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2010.12.20

水根沢の素敵な森と石尾根と・・・

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(ブナ美し・悪谷 水根沢中間尾根中部のひとコマ)

なんやかんや言って先週末も良い天気でしたね。先の週末は行き先にかなり悩んだんですけど、土曜(12/18)は先週に引き続いて水根沢から石尾根へ、ということで今回は水根沢林道を奥まで入ってから悪谷 水根沢中間尾根を登って石尾根に上がり、水根山をこえて鷹ノ巣山手前の1651m峰手前のピークまで。それからは先月と同じく榧ノ木尾根~大麦尾根を降りて奥多摩湖に出るコースを歩いてきました。

今回は珍しくお車で奥多摩湖に出てからのスタート。朝は氷点下の快晴とここへ来てようやく冬らしくなって、寒いことは寒いんですけど、こういう寒さなら個人的には大歓迎ですね。さっそく水根へ向かってから先週と同じく水根沢林道に入ります。

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(ハンノキ沢のなかなか素敵な滝)

水根沢の左岸側をてくてく行き、二つ目に横切る明瞭な沢がハンノキ沢。実はこの沢の奥にすでに滝がちらりと見えているんですけど、先週はそのまま素通りしたので今回はちょっと寄ってみたら、これが水量は少ないものの3段10m弱の立派な滝で、しかも滝周辺の雰囲気もよろしく、なかなか見所のある所でした。

ただ惜しむらくは朝のせいもあるけど日陰だった事でしょうか。でもその位置から日差しがあまり入らないようにも見えますので、氷瀑とかどうかなぁ。。。水量は少ないけど。

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(水根沢林道のひとコマ・Part1)

滝見から山道に戻って少し行くと植林を抜け、ここからが水根沢林道のハイライト。足下に滝の続く水根沢を見下ろしつつ、目の前の渓畔林を愛でつつ、そして周囲の裸木をまとった山肌を眺めつつ歩ける道のりは、これがどうしてなかなかバカにしたものではないんですネ。ホントに。

そんな道のりが右岸へ移り、水流のある三本ケヤキノ沢を過ぎた辺りまで続きます。

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(水根沢林道のひとコマ・Part2)

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(悪谷 水根沢出合)

三本ケヤキノ沢を過ぎると道は再び植林帯に入り、ここから石尾根へ植林下の登りが始まるんですけど、当然ながらそこを歩く気は全くないので(笑)途中で水根沢へ下る道形を拾って試しに辿ってみると、これがもくろみ通りに悪谷出合へ導いてくれる道でした。

悪谷出合附近はワサビ田跡の連なる明るい場所で、こちらもなかなかいい雰囲気。ここから石尾根への急登が始まるのでしっかり休んでから、そのまま中間尾根を登り始めます。

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(悪谷 水根沢中間尾根・中部より上は自然林が素晴らしい)

登りだしいきなりの大岩を右へ捲き気味に登れば、あとは急なもののさしたる難場もなく、露岩にアセビ混じりの痩せた尾根を登っていく感じ。そして登るにつれアセビが少なくなってくると代わりにブナが増えてきて、いつの間にやら目を瞠るような素敵な自然林に変貌していました。

そもそも水根山直下から東へ、石尾根の尾根道と合流するまでの捲道は石尾根縦走路の中でも有数の自然林の美しい箇所で、先週の仁右衛門沢右岸尾根もそれを期待していたんですけど、この中間尾根はそれ以上というかその捲道のイメージそのままの感じで、そんな中を歩いているだけでなんか嬉しくなってしまいます。

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(大ミズナラを見ると捲道はすぐそこ)

当然の事ながらこちらも登るにつれ枯れたスズタケが出てきますが、この周辺は枯れ出したのが二年前とまだ新しいせいか2mを越すような丈のスズも残っていて、それがまた懐かしかったりちょっと嬉しかったり。

スズは徐々に濃くなり被ってますが、下道は明瞭。そんな中を周囲の木々を愛でつつのろのろ行き、やがて尾根上に立派な大ミズナラを見るとあっけなく捲道に飛び出しました。というかその大ミズナラはすでに捲道の脇に立っていて、これも見覚えのある木だったので、あーここに出るのか!と。(^^)

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(雪はうっすら・水根山への道すがら)

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(鷹ノ巣山を目前に・本日ここまで)

とはいえここまで来たらやっぱり上までということで、石尾根の稜線までもうひとがんばり。実働15分ほどで石尾根に這い上がると、防火帯の切られた広い尾根上にはうっすらと雪が残っていたのにはビックリ。

