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2010.11.27

落ち葉薫る、晩秋の石尾根

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(石尾根縦走路のひとコマ・Part1)

いや~勤労感謝の日(11/23)は雨後の好天が狙えって久しぶりに石尾根を訪れたんですけど、石尾根って丸一年ぶりだったんですね。歩き終えてから気がつきました。(^^ゞ でもここまで間が開いてしまったのって山ブームになってしまったことが大きかったのかも。東日原から鷹ノ巣へ登る人の多さにビビって・・・。

ということで今回はネズミザス沢右岸尾根~カラ沢尾根を登路にとって鷹ノ巣山に上がり、あとは榧ノ木尾根~大麦尾根を辿って奥多摩湖へ下るコースを歩いてきました。

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(ネズミザス沢)

この日の朝はまだ雨が残っていたので珍しく3番バスに乗ってのスタート。まずは稲村岩尾根の登山道を辿って橋を渡り、日原川に降りたら次は河床歩きでネズミザス沢の出合を目指します。しかし途中の滝の掛かる小沢の出合に出た所でそのまま行けなくなってしまったので適当に捲きだしたら、今度は少々上がりすぎてしまったようでネズミザス沢に出たのはいいんだけどそこにはなんと滝が・・・。

しょうがないのでもう一段高捲こうとしたら、すぐに尾根を横切る明瞭な道に飛び出して驚きました。でもよくよく考えてみたらネズミザス尾根を歩いたときに山腹を東へトラバースする道が分かれていた事を思い出して、おそらくその道なのでしょう。これ幸いとさっそくその道を辿ってみるとネズミザス沢を渡り、あっけなくネズミザス沢右岸尾根の尾根上に上がってしまいました。

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(ネズミザス沢右岸尾根の伐採地より)

のっけはネズミザス尾根と同様にツガやモミの黒木が目立つ感じでしたが、間もなく植林帯に入ったもののそれもひと登りで抜けると雑木林に変わり、伐採跡に出ます。

この伐採跡は日原に通っている人ならおわかりでしょうけど、東日原のバス停からでも大きく見えているもので・・・ということはこちらからは↑↑のように日原の集落を俯瞰できる訳で、ここはカラ沢尾根の待ってろ岩峰をちょっと思い出してしまいました。

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(ネズミザス沢右岸尾根・明るい雑木林が続く)

そんな伐採跡を過ぎるとあとは若干急ながらも雑木の広尾根を登り詰める感じで、お隣のカラ沢尾根やネズミザス尾根とは違った明るい雰囲気だったのが印象的。

そしてちょっとした岩を見るとすぐ上でカラ沢尾根と合流。ここでようやく晴れ間が覗いて日差しも入るようになってきて、きれいに晴れることを期待をしつつなおも登っていきます。

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(カラ沢尾根上部にて)

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(石尾根縦走路のひとコマ・Part2)

カラ沢尾根の左側にしつこく付きまとっていた植林がなくなり、素敵な自然林を見るようになると、次第に青空が広がり日当たりが良くなって・・・こうなるとどうしても気が急いてきますネ。

そしてようやく石尾根に飛び出すと、あ~残念!南側は緞帳が掛かったような雲の壁が立ちはだかっていて、展望はX。でもこのカラ沢ノ頭から鷹ノ巣山までの石尾根の防火帯は周囲の自然林を愛でつつゆるゆると歩けて、いつ訪れても良い所です。

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(石尾根縦走路のひとコマ・Part3)

行きがけの電車バスも乗客が少なかったお陰で、尾根上はなんとも静か。それに雨後の晴天のせいか尾根上には落ち葉の薫りが立ちのぼり、それと落葉を終えた裸木の様子と相まってすでに晩秋どころか初冬の風情が好ましいというか、そんな中を歩いているとその風情がじわじわと身に染みこんでくる感じです。(^^)

そんな訳で自然とのんびりモードになってしまったせいか小一時間かかってようやく鷹ノ巣山に到着。こちらも目論見通り人はまばらでしたけど、南側の雲はもちろん取れません。

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(鷹ノ巣山より・蛭ヶ岳辺りは何とか姿を現した)

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(枯れたスズタケの奥に青々としたスズタケ・この差はいったい)

何とか晴れてくれないかなぁ、とランチ中は山頂で粘っていたんですけど、蛭ヶ岳辺りは姿を現したものの、だんだん曇って日差しもなくなってしまったので小一時間程で諦めて下山する事にしました。

今回の下りはお馴染みの榧ノ木尾根なので来た道を戻り、下の捲き道に降りたんですけど、もう全て枯れていると思っていた周囲のスズタケが↑↑のようにまだ残っている箇所もあって驚きました。しかし葉を落として枯れてしまうのと、生き残っているスズの差って一体どこから来ているのでしょうね。不思議です。

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(榧ノ木尾根・榧ノ木山への道すがら)

さて一年ぶりとなる榧ノ木尾根ですが、例年より歩く時期が遅れたせいか完全に落葉して、紅葉がない代わりに尾根上は落ち葉の積もったふかふかの道に変わっていました。

そんなふかふかの落ち葉道を延々と楽しめるのが、この晩秋以降の榧ノ木尾根の魅力の一つ。もちろん展望は楽しめないけど、これで午後の傾きかけた日差しがあったらよりいっそう雰囲気があったでしょうね。

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(榧ノ木尾根・中腹辺り)

そんな楽しい落ち葉道がまだまだ続いて欲しいなぁと思うようになると、あっけなく倉戸山の広い山頂に出てしまいました。ここでパンを食べつつ最後はどこへ下ろうかと考えたんですけど、ちょっとした理由から今回は大麦尾根を下ることにして、まずは倉戸口方面の道へ入ります。

