折ガスが一瞬だけ切れて青空や太陽が顔を出したりしたこともあって、これはもしや・・・と思ったんですけど、やっぱり甘くて赤石岳に辿りいても周囲はガスったまま。なのでこの頃にはここで切り上げて椹島へ下ろうと言う思いがかなり強くなっていました。

それでも時折空が明るくなっていたりしたので、悪あがきで避難小屋で休憩がてら粘ってみよう、と小屋へ向い一休み。するとそこで休憩していた先客さんや小屋番さんから「明日は晴れるよ」といきなり言われてしばし混乱してしまいましたが(笑)、外は相変わらずガスっているものの明るくなっているし、心は徐々に続行に傾いてきて・・・。

B100822c
(赤石岳避難小屋)

するとここで小屋番さんから「兎(兎岳避難小屋)使えるぞ」とダメ押しのお言葉を頂き、ようやく明日に賭ける決心がつきました。(^^) 実はそう言う事も想定して今回はシュラフにマットも持参していたので、百間洞で水を汲めば後は無問題なのです。

しかしここの小屋番さん、小屋に入ったときから口調がどこかおかしかったので気になっていたんですけど、朝から○んでらっしゃるのでしょうか?日焼けされているからわかりづらいけど顔もなにげに赤石(笑)。そんな状態で挨拶なしに小屋に入り込んできたハイカーを叱りつけている(まぁコレは当然の事ですけどネ)からでちょっとビビッちゃいましたよー。

B100822d
(百間平も・・・) 

それでも少し話しているとやはりいい方ですね。昨日はここに泊まるべきだったと後悔していまいました。(後日ある方より小屋の様子を聞いたらかなりスゴそうでしたし)最後は気に入られたんだか単に絡まれていただけなのかわからないけど(笑)丁重にお礼を述べて小屋を後にしました。

小屋を出れば後はひたすらに稜線を西へ行くだけなのですが、一段下りた百間平辺りなんかは完全にボク好みの所なんですけどもちろんガスガス。というかいつの間にやら空が明るくなることもなくなったどころか、時折小雨がパラパラと降り出す始末。

B100822e
(百間洞山の家)

そんな様子に再びやる気をなくして、結局この日は百間洞でおしまい。まだ10時だぞ(笑)。

一息ついたらさっそく手続きをしたんですけど、この小屋は怖ろしいですねぇ。ビールを買おうとしたらヱビスの黒が普通に冷やされていて、小屋のおねーちゃんに「コレって普通のビールと値段一緒ですかっっ?」って聞いちゃいましたよ(笑)。山麓の酒屋ですら見た事ないのにこんな山小屋で黒と再会するとは思ってもいなかったけど、個人的にはこれだけでこの小屋に泊まった価値は大ありでした。

B100822f
(ミヤマアケボノソウ)

んで後のあり余った時間はビールを飲みつつのんびりランチをしたり、小屋の周りのお花を撮影したり。すると続々とハイカーが小屋にやってきたので部屋に戻ると、単独者のブースだけが自然発生的に大盛り上がりになって、後はひたすらに山談義。とんかつで有名な夕食も他のおかずや小物からして山小屋とは思えない仕事ぶりでこれまた大変に美味しゅうございました。<(_ _)>

夕食後もひたすらに山談義に明け暮れ、消灯時間寸前になった所でふらりと外へ出てみると、そこには今回の山行き初となる星空が広がっていました。明日は良い天気になりそうです。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.08.15 (Sun)   霧(風強し)
荒川小屋 05:40- 大聖寺平 06:10- 小赤石岳 07:20- 赤石岳避難小屋 07:55/08:45- 百間平 09:40- 百間洞山の家 10:15
 
