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2010.12.30

白石歩道、荷干沢~カワゴノ沢の径路の探訪 その1

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(白石歩道のひとコマ)

まだ暖かめとはいえそれなりに寒い日が続くようになってようやく天気も安定してきましたね。でもその割には遊びすぎてお山へ行けなかったんですけど、暮れも押し迫ってようやく行く余裕ができました。

今回(12/29)は世附(世附川流域の山山)の廃道探訪で、奥世附歩道ではなく、一番手近なとはいえまだ未踏だった白石歩道と荷干沢(フジモク沢・本水沢)~カワゴノ沢の径路をようやく歩いてました。

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(大杉歩道・沢を渡る箇所で一部荒れていた)

さすがに年末になるとハイカーが減りますね。朝一の西丹沢行きのバスがガラガラだったので、交通費を浮かせるために谷峨へ先回りしました(実は行きでは初めて)。そして細川橋に着いたら、昨晩の雨が凍ってつるつるになった道を上がってまずは神社へ向かったんですけど、初詣を控え参道にはすでに提灯が飾られていて、そのおかげでこの神社の名前も初めてわかりました。「大室生神社」って云うんですね!

神社に参拝したら二本杉峠を越えて千鳥橋へ。大杉歩道の方は沢を渡る箇所が若干荒れたぐらいで、慎重に行けば通行にさほど支障はない状態でしたが、一部判りづらい箇所があるかもしれません。

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(富士見林道・車両が通れず落葉道と化していた)

千鳥橋に降り立ったら次は富士見林道を歩いて地蔵平へ。実際歩いてみると台風以降車両が通れてないのでしょうね。道には大量の落ち葉が積もり、それが程よいクッションとなってなかなか歩きやすくなってます。

地蔵平までの道も想像よりは荒れていませんでしたけど、それでも車両が通れるようなるのにはあと何年かかるのだろうかと思ってしまう状態。今回は地蔵平に戻ってくる予定なのでとりあえず地蔵平は素通りして、そのまま白水ノ沢出合へ向かいます。

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(白水ノ沢出合)

地蔵平から20分ほどで白水ノ沢出合についたら、ここからがメインディッシュでもある白石歩道の始まりなんですけど、すぐに見つかると思っていた道形がなかなか見つからなくて焦りました。しかも出合周辺のスズタケは雨後のせいかこれまたダニがびっしりだったし・・・(苦笑)。

以前白水ノ沢右岸尾根を下った時は一番白石沢寄りの枝尾根を下降したとはいえ、末端附近で明瞭な道形があったのにこれはどういう事?? しょうがないのでそれらしき踏跡を探しつつトラバースをすると、これがスズタケが被るにもかかわらずそれなりに行けるので行ってみましたが、この辺りは少々自信がありません。

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(白石歩道・一つ目の枝沢を越えると道形は明瞭になった)

これは困ったなぁと思いつつ道形を確認するため尾根を上下に探してみてもそれらしきものが見つからなかったのでなおも行くと、まもなく着いた一つ目の枝沢(荷干沢670m圏二俣右俣)の出合から先には明瞭な道形が延びていました。

やれやれと思いつつさっそく辿り始めると、当然ながらスズタケは被りますけど、道形がわかると本当に歩きやすいですね。もう奥世附歩道のことを考えたら天国のように思えます。

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(倒木にヤブの濃い箇所も)

それに当初はビッシリ取り付かれて先が思いやられたダニも気がついてみればほとんど付いていない状態で一安心。足下に荷干沢を見下ろしつつ歩けるのもなかなか風情があって良いですね。

とはいえ一箇所だけ倒木のせいで藪の中高捲きを強いられる箇所がありましたが、それをなんとか越えて一息ついていると、藪の中間近に黒い動物が近づいてきて一瞬クロスケか?と思ったら、見た目小さいし、毛艶が良すぎるので良く確認してみるとそれはなんと黒い猟犬。猟犬も世附では初めての遭遇でしたが、もしかするとトレーニングで放しているのかも知れません。

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(白石沢出合が見えてきました)

