« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »

2010.10.26

錦繍の日原、秩父・都県界尾根/長沢背稜を北へ南へ

B101026a
(七跳山から大平山の大クビレへの道すがら)

先週は珍しく水曜に歩いたんですけど、日原も本格的な紅葉のシーズンに入ったのでもちろん週末も歩いてきましたよ。

今回(10/23)は東日原から一杯水廻りで七跳山に出て、秩父側の大平山の大クビレへ一旦降りたら、北面捲道を西へ追うつもりも早々に頓挫してしまい、結局天目山林道を西へ赤岩谷まで。そしてそこから直接牛首(ショージノタワ)~稜線の縦走路まで登り返して酉谷山へ向かい、それからなおも稜線を西へ行き、骨谷右岸の緩斜面を利用しつつ下降して骨谷出合、そして三又へ出る、という結果として都県界尾根/長沢背稜を北へ南へとかなりややこしくなってしまったコースを歩いてきました。

B101026b
(ハナド岩より大栗尾根を見下ろす)

この日は好天の予報が出ていたこともあって日原行きの一番バスも立ち客が出るぐらいの盛況ぶりでしたが、大半が鷹ノ巣なのかなぁ、ヨコスズ尾根を登るのはほんの数名だけだったのではないでしょうか。のっけはガスっていたものの、登るにつれ徐々に晴れてきて、雲一つない青空に色づき始めた山肌が見えてきて気分は上々・・・

のはずがそんな天気も僅かの間で、かなり冷たい風が吹いてきたなと思ったら再び周囲はガスに覆われてしまい、一杯水避難小屋(前に通りがかった4週間の間に白系の壁に塗り直されていました)に着いた時点で三ツドッケは即決でパス。それからもなかなか晴れてくれなくてハナド岩も↑↑な感じだったのは少々ガッカリでした。しかも小川谷はヘリが盛んに飛んでかなりうるさかったし。。。

B101026e
(コシアブラ)

それでも七跳山へ向かうと徐々に晴れ間も出てきて、現金なもので再び気分も良くなってきます(笑)。

そして縦走路から離れて七跳山に上がると、目論見通りに周囲は丁度紅葉が見頃。うっしっし。ここはカエデの類が多いので密かに狙っていたのでした。(^^) ここで北面捲道が横切る大平山の大クビレへ向かいますが、

B101026c
(ハウチワカエデは比較的綺麗に色づいていた)

B101026d
(この辺りはオオイタヤメイゲツ・大クビレへの道すがら)

当然のごとく周囲の紅葉を愛でてつつ、周囲をウロウロしてしまうので大幅にペースダウン。色づきはまぁそれなりに良かったですけど、どんな感じになるのか気になっていたシロヤシオは色づく前に枯れだしていて、それがちょっと残念だったかも。

そんな紅葉黄葉から緑が少々増えてくるとまもなく天目山林道が通る大クビレに降り立ちます。広い鞍部からは三ツドッケを始め都県界尾根/長沢背稜北面の山肌も良い具合に色づいているのが見えて、丁度良いランチ場の雰囲気。ちょっと早めですか今回はここでランチとなりました。

B101026f
(大クビレから北面捲道を探すも・・・)

B101026n
(ヒトツバカエデ)

良い気分でランチを終えたら今回はここからが本番。北面捲道を拾って西の牛首へ向かう腹づもりだったんですけど、かねてより確認していた踏跡は実際に入ってみると(いい雰囲気でしたが)間もなく消失してしまい、歩き出し早々から思いっきり悩んでしまう始末。

しょうがないのでその先の尾根を一旦稜線上まで上がってから、北面捲道を探しつつ降りてみたのですが、それらしき踏跡らしきもの??が二本ほどあったものの確信が持てず、結局天目山林道まで降りてしまいました。

B101026g
(天目山林道・素敵な荒れっぷりです)

しょうがないので、ここは林道を赤岩谷が横切る所まで歩いてから牛首へ直接詰め上げる事にして、林道を西へ歩き出しましたが、さすがにこちらはろくすっぽ使われていないのか、崩落にデブリが相次ぎなかなか素敵な荒れっぷりです(笑)。