意外に赤の落ち葉が多いことに驚きつつ降りていくと、盛りを過ぎながらも紅葉も徐々に出てきて、遠目で見えるオレンジの山肌はコナラでしょうか。なかなか綺麗でした。

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(広々とした倉戸山山頂)

そして950m峰の手前から適当に大麦尾根に入ったら、あとは急ながらもこれまたふかふかの広尾根を彷徨いながら下るだけ。大麦尾根は東向きだから歩くなら本当は朝のうちが良いんでしょうけど、まぁこれはコースどりの都合上しょうがないですね。

とにかく尾根上には植林がないので急な割に足に優しいのも良い所で、まだ残っていたオオモミジやイロハモミジの紅葉を愛でつつ降りていきます。

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(見はらしの丘上部より奥多摩湖を見下ろす)

右手に見はらしの丘の柵が見えたらここで右手に下ると、おぉ!今回はスムーズに扉を見つかり一安心。まだまだ色づいている奥多摩湖を見下ろしつつ、散策路を下って奥多摩湖を目指したのでした。
 
 
あっそうそう。今まで書き忘れていましたが、一般的にはもうすでに猟期に入っていますこれから一般的には二月の半ば、そして東京都の水源林周辺では少なくとも三月いっぱいまでは気が抜けませんね。クロスケに襲われてなくなった話は聞きませんけど、猟銃は撃たれて場所が悪かったら一発です。この手の山歩きをされる方々に於かれましてはくれぐれもお気をつけください、というかボク自身も気をつけなければ。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.11.23 (Tue)   曇 時々 晴 
奥多摩駅 08:35→ 東日原 09:00- ネズミザス沢 09:40- カラ沢尾根と合流 10:40- カラ沢ノ頭 11:55- 鷹ノ巣山 12:45/13:35- 榧ノ木山 14:15- 倉戸山 14:50/15:00- 見はらしの丘ゲート 15:35- 奥多摩湖 16:00
 

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2010.11.24

雑木林を楽しみつつ歩く高柄山

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(高柄山東尾根・上部は雑木林が美しい)

紅葉が終盤にさしかかると確かに前道志を歩く好機ではあるんですけど、それでもこの時期に前道志の辺りを歩いたのって何年ぶりでしょう。今回は訳あって(笑)高柄山で集合がかかり、それにあわせての山行きで、高柄山までのコース取りをどうしようかかなり悩んだ結果・・・

今回は藤野の杉西から秋山川橋を渡って高倉山~金剛山~田野入峠(天神峠)まで稜線伝いに歩いたら、一旦南の田野入に降り、車道を金山方面へ歩いて高柄山東尾根(東稜)を登り返して高柄山に上がり、あとは北尾根(北稜)を下って杖突、そして四方津駅に出るコースを歩いてきました。

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(秋山川橋より桂川側)

藤野に出るのは冬の蛭ヶ岳以来でしたけど、時間が遅いことも事もあって陣馬山絡みで凄い人出でしたが、奥牧野行きのバスに乗るハイカーは当然ながら私一人。エアリアに従って杉西で降りたんですけど、駅からさほど遠くないこともあってこの辺りもまだ住宅街の感じなんですね。

そんな訳でそそくさと歩き始めたら実はここから秋山川橋へ下る道を探すのが大変で、下降路は県道を東野方面へしばらく歩いた所の右手に藪が若干被る道が延びているのがそれでした。エアリアでは車道のように記されていますが実際はろくすっぽ利用されてないような感じではあるものの明瞭な山道です。エアリアのうそつき。

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(高倉山への道すがら)

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(オオモミジ)

想像よりかなり立派だった秋山川橋で対岸へ渡り、芝田らの道と合流すれば、しばらくは明瞭な登山道を辿る段取り。尾根上に上がる前は一旦植林帯に入ったものの、それもすぐに抜けて雑木林に変わると見頃に入った紅葉を見ながら歩けます。メグスリノキやイロハモミジなど赤いのも意外に多くてちょっと嬉しかったかも。

尾根上の明るい雰囲気も良いですし、丹沢はガスってましたけど、周囲の展望がちょこちょこ楽しめるのも良いですね。

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(金剛山・・・491m峰の方)

エアリアの金剛山を過ぎ、しばらく行くと県境の辺りで登山道は藤野の方へ下ってしまいますが、さすがに尾根筋は藪が若干被ってくるものの踏跡は明瞭。こちらも金剛山とされる491m峰からも北へ明瞭な道が延びているようですね。

491m峰を過ぎると尾根は田野入峠へ向け急降下。露岩の痩尾根が続いてここの下りは少々スリリングでなかなか面白かったです。

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(田野入峠の馬頭観音像)

いくつか小ピークを越えながら降りていくと明瞭な切り通しの鞍部に降り立ちましたが、ここが田野入峠(天神峠)でした。峠の西側に鎮座していた馬頭さまの穏やかな表情が印象的です。

本来ならこの先もそのまま尾根伝いに歩きたい所ですけど、今はゴルフ場ができているので今回は一旦南の田野入へ峠道を降りてみましたが、下まで5分とかからないんですね。坂下バス停のすぐ下手に出ました。

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(高柄山東尾根下部より田野入峠~金剛山~高倉山の稜線)

一旦県道に出たらしばらくは車道歩き。この日は待ち合わせがあった上に歩き出しが予定より30分遅れていたので、落合の集落を通るのは泣く泣くパスして、新しいトンネル経由で高柄山東尾根の取付けへ。

例によって正確な取付がわからないので適当に取り付いてみましたが、登りだしはかなりの藪だったのでおそらく不正解だったのでしょう(笑)。でも藪も僅かな距離で、急な登りをこなすとじきに東尾根上に出ました。

