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2010.09.19

木々美しき 都県界尾根北面の捲道を歩く

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(都県界尾根/長沢背稜北面捲道のひとコマ・Part1)

ふうぅ。ようやく気温が下がって溶けるような暑さから解放されてホッとしています。そんな訳で山へ行く気力もようやく出てきて、土曜(09/18)は三ヶ月ぶりに日原方面を歩いてきましたよ♪

ということで今回は倉沢スタートで長尾谷の水源林巡視路から長尾谷、そして仙元峠の西隣1400m圏峰へ突き上げる左又窪左岸尾根を登って仙元峠に出たら、長年懸案となっていた都県界尾根/長沢背稜北面(秩父側)の捲道を西へ、三ツドッケ北東尾根たるシャクナン尾根まで辿って三ツドッケに出るコースを歩いてきました。

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(長尾谷980m圏二俣附近)

奥多摩も今年に入ってから特にハイカーが増えた印象だったので、それなりに天気は良いし三連休初日の人出が気になっていたんですけど、まだ高い所へ向かっているのか想像よりかなり少なくちょっとホッとしました。ということで倉沢で降りたのもボク一人で、さっそく林道を歩きはじめます。

魚留橋を過ぎ、廃林道の終点でもあるワサビ沢出合手前の分岐に出たら今回は沢へ降りずに左の道を行きます。ひと登りで去年這い上がった箇所を通りかがったら(笑)あとはスムーズに行けるもの、と思っていたんですけど、その先の一旦左岸側を捲くところも若干わかりづらくなっていたし、

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(この先は水線に沿って遡行するしかない)

その先の930m圏の二俣から先の道が倒木に枝葉が散乱していて皆目わからず、自然と右岸側の枝沢沿いに延びる棒杭尾根に出そうな巡視路に入ってしまい20分ほどのロス。しばらく捜索しても道が見つからなかったので、ここは一旦沢に降りて水線に沿ってしばらく上がり、適当な所で右岸側を試しに高捲いてみるとあっさりと道が見つかりました。

再び道を辿ると林班標の立つ980m圏二俣附近の広場はすぐ先で、巡視路があるのはここまで。ここからはそのまま沢を行きますが水量も少ないのでビブラムでも難なく行けて、じきに左手から等量の左又窪が合わさる1040m圏の左又窪 センゲン前窪出合に到着。

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(左又窪左岸尾根・末端部はリッジ状の痩尾根)

この中間の尾根が目的の左又窪左岸尾根なのですが、末端部は少々急な岩尾根なので右の本谷側に入り、先の崩落地を登るのは・・・やっぱりやめて末端部に近い所から尾根に取り付きました。

幸いに急でぐずぐずな箇所はひと登りで終わり、しばらくはアセビの目立つ岩屑混じりの続きます。

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(左又窪左岸尾根・露岩がなくなると日原らしい林になる)

尾根が緩んでくるとミズナラ、ブナの日原らしい素敵な林に変わり、同時に枯れたスズタケも出てきますが今となっては若干触れる程度。あとはこのまま稜線だろうと思っていたら、途中左手からマーキングの付いた踏跡が合わさってビックリしてしまいました。

この先も2、3箇所ほど付いていましたけど、これは何かの道だったのか、それとも単に沢登り用なのか少々気になりました。そおいや去年長尾谷から枝尾根を上がったときも鹿道とは思えない妙な道形らしきものもあったんですよね。

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(仙元峠・大ブナの枝が折れて明るくなった)

そうこうしているうちに縦走路に出てしまいましたが、ここは最後のピークまで登りきってから東の仙元峠に向かいました。本当はここでランチにするつもりだったんですけど、予想外に早く曇ってしまったため遅くなってもいいから三ツドッケでとることにして、一息ついてから今回のメインとも言える北面捲道を探すべく久しぶりに北の仙元尾根を下り始めました。

ひと下りすると真新しい道標があって、そこから西へ分かれている切り開きが怪しかったんですけど、とりあえず確認のためにしばらく下ってみて周囲を確認してから、やっぱりコレが北面捲道かなぁということで戻ってさっそく突入。

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(都県界尾根北面捲道のひとコマ・Part2)

10年以上前はこの辺りもスズタケの藪に覆われていて、仙元尾根や仙元谷の径路も当然そんな藪道だったんですけど、当時から道を横切る明瞭な切り開きがあって、それが北面の捲道だとわかったのは花のひかりを始めた当初にも紹介した「回想の秩父多摩」を目にしてから。それから一部をちょこちょことは歩いていたんですけど、今回ようやくまとめて歩く気になったのです。

そんな訳で期待にワクワクしながら先を行くと、道は枯れたスズタケの中を細いながらも明瞭に延びていてこれで間違えない感じ。でもしばらくは稜線に近い所に延びているんですね。

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(都県界尾根北面捲道のひとコマ・Part3)