高捲きを終えるとその先が白石沢左岸の枝尾根で、判りづらくもよーく見てみると、ここが白石歩道とこの先歩く予定の荷干沢~カワゴノ沢の径路との分岐で、ここからスズタケが被る細いトラバース道を見つけて慎重に降りていくと、下に白石沢の出合が見えてきて、まもなく出合上の小広いテラスに降り立ちました。

沢で顔を洗ってダニチェックをしたら今度は荷干沢の径路、なんですけど、これものっけからわかりづらくてしばらく捜索しましたが、スズタケの中、尾根の端をぐるりと回っているのがおそらく径路だと思います。

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(白石沢出合より先は基本的に沢に沿ってついている)

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(荷干沢<フジモク沢>の徒渉を何度か繰り返し・・・)

白石沢出合から先の径路は基本的に荷干沢の広い沢床に沿って施業図通りに付いている感じで、途中施業図では左岸をぴょこんと高捲く箇所が記載されいるのですが、実際のその辺りは高捲く必要性があまりない感じだったし、試しに左岸斜面を登ってみても道形が見つからなかったのでここは諦めました。

というか本当に道があるのだろうか?という疑念が後になって出てきたのは、実はカワゴノ沢の出合に着いて、そこから施業図通りにカワゴノ沢へ入ってみると・・・

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(カワゴノ沢<荷干沢・フジモク沢790m圏二俣左俣>二つ目の滝)

いきなり両岸が迫って4mほどの滝が二つ続いて、これらの滝はビブラムでもさほどの難なく捲けましたけど、この辺りは本当に施業図通りに道がついていたのかちょっと怪しいかも知れませんね。

その二つ目の滝を捲き終えるとその先になぜか古ぼけたマークがあって、そこからスズタケが被る左岸側の斜面をカワゴノ沢左岸尾根へトラバースする細い踏跡が通っていました。左岸尾根上には明瞭な踏跡が通っていますし、これが出合からの高捲きルートでかつ正式な?径路なのかもしれません。

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(カワゴノ沢の径路・滝を越えると雪が出てきた)

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(カワゴノ沢・城ヶ尾歩道徒涉点附近)

この辺りから沢床はうっすら白くなって、まもなく見覚えのある城ヶ尾歩道が沢を横切る地点まで来てしまいました。

ということはここから城ヶ尾歩道の左岸側を少し登った所にある分岐は城ヶ尾歩道とカワゴノ沢の径路の分岐ではないのん?という事に気がついて、時間にも余裕があったので調査がてら分岐から右の直進路を行ってみると、これがほぼ水平にトラバースして後半はスズタケの藪が煩かったけど左岸尾根へ繋がる道でした。あとで過去の記事も訂正しなければ。

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(この日の地蔵平)

気になった調査が終われば、短かったけど欲張らずに今回はここまで。沢周辺にできている氷の造形をカメラに収めつつ、忍橋林道に上がって帰路に就きました。

白石歩道や荷干沢の径路は奥世附歩道とは違い、道形がまだそれなりに残っていてスムーズに歩けたのがなによりも嬉しかったかも。今回白石歩道を桃ノ木沢の出合まで辿らなかったのはまた別のプランがあるからなんですけど、この辺りを通る歩道ってどこからどこまでが白石歩道でかつ城ヶ尾歩道で、そして奥野歩道なのかよくわかりませんね。

ただ名称図だと白水ノ沢出合から桃ノ木沢出合までは少なくとも白石歩道と判断できるので、そこの間は白石歩道としても良いのではと思っています。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.12.29 (Wed)   晴 時々 曇
谷峨駅 07:42→ 細川橋 08:10/08:20-二本杉峠 09:05- 千鳥橋 09:30- 地蔵平 10:00- 白水ノ沢出合 10:20/10:25- 白石沢出合 11:40/11:45- カワゴノ沢出合 12:35- 城ヶ尾歩道徒渉点 13:00/13:45- 忍橋林道終点 13:50- 地蔵平 14:40/14:50- 千鳥橋 15:15- 二本杉峠 15:55- 細川橋 16:30
 