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(東尾根上部のひとコマ・Part2)

ここまで来ればあとは東尾根を辿るだけ。しかし歩いてみると東尾根も植林が意外や少ないんですね。特に金山からの登山道をあわせてからの雑木林が見頃の紅葉と相まってとにかく美しかったです。前道志でもここまで植林の少ないコース取りができた事は失礼ながらも驚きでした。

そんな様子に気分を良くして歩いて行くと、徐々に人の声が聞こえてきて高柄山に到着。そこにはすでにぴよぴよさん、takigoyamaさんカセージンさん、タカさん、そして今回の企画の首謀者でもあるかずさんとみんなお揃いで待ってくれていました。<(_ _;)>

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(高柄山北尾根上部にて)

早い人はもう10:30位には山頂に着いていたと言う事で、タカさんからおにぎりをもらって軽く昼食を摂ったらここからが今回の本番??で、今回の企画というのはかずさんが7月にクロスケ(というかクロ子?)に襲われた現場を尋ねて北尾根(北稜)を歩くというもの。

まぁカズさんが襲われた日はボクも偶然近所(塩瀬沢)を歩いていたし、そもそも山に入るという事はクロスケのテリトリーに入らせてもらう事でもあるのに、クロスケが出たのどうのと必要以上に騒いでいる風潮に憤慨して過去に何度かわざとそう言う現場へ赴くようなことをしてきたボクでも、今回のはさすがに世の中ナメ切った企画でしょーとは思ってはいたんですけど、

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(467m峰周辺は藪がうるさい)

下り出しでいきなりの歓迎ビラに一同大爆笑。

あとはいろいろ話したり、途中でカモシカを見かけたり(ボクは見られませんでしたが)、takigoyamaセンセによる木のレクチャー会があったりとゆるゆる下りつつ、現場ではかずさんが再現したりと(笑)・・・まぁいろいろありました。

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(北尾根下部のひとコマ)

そんなこんなで何事もなく無事に麓の杖突に降り立ったらあとは四方津駅へ向かうだけだったんですけど、こちらの方は皆さん親切ですねぇ。離れた民家に置かれていた草の束をこれは箒草なのかどうなのかと話していたら、民家にいた方が聞こえていたのかこれが箒草ですよと教えてくれたり、

かずさん襲われた当日にお世話になった地元の方々にも偶然会えて、お礼やら現状報告をできたのがなにより良かったし、部外者の私たちもいろいろ良いお話を聞かせてくれたのもよかった。

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(杖突の集落より扇山・四方津御前山)

おかげで四方津駅までの帰路がなんとも言えない良い気分で帰れたのは、かずさんの人徳・・・かどうかはわかりませんが(笑)最後の打ち上げも楽しく、参加者のみなさまいろいろありがとうございました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.11.21 (Sun)   晴 時々 曇 
藤野駅 08:25→ 杉西 08:35- 秋山川橋 08:45- 高倉山 09:15- 金剛山(491m峰)10:05- 田野入峠(天神峠)10:30- 高柄山東尾根取付 11:00- ホウジ丸 12:05- 高柄山 12:25/12:50- 467m峰 14:00- 杖突 14:50- 四方津駅 15:40
 

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2010.11.16

錦繍の世附・大栂東面からイデン沢の懐へ

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(城ヶ尾歩道・大栂北東尾根を横切る辺り)

それなりに涼しい日が続いているせいかここへ来て紅葉の進み具合が早くなってきて、先の週末で1000mあたりでしょうか。日原でこのレンジはかなり悩んでしまうんですけど、よく考えてみるとこのレンジってちょうど城ヶ尾歩道のラインじゃん!って事に気がついて、日曜(11/14)は半年ぶりとなる世附(世附川流域の山山)でした。

と言う事で今回はサガセ西沢から菰釣山に上がり、大栂へ南下した後、大栂の短い北東尾根(これもイデン沢900m二俣中間尾根になってしまう・・・)を下って城ヶ尾歩道に。それからまずは北のイデン沢(菰釣沢)1000m二俣まで歩道を辿ってから引き返して、一月の初訪の折りに雪で今ひとつわからなかった大栂東尾根(イデン沢780m圏二俣中間尾根)までの歩道を確認しつつトレースし、東尾根に上がったらまた引き返して、途中から適当にイデン沢に降り、沢伝いに900m圏二俣右俣に入って今回も大ケヤキの緩斜面へ。それから再び城ヶ尾歩道をシキリ尾根まで辿り、シキリ沢右岸尾根を下降。忍橋に降りたら地蔵平に出て、西尾根を伝って屏風岩山へ登り返し、東尾根を下って大滝橋へ出る、という文字面だとかなりややこしいコースを世附の紅葉愛でつつのんびりと歩いてきました。

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(菰釣山から大栂への道すがら)

今回は日曜という事もあり久しぶりに大枚はたいて都留市からタクシーを走らせ、なんとサガセ西沢ゲートまで(¥8090・ツルタクシーさんありがとう。そして教えてくださったKさんありがとうございました!)出てからのスタート。そのおかげで菰釣山に着いたのも8時過ぎと・・・これって普段ならまだバスの車中にいる時間ですよっ!