周囲のスズタケが枯れたせいで少々荒れた感じですけど、それでもブナの立派な木々が林立する北面の自然林はやはり素晴らしい。そして沢を横切る所はシオジやサワグルミなどの渓畔林もなかなか、カツラなのかタカノツメなのか周囲にはほのかに甘い香りも漂って良い感じです。

ただ今まで歩いた印象から暗い北面を行くので晴れた日を狙ったはずなのに予想外に早く曇ってしまったのがとにかく惜しい。カエデの類も多く紅葉も良さそうです。

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(都県界尾根北面捲道のひとコマ・Part4)

なおも先を行くと基本的に下り勾配となり、稜線よりそれなりに下がったところを通るようになりますが、道筋が薄いせいかどうしても上へ行く鹿道を拾ってしまい、そのたびに斜面を下ると道が見つかる感じ。

そしてカラマツ植林混じりになるとじきに仙元沢の径路を横切りますが、スズタケの枯れた今この辺りも仙元谷の径路の方に入り込み易いかも知れません。

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(三ツドッケの北面を捲くようになると大岩が次々と出てくる)

仙元谷の径路を横切ると三ツドッケの北面を捲くようになるせいか、大岩が次々現れて雰囲気がちょっと変わってきます。この辺りは今までとは違って林も荒れた感じがなくて、個人的には一番好ましいと思った区間でした。

そして行く先にシャクナン尾根が目の前に近づいてくると、ここから道はどう尾根を横切るのかが楽しみだったんですけど、尾根が近づくと道は今までのトラバース道から一転つづら折れに変わってシャクナン尾根に上がる段取り。

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(シャクナン尾根に上がりました・右が北面捲道)

尾根に上がった所は地図を見ると1470m圏のちょっとした鞍部で、西へは南方向と北方向へ道筋が延びていて北面捲道はどちらなのか悩んでしまうような五叉路になっているようにも見えます。

この先も気になるんですけど、お腹も減ったし時間も時間なので今回はここまで。行く先に聳える三ツドッケ北峰(やはりここもシロヤシオが多い)をフラフラ登り、下って三ツドッケへ登り返すとすでに14時近い時間になっていました。

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(蕎麦粒山と仙元峠を振り返る・三ツドッケより)

当然ながら曇っている上にこの時間ですから山頂には誰もいません。周囲を見渡してみると1700m以上の山にはガスがかかっていたので、それなりに展望が楽しめたこちらにしたのは結果正解だったのかも。あとはフラフラしながらランチをとって(笑)おとなしくそのまま東日原へ下りました。

そうそう東日原バス停手前のお店、長らくお店が開いている所を見てなかったんですけど、なんと若い方がおそば屋さんとして復活させていたのにも驚きました(喜び処 みんなのいえ、だそうです)。今回はお昼を食べたばかりだったので生ビールだけでしたけど、日原でプレミアムモルツの生で山行きを〆られるなんでなかなかオツじゃないですか~。(^^)

店主さんにお聞きしたところ本業があるのでしばらくは不定休だそうですが、どうやら寒くなってもやってくれそうな雰囲気。冬でも開いててくれると良いなぁ。その暁にはかの大日そばみたいに焼酎の蕎麦湯割なんて提案してみようかしらん。 
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.09.18 (Sat)   曇 時々 晴
奥多摩駅 07:25→ 倉沢 07:45- 魚留橋 08:20-(20分ロス)- 長尾谷980m圏二俣 09:35/09:50- 左又窪 センゲン前窪出合 10:10- 仙元峠 11:15/11:25- 仙元谷径路横切る 12:55- シャクナン尾根(三ツドッケ北東尾根)1470m圏鞍部 13:25- 三ツドッケ 13:45/14:15- 一杯水 14:30- 東日原 15:45
 

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コメント

かずさん、

河野さんのあの本は本当に良い本だと思います。でも他にも出されているようですけど、近場の本はあれだけだったような。

> 道を造った人のことを考えると楽しい。

そうそう。言い換えれば廃道を追うというのは実際に見た地形からその辺りの事を考えてあげないと道を追えないんですよね。だからこそ楽しい。又行ってモルツが飲みたいなぁ。。。

投稿: komado | 2010.09.22 19:45

長沢背稜北面(秩父側)の捲道とはなんぞや?
と思ったら「回想の秩父多摩」のP54・55に地図が載ってますね。

白山書房っていい本出してるなあ。
河野さんの著書は他にないのでしょうか?

リッジ状の痩尾根はどこから取り付こうか悩む~!

山腹に付けられた捲道って、尾根歩き違うドキドキがあります。
沢筋で崩れてないかとか…。道を造った人のことを考えると楽しい。

モルツはうまいよね~。居酒屋にはなかなか置いてないけど…。

投稿: かず | 2010.09.21 20:29

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