百間洞山の家 一泊三食 ¥9000
ビール(ヱビス黒・ロング缶) ¥800
ビール(ヱビス黒・ショート缶) ¥600
  
 
・・・・・☆・・・・・☆
 
あと久しぶりにリンクの紹介です。(^^ゞ

百間洞で偶然ご一緒になったふうたろうさんのふうたろう絵日記をリンクしました。

こちらで深田百名山、というとボクも含めて少々(・・?) エッ・・・となるかも知れないけど、必ずマイナーどころというか普通ではない所から山を目指すというふうたろうさんの山行きは、そこいらにいる巡礼者とはひと味もふた味も違うし、たいへん参考にもなります。みなさまどうぞご覧ください。(^^)
 

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2010.08.20

南ア南部まったり縦走 2(高山裏~悪沢岳~荒川小屋)

B100820a
(高山裏から前岳への登りしな)

さて、前の晩の小屋ライフは大変楽しいものだったんですけど、翌日は濃霧の夜明け。寝ている間に空気が入れ替わったようで異様に暖かく、夜半頃雨音もしていたので覚悟はしていたんですけど、やっぱりテンションは下がり気味です。

それでも午後は確実に雨に降られる感じなので朝食をとったらさっそく歩き出します。

B100820b
(中岳避難小屋)

トラバースしながら上がって、森林限界を抜けると道は前岳の北のカールを行くようになるのですが、この天気では周囲の様子もよくわからず、ただただ登り詰めていくのみ。

ただ上がるにつれ風が強くなってきたのはわかっていたんですけどこの辺りでは問題なく歩ける状態で、そんなのも気にせずお気楽に詰め切って前岳に飛び出したら、なんと稜線は凄い風でビックリ。

B100820c
(悪沢岳<東岳>山頂)

慌ててシェルを着込んで稜線を東へ向かい、とりあえず中岳の避難小屋まで来ましたが、まだ朝なのにやる気を完全に無くしていました(笑)。そんな風のビュービュー吹き付ける中これからどうしようかとしばらくうじうじしていると、高山裏でテント泊をしていた方が意を決して悪沢岳へ向かったので、それにつられてボクも行くことに。

風に吹き飛ばされそうになりながらも一時間弱で悪沢岳に着くと、その道中時折空が明るくなっていたので、もしかしたら回復するかもと一時間近く山頂で粘ってましたが、やっぱりダメでしたね。この日は最低でも赤石の避難小屋までは行きたかったんですけど、翌日の回復を信じ赤石岳はとって置いて、この日は荒川小屋に泊まる事に決めました。

B100820e
(前岳カールのお花畑もガスで・・・)

前岳の分岐まで戻ったら、ここから荒川小屋までは楽しみにしていた前岳カールのお花畑なんですけど、当然のごとく周囲はガスガス。これはかなり悲しかったのですが、しょうがないですね。ちょっとキツいかなと思っていたミヤマクロユリがまだ綺麗に咲いていたを見られたのが唯一の救いでした。

そして荒川小屋に着くと同時に雨が降り出し、雨具を出さずに済んでこれもラッキーだったかも。でもこの日赤石の避難小屋まで足をのばさなかったのは、結果として今回の山行きで二番目に大きい後悔となってしまったのでした。

B100820d
(それでも今年もなんとかクロユリに逢えました ^^)

ただ荒川小屋が悪い訳でなく、それは長年避難小屋スタイルに慣れ親しんでいるあくまでボクの嗜好の問題で、小屋は綺麗でスタッフの対応も良く、大変気持ちの良い小屋でした。ただトイレが遠い!午後強い雨の中トイレに通うとそれだけでズボンがびっしょり。ここはトイレの至近にそれ専用の小屋がある素泊まりにするべきでしたー。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.08.14 (Sat)   霧(風強し)
高山裏避難小屋 05:00- 前岳 08:00- 悪沢岳 09:20/10:05- 中岳避難小屋 11:00- 荒川小屋 12:00
 
荒川小屋 一泊二食 ¥8000
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2010.08.18

南ア南部まったり縦走 1(三伏峠~小河内岳~高山裏)