この時点ですでに13時近かったので適当なランチ場を探しつつ石尾根を西へ行ったんですけど、結局水根山を越えて鷹ノ巣山手前のkomado呼称「中尾根の頭」と呼んでいる1651m峰手前のピークまで来てしまいました。 ここまで来たら鷹ノ巣までという思いもなくはなかったものの、さすがにお腹が減り過ぎたし、ここは広い草地で展望も良く、ランチの適地なのでこの日はここまで、としました。

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(ダケカンバの裸木と青空が美しい)

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(榧ノ木尾根のひとコマ・Part1)

ここまで来ればあとは時間が読めるので気は楽、とはいえ日の短い時期ですので思いのままのんびりする訳にも行かず、リミットと目していた14時に腰を上げて下山開始。一旦捲道に降りてから榧ノ木尾根に入ります。

榧ノ木尾根は先月も降りたんですけど、その時は天気が良くなく少々不完全燃焼だったので、午後になっても晴れているこの日はここを下るのが本当に楽しみだったのです。

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(榧ノ木尾根のひとコマ・Part2)

もうここで何遍も言ってますけど、榧ノ木山までの自然林は素晴らしいし、榧ノ木山から下は美しい雑木林の許ふっかふかに積もった落ち葉道がこれまた心地よく、適当な距離もあって、ここは何度歩いても本当に楽しめますね。

そんなわけで、結構のんびり目に歩いてしまい倉戸山に着いた頃にはもう日がかなり傾いてもう日没も間近の様相。休憩もそこそこにあとは今回も日陰だった大麦尾根を駆け下りて奥多摩湖へ向かったのでした。

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(キミタチはなんで見はらしの丘の敷地内に入れてるの?)

しかし・・・水根沢源流部の自然林はなかなか素晴らしかったです。自然林の大きさで云うと結構狭いんでしょうけど、さすがは水源林。石尾根の南面にもまだまだ良い所がありますね。

とにかくこの日は天気に自然林に稜線歩きに展望にふかふかの落ち葉歩きに、とこの時期の低山歩きの楽しみのほとんどを味わえたような大変贅沢な一日。こんな山歩きをできた事に本当に感謝感謝の一日でもありました。 
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.12.18 (Sat)   晴(快晴に近い)
奥多摩湖 07:35- 水根沢林道入口 07:55- ハンノキ沢の滝 08:50/09:05- 三本ケヤキノ沢 10:00- 悪谷出合 10:20/10:30- 石尾根縦走路捲道 12:15- 石尾根尾根道 12:40/12:55- 1651m峰手前のピーク 13:15/14:00- 榧ノ木山 14:45- 倉戸山 15:35- 見はらしの丘ゲート 16:15- 奥多摩湖 16:35
 

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【奥多摩 2010】」カテゴリの記事

コメント

こいずみさん、

先週はどうもでした。そう7時に駅前で待ち合わせだったので、あの日は寒かったじゃないですか、なので車内にずっといたのでした。でも今は新型車両になって冬の青梅線は本当に快適になりましたよ~。

それはそうとみんなのいえの情報ありがとうございます。やはり冬はお休みですか。まぁしょうがないですよね。というかお話によると今までは本業の傍らやられていたのを、来年からはこちらに絞るとの話でしたけど、来年はどんな感じで営業されるのか、それが気になりますね。

投稿: komado | 2010.12.26 13:34

この日の朝、奥多摩駅で電車から降りるときにkomadoさんをお見かけしたような気がしたのですが、バスには乗っておられなかったので不思議に思っていました。車での移動だったのですね。
私は栂ノ山から鷹ノ巣山に寄って東日原に下りたのですが、ちょうどバスが行ったばかりだったので「みんなのいえ」でビールを飲みつつ1時間ほどぼんやりしてきました。「みんなのいえ」は12/19の営業で改装のため一旦閉店するそうです。新装開店は来年4月の予定だそうです。

投稿: こいずみ | 2010.12.22 23:20

kbさん、

鷹ノ巣の南面で云えば浅間尾根も挙がるんですけど、あちらも尾根は良いんですけどちょっと短いのが難ですね。だから南面ならほとんど榧ノ木の方を降りちゃいます。

本当にあの尾根は気分良く歩けますね。個人的に奥多摩の登山道で何度歩いても飽きないのはやっぱり榧ノ木尾根だと思います。(^^)

投稿: komado | 2010.12.21 23:30

昨年の早春にノボリ尾根から榧ノ木山に登り榧ノ木尾根を下りましたが自然林が美しくふかふかの道は何度でも訪れたい処ですね。
新緑の頃や秋は気分爽快で歩ける場所でしょね。
この情報を見てまた行きたくなりました。

投稿: kb | 2010.12.21 09:51

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