展望もなかなか宜しく、大久保谷を見下ろしながら行けるのも新鮮だし、なにより秩父側って林自体の良さは日原側に譲るものの、岩が多いせいなのか??紅葉でも赤いのが結構多いんですよね。

B101026h
(左から坊主山、牛首に立橋山)

周囲の木々に展望を楽しみつつ40分ほど歩くとようやく赤岩谷に到着。ここから目の前の牛首へ上がるのに赤岩谷の枝沢をそのまま辿るのはちょっと嫌らしそうだったので、赤岩谷とその枝沢の中間の尾根を登りましたが、これとて結構急でなかなかしんどい登りです。

それでも途中で比較的明瞭な道形が見つかったのが収穫で、こんな事なら最初から牛首から行けばよかったかもー。そしてより明瞭な道筋が見つかるとすぐ上が牛首の痩せた鞍部でした。

B101026i
(牛首の鞍部)

牛首は12、3年前に一度下りにとって以来本当に久しぶりでしたが、こちらもご多分に漏れずスズタケが枯れて雰囲気が変わりましたね。初訪の頃はそんな余裕もなかったんですけど、改めて訪れてみると川浦谷林道の道形らしきものも確認できてちょっと感慨深かったです。

さてここから都県界尾根へ登り返すのですが、道は基本的に急な岩場を西側へ捲きながら行く所を無視して今回はキッチリ尾根伝いに登ってみました。この辺りのツツジの紅葉を期待したんですけど色づきは今ひとつかなぁ。

B101026j
(都県界尾根/長沢背稜稜線上の紅葉は見頃に)

牛首から20分ほどで縦走路に飛び出したら、時間も時間だしこのまま東日原へ帰ることも考えたものの、ここまで来たんだから・・・とやはり足は酉谷山へ向いていました。しかしこれで帰路の終バスが決定です(笑)。

そんな訳でいつもは必ず寄る避難小屋には立寄らず、直接酉谷山にあがるとさすがにこの時間、もう誰もいません。

B101026m
(富士も姿を現した・酉谷山より)

B101026k
(都県界尾根/長沢背稜、行福ノタオ附近)

・・・とこのまま静かに過ごせるものと思い込んでいたら、14時を過ぎているのにハイカーが後から続々とやってきてビックリ。そしてなんとその中にyyggさんご一行もいらっしゃってまたビックリ。この様子だとこの日の小屋は超満員でしょう。

そんな訳で山頂に来る方来る方といろいろ話していたら随分と長居してしまいましたが、もう林道は歩きたくない?ので??適当な所でおいとまして、とりあえず西の縦走路へ下り始めます。

B101026l
(骨谷右岸の緩斜面・Part1)

帰路はいろいろ考えていたんですけど、やはり歩いたことのない所、ということで当初は骨谷をそのまま下降するつもりで喜右衛門尾根の分岐手前から下降を始めたのですが、実際に降りてみると骨谷よりその右岸側になかなか良さげな緩斜面が広がっていて、ついついそちらに引き込まれてしまいます。

そしてそんな素敵な林の広がる緩斜面をゆるゆる彷徨うように適当に歩いていると、これがどうも骨谷を高捲きながらうまく降りられる感じだったので行ける所まで行ってみようと、あとはそのままゆるゆるゆるゆる・・・

B101026n
(骨谷右岸の緩斜面・Part2)

B101026o
(骨谷右岸の緩斜面・Part3)

行くと、下るにつれ緑が濃くなっていきますが、そんな素敵な緩斜面をうまく繋げながら降りていき、梢越しに酉谷の切れ込みが見えてきた所で骨谷の右岸尾根に乗ると、ひと下りで骨谷の出合に着地しました。

ここまでくれば先は見えているので少し休憩していると、なぜか?(ホントかよ・笑)yyggさんご一行に拾われてあとは奥多摩駅まで直行。おかげで完全に諦めていた17時台のバスと同じ時間で帰路に就くことができ、本当に助かりました。ありがとうございました。 <(_ _)>