さすがに山頂附近は落葉寸前の状態でしたが、天気は今ひとつながら山頂からは富士や南アがクッキリと見えたのは意外でこれは幸先が良いカモ。少し休んだらさっそく南の大栂へ向かいます。

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(大栂より菰釣山)

シキリ尾根はもちろん素晴らしい尾根だけど、菰釣山の南尾根だって大栂までは負けずに素晴らしい所です。毎度のごとく周囲のブナにひかれて、ついつい寄り道しながら降りていく感じになってしまうのはもうしょうがないですね。

そして降りていくにつれ紅葉も徐々に復活。まぁ枯れかけのブナだって大まかに言えば紅葉の類だし(笑)、コハウチワは終わりかけだったものの、コミネカエデの真っ赤に色づいた紅葉が多くて道中はなかなか見応えがありました。

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(大栂北東尾根・若いイヌブナが多い)

そして大栂に着いたらまた一休みして(笑)それから短い北東尾根の下降に移ります。この尾根は短いながらも周囲から見るとなかなか優美に見せていて気になっていたんですけど、意外や尾根上は若いイヌブナが多いですね。これはすぐ下に城ヶ尾歩道が通っていることと無関係ではなさそうです。

でもここは尾根上よりも尾根の両サイドの林に紅葉が本当に素晴らしくて、できることなら晴れて欲しかった。それに尾根上のスズタケこそ薄かったものの、なぜかお約束のダニがひっついてきます。でも大栂までの道の方が藪は濃かったのにダニなんてつかなかったぞ。この差はいったい何なのか・・・本当に不思議だ。

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(大栂北東尾根のひとコマ・Part2)

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(イデン沢<菰釣沢>1000m圏二俣・黄葉はチドリノキ)

当初はスズタケが薄かった尾根上もイデン沢の沢音が聞こえてくる頃から徐々に濃くなってきますが、それでも程度としては知れたもの。途中立派な大モミを見つけたりとなっかなかスムーズに降りさせてもらえません。

それでもじきに明らかな切り開きとなっている城ヶ尾歩道に降り立つと、歩道からイデン沢の斜面もまた見事な紅葉に覆われていて、ビックリするやら嬉しいやら。沢に沿って黄色に彩るチドリノキはもちろん見事なんですけど、目をひいたのはメグスリノキの赤。高木ばかりでうまくカメラに収められなかったのは残念でしたが、まさか世附でここまで赤を楽しめるとは想像以上でした。

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(城ヶ尾歩道・大栂東尾根へ向かう道すがら)

城ヶ尾歩道に出たら、まずは北の1000m圏二俣へ向かってから来た道を戻り、チドリノキの見事な黄葉輝くケヤキ並木の中にあるケヤキのご神木さん?にももちろんご挨拶。そして「大栂南東尾根から派生する尾根群と大栂から直接派生する尾根群を分ける沢」に着いたら、ここから一月の初訪の折りに雪でうまく探せなかった大栂東尾根までの歩道をトレースすべく登り返します。

さすがに雪がないとこちら側にも道形はそれなりにあって、きちんと辿れて拍子抜け。実際の歩道は一月に下った箇所よりも一段下を通っていました。

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(大栂東尾根1050m圏附近)

結局先ほどの沢から20分とかからず大栂の東尾根に到着。ここから東尾根を忍橋まで下るのはさすがに早すぎてあんまりなので、またまた来た道を引き返し(笑)途中からは城ヶ尾歩道からも外れて、緩斜面を拾いつつ適当にイデン沢へ。

このイデン沢へ降りる箇所も、ブナにケヤキ、イタヤカエデなどの立派な木々が見られてなかなか素敵な雰囲気でした。

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(イデン沢940m圏二俣右俣を行きます)

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(今回も大ケヤキでランチ ^^)

そしてイデン沢に降りたら城ヶ尾歩道へは戻らず、沢伝いに900m圏二俣の右俣に入り、一路大ケヤキへ。そおいえばイデン沢も城ヶ尾歩道もかの豪雨の影響があまりないことに実はこの辺りでようやく気がついたんですけど、ホントそんなことを思い出させないほど荒れている様子がないんですよね。

というわけで大ケヤキの緩斜面も変わった様子はなく、今回もここでランチと相成りました。(^^)

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(メグスリノキ)

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(城ヶ尾歩道のコル<イデン沢840m圏二俣中間尾根>)

ランチを終えたら、緩斜面を適当に上がって斜面を横切る城ヶ尾歩道を捉え、歩道を東へ辿ります。

ここから先も荒れている箇所は以前から荒れていた箇所で、豪雨後に荒れた箇所はほぼ皆無。もちろんスズの煩い箇所もあるけど、ここも対岸や山肌に見える紅葉がとにかく見事で、そんな様子にか細い歩道をついついよそ見しながら歩いちゃうから、危ないことこの上ありません。

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(オオモミジ)

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(シキリ尾根に上がりました)

そしてシキリ尾根に上がったらあとはもうお馴染みのルートで、すぐ先のシキリ沢の源頭ピークまで降りてからシキリ沢右岸尾根の方に入ります。

右岸尾根の方は途中の植林帯に手が入ったおかげで明るくなっていて驚きましたが、これは嬉しいことですね。紅葉は右岸尾根ももちろん楽しかったのですが、意外だったのが富士見林道に降り立ってから忍橋へ戻る間の赤の多さでした。

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(ウリハダ・・・ではなくホソエカエデ)

ここでようやく出てきたイロハモミジに、真っ赤なウリハダだなぁと思っていたのは実はホソエカエデ(念のため落葉をカメラに収めておいて良かった)で、そして橋の奥にはメグスリノキ。豪雨後の様子見で立ち寄っただけなのに、忍橋は富士見林道で一番赤を楽しめる所?なのかも??