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2010.12.20

水根沢の素敵な森と石尾根と・・・

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(ブナ美し・悪谷 水根沢中間尾根中部のひとコマ)

なんやかんや言って先週末も良い天気でしたね。先の週末は行き先にかなり悩んだんですけど、土曜(12/18)は先週に引き続いて水根沢から石尾根へ、ということで今回は水根沢林道を奥まで入ってから悪谷 水根沢中間尾根を登って石尾根に上がり、水根山をこえて鷹ノ巣山手前の1651m峰手前のピークまで。それからは先月と同じく榧ノ木尾根~大麦尾根を降りて奥多摩湖に出るコースを歩いてきました。

今回は珍しくお車で奥多摩湖に出てからのスタート。朝は氷点下の快晴とここへ来てようやく冬らしくなって、寒いことは寒いんですけど、こういう寒さなら個人的には大歓迎ですね。さっそく水根へ向かってから先週と同じく水根沢林道に入ります。

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(ハンノキ沢のなかなか素敵な滝)

水根沢の左岸側をてくてく行き、二つ目に横切る明瞭な沢がハンノキ沢。実はこの沢の奥にすでに滝がちらりと見えているんですけど、先週はそのまま素通りしたので今回はちょっと寄ってみたら、これが水量は少ないものの3段10m弱の立派な滝で、しかも滝周辺の雰囲気もよろしく、なかなか見所のある所でした。

ただ惜しむらくは朝のせいもあるけど日陰だった事でしょうか。でもその位置から日差しがあまり入らないようにも見えますので、氷瀑とかどうかなぁ。。。水量は少ないけど。

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(水根沢林道のひとコマ・Part1)

滝見から山道に戻って少し行くと植林を抜け、ここからが水根沢林道のハイライト。足下に滝の続く水根沢を見下ろしつつ、目の前の渓畔林を愛でつつ、そして周囲の裸木をまとった山肌を眺めつつ歩ける道のりは、これがどうしてなかなかバカにしたものではないんですネ。ホントに。

そんな道のりが右岸へ移り、水流のある三本ケヤキノ沢を過ぎた辺りまで続きます。

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(水根沢林道のひとコマ・Part2)

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(悪谷 水根沢出合)

三本ケヤキノ沢を過ぎると道は再び植林帯に入り、ここから石尾根へ植林下の登りが始まるんですけど、当然ながらそこを歩く気は全くないので(笑)途中で水根沢へ下る道形を拾って試しに辿ってみると、これがもくろみ通りに悪谷出合へ導いてくれる道でした。

悪谷出合附近はワサビ田跡の連なる明るい場所で、こちらもなかなかいい雰囲気。ここから石尾根への急登が始まるのでしっかり休んでから、そのまま中間尾根を登り始めます。

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(悪谷 水根沢中間尾根・中部より上は自然林が素晴らしい)

登りだしいきなりの大岩を右へ捲き気味に登れば、あとは急なもののさしたる難場もなく、露岩にアセビ混じりの痩せた尾根を登っていく感じ。そして登るにつれアセビが少なくなってくると代わりにブナが増えてきて、いつの間にやら目を瞠るような素敵な自然林に変貌していました。

そもそも水根山直下から東へ、石尾根の尾根道と合流するまでの捲道は石尾根縦走路の中でも有数の自然林の美しい箇所で、先週の仁右衛門沢右岸尾根もそれを期待していたんですけど、この中間尾根はそれ以上というかその捲道のイメージそのままの感じで、そんな中を歩いているだけでなんか嬉しくなってしまいます。

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(大ミズナラを見ると捲道はすぐそこ)

当然の事ながらこちらも登るにつれ枯れたスズタケが出てきますが、この周辺は枯れ出したのが二年前とまだ新しいせいか2mを越すような丈のスズも残っていて、それがまた懐かしかったりちょっと嬉しかったり。

スズは徐々に濃くなり被ってますが、下道は明瞭。そんな中を周囲の木々を愛でつつのろのろ行き、やがて尾根上に立派な大ミズナラを見るとあっけなく捲道に飛び出しました。というかその大ミズナラはすでに捲道の脇に立っていて、これも見覚えのある木だったので、あーここに出るのか!と。(^^)

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(雪はうっすら・水根山への道すがら)

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(鷹ノ巣山を目前に・本日ここまで)

とはいえここまで来たらやっぱり上までということで、石尾根の稜線までもうひとがんばり。実働15分ほどで石尾根に這い上がると、防火帯の切られた広い尾根上にはうっすらと雪が残っていたのにはビックリ。

この時点ですでに13時近かったので適当なランチ場を探しつつ石尾根を西へ行ったんですけど、結局水根山を越えて鷹ノ巣山手前のkomado呼称「中尾根の頭」と呼んでいる1651m峰手前のピークまで来てしまいました。 ここまで来たら鷹ノ巣までという思いもなくはなかったものの、さすがにお腹が減り過ぎたし、ここは広い草地で展望も良く、ランチの適地なのでこの日はここまで、としました。

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(ダケカンバの裸木と青空が美しい)

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(榧ノ木尾根のひとコマ・Part1)

ここまで来ればあとは時間が読めるので気は楽、とはいえ日の短い時期ですので思いのままのんびりする訳にも行かず、リミットと目していた14時に腰を上げて下山開始。一旦捲道に降りてから榧ノ木尾根に入ります。

榧ノ木尾根は先月も降りたんですけど、その時は天気が良くなく少々不完全燃焼だったので、午後になっても晴れているこの日はここを下るのが本当に楽しみだったのです。

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(榧ノ木尾根のひとコマ・Part2)

もうここで何遍も言ってますけど、榧ノ木山までの自然林は素晴らしいし、榧ノ木山から下は美しい雑木林の許ふっかふかに積もった落ち葉道がこれまた心地よく、適当な距離もあって、ここは何度歩いても本当に楽しめますね。

そんなわけで、結構のんびり目に歩いてしまい倉戸山に着いた頃にはもう日がかなり傾いてもう日没も間近の様相。休憩もそこそこにあとは今回も日陰だった大麦尾根を駆け下りて奥多摩湖へ向かったのでした。

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(キミタチはなんで見はらしの丘の敷地内に入れてるの?)

しかし・・・水根沢源流部の自然林はなかなか素晴らしかったです。自然林の大きさで云うと結構狭いんでしょうけど、さすがは水源林。石尾根の南面にもまだまだ良い所がありますね。

とにかくこの日は天気に自然林に稜線歩きに展望にふかふかの落ち葉歩きに、とこの時期の低山歩きの楽しみのほとんどを味わえたような大変贅沢な一日。こんな山歩きをできた事に本当に感謝感謝の一日でもありました。 
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.12.18 (Sat)   晴(快晴に近い)
奥多摩湖 07:35- 水根沢林道入口 07:55- ハンノキ沢の滝 08:50/09:05- 三本ケヤキノ沢 10:00- 悪谷出合 10:20/10:30- 石尾根縦走路捲道 12:15- 石尾根尾根道 12:40/12:55- 1651m峰手前のピーク 13:15/14:00- 榧ノ木山 14:45- 倉戸山 15:35- 見はらしの丘ゲート 16:15- 奥多摩湖 16:35
 

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2010.12.14

奥世附歩道の探訪 その2・樅ノ木沢の右俣と左俣の間をのろのろ

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(奥世附歩道・1192m峰北鞍部附近)

さてさて、12月に入ってまだまだ暖かめとはいえそれなりに寒くなって、ようやく世附(世附川流域の山山)の山遊びが楽しい季節になりましたネ。(^^)

ということで日曜日(12/12)は4月以来となる奥世附歩道の探訪。今回は梅ノ木沢からではなく、金山沢と水ノ木沢の中間尾根上部の1192m峰北鞍部から西へ辿ってみたのですが、結果から云うとここまでは行きたいなと目論んでいたビリ沢歩道(樅ノ木沢ノ頭南尾根)どころか、樅ノ木沢ノ頭(1306m峰)へ突き上げる樅ノ木沢の左俣までもたどり着けずに、その二つ程手前の枝尾根までなんとか辿ってきました。