B101026p
(ここまで来ると骨谷出合も近い)

しかし、この日はめまぐるしく変わる天気とそのコースどりのせいでしょうか、とにかくスッキリとは晴れなかったけど日差しには恵まれて紅葉は楽しめたし、北面捲道はうまく探せなかったけど、いろいろな出逢いや新たな発見もあったりして、終わってみれば盛りだくさんな楽しい一日。奥多摩を始め近場の低山の紅葉はまだまだこれからですから、後は気温がキュッと下がってもう少し綺麗な紅葉が見られるようになると良いですね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.10.23 (Sat)   晴 後 霧 
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:50- 一杯水 08:40- ハナド岩 09:20/09:35- 七跳山 10:05- 大平山の大クビレ 10:45/11:20- 天目山林道に降り立つ 12:05- 赤岩谷 12:40/12:50- 牛首 13:25- 酉谷山 14:10/14:30- 縦走路離れる 14:55- 骨谷出合 15:40- 三又 16:20
 

| | コメント (10) | トラックバック (0)

2010.10.21

錦繍の日原・霧の長沢背稜のつもりが

B101021a
(雲取山と二軒小屋尾根を望む・板小屋ノ頭附近より)

近場の山山もそろそろ紅葉の季節を迎えてこの時期だけは毎週歩きたいんですけど、先週末はちょっと遊んでしまいお山はお休み。とはいえこの時期に山行きを二週間もあけるのはさすがにしんどいものがあるので、代わりに珍しくひとり水曜隊(10/20)してきました。

今回は東日原から6年ぶりとなる二軒小屋尾根を登り、芋ノ木ドッケから長沢背稜を東へ天祖山とのジャンクションでもある板小屋ノ頭まで縦走、それから天祖山へ行き、表参道を下って日原に戻るコースを歩いてきました。

B101021b
(二軒小屋尾根下部のミズナラ林)

予報の良くない平日の一番バスはさすがにガラガラで、東日原から歩き出せばもうこの日の一人旅は約束されたようなものです(笑)。まずは大ダワ林道の入口まで延々と日原林道を歩きます。ちなみに紅葉の方は奥の方で少し色づき始めた程度。道中雨は霧雨程度のがパラパラ降るぐらいで助かりました。

歩き出し二時間ちょいでようやく大ダワ林道の入り口に到着したら、そのまま長沢谷に下りここでようやく一休み。周囲はガスって暗いけど、二軒小屋尾根上に上がって尾根を辿り始めると少し明るくなって少々ホッとします。

B101021c
(ミズナラの大木)

二軒小屋尾根は過去に何度か下ったことこそあれ、登りに採るのは今回が初めてだったので周囲の様子をのんびり見られるのを楽しみにしていたんですけど、周囲のスズタケが姿が消してどこでも歩けるようになったた今、改めてよく見てみると長沢谷側の二次林はともかく、大雲取谷側はミズナラの立派な木が本当に多いんですね。

周囲はガスってるし、雨も降ってきたせいで写真こそあまり撮れなかったけど、おかげで広い尾根の中を適当に彷徨いつつルンルン気分で登れます。そんな林が終わるモミソの頭(1594m峰)までがこの尾根のハイライトでしょう。

B101021d
(二軒小屋尾根1726m峰)

モミソノ頭を過ぎると徐々に黒木が混じりだすんですけど、この辺りはモミやシラベがバタバタ倒れて荒れた印象があったのですが、歳月が経ったせいなのか単にガスのお陰なのか、なんとなく周囲がこなれたような印象でそんなに悪い感じがしません。

紅葉もこの辺りからようやく本格的になってきましたが、色づき自体は今ひとつでしょうか。しかしこの辺りはシカが多いですねぇ。たくさんいるせいか生意気に威嚇してくるヤツもいるし(笑)。

B101021e
(コハウチワカエデ・綺麗に色づいたのは少ない)