そして忍橋から地蔵平へ向かうと、土砂や倒木が道を埋めている箇所かいくつかあって、ここまで下るとさすがに豪雨の影響が垣間見られます。富士見林道は去年からずっと改修をしていて、忍橋の手前辺りは簡易舗装まで施されていたのに、それもこの豪雨で残念ながらおしゃかの様相です。

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(富士見林道は豪雨の爪痕が深い)

林道は酷いことになっていたけど、それでも頭上の紅葉・・・特にイロハモミジはどれも綺麗に色づいており、植林の多い地蔵平の辺りも、その赤が周囲をいい具合に彩りを添えて良い雰囲気でした。

さて地蔵平に着いたのが14時30分。この時間だと日の短い今の時期は道志歩道(さかせ古道)か大杉歩道で細川橋に出るのが穏当な線なんですけど、今までの紅葉の良さに欲張りしたくなって結局 屏風岩山へ登り返してしまいましたー(笑)。

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part1)

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part2)

屏風岩山西尾根ももちろん紅葉は盛りで、しかも時折晴れ間も出てくるようになったのは神の御業なのでしょうか。そんな光景に出逢えたことに感謝しつつ、後は日没との競争をしつつ東尾根を駆け下ったのでした。

去年、紅葉の時期にシキリ尾根を下ったときは赤が本当に少なかったので、実のところ今回赤は全く期待してなかったんですけど、実際に歩いてみたら先週のタワ尾根以上に赤を楽しめた一日になったのは全くの想定外でした。でもこれで晴れていたら最高だっただろうな・・・。来年こそはそんなタイミングで紅葉を楽しみたいですね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.11.14 (Sun)   曇(薄日もちょこっと) 
サガセ西沢ゲート 07:25- 菰釣山 08:15/08:25- 大栂 09:05/09:20- イデン沢1000m圏二俣 10:05/10:10- 大栂東尾根1050m圏 10:30/10:35- イデン沢940m圏二俣右俣の緩斜面(大ケヤキ)11:30/12:15- シキリ尾根1030m圏 12:55- 忍橋 13:45/13:55- 地蔵平 14:30/14:40- 屏風岩山 15:45/15:50- 大滝橋 16:50
 

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2010.11.10

錦繍の日原・タワ尾根下部をゆるゆるお散歩

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(金袋山附近・中三日でここまで色づいた)

先週末は笹一オンリーのつもりでしたが、当初の予報が悪かった日曜も午後から晴れる事になって、これは・・・と久しぶりに連荘してしまいました。(^^ゞ

ということで翌日曜(11/07)は紅葉が見頃になったタワ尾根中下部の様子見で、小川谷 伏木窪左岸尾根(峯小屋尾根)を登路にとって金袋山に上がり、篶坂ノ丸を往復したあとはタワ尾根をそのまま下るショートコースを歩いてきました。

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(伏木窪出合附近・伏木窪左岸尾根末端部の様子)

この日は4、5年ぶりにホリデー快速&四番バスで日原に出たんですけど、紅葉の最盛期とあって物凄い人出ですね。あまりの人の多さに帰りかけましたよ(笑)。とはいえ4番バスではハイカーもバス一台に収まり、東日原から歩き出せば今回は遅すぎたせいで一人旅といった所でしょうか。

見頃になりつつある紅葉を愛でつつ小川谷林道をモノレールの車庫辺りまでてくてく歩いて、適当に小川谷に降りればそこは伏木窪出合のすぐ上辺り。さすがに小川谷は飛び石では無理でしょうがなし靴をぬいで徒渉しましたが、11月ともなるとさすがに水はかなり冷たく細身の体にはかなり堪えます。今回はここの徒渉が一番の難所でした。

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(こりはなんの頭??伏木窪左岸尾根にて)

対岸に渡ると、下流側にはすでに左岸尾根が延びていて、高捲くように左岸尾根に取り付きます。左手にワサビ田の続く伏木窪を見つつひと登りで下道(下段歩道)を突っ切ると予想通り植林が優勢になってきます。

それでも意外や植林だけではなく雑木林も交えるので思ったよりは悪くありません。途中↑↑のような動物なのか魚なのかの頭のような大岩があったりして見所もあるかも。そして個人的に非常に気になっていた上段歩道のモノレールはここまでは来ていませんでしたが、取付にあった工事の掲示板によると工事は「フシギ窪」と書いてあったので、軌道はおそらく伏木窪辺りまでなのでしょうね。

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(伏木窪左岸尾根、金袋山直下の緩斜面・Part1)

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(イタヤカエデ・伏木窪左岸尾根、金袋山直下の緩斜面・Part2)

周囲がカラマツ林に変わるとすぐに掛小屋跡からの巡視路を突っ切り、ひと登りでようやく自然林に変わってまもなく飛び出した緩斜面が左岸尾根のハイライトでしょう。ミズナラやイヌブナにブナ、そしてイタヤカエデの立派な木が林立し、紅葉も丁度見頃な思わず「うひょひょひょひょ」と口走ってしまうような素敵な所。

そんな中をおサルを追いつつしばらく周囲を散策してから、先ほどの掛小屋からの巡視路を再び突っ切って登り詰めれば、そこは丁度金袋山の広い山頂でした。

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(金袋山山頂)

さすがに紅葉の最盛期とあってタワ尾根には団体さんがいらっしゃいますねぇ。それでも尾根が広いのでさほど気にならないのが不思議です。この辺りから予報通りに日差しも出てできたので、とりあえず篶坂ノ丸へ向かいます。

タワ尾根はわずか4日前に歩いたばかりなのに、紅葉は予想よりも進んでいてかなり楽しめました。

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(篶坂ノ丸への道すがら)

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(篶坂ノ丸にて)

ここでもパーティさんが休んでいた篶坂ノ丸の辺りはすでに盛りを過ぎた感じで落葉も進んでいて少々明るくなっていました。この山は山頂だけでなく、ピークの周りに広がる自然林も楽しいので、ぐるりと回ってそんな林を見てから軽くランチ。

ランチを終えたら今度は来た道を戻り、タワ尾根をそのまま下って行きます。

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(ウリハダカエデ)