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(朝の甲相国境稜線)

先の週末は土曜に野暮用があってバスで道志に入れなかったので、今回もリッチに都留市からタクシーでスカイバレーキャンブ場の入口まで入って(¥8190)からのスタート。

先月の紅葉の時期は別のキャンプ場ですけどそれはそれは大盛況だったのに、この時期にしてはかなり暖かめとはいえさすがにこの日は誰もいません。さっそくクッキリ綺麗に見える富士を励みに前ノ岳~ブナノ丸へ上がったのですが、気になっていた雪はブナノ丸近くになってちょこっと出てくるぐらいでした。

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(1192m峰北鞍部附近の緩斜面)

ブナノ丸からは甲相国境稜線を西へ行き、金山沢と水ノ木沢の中間尾根のピークに着いた所で、目の前に見えるbさん呼称「いいくに山」(1192m峰)を眺めつつ奥世附歩道の通る北鞍部へ下ります。

じきに1192m峰北鞍部に降り立ったら、尾根を横切る奥世附歩道のかなり薄い道形を確認。今回はタクシーのお陰で早く登り出せたのでまずは北鞍部東側(水ノ木沢側)の緩斜面をゆるゆる散策してみると、周囲の林自体は若干荒れている印象ですけど、想像通りのゆっくりしたくなるような自然林の広がる素敵な所でした。

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(最初こそそれなりに道形を確認できたが・・・)

そんな光景を目の当たりにするとこのまま東へ引き込まれそうになりますが、今回は訳あって??奥世附歩道を西へ行きます。

歩道を辿り始めると歩き出しこそ道形らしきものがあったものの、間もなくの枝沢を渡り終えると例のごとく判別しづらくなり、斜面は徐々にスズタケが深くなってきます。

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(樅ノ木沢右俣1140m圏二俣)

それでもこの辺りはまだ何とかわかるような箇所もあって、スズや倒木を乗り越えつつ手持ちの施業図に近い形でのろのろ行くと小一時間程で樅ノ木沢の右俣に飛び出しました。

そこは1150m圏二俣のすぐ下で、そこから「道形らしきもの」を右岸に沿ってひと下りで出る二俣が1140mの二俣。ここは明るく小広い所で休憩もそこそこにまずはダニチェック。でもさすがに寒いせいかダニは殆どついていないことに一安心して、それから顔を洗ってようやく休憩です(笑)。

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(奥世附歩道の道形は本当に少ない)

左に大岩の塞ぐ沢を見上げると空は真っ青で爽快。本当に気持ちが良いです。でも爽快な気分になったのは天気が良いだけじゃなくて、久しぶりにズスタケにまみれながら歩いたので気分が少々昂揚していることもあったのでしょうね。

まぁダニが少ないとわかればあとは道形が薄かろうと、スズが煩かろうと、倒木が多かろうと個人的には無問題。(^^) ここから先も道形は殆ど消滅しているので施業図に近い形でトラバースしてきます。

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(モミの美しい枝尾根を横切り)

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(偵察途中に見つけた露岩より1192m峰)

とはいえ藪に倒木が煩い上に、今回は歩道のトラバースなので横切る枝沢・枝尾根を一つ一つ確認しつつ、高さを確認するために枝尾根を少し上下して偵察したりもするので、元々進まないのがより一層進まないのはまぁ当然と云えば当然の話。

おかげで↑↑こんな露岩の展望地が見つかったり、基本二次林の中でもちょっと美しい林が見つかったりと、想定外の収穫もあったので、こんなのもまぁ悪いことではないんですよね。

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(枝沢に降りると青空とスズタケの緑が美しい)

それでものろのろとしか行けないから、行く先に見えるビリ沢歩道(樅ノ木沢ノ頭南尾根)どころか、ここまでは問題なく行けるだろうと思っていた樅ノ木沢の左俣すらまだ先に見える状態ですでに12時過ぎ。もう三時間もかかってるのかよ(笑)。