1726m峰を過ぎ、黒木が倒れて明るくなった箇所にはすでに枯れかけているものの、蛭ヶ岳周辺を想起させるような大量のシロヨメナとマルバダケブキ。この辺りになると頭上も足下も明るい紅葉で、気分を良く登っていけます。

そんな中を登っていき、周囲がコメツガに覆われたな、と思うとすぐに芋ノ木ドッケでした。ここで梢越しながら西側の方が妙に明るい感じだったので、西側が開けた所までちょっと下ってみると、目の前の雲取こそガスっていましたが、

B101021f
(なんと和名倉山が姿を・・・)

なんと↑↑のように和名倉山が姿を現していてビックリするやら嬉しいやら。でもガスが上がっているのは西側だけで、芋ノ木ドッケに戻って長沢背稜を東へ行くと再びガスの中。この辺りは周囲のダケカンバも落葉していてすでに冬支度を終えていました。

まぁこんな天気だし、これだけでも充分にラッキーだったなと思いつつ歩いていると、いつの間にやら北の秩父側からガスが徐々に晴れてきて、白岩山や行く先の長沢山に大黒小黒。そして梢越しながら色づいた北斜面も見下ろせるようになって、あまり足場が宜しくないのに思わず身を乗り出して眺めてしまう始末(笑)。

B101021g
(西谷 白岩谷方面を見下ろす)

B101021h
(長沢山への道すがら)

いつの間にやら周囲の紅葉も盛りになっているし、一人興奮しながらなおも歩いていると今度は雲海の奥に両神山が。。。こんなつもりじゃなかったのに(笑)(^^)。

基本的に色づきは今ひとつながらも、綺麗に色づいたカエデもちらほら見かけるようになって、より気分を良くしていると、なんと南側もガスが上がってきて、石尾根に雲取。そして今さっきまで歩いていた二軒小屋尾根に芋ノ木ドッケも

B101021i
(右谷ノクビレ)

B101021j
(芋ノ木ドッケ、白岩山を振り返る)

姿を現したので、これはもしかすると・・・と右谷ノクビレから縦走路を離れて板小屋ノ頭へ直接に登っていくと、山頂手前の開けた所からはなんと富士まで!!

この日は前線が北上気味だと言ってた筈なのに、なのでこんな光景なんてあり得ない筈なのに・・・これには本当に参りました。

B101021k
(なんと富士まで姿を現した!)

B101021l
(天祖山山頂)

そんなショータイムも板小屋ノ頭から天祖山へ向かうと再びガスって来て、とうとうおしまい。天祖山周辺こそそれなりに色づいていましたが、梯子坂ノクビレ辺りや表参道はまだまだ緑が優勢で、紅葉はまだこれからですね。

しかし濃霧の中表参道を下るのは久しぶりだったんですけど、今はスズタケが枯れてしまったことと、厚い落ち葉のせいで道筋が判りづらく、特に1355m峰までは慣れてない人は難儀するだろうな、と思いました。そおいや二軒小屋尾根の方は煩いぐらいにマーキングがついていて閉口しましたが、マーキングは表参道のような道にこそバッチリつけるべきでしょう。マジな話。非登山道の領域に於いてはマーキングの類は吟味に吟味を重ねてごくごく最小限にして欲しいものです。

B101021m
(表参道は濃霧に包まれた)

しかし最近は天気が良くないとどうも気持ちが山へ向かず、歩かないことが多かったんですけど、天候が不安定なときに歩くとこういうラッキーな光景に出くわすこともあるんですよね。今回歩いて何が嬉しかったかって、この日のテンションが徐々に上がっていくような心の動きを久しぶりに体験できたこと。いやぁ、こういうことがあるから山ってやめられないんですよねぇ。。。(^^)(^^)
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.10.20 (Wed)   霧 後 曇 一時 雨
奥多摩駅 06:02→ 東日原 06:30- 八丁橋 07:15/07:20- 名栗沢橋 08:00- 大ダワ林道入口 08:45- モミソノ頭(1594m峰)10:10- 芋ノ木ドッケ 11:10/11:15- 長沢山 12:30- 板小屋ノ頭 13:10/13:20- 天祖山 14:00/14:10- 大日大神 14:50- 八丁橋 15:25- 鍾乳洞BS 15:50
 

| | コメント (8) | トラックバック (0)