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(人形山への下りしな)

篶坂ノ丸にいたときは一時的に曇ったりもしてたんですけど、下山を始めると再び日も出てくれて、日に照らされて輝いた紅葉を愛でながら歩けたのがとにかく嬉しかったです。(^^)

そして一石山の辺りも紅葉は見頃に入っていて、傾きかけた西日の色に照らされて木々が輝く様子はすでに晩秋の雰囲気。どこかもの寂しげにみえるようなこの時期ならではの捨てがたい風情で、こんな光景もボクは大好きです。

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(一石山も見頃になった)

一石山からは燕岩へ向かい、周囲の山肌の紅葉を十二分に堪能したら一路東日原へ。この日は「みんなのいえ」も久しぶりに開いていたので、おかげでプレミアムモルツの生ビールで山行きを〆ることができました。(^^)

しかしこの日は帰りの人出も多かったなぁ。個人的には長時間並んでまでしてバスの席に座る気は全くしないんですけど、それよかビールを飲みつつのんびりと一日のの反芻もしていた方がよほど山行きのフィナーレに相応しい。それに行きのバスは座りたいけど、帰りのバスは座れなくても平気なんですよね、不思議なんですけど。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.11.07 (Sun)   曇 後 晴 
奥多摩駅 09:35→ 東日原 10:00- 伏木窪出合 11:00/11:20- 下段歩道 11:30- 上段歩道 12:00- 金袋山 12:45- 篶坂ノ丸 13:05/13:25- 一石山 14:20- 日原鍾乳洞 15:00- 東日原 15:25
 

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2010.11.08

浜立山へ・黄葉の森をのんびりと

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(浜立山南尾根のひとコマ)

笹一酒造
の新酒フェアに合わせた山行きもいい加減ネタ切れ気味で、毎年この時期になるとあれこれ悩んでしまうんですけど、それでもあのお酒は美味しいですからね。何とかコースを組んじゃう訳ですよ(笑)。

ということで土曜日(11/06)は久しぶりの南大菩薩辺り。今回は浜立山南尾根の単なる再訪ではなく、未踏だった柏木沢(おそ沢・三ノ沢)右岸側の南尾根の主尾根の方を登路に採って浜立山に上がり、浜立尾根を末端まで降りるショートコースを、木々の黄葉愛でつつのんびりと歩いてきました。

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(朝の浜立山南尾根と滝子山南尾根)

いや最近は本当に山歩きがブームらしくて、出足がちょっと遅いと怖ろしい人出になってしまうので少々早めの電車で笹子に出たんですけど、それでも紅葉シーズンとはいえ一頃に比べたらこの電車でも結構な人出です。

まずは南尾根の取り付けを目指しての車道林道歩きですが、好天のお陰でまぁそれなりに楽しめて歩けたのは良かったです。

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(浜立山南尾根のひとコマ)

今回は主尾根を登るつもりなので大鹿林道を東へしばらく行ってから843m峰へ取り付く段取り。843m峰周辺こそ植林でしたが、もう一度林道を突っ切って再び尾根に取り付くと、尾根は植林と雑木林に分けられたのっけから見頃になりつつある紅葉を楽しめたのは意外でした。

ズミガ沢左岸の枝尾根の方は「記憶が確かならば」しばらく植林帯が続いているはずなので、これはかなり嬉しく、気分も乗ってきます。

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(1164m峰手前の露岩帯はタカノツメ)

登りだしは緑が優勢だった尾根も登るにつれ徐々に色づき、ダンコウバイやイタヤカエデ(エンコウカエデ)、ウリハダカエデ、ウリカエデに少々気がかりだったミズナラも良くないながらもうまく色づいていていて、これには少々ホッとしました。

ただ赤いのは少ないというか、本来赤く色づくものが赤くなってくれない感じですね。でもそんなちょっとした不満も露岩が出てきた所で現れた夥しいタカノツメの黄葉の、その鮮やかさに吹き飛んでしまいました。

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(浜立山南尾根、上部は露岩帯をひたすらに登る)

そんなタカノツメのトンネルを潜り抜けると左手からズミガ沢左岸の枝尾根を合わせ、西側がちょっと開けた展望地に変わったその先が1164m峰。三ツ峠の左脇から雪の着いた富士がちょこっと顔を出し、目の前のお坊山に御坂の山山もちょっと新鮮な角度で目に入ってこれも良いですね。

1164m峰を過ぎるとここからが本番で、尾根が痩せて灌木にアカマツやツガなどの黒木の混じりだすと、じきに行き先に現れる巨岩が核心部のサイン。

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(ミズナラもうまく色づいてくれた)

その巨岩を今回も左に捲いてからは露岩の急登が続いて、あとはなおも鮮やかな紅葉を楽しみつつちょっとスリリングな登りを楽しみながら登っていく感じ。

ここで狂い咲きのミツバツツジを必死にカメラに収めたり、少ないながらもようやく出てきた綺麗に色づいたコハウチワカエデやサラサドウダンの赤に気をよくしていると、やがて浜立山~滝子山の稜線に飛び出しました。

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(浜立山山頂附近・落葉完了に近い)

稜線の北側のカラマツ黄葉もすでに盛りを過ぎているようで、梢越しに双耳の大谷ヶ丸がそのまま見えるのが懐かしい、というか、この山も最近はきちんと登ってあげてないんですよね。

ここから滝子山へ行くには時間が結構かかるし、狭い山頂に人が溢れているだろうから、滝子山はやめてこの日はここまで。浜立山もかなり久し振りだったので、適当なランチ場があるのかないのか記憶も定かではなかったんですけど、山頂から少し西へ下るとそれなりのスペースがあって助かりました。

