酉谷山へ・色づき始めた森を往く
(ミズナラの合体木・割谷 右又窪右岸尾根<1595m峰南西尾根>にて)
しっかしこの秋の連休はことごとく天気に恵まれませんねぇ。おかげで土日は野暮用ができちゃったし、結局この連休もお山へ行けたのは月曜の体育の日(10/11)だけ。でもこうなると人出もかなり多くなりそうなので、好天だったし石尾根に行きたかったんですけど、酉谷山にしちゃいました。
ということで今回は1595m南西尾根たる割谷(悪谷)の右又窪右岸尾根を登路にとり、都県界尾根/長沢背稜に上がったら酉谷山、そしてタワ尾根ノ頭西鞍部にできたヘリポートを確認してタワ尾根を下るコースを歩いてきました。
(朝の三又)
この日は今までの鬱憤を晴らすような雲一つない最高の天気で、そのせいか一番の日原行きバスでもGW以来久しぶりに立たされる盛況ぶり。とはいえ、本谷や小川谷の方へ歩く人はごくわずかで、まずは三又を目指しててくてく歩きます。
途中、人形尾根の取付に山中で工事があるせいか仮設らしきモノレールがひかれていたのには驚きましたけど、いったいコレはどこへ延びているのでしょう?掲示を見ると工事はどうやらと猟期が終わる頃まで続くようですので、軌条のつきかたによっては来年の春先までちょっと歩けないかもしれませんね。
(割谷<悪谷>・この滝を越えると右又窪の出合)
例のごとく二時間丁度で林道終点に着いたら、直ちに三又へ下り、ここでようやく一休み。三又からは割谷を行くんですけど、今回は石楠花尾根の末端をからみつつ高捲いてみました。しかし久しぶりだったんですっかり忘れていましたが、石楠花尾根の末端部ってあんなに急だったんですね。登るとコレが意外にしんどい。
それでもうまく高捲いて割谷に降り立つと、そこはまだまだ緑なシオジの木々が美しい所で一気に機嫌が良くなってしまいます(笑)。あとはそのまま右又窪の出合(1150m圏二俣)まで行けるのだろうと思っていたら、出合の直前に5mほどの滝が掛かっていたのは意外でしたけど、そのまま滝の右側を上がれたのもまた意外でした。
(割谷 右又窪右岸尾根・中部は気持ちの良い広尾根)
しかもその滝を上がる所に朽ちた桟道があってそれにも驚いていたんですけど、それは右又窪の出合にワサビ田跡があったことで納得。ここでさっそく右岸尾根に取り付くと、のっけは権衛尾根をちょっとだけ想起させる岩屑混じりのツガの林立する尾根だったこともまたまた意外でした。
そんなツガの林を抜けると尾根が広がり、ミズナラの疎林に変わる所がこの尾根のハイライト。ここもスズタケが枯れているのでどこでも歩けてなかなか気持ちの良い所です。そんな素敵な林からアセビ、灌木が茂りだすと稜線へ向けての急登が始まり、いつしか植林に変わって(笑)ふた登りほどで縦走路に飛び出しますが、ここはもちろん1595m峰まで登り詰めます。
(酉谷山避難小屋より)
稜線まで上がるとさすがに木々は色づき始めていて、ダケカンバ(枯れ始めているのも多い)や赤くなり始めたカエデもちらほら。そんな木々を愛でつつ、稜線や縦走路を好き勝手に歩きつつ酉谷山・・・を目指すつもりも、お腹が空きすぎて山頂まではとても保たないのでとりあえず避難小屋へ(笑)。
しかし、避難小屋が休憩のハイカーで一杯だったのには驚きましたけど、ちょうど入れ替えのタイミングで助かりました。しかしこの日は本当に空気が澄んでいましたね。富士は間に合いませんでしたが、お昼だというのにテラスから平野の方までくっきりと見えたのは初めてでした。ここでこんな感じなんだから鷹ノ巣は展望がさぞかしよかったでしょうね。
(コハウチワカエデ)
(稜線は色づき始めた・都県界尾根/長沢背稜、行福ノタオ附近)
ランチを終えたら、酉谷山に上がって稜線をなおも西へ行きます。こちらは先ほどよりも標高が一段上がるせいか色づきは進んでいて、来週末からいよいよ見頃かな、と言った様子。西へ進むにつれ徐々に色づく様子にワクワクしながら、タワ尾根を越えて、タワ尾根ノ頭西鞍部にできた例のヘリポートへ向かいます。