まぁ4月の大ダルミ(大樽)から梅ノ木沢までの間だって一時間半かかっていた訳だから想像できなくはないけど、ここまで歩きづらかったとは・・・。

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(結局左俣へもたどり着けず、今回はここまで)

平野バスの事を考えると歩道を辿るのは14時がリミットと考えていたんですけど、とてもとても。藪潜りが続いたおかげでご飯も食べられず、かなり疲れてきたので、結局左俣の二つ手前の尾根(樅ノ木沢右俣970m圏二俣左俣1070m圏二俣左俣左岸尾根・笑)で今回は打ち止めにしました。

でも打ち止めとは云ってもここから国境稜線まで上がらなければ平野へ帰れないので、急な藪尾根をもうひとがんばり。奥世附歩道から稜線までの標高差はまぁ知れていて、30分ほどで国境稜線に這い上がりました。

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(かなり急な枝尾根を詰めていきます)

這い上がった所は樅ノ木沢ノ頭のちょい手前。でもここって今朝、国境稜線から降りた所から15分ほどで歩ける距離なんですよね。それをを5時間近く掛けて迂回してきたとは・・・我ながらなんともアホアホです(笑)。

それでもこういう歩きの後は妙な爽快感があってこれはこれで良いものです。気分が落ち着いたら入念にダニチェックをして、ようやくランチにありつき、あとはヘロヘロになりながら平野へ向かったのでした。

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(甲相国境稜線・樅ノ木沢ノ頭附近)

そうそう、この日は予定より早く下山したので山伏峠を下った辺りから高速バスの予約をしたんですけど、「席は取れるモノ」と思い込んでいたら16時台の旭日丘発はおろか、なんと17時台の平野発の終バスまで満席だったのは全くの想定外でした。

こんなのは初めての出来事だったんですけど、バスの台数を減らしたのか単に利用者が増えたせいなのか。理由は今のところわかりませんが、早めに下山したお陰で16時前の吉田行き路線バスにに乗れたのは幸いで、これでこの日平野の終バスをあてにして行動していたら大変なことになっていました。まぁそうなっても石割の湯へ行ってヒマを潰せば良いと言えば良いんですけどネ。
 
 
奥世附歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。相変わらずしつこいぐらいに余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。
 
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.12.12 (Sun)   晴 時々 曇
スカイバレーキャンブ場入口 07:20- 前ノ岳 08:10- ブナノ丸 08:30- 1192m峰北鞍部 08:55/09:10- 樅ノ木沢右俣1140m圏二俣 10:20/10:40- 樅ノ木沢左俣手前の尾根 12:45- 甲相国境稜線 13:15/13:45- 石保土山 14:15- 山伏峠 14:50- 平野 15:45
 

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2010.12.10

水根沢から新雪の石尾根へ

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(上が折れた?大ミズナラ・仁右衛門沢右岸尾根上部にて)

いやいや今までが暖かすぎたせいもあって、7日の降雪は実のところあまり現実感がなかったりしたんですけど、なぜか今日は一人金曜隊ということで雪の様子見で珍しく続けて石尾根へ。

ということで今回は水根沢林道から水根沢 仁右衛門沢右岸尾根を登って石尾根に上がり、あとは東へ尾根伝いに将門馬場、六ッ石山、そして二年ぶりに奥多摩駅まで通しで歩いてきました。

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(水根沢・仁右衛門沢出合)

しかし今日も冬らしい良い天気でしたね。とはいえこんなスッキリ晴れ上がった好天の許歩くなんて、山行きがあいてしまったこともあって、かなり久しぶりにような気がします。

そして今回はかなり珍しく水根からのスタート。水根バス停の気温は2℃とキリッとした空気が心地よく、これまたかなり久しぶりに水根沢林道に入ります。

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(仁右衛門沢右岸尾根下部はツガ・モミが目立つ)

水根沢林道は「花のひかり」を始めてからは初めてで、道中の植林の多さもあっておそらく七、八年は歩いてなかったと思います。そんな訳で実際の道中もやはり植林は多かったのですが、落葉を終えた時期のせいか想像よりは少ないかなぁという印象でした。