2010.10.12

酉谷山へ・色づき始めた森を往く

B101012a
(ミズナラの合体木・割谷 右又窪右岸尾根<1595m峰南西尾根>にて)

しっかしこの秋の連休はことごとく天気に恵まれませんねぇ。おかげで土日は野暮用ができちゃったし、結局この連休もお山へ行けたのは月曜の体育の日(10/11)だけ。でもこうなると人出もかなり多くなりそうなので、好天だったし石尾根に行きたかったんですけど、酉谷山にしちゃいました。

ということで今回は1595m南西尾根たる割谷(悪谷)の右又窪右岸尾根を登路にとり、都県界尾根/長沢背稜に上がったら酉谷山、そしてタワ尾根ノ頭西鞍部にできたヘリポートを確認してタワ尾根を下るコースを歩いてきました。

B101012b
(朝の三又)

この日は今までの鬱憤を晴らすような雲一つない最高の天気で、そのせいか一番の日原行きバスでもGW以来久しぶりに立たされる盛況ぶり。とはいえ、本谷や小川谷の方へ歩く人はごくわずかで、まずは三又を目指しててくてく歩きます。

途中、人形尾根の取付に山中で工事があるせいか仮設らしきモノレールがひかれていたのには驚きましたけど、いったいコレはどこへ延びているのでしょう?掲示を見ると工事はどうやらと猟期が終わる頃まで続くようですので、軌条のつきかたによっては来年の春先までちょっと歩けないかもしれませんね。

B101012c
(割谷<悪谷>・この滝を越えると右又窪の出合)

例のごとく二時間丁度で林道終点に着いたら、直ちに三又へ下り、ここでようやく一休み。三又からは割谷を行くんですけど、今回は石楠花尾根の末端をからみつつ高捲いてみました。しかし久しぶりだったんですっかり忘れていましたが、石楠花尾根の末端部ってあんなに急だったんですね。登るとコレが意外にしんどい。

それでもうまく高捲いて割谷に降り立つと、そこはまだまだ緑なシオジの木々が美しい所で一気に機嫌が良くなってしまいます(笑)。あとはそのまま右又窪の出合(1150m圏二俣)まで行けるのだろうと思っていたら、出合の直前に5mほどの滝が掛かっていたのは意外でしたけど、そのまま滝の右側を上がれたのもまた意外でした。

B101012d
(割谷 右又窪右岸尾根・中部は気持ちの良い広尾根)

しかもその滝を上がる所に朽ちた桟道があってそれにも驚いていたんですけど、それは右又窪の出合にワサビ田跡があったことで納得。ここでさっそく右岸尾根に取り付くと、のっけは権衛尾根をちょっとだけ想起させる岩屑混じりのツガの林立する尾根だったこともまたまた意外でした。

そんなツガの林を抜けると尾根が広がり、ミズナラの疎林に変わる所がこの尾根のハイライト。ここもスズタケが枯れているのでどこでも歩けてなかなか気持ちの良い所です。そんな素敵な林からアセビ、灌木が茂りだすと稜線へ向けての急登が始まり、いつしか植林に変わって(笑)ふた登りほどで縦走路に飛び出しますが、ここはもちろん1595m峰まで登り詰めます。

B101012f
(酉谷山避難小屋より)

稜線まで上がるとさすがに木々は色づき始めていて、ダケカンバ(枯れ始めているのも多い)や赤くなり始めたカエデもちらほら。そんな木々を愛でつつ、稜線や縦走路を好き勝手に歩きつつ酉谷山・・・を目指すつもりも、お腹が空きすぎて山頂まではとても保たないのでとりあえず避難小屋へ(笑)。