B100818a
(前小河内より小河内岳・避難小屋も見える)

んー。お盆の休みが近づくにつれ前の記事で書いた通りの不安定な天気になってきてしまい、しかも去年と同じように台風まで。。。なのでお盆の山行きは実行直前まで行くか行くまいかかなり悩んでいたんですけど、結局天気の一番マシそうな南ア南部に決定。そうと決まればすぐに荷物をまとめて先ずは飯田へ向かいました。

んで、翌日(08/13)は飯田から伊那大島まで戻ってから鳥倉行きのバスに乗って登山口へ。バスだとゲートじゃなくて登山口まで入ってくれるんですね!朝からガスっていることもあって本来ならもっワクワクしているはずなんですけど、これから先の天気もわからないしどうもテンションが上がりません。

B100818b
(三伏峠小屋)

三伏峠小屋まではさすがに人が多かったものの、小屋を過ぎると人が一気に減ってちょっとご機嫌もーど。峠の草原にはタカネマツムシソウが一面に咲いていましたが、やはり鹿柵の中は花が濃いですね。あとはそれほど多くないものの、ミヤマアキノキリンソウ、トモエシオガマ、ハクサンフウロ、ホソバトリカブト、ヒメコゴメグサ、ヨツバシオガマ辺り。そうそうウメバチソウも咲き始めていたっけ。

そして稜線に上がると、おやおやなんか空が明るくなって周囲のガスが徐々に切れてきている感じ。おっと北側の塩見が姿を現したと思ったら、まもなく仙丈・甲斐駒・農鳥辺りもあっさり姿を現して後は南部の方だな、と思ったんですけど、こちらの方はなかなか姿を見せてくれません。

B100818c
(峠の草原・鹿柵内は花が多い)

B100818d
(塩見岳と蝙蝠岳も見えてきた)

お花の方もなかなかいらっしゃって、ソバナ?と思ったのはミヤマシャジンでした。そしてイワオトギリ、タカネグンナイフウロ、タカネヒゴタイ、タカネヨモギ、ミネウスユキソウ、ウサギギク、タカネヤハズハハコ、ミヤマシオガマ、イブキジャコウソウ、シコタンソウ、イワインチン、ハナニガナ、タカネコウリンカまでは思いだせます。

そんな訳で思いも掛けず稜線漫歩を楽しめてようやく気分が乗ってきた感じ。すると目の前の小河内岳に荒川三山もようやく姿を現し、これで役者がそろいました。しかしその姿を見るにつけ高山裏からの登りはちょっとしんどそうだなぁ。。。

B100818e
(樹林帯・やはりマルバダケブキが多い)

当初宿泊予定だった小河内岳(避難小屋は綺麗そう)に思いの外早く着いてしまったので、天気も保ちそうだし高山裏まで足をのばす事にして少し休憩。さすがにお盆なのでハイカーはパラパラいますけど、この界隈は本当に静かです。

小河内岳からひと下りすると再び樹林帯に入り、大日影山の手前からは道は稜線の東側をトラバースしていくようになりました。この辺りになるとマルバダケブキ、キオン、ホソバトリカブト、ミヤマバイケイソウあたりがメインですが、なぜかタカネナデシコがいたり、タカネコウリンカもシカさんにとってはお嫌いな方に入るのでしょうね。

B100818f
(小日影山~大日影山の稜線)

あと大日影山を前に登山道が稜線をトラバースしたのは、高山裏へ下る直前の大ナギに出た所で↑↑の姿を見てようやく納得したのでした。

さて南アでナギといえばもちろんタカネビランジなんですけど、ナギは今でも頻繁に崩れているらしくコレがなっかなか見つからない。下って下ってナギの終わり近くになってようやく見つかったのはいいんですけど、道ばたのはもうおしまい。綺麗に咲いている急なナギの中にいやがるんですよね~。もちろんカメラに収めることはできず、8年ぶりのお花も遠くから眺めるしかありませんでした。