歩き出しからずっと水根沢の左岸を通っていた道が、木橋を渡って右岸に移ってしばらく行くと、左岸側から滝の掛かる沢が見えてきますがそれが仁右衛門沢。ここで水根沢林道を離れて水根沢に降り立ち、飛び石で対岸へ渡ったらさっそく右岸尾根に取り付きます。

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(1250m近くになると雪が出てきた)

取り付けこそ大岩で若干登りづらかったのですが、尾根に取り付きのっけの急な登りをこなして尾根が緩むと、モミやツガの目立つ岩屑混じりになって若干歩きやすくなりました。

しかしそんな黒木の多い箇所も短く、じきに落葉を終えた雑木林の中をゆるゆる行くようになります。

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(右岸尾根上部は枯れたスズタケが残っている)

登っていくと対岸の榧ノ木尾根の上部はまだ白くて、良い感じ。こちらは南面だから雪が出てくるのはまだしばらくかかるだろうと思っていると1250mを過ぎると、おっとこちらにも白いのがちらちら出てきました。

そして左手から明瞭な尾根が合わさると、こちらもうっすらながらも雪が続くようになってちょっと良い気分。しかも尾根左側はミズナラやブナの素敵な自然林に変わって、この辺りが仁右衛門沢右岸尾根のハイライトでしょうね。

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(右岸尾根から石尾根に出た所)

登っていくとやがて枯れたスズタケが出てきましたが、下道は細いながらも明瞭でさほどの難なく歩けます。そしていともあっけなく縦走路の捲道に出たら、やはりココまで来たら最後まで尾根通しという事で最後まで登りつめました。

とはいえ捲道のすぐ上が石尾根の稜線なので時間にしたら僅か数分といった程度。出た所は見覚えのある大ブナの立つ所で、あぁここに出るのか!と思わずで独りで納得。

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(六ッ石山への道すがら・積雪は5cmほど)

そんな仁右衛門の頭と呼びたくなるような所で少し休んだら、天気も良いし鷹ノ巣へ行きたい気持ちを抑えて、石尾根を東へ行きます。

稜線で積雪は5cmほどでしょうか。雪も締まって歩くに支障のない程よい積雪で、天気は良いし雪の感触も心地よく、とにかく歩くのが楽しい!(^^) なので下の縦走路へは降りずにこれまた久しぶりに尾根伝いに将門馬場へ上がってしまいました。

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(鷹ノ巣山方面はさすがに白い・六ッ石山より)

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(塩見岳と白根三山・六ッ石山より)

縦走路こそそれなりに足跡があったものの、六ッ石山はボク以外には一人分の足跡があるだけでビックリ。ココは富士は見づらいけど、南アはそれなりに見えて、甲斐駒から塩見の稜線が今日はクッキリ。

以前だったら白根三山以南は歩いてないんだよな~、って思っちゃうんですけど、いつの間にやらボクも一応聖までは歩いているんですよね。なんか人ごとのようないい方ですけど。

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(六ッ石山山頂)

そんな訳で本来は六ツ石でランチの予定だったんですけど、風が強くて寒いので今回は自重してもう下山です(笑)。

雪も狩倉山からの急降下を終えるとなくなって、しかも人が通る前に雪が溶けてくれたせいか道はグチャグチャにもなっていなくてこれはラッキーでした。

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(三ノ木戸山附近・右は御前山)

今回は久しぶりに将門馬場を歩いたので、10年ぶりぐらいに三ノ木戸山にも寄ってみましたが、防火帯に雑木の広尾根がなかなか楽しいですね。

しかもこちらに寄ったお陰で暖かくてしかも富士の見えるポイントでランチも取れたし、たまには石尾根の東端も良いものだと、短いながらも満ち足りた気持ちで奥多摩駅へ向かう事ができました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.12.10 (Fri)   晴 
奥多摩駅 08:04→ 水根 08:20- 仁右衛門沢出合 09:40/09:45- 石尾根縦走路(尾根道)11:00/11:10- 六ッ石山 11:45- 三ノ木戸山 12:20/13:00- 奥多摩駅 14:20
 

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