しかし、避難小屋が休憩のハイカーで一杯だったのには驚きましたけど、ちょうど入れ替えのタイミングで助かりました。しかしこの日は本当に空気が澄んでいましたね。富士は間に合いませんでしたが、お昼だというのにテラスから平野の方までくっきりと見えたのは初めてでした。ここでこんな感じなんだから鷹ノ巣は展望がさぞかしよかったでしょうね。

B101012g
(コハウチワカエデ)

B101012h
(稜線は色づき始めた・都県界尾根/長沢背稜、行福ノタオ附近)

ランチを終えたら、酉谷山に上がって稜線をなおも西へ行きます。こちらは先ほどよりも標高が一段上がるせいか色づきは進んでいて、来週末からいよいよ見頃かな、と言った様子。西へ進むにつれ徐々に色づく様子にワクワクしながら、タワ尾根を越えて、タワ尾根ノ頭西鞍部にできた例のヘリポートへ向かいます。

じきにあっけなくヘリポートに飛び出すと、第一印象はヒミツのランチ場が跡形もなくなくなっちゃったー、なんですけど、なにせこのクリアな好天ですから、当たり前のように開けてしまった北側の展望が怖ろしく良好で、今までは梢越しに努力してその姿を見ていた両神山にもう釘付けですよ(笑)。

B101012i
(タワ尾根ノ頭西鞍部のヘリポートより・両神山)

B101012j
(同じく・熊倉山~酉谷山の稜線)

とにかく奥多摩の山で北側の展望が開けた山って本当に少ないから、周囲の木々が育つまででしょうけど、ここは貴重な展望ポイントとは言えるでしょうネ。

そんな展望を楽しんだら来た道を戻り、タワ尾根を下ります。

B101012k
(タワ尾根上部の様子)

B101012l
(左より石楠花尾根、右又窪右岸尾根、ゴンパ尾根)

タワ尾根の方は変わった所はありませんでしたが、尾根上部や、篶坂ノ丸より下の自然林は美しく、いつ歩いても本当に楽しいです。曇ってきたせいか日差しが途切れ途切れになってきたのが惜しかったんですけど、それでも広い尾根を右へ左へウロウロしながら降りていきます。

金袋山を過ぎると、ここからどこへ下ろうかいつも悩んでしまうんですけど、今回は久しぶりに籠岩経由で降りてみました。実はこの日見かけなかったキッコウハグマ目当てだったのですが、その思惑も外れて咲き始めのヤクシソウを見るぐらい。キッコウハグマ目当てならやっぱり上段歩道を降りるべきだったかもしれません。

B101012m
(篶坂ノ丸にて)

そして無事下山を終えて東日原へ戻ると、さすがに17時台だとハイカーもまばら。少ないですね。石尾根や南岸の山の方はいったいどのぐらいの人出があったんだろう、と思いつつビールを開けたのでした。(^^)

まだまだ気温の高い日が続きますが、紅葉はそれなりに進んで1500m以上は今週末から見頃になりそうですね。色づきはあまり期待してないけど、せめて晴れて欲しい。神さまにそう願っています。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.10.11 (Mon)   晴
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:50- かろう橋 07:35- 滝上谷橋 08:05- 林道終点 08:50- 三又 09:10/09:25- 右又窪出合 10:15- 1595m峰 11:25- 酉谷山避難小屋 12:00/12:40- 酉谷山 13:00- ヘリポート(タワ尾根ノ頭西鞍部)13:50/14:00- ウトウノ頭 14:45/14:55- 金袋山 15:35- 燕岩 16:00- 日原鍾乳洞 16:30- 東日原 16:55
 

| | コメント (12) | トラックバック (0)

2010.10.04

三頭山の底力を感じる南北の縦走

101004a
(玉川源流部の渓畔林)

そこそこ涼しくなったとはいえこの夏の影響で紅葉は相変わらず遅れ気味ですね。週末の山行きはいろいろあって日曜日(10/02)になってしまい、その上休んでいるウチに気が変わってしまって日原でなく当初は行くつもりのなかった三頭山へ行ってしまいました。かなり久しぶりに。