B100818g
(高山裏へ下る直前の大ナギ)

そんな口惜しい思いをしながら降りるとすぐに高山裏の避難小屋に到着。小屋は古めですけどしっかりしており、なんと管理人さんのいる時期はレトルトながら食事も提供されているんですね(知らなかった)。小屋から前岳のカールを見上げる所はイメージはかなり違うけど黒部五郎の小屋を思い出しました。でも小屋でのお話に夢中になってしまい、この光景をカメラに収めることができなかったのが今回の山行きで最大の後悔かも。

小屋番さんもいろいろ言われる方のようですけど、実際接してみると面白くて愛嬌もあって悪い方とはとうてい思えませんでした。少なくともボクにとっては。もちろん理不尽に怒ることはしないけど、あの方にとって何となく気に入らない人に対しては少々キツいのかもネ(笑)。今回の山行きでいろいろな人とお話をした中で、あの方が気に入らない人の傾向がわかってしまったのには思わず笑ってしまいました。やっぱり一貫してるわ~。もちろんココでは書きませんけど。

B100818h
(高山裏避難小屋はこんな所にありました)

そんな訳であとは偶然にも去年の熊ノ平でご一緒した方と椹島からやってきた方がやってきて、この日の宿泊者はなんと3名のみ。手前の小河内でも10人だったそうで、やはりこの界隈は静かですねぇ。小屋番さんに濃ゆい方達のお陰で初日から楽しい一夜を過ごす事ができました。(^^)
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.08.13 (Fri)   曇 後 晴
伊那大島駅 06:45→ 鳥倉登山口 08:35/08:50- 豊口山東鞍部 09:35- 三伏峠小屋 10:50/11:00- 烏帽子岳 11:40- 小河内岳 12:45/13:00- 高山裏避難小屋 15:00
 
バス(伊那大島駅-鳥倉登山口・荷物代込) ¥2460
高山裏避難小屋 寝具付素泊り ¥5000
ビール(ロング缶) ¥800
カレーライス ¥1000
中華丼 ¥1000
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2010.07.22

北岳へ、今年の夏山初日

B100722a
(北岳までもう少し)

ふう。特段変わったことがあった訳でもないのになんとな~く過ごしているうちに山行きが一月半も空いてしまいましたネ。(^^ゞ

そんな訳であれこれ考えるヒマは腐る程あったので(笑)海の日の連休もいろいろ計画を立てていたのですが、天気の都合で金曜から動けず(小屋の混雑を避けたかった)、とりあえず?今年も計画が流れかけた北岳へようやく行ってきました。

B100722b
(大樺沢沿いの道・水量たっぷり)

今回は甲府前泊で一番バスに乗って広河原に出てからのスタート。さすがにハイシーズンの好天となれば人出の方も最高潮ですが、大樺沢へ向かうハイカーはそれなりに多いながらも想像よりは少ない印象。雪解けと相まって大蒲沢の水量も豊富で、二俣までの道中はなかなか快適でした。

この時期の北岳は初めてだったのでお花の方も期待してたんですけど、そちらは思いの外少ない印象。やはりシカさんの影響大ありでしょうかね。それでも以前白馬の清水尾根で逃したミヤマハナシノブにも無事逢えて、これはお初なだけに個人的にちょっと感慨深かったです。

B100722c
(左俣の雪渓を登ります)

雪は二俣の手前から現れ、二俣で少し休んだらそのまま左俣の雪渓を行きます。ここは右俣へ行くハイカーの方が断然多かったですが、それでも左俣の方も途切れながらも人がぼちぼち向かう感じでした。

それにつけても好天下の雪渓歩きはやっぱり爽快です。雪渓の状態を気にしつつも好きな所を歩けるし、何より涼しい!そして北岳バットレスよりも真っ青な空に延びる飛行機雲の方に目が行ってしまったのが不思議なんですけど、それもまたよし。標高が上がっているので少々苦しかったんですけど、実働50分ほどだったのが物足りないぐらい。

B100722d
(八本歯ノコルへの登りしな)

雪渓が終わってからの八本歯ノコルへ向かう枝尾根もダケカンバの新緑がこれまた青い空に映えまくってそれは見事でした。そしてここですれ違った方からなんと諦めていたキタダケソウがまだ咲き残っている情報を聞けたのも幸運で、ここで当初ははしょるつもりだったトラバース道も歩くことにしました。

コルに上がると再び人が増えたので、すでにヘロヘロながら休憩もそこそこにとりあえずトラバース道の分岐へ向かうと、いやいや今度は南に東に北と名だたる高山が連なる展望が待っていました。

B100722e
(八本歯ノコル附近より)

B100722f
(トラバース道・雪はない)

そんな展望を楽しみつつヘロヘロ登って、ようやくトラバース道との分岐にたどり着いてここでようやく大休止。あーあ間ノ岳にも行きたかったな~、と思いつつ周囲の展望をしばらく楽しんだら、腰を上げてトラバース道に入ります。

キタダケソウ本当にいるのかなぁ、と少々不安になりながらも先を行くと、間もなく花が現れ一気楽しくなってきました。まずはハクサンイチゲにミヤマオダマキ、イワベンケイ。それからミヤマキンバイ、キバナコマノツメ、ミヤマキンポウゲ、そしてシナノキンバイが斜面一面一斉に花を咲かせてなかなか見事でした。

B100722g
(キタダケソウ・まさか間に合うとは!)

B100722h
(シナノキンバイは盛りで見事だった)

そしてキタダケソウも意外やあっけなく見つかりました。というかあまりにあっけなくてあまり感動がなかったかも(笑)。確かにハクサンイチゲと混ざって咲いているので予備知識なないと見落としやすいかもですね。でも花の状態が思いの外良かったのも嬉しかったです。

その後もシナノキンバイで埋まった斜面を見つつ、足下にはシコタンソウ、ミヤマムラサキ、タカネシオガマなどなども見かけて、このトラバース道がこの日一番お花を楽しめた箇所。人も少なく静かだったし、ここをパスしてたらお花も含めて少々物足りない感があったかもしれませんね。

B100722i
(今回見かけたお花、の一部 ^^;;;)

B100722j
(稜線に出た所より間ノ岳方面)

そして稜線に出たら山荘までは下らず、ここで引き返すように北岳へ。再び人も増えますが、団体さんも少なく快調に歩けます。しかしそれにつけても男女問わず若いのが多いこと!近年そう言う傾向ではあったんですけど、もう山歩き自体がブームになりつつあるようですね。

稜線もお花が多く、そんなお花を愛でつつ雷鳥を見かけたりしながらせっせと登っていると、とうとう東側からガスが上がってきて、北岳山頂に着く頃には西側はまだ晴れているものの、東側は完全に真っ白。

B100722k
(こちらもお花は豊富でした)

B100722l
(キバナシャクナゲも間に合った)

人の多い山頂はどうでもいいので一息ついたら下山開始、というか久しぶりに山を歩いたせいか腿が少々けいれん気味だったので、肩の小屋まで下ってからうどんを頼んで軽くランチ。ここもかなりの人出でしたけど、なぜかベンチのスペースを確保できました。

天気が良いせいか皆さんご機嫌で、隣り合った方達としばらくお話ししながらご飯を食べるというのもいかにも夏山ですね。とはいえ後から後から人がやってくる状況では長居は顰蹙でしかないので、適当な所で切り上げて先を行きます。

B100722m
(肩の小屋へ下る頃にはガスが・・・)

B100722n
(右俣コース・思いの外お花が少ない)

あとはそのまま下って、去年の秋と同じく右俣コースを下ったんですけど、ここも大樺沢沿いと同様にお花が思いの外少なくて驚きました。

ここは本や他の人のサイトを見ると花の道、と言うイメージがあったんですけど、実際歩いてみるとシカさんのお好きでないものがかなり目に付くし、そのせいで近年その数をごっそりと減らしているのかなぁ、と言う印象です。10年前、いや5年前でもかなり様子は違ったんじゃないかなぁ?と思うのですが。。。

B100722o
(ミヤマハナシノブ)

B100722p
(二俣に戻りました)

なのでいともあっさりと二俣に降り立ったら、二俣の雪渓で涼んで広河原へ戻りました。

今回久しぶりの山行きでしたが、好天に恵まれたお陰もあって「やっぱり山はええなぁ」と心底思えた一日でした。梅雨も明けたし、これからは普段通り歩けることでしょう。あとはお天気次第~ですねっ♪
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.07.18 (Sun)   晴 時々 霧
甲府駅 04:00→ 広河原 06:15- 二俣 07:35/07:55- 八本歯ノコル 09:30- トラバース道分岐 09:50/10:10- 稜線 10:55- 北岳 11:45/11:55- 肩の小屋 12:25/12:45- 二俣 14:15/14:20- 広河原 15:30
 
バス(広河原-甲府駅+協力金)x2 ¥4000
うどん(肩の小屋) ¥900
 
 
・・・・・☆・・・・・☆
 
あと大変遅れてしまいましたが久しぶりにリンクの紹介も。(^^ゞ

奥多摩を歩かれる方はもうご存じの方も多いでしょう、なLBDさんの山と無線を楽しむ奥多摩をリンクしました。

奥多摩の山山の説明やそれに纏わるお話もさることながら、今でも精力的に歩かれる様子はオンラインアルバムの方で見ることができます。みなさまどうぞご覧ください。(^^)
 

| | コメント (6) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

◆ カテゴリーのご案内 【その他の山域 2004・2005】 【その他の山域 2006】 【その他の山域 2007】 【その他の山域 2008】 【その他の山域 2009】 【その他の山域 2010】 【その他の山域 2011・2012】 【その他の山域 2013】 【その他の山域】 【前道志・道志・丹沢 2004】 【前道志・道志・丹沢 2005】 【前道志・道志・丹沢 2006】 【前道志・道志・丹沢 2007】 【前道志・道志・丹沢 2008】 【前道志・道志・丹沢 2009】 【前道志・道志・丹沢 2010】 【前道志・道志・丹沢 2011】 【前道志・道志・丹沢 2012】 【前道志・道志・丹沢 2013】 【前道志・道志・丹沢】 【大菩薩・権現山稜 2004】 【大菩薩・権現山稜 2005】 【大菩薩・権現山稜 2006】 【大菩薩・権現山稜 2007】 【大菩薩・権現山稜 2008】 【大菩薩・権現山稜 2009】 【大菩薩・権現山稜 2010】 【大菩薩・権現山稜 2011】 【大菩薩・権現山稜 2012】 【大菩薩・権現山稜 2013】 【大菩薩・権現山稜】 【奥多摩 2004】 【奥多摩 2005】 【奥多摩 2006】 【奥多摩 2007】 【奥多摩 2008】 【奥多摩 2009】 【奥多摩 2010】 【奥多摩 2011】 【奥多摩 2012】 【奥多摩 2013】 【奥多摩】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2004】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2005】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2006】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2007】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2008】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2009】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2010】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2011】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2012】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2013】 【奥秩父・秩父・奥武蔵】 【御坂・天子・富士 2004】 【御坂・天子・富士 2005】 【御坂・天子・富士 2006】 【御坂・天子・富士 2007】 【御坂・天子・富士 2008】 【御坂・天子・富士 2009】 【御坂・天子・富士 2010】 【御坂・天子・富士 2011】 【御坂・天子・富士 2012】 【御坂・天子・富士 2013】 【御坂・天子・富士】 つれづれ つれづれ 2004・2005 つれづれ 2006・2007 つれづれ 2008・2009