じきにあっけなくヘリポートに飛び出すと、第一印象はヒミツのランチ場が跡形もなくなくなっちゃったー、なんですけど、なにせこのクリアな好天ですから、当たり前のように開けてしまった北側の展望が怖ろしく良好で、今までは梢越しに努力してその姿を見ていた両神山にもう釘付けですよ(笑)。
(タワ尾根ノ頭西鞍部のヘリポートより・両神山)
(同じく・熊倉山~酉谷山の稜線)
とにかく奥多摩の山で北側の展望が開けた山って本当に少ないから、周囲の木々が育つまででしょうけど、ここは貴重な展望ポイントとは言えるでしょうネ。
そんな展望を楽しんだら来た道を戻り、タワ尾根を下ります。
(タワ尾根上部の様子)
(左より石楠花尾根、右又窪右岸尾根、ゴンパ尾根)
タワ尾根の方は変わった所はありませんでしたが、尾根上部や、篶坂ノ丸より下の自然林は美しく、いつ歩いても本当に楽しいです。曇ってきたせいか日差しが途切れ途切れになってきたのが惜しかったんですけど、それでも広い尾根を右へ左へウロウロしながら降りていきます。
金袋山を過ぎると、ここからどこへ下ろうかいつも悩んでしまうんですけど、今回は久しぶりに籠岩経由で降りてみました。実はこの日見かけなかったキッコウハグマ目当てだったのですが、その思惑も外れて咲き始めのヤクシソウを見るぐらい。キッコウハグマ目当てならやっぱり上段歩道を降りるべきだったかもしれません。
(篶坂ノ丸にて)
そして無事下山を終えて東日原へ戻ると、さすがに17時台だとハイカーもまばら。少ないですね。石尾根や南岸の山の方はいったいどのぐらいの人出があったんだろう、と思いつつビールを開けたのでした。(^^)
まだまだ気温の高い日が続きますが、紅葉はそれなりに進んで1500m以上は今週末から見頃になりそうですね。色づきはあまり期待してないけど、せめて晴れて欲しい。神さまにそう願っています。
・・・・・☆
◆ 2010.10.11 (Mon) 晴
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:50- かろう橋 07:35- 滝上谷橋 08:05- 林道終点 08:50- 三又 09:10/09:25- 右又窪出合 10:15- 1595m峰 11:25- 酉谷山避難小屋 12:00/12:40- 酉谷山 13:00- ヘリポート(タワ尾根ノ頭西鞍部)13:50/14:00- ウトウノ頭 14:45/14:55- 金袋山 15:35- 燕岩 16:00- 日原鍾乳洞 16:30- 東日原 16:55
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コメント
よこやまさん、こんばんわ。ようころいらっしゃいました。(^^)
あぁ、あのモノレールは人形尾根じゃなくて上段歩道なんですか!これはちょっと困ったなぁ。。。
情報ありがとうございました。
投稿: komado | 2010.10.21 23:56
10月18日人形尾根からタワ尾根を登りました
モノレールは上段歩道を上っていっていました
従って人形尾根は最初あるいは最後の10分ほどが歩きにくいだけです 上段歩道のどこまで伸びているかは不明です
投稿: よこやま | 2010.10.20 07:47
Hgさん、
最近は奥多摩でもボクのような悪い子が増えているようですから・・・(笑)
それはともかく、あのヘリポート、真冬の早朝なんか楽しそうだなぁと思ってるんですけど、真冬のナイトハイクはチトつらい。でも一度見てみたいと思っています。
投稿: komado | 2010.10.14 22:17
ふうたろうさん、
ブログの方、毎週拝見してますよ。