ということで今回は秋川側のハチザス沢 三頭沢中間尾根を登路に採り、大沢山~三頭山へ上がったら左廻りで北面捲道を周回。再び三頭山に戻った後は、小菅側の玉川をそのまま下るコースを歩いてきました。

101004b
(ハチザス沢 三頭沢中間尾根・1149m峰を過ぎた辺り)

三頭山も久しぶりだけど秋川側から登るなんてもっと久しぶりで、前は何時歩いたかも忘れているぐらい久しぶり。五日市からの数馬行きバスもハセツネを控えているせいか、お客はトレランさんが圧倒的で登山者が少なかったのもビックリでしたが、歩き出し早々車に乗っていたyamyamさんから声をかけられたのもこれまたビックリ。

今回は手前の尾根を登るので都民の森までのお誘いを丁重にお断りして都道を行き、まもなく出てくる蜂巣沢橋でハチザス沢を渡ればそこはもう目的のハチザス沢と三頭沢の中間尾根。ここでどう尾根に取り付こうかなぁ・・・と考えていたら、ここで出会った地元の方から蜂巣沢橋の袂から延びている道に入ると三頭山へ行けると聞いて、さっそく辿ってみることにしました。

101004c
(さすが三頭山・こういうブナが簡単に見つかる)

橋の左岸側の袂に戻るとそこにはしっかりした道が延びていて、さっそく入ってひと登りすると「三頭山方面は右へ」という看板の立つ分岐があってまたまたビックリ。これならあとは楽に行けるのだろうな~と思っていたら、またしばらく行った所に分岐があって、これが実際の所どちらがいいのか区別のつかない分岐でちょっと困ってしまいました。

まぁどっちを登るにしてもあまり問題はないので(笑)見た目しっかりしてそうな右の道を採ったのですが、やはりというかそれも枝沢沿いに行ってしばらく行くと途絶えてしまい、しょうがないのであとはそのままその枝沢を詰めてハチザス沢と三頭沢の中間尾根に這い上がりました。

101004d
(三頭山避難小屋)

中間尾根に上がれば後はひたすらに登るだけで、尾根上は意外にスッキリした雑木や植林の尾根で思いの外いい雰囲気。1149m峰を過ぎると右手から今は通行止めになっている「深山の路」が合わさり、藪もなくなります。

そして尾根が右へ曲がって登り切った、都民の森の1300m標識のあるピークが熊倉山(1305m)でしょう。そこから北へゆるく下るとまた右手から「石山の路」(こちらは通行可)が合わさり、この辺りから三頭山らしく尾根右手には立派なミズナラやブナが次々と現れました。この辺りは都民の森だからといって食わず嫌いな所があるのは確かだけど、この自然林の様子を見てしまうとやはり三頭沢の流域は一度きっちり歩いておかなければいけないですね。

101004e
(三頭山北面捲道のひとコマ・Part1)

立派な木々を見つける度に触ったりカメラに収めたりしつつ登っていくと、さほどの時間もかからずに笹尾根と合流。お花もヤマトリカブトにアキノキリンソウ、シロヨメナ、オヤマボクチ辺りが目立つぐらいでやはり少ないです。そして大沢山を越えて、避難小屋に降りるとハイカーが一気に増えるだろうな、と言う予想はあっけなく外れて、三頭山へ上がるまでにわずか数名とすれ違ったのみ。

この日は良くない予報が出ていたのでみんな土曜に歩いてしまったのでしょうね。三頭山の山頂もパラパラの人出でこれもビックリというか個人的には非常に嬉しいことでした。とはいえランチをとるには早すぎるので、一息ついたら北のヌカザス尾根を下り北面捲道の周回に入ります。

101004f
(三頭山北面捲道のひとコマ・Part2)

101004g
(三頭山~鶴峠の稜線上もなかなか ^^)