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(浜立尾根・上部はブナの立派な木も見られる)

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(浜立尾根・1190m圏の分岐)

ポカポカ陽気の中のんびりランチをとったら、次は浜立尾根をそのまま下ります。降りて間もなくの立派なブナのいる自然林を見たり、赤く色づいたカエデを見つけてはカメラに収めたりしながらあとはすいすい。

そしてすみ沢登山口への枝尾根が分かれる分岐は1190m圏の分岐附近が、浜立尾根で一番紅葉の盛りだった所でしょうか。今回も主尾根を追うため通せんぼされた左に入り、なおも下って行きます。

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(ヤマボウシ)

1190m圏の分岐からひと下りした所で右へ分かれる主尾根をきちんと捉えるのが、浜立尾根を下降するときの一番のポイントでしょう。ミズナラやイタヤカエデ、オオモミジなどの紅葉黄葉の美しい雑木林の中を急降下してじきに961m峰に降り立ちました。

961m峰からは作業道らしき道筋も現れて、あとはそれを追う感じ。ここまで来るとさすがに植林が出てきますが、それでも雑木林も混ざるし、西日もあるせいで意外に明るく、決して悪い雰囲気ではありません。

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(浜立尾根・961m峰への下りしな)

961m峰からのんびり下っても30分ほどで朝歩いた大鹿林道の分岐附近に降り立てば、あとは笹一へまっしぐらです。(^^)

しかし、今年から新酒フェアのイベントは最初の週末だけだし、受付、終了ともに今までより30分繰り上がっていたんですね。そうなっていたのは山歩きを終えて着替えをしているときに、放送で受け付け終了のアナウンスが聞こえてきて初めて知ったのでした(笑)。ハガキに書いてあったのに。。。

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(今年ももちろん・・・^^)

ということで今回は慌ててお酒を一杯飲めただけ。おつまみも楽しみにしていた牛すじの煮込みをやってなかったのもちょっと残念でしたが、今回は最近の山行きで何度か顔はあわせていたものの、声をかけられずにいたこいずみさんとようやくお話する機会があったり、ホルモンまいうーだったり、まぁそれなりに楽しめました。

でも来年はもっと早く降りられるコースを組まんといかんなぁ。と呑んべでもないボクでも本気で反省したりして(笑)。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.11.06 (Sat)   晴 時々 曇 
笹子駅 07:15- 843m峰 08:40- 1164m峰 10:25- 浜立山 12:00/13:10- 1246m峰 13:50- 961m峰 14:50- 大鹿林道起点 15:20- 笹一酒造 16:00
 

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2010.11.04

錦繍の日原・再び孫惣谷と繞る尾根と絡めて

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(水松谷 ゴンエクボ右岸尾根中腹の緩斜面)

ふう。近場のお山は紅葉最盛期だというのに先週末の台風はなんとも恨めしかったですね。結局週末はお天気が宜しくなく歩けなかったので、今週は週中に文化の日(11/03)があって、しかも天気も良かったのが救いでしたヨ。

ということで今回は表参道から天祖山に上がってから梯子坂ノクビレに降り、孫惣谷の水源林巡視路を東へ辿って、水松谷 ゴンエクボ右岸尾根を登り返したら、後はタワ尾根をそのまま下るコースを歩いてきました。

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(天祖山表参道のひとコマ・Part1)

好天且つ紅葉最盛期の祝日とあって日原行きの一番バスは例によって立客が出るぐらいの盛況ぶりでしたが、これまた例によって小川谷橋の方へ向かうのはごく僅か。登山口となる八丁橋も車が二台ほど停まっているだけで、至ってスムーズに表参道に入れました。

のっけの尾根上に上がるまでの急斜面のトラバース道は台風の後でも歩くには支障なし。毎度毎度登るにも下るにもかなり気を遣っていたこの道も、整備されたお陰でそういう箇所が少なくなったのが本当にありがたいです。

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(コハウチワカエデ・綺麗に色づいたのは少ない)

尾根上に上がると、周囲はまだ緑が優勢ながらもパッと周囲が明るくなった様子に思わず声を上がってしまう素晴らしさ。やっぱり表参道は楽しいです。

大日大神の手前で一息ついてから、植林の多い急登をこなして1355m峰に上がると、ここからが紅葉も丁度盛り。ミズナラはまだ緑ですけどブナも良い具合に色づいていてなかなかです。ただ赤いのが少ないのはもうしょうがないですね。

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(天祖山表参道のひとコマ・Part2)

そんな中をゆるゆる登りつつ行くと紅葉は徐々に薄れて枯れ葉に代わり、そして周囲にダケカンバの裸木が目立つようになると会所で、ここで久しぶりにクリアな富士とご対面。後はひと登りで天祖山に着きました。

展望はないけど日差しはさんさんだし、そんな気持ちよさげな様子に思わず大休止しそうになってしまいますが、今回もまだまだ先が長いので、とりあえず水松山へ・・・と思ったんですけど

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(雲取山と二軒小屋尾根~芋ノ木ドッケ、ノーナギ尾根)

ナギ谷ノ頭を過ぎてからの急降下の所で板小屋・水松山あたりが目に入ったものの、上の方はすでに落葉していて、今年もコハウチワカエデの紅葉には間に合わなかったようです(泣)。なので、今年も梯子坂ノクビレから孫惣谷の巡視路を行く事にして、とりあえずクビレの辺りで

↑↑の展望を楽しんでいたんですけど、なーんかこの辺りから先週同様に曇りだして、カメラに収めるために日光待ちしてみたものの、結局なおも曇っていくばかりだったので、適当な所で諦めて巡視路を下り始めました。

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(孫惣谷 ワサビ沢出合の滝)

孫惣谷の巡視路は表向き通行止めになっているせいか(あぁ悪い子)、徐々にですけど荒れてきていますね。尾根から孫惣谷へ下る箇所は不明瞭になってきているし、沢に降りてから次のワサビ沢出合の間も道は相変わらずありません。紅葉も見頃でなかなか楽しめましたが、やっぱりここも赤が少ないですね。

そして今回はワサビ沢出合でちょっと早めのランチ。ここは場所が場所だけにいつもは通りがかるか休んでも小休止ぐらいだったんですけど、ここは広いし時間さえ合えばランチ場の好適地なんですよね。滝を目前にランチというのはなかなかオツなモノでした。(^^)

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(孫惣谷の水源林巡視路)

ランチを終えたらなおも巡視路を追いますが、ワサビ沢出合より先は崩れかけ等、時折気を遣う箇所はあるものの「地形判断のできる人」であれば通行に支障はないでしょう。

そして水松山中尾根(南東尾根)を乗り越して水松谷に降り、左岸へ渡ってひと下りすると巡視路は再び右岸に戻るのですが、そのすぐ下流の左岸側から流れてくる沢がゴンエクボで、実はこの辺りがすでに目的のゴンエクボ右岸尾根の末端部でもあるのです。

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(ゴンエクボ右岸尾根下部)

ということでここで右岸に戻らず、そのまま右岸尾根に取り付き登り始めると、のっけは露岩混じりの急な登りでこれがなかなかしんどいのですが、それもひと登りで少し落ち着いて周囲のブナを見つつ歩ける余裕も出てきます。

それでも落ち着いたとはいえそれはあくまで相対的なもので(笑)、地形図通りの急な尾根が続くことに変わりはなく、しんどい箇所はもうしばらく続く感じ。

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(ゴンエクボ右岸尾根中腹の緩斜面・Part2)

なおも登ってようやく尾根が平衡を取り戻した所で一息ついていると、なんか尾根の左(北)側が妙な広がりを見せていて、これはちょっと素通りできない雰囲気。なので試しに北へトラバースしてみる、とその先には↑↑こんな緩斜面が広がっていて・・・

孫惣谷側にもこんな所があったのかぁ、と驚きつつなおも彷徨うように適当にトラバると、トップの写真のような周囲の主とも言える3m弱のミズナラが立っていたりして、歩いているだけでひとりニンマリしてしまう素晴らしさ。うひょひょひょひょ。

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(ゴンエクボ右岸尾根中腹の緩斜面・Part3)

結局この緩斜面は尾根の北端まで続いていて、充分に楽しめました。ここは飛び抜けた大木がある訳ではないし、それなりの太さの揃った木々が林立している訳ではありませんが、前に歩いた骨谷右岸の緩斜面と同様にゆるゆる歩ける和み度A級のとても素敵な所でした。

ただ惜しむらくは基本曇っていて日の差す時間が少なかった事と、あとここでも赤いのがマトモに色づいていなかったことでしょうか。でもそこまで求めるのは贅沢すぎますよねー。

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(ゴンエクボ右岸尾根中部)

緩斜面を歩き終えたらここでようやく尾根登りの再開。ひと登りした六ツ首ミズナラの立つ尾根の肩で先ほどの右岸尾根の主尾根と合流したら、あとはタワ尾根を目指してひたすらに登り詰めるだけです。

登って登って周囲にタワ尾根上部のお約束?なアセビや岩屑が目立ち始めるとあっけなくタワ尾根上に飛び出し、そこから南へ下って緩く登り返すと1602m峰でした。

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(日向谷右岸尾根~ゴンパ尾根 と 四間小屋尾根<下>)

ここで時計を見るとまだ14時前で、これは無理せずにホリデー快速に乗れそうなお時間。ということで曇ったままで晴れ間も殆ど出なくなった事だし、下りに採る予定だった材木小屋尾根はやめて素直にタワ尾根を下る事にしました。

紅葉の方はウトウノ頭からの急な下りを終えてからが丁度見頃で、ここから篶坂~金袋辺りまでが盛りでしょうか。

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(篶坂ノ丸にて)

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(金袋山附近)

下るにつれ赤いのも徐々に増えてきて、特に真っ赤に色づいたコミネカエデが数は少なかったけど素晴らしく、ようやく赤を堪能できました。そして↓↓の一石山辺りも徐々に赤くなってきており、色づきはどうなるかわかりませんが、この週末辺りからぼちぼち見られるようになるのではないでしょうか。

そんなわけで最後の最後でようやくまともな赤にも出逢えて、気分も上々というか何となくホッとした感じで一石山神社に降り立ち、道中の無事を感謝したらあとはちんたらと日原へ向かったのでした。

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(一石山附近も色づいてきた)

今回は紅葉が1500m以下まで下がってきたこともあって、登りだしから下ってくるまで紅葉を楽しめましたが、それよりなにより今回はゴンエクボ右岸尾根中腹の緩斜面がすべてでした。ああやってゆるゆる歩けるのはスズタケが枯れたお陰でしょうけど、まだまだあんな所があるんだなぁ、と。二週間前と同じ事言っちゃいますけど(笑)こういうことがあるから山ってやめられないんですよねぇ。。。(^^)(^^)
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.11.03 (Sat)   晴 後 曇 
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:50- 八丁橋 07:35- 大日大神 08:20/08:30- 天祖山 09:50/09:55- 梯子坂ノクビレ 10:20/10:35- ワサビ沢出合 11:05/11:40- 水松谷 ゴンエクボ出合 12:10- タワ尾根上 13:25- ウトウノ頭 13:55- 金袋山 14:45- 一石山神社 15:35- 東日原 16:00
 

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