ここのところ夏の絶好調とはほど遠い状態で少々心配していましたが、徐々に復調といった所でしょうか。
雨あがりの水晶小屋での夕焼けショー?や先週の蓮華温泉への下り道は雨の中を歩かないと絶対に逢えない感動的な光景ですよね。文章を通して感じられるその喜びとか、ボク自身忘れていた感情がよみがえるようでしたんですよ。
これからも体との折り合いをつけつつ、がんがん歩かれる姿楽しみにしております。そして気が向いたらたまには近場の山もどうぞっ。(^^)
投稿: komado | 2010.10.14 22:15
SAKURAさん、
そうそう酉谷は結構遠いんですよね。お車で小川谷林道の終点まで送ってくれる方がいたらいいのにねぇ。
この日歩いて驚いたのは、あの暑さで秋の花が遅れたのにもかかわらず意外に紅葉が進んでいることでした。ボクも色づきは期待してないけど、思ったよりは悪くないかもと思い始めています。
投稿: komado | 2010.10.14 22:08
AKIOさん、
AKIOさんは三番ですか。寝坊でもしない限り真冬になるまでもう乗れませんよ(笑)
三ツドッケも開けているんだけど、あそこは大平山の巨体が邪魔してますからね。かといって棒ノ嶺だと標高は低いし、ヘリポートは奥多摩で一番北面の展望が楽しめる所になったと思いました。
投稿: komado | 2010.10.14 22:05
いっきさん、
リブルさんとこで知りましたが、バスの事故で残念でしたね。
でも紅葉はこれからですからまだまだ。きちんと色づけば酉谷の周辺は素晴らしい所なのですから。
投稿: komado | 2010.10.14 22:02
ヘリポート、完成したようですね。
山岳救助の時間短縮にかなり役立ちそうで?...使われないにこしたことはないのですが。
北側、よく開けましたね。
奥多摩は北側がまともに開けている所は棒ノ嶺くらいでしたので、ここでの北側の展望は楽しみです。
投稿: Hg | 2010.10.14 20:37
奥多摩、というか、雲取山の主稜線というか、
あのあたりでももう紅葉が始まっているんですね。
まだふうたろうは夏気分が抜けなくて、
夏の想い出を引きずっていますが…。
酉谷山しか判るところがありませんけど、
奥多摩もウロウロしてみると奥が深いんでしょうね。
komadoさんの日記見ているとそう思います。
というか、道のないところを歩いているようにも見えますけど
ふうたろう、あの雨の中、北アルプスを歩きました。
でも、ふうたろう、逆に天気に恵まれたとも思ったりします。
達成感は筆舌に尽くしがたい(何)ものがありますよ
百名山を撃破したら(あと7個)、
奥多摩でのんびりする時間が作れそうです。
日常に泣きたくなったら、
奥多摩に泣きに行こう
投稿: ふうたろう@ピロリ | 2010.10.14 16:32
山頂の方は紅葉もぼつぼつ始まり、奥多摩を歩くのにはいい季節になりますね。
例年より気温が高く猛暑と共に、色は良くないかもですが楽しみですね。
酉谷山はピークを踏んでないので気がかりですが、始発のバスには乗れないし、ご縁がありません。
5時まで歩くと暗い時期ですね。
夕方の樹林帯の中は暗くて、心細く嫌いです。
去年の紅葉の見納めは東日原だったと思いながら拝見です。
投稿: SAKURA | 2010.10.13 23:17
こんばんは。(1)小生はこの日は東日原行きの3番バス、予想していたとは言え通勤電車並みの混雑2台でザックは下にも置けずに胸に抱えていました。(2)へリポートの北側の展望は素晴らしいですね。例の三つドッケより良く見えるようですね。
投稿: AKIO | 2010.10.13 19:14
おはようございます
月曜日は酉谷でしたか
私もそちらを予定していたけど
2番バスは事故で 予定を変更していました。
投稿: いっき | 2010.10.13 06:39