ヌカザス尾根・北面捲道・三頭山~鶴峠の稜線いずれも紅葉は一部低木を除いてまだまだで周囲は一面緑ですけど、その緑も色が微妙に抜けかけて紅葉シーズンもそろそろかな、と言った様子。この辺りを緑の時期に歩くのはかなり久しぶりだったんですけど、やはりというか下草が減りましたね。

それでもこの辺りの自然林はやはり素晴らしいです。そんな中をてくてく歩いて、捲道から西の稜線に戻ると再び晴れてきたのも意外で嬉しいことでした。もしかすると土曜日よりも天気は良かったかも知れません。

101004h
(権現山稜と大茅尾根・牛飼尾根を見下ろす)

101004i
(三頭山西峰・思いの外、人が少ない)

当初は三頭山山頂手前の露岩辺りでランチのつもりだったんですけど、先の山頂の人出を見る限り大丈夫そうな感じだったのでそのまま山頂へ。実際山頂に戻るとやはり閑散としていてベンチも余裕で確保できました。午後になっても晴れ間は覗くし、三頭なのに人が怖ろしく少ないし、山行きをこの日にして本当にラッキーでした。

でもすでに展望は楽しめなくなってるし、帰りのバスのこともあるので、休憩は控えめにして30分ほどで下山を始めます。とはいえ今回は玉川を下るのでそのまま北西側の沢筋へ・・・(^^;;;

101004j
(シオジの大木)

北面捲道が玉川を横切る辺りの様子からして、その下りだしから実はかなり期待していたんですけど、実際に下ってみるとその期待にそぐわぬ、と言うよりその期待以上の林が広がっていて、適当に下りながらも思わずほくそ笑んでしまうような素晴らしさ。

そんな訳でのっけから周囲をウロウロしつつシオジの大木を愛でたり、乗り越えたり。でも沢の斜面を横切る鹿道もかなり目立ちました。やはりこの辺りもシカ徐々にが増えていますね。

101004k
(玉川上流部は渓畔林が素敵でした)

数時間前は玉川を東から西へ横切ったのに、今度は北面捲き道を突っ切るのもなんか不思議な感じです。北面捲道からひと下りでようやく水流が現れましたが、それも長くは続かず再び伏流になってしまいました。

それでも相変わらず渓畔林は美しいし、さしたる滝場はないし、普通に歩く分には本当に楽しいと思いますけど、遡行的な妙味がほっとんどないのは確かかも(笑)。

101004l
(6mを越えるトチの大木)

下るにつれ倒木が増え、沢筋はやや荒れた感じになる所もありますが、それでも見所もまだまだあって下っていても飽きません。

そして右岸側にワサビ田跡を見ると沢床が広がり、もうどこでも歩ける感じ。しばらく下ると沢なのに一面壁のような植林になって驚きましたがそれもすぐに抜けて、今度は伐採跡のような明るい広がりに変わると、間もなく右岸側に現れた作業小屋の脇に出て、その先には明瞭な道が延びていました。

101004m
(ワサビ田跡を見ると林道は近い)

その道をひと下りすると右手から入小沢ノ峰からの画然とした登山道?と合流。あとはスイスイ下れます。当初はごく普通の山道だったのが、いつの間にやら林道に変わっていて、あとはチンタラと玉川のバス停へ向かったのでした。

今回は久しく訪れていない、という理由だけで何となく三頭山に決めてしまったんですけど、実際歩いてみるとこれがまた新たな発見というか、三頭山のさらなる奥深さを感じる山行きになったのは神の御業でしょうか。天気も思いの外良かったし、とにかく良い山行きになったことに感謝感謝の一日。おかげで新たな課題もできましたしね。。。(^^)
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.10.03 (Sun)   晴 後 曇
武蔵五日市駅 07:10→ 数馬 08:15- 蜂巣沢橋 08:30- 1149m峰 09:30- 熊倉山 09:55- 大沢山 10:30/10:40- 三頭山 10:55- 鶴峠分岐 11:15- 三頭山~鶴峠稜線の分岐 11:55- 三頭山 12:45/13:20- 北面捲道突っ切る 13:40- 登山道?合流 14:40- 玉川BS 15:15
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »