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2010.09.28

木々美しき 都県界尾根北面の捲道を歩く・その2

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(都県界尾根/長沢背稜北面捲道のひとコマ・Part1)

しかし・・・なんというか涼しくなり始めたのは良いんですけど、一気に冷え切っちゃった感じですね。おかげでようやく秋雨なのかシルバーウィークの連休の天気は今ひとつ。予想が当たってしまったのはチト悲しいんですけど、お陰で山の方も結局週末オンリーということでようやく歩けたのは台風が過ぎ去った後の日曜日(09/26)。

ということで今回も先週と同様に都県界尾根/長沢背稜北面(秩父側)捲道の探訪、ということで北面捲道をシャクナン尾根(三ツドッケ北東尾根)から大栗山の北東尾根まで辿り、大栗山へ登り返したらハナド岩でランチをとってハンギョウ尾根の水源林巡視路を下降、それから久しぶりに中段歩道経由で日原へ戻るコースを歩いてきました。

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(朝のヨコスズ尾根)

連休に好天とあってもまだ九月のせいでしょうか久しぶりの一番バスもハイカーの姿は少なく、お陰で気分良くスタート。しかしヨコスズ尾根を登るなんて何年ぶりかなぁ。朝日を浴びつつ登るヨコスズ尾根はちょっとだけ新鮮かつなかなか素敵な姿を見せてくれました。

そんな好天ですので三ツドッケの展望も、周囲の山山に平野部の広がりもそこそこハッキリ見えて久しぶりに良好だったのですが、すでに南西側からは雲が何となく湧いてきている感じ。。。

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(この時点では大変良い天気だったのだが・・・)

そんな展望を楽しみつつパンを食べたら北のシャクナン尾根を下り、まずは北面捲道が通る1470m圏の鞍部(前回のは記事は間違えでしたので修正しました)へ向かいます。

鞍部に降り立ったらここで北面捲道に入るんですけど、鞍部から東側は道が明瞭ですが、西側は意外に薄いので実際はどんな感じなのだろうと思いつつ捲道に入ってみると、こちらも結構明瞭でした(笑)。

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(ミズナラとヤマグルマの立派な合体木)

しばらくは暗い若い雑木林の中を行きますが、それも間もなく抜けて周囲が自然林に変わると、一気に雰囲気も良くなります。特にショーグリ沢の源頭部を横切る所が周囲に点在する大岩と素敵な渓畔林とが相まった、まさに緑の庭園と言った趣で歩みもついつい遅くなってしまいます。

お花も少ないながらもヤマトリカブトにダイモンジソウ、オクモミジハグマ咲いていてこれも良いアクセントでしたし、↑↑↑の3mをゆうに超えるミズナラと照葉樹でもあるヤマグルマ(日原でもぼちぼち見かけていたので今回必死に調べて、ようやく判明しましたぁ!)の立派な合体木も目を引きました。

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(この崩落地辺りからアヤしくなって・・・)

先を行ってもブナが美しいし、う~んこりゃなかなか良い道ですなぁ・・・と思い始めたところで板形ノ峰(1553m峰)東鞍部から天目山林道へ下る下降路を横切ると、ここからカラマツ植林に変わってしまいちょっとガックリ。まぁ下には林道が通っているのでしょうがないんですけどね。

下降路とクロスしてもしばらくは刈り払われた明瞭な道が続いていたのですが、ちょっとした崩落地を過ぎた辺りからなーんか道筋があやふやになってきて・・・

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(ハナド岩直上の1560m圏峰北東尾根の1460m圏緩斜面)

結局は捲道と云うより、作業道の名残だったり鹿道を追うようになっていました。そして通りがかったハナド岩直上の1560m圏峰北東尾根の1460m圏辺りの緩斜面もカラマツ植林下で雰囲気的には今ひとつ。ただそんな枝尾根を分ける沢筋はそれなりに趣のある箇所もあってそれが救いだったかも。

なおも適当にトラバースして大栗山(1591m峰)北東尾根にさしかかると今度はヒノキ植林変わってより歩きやすくはなったんですけど、北東尾根の一番西の枝尾根まで来た所でそんなあやふやな踏み跡さえ追えなくなって、とうとう行き詰まってしまいました。

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(大栗山北東尾根上部にて)

こうなるとあとはこの枝尾根を登るか下るかしてそれらしきものを見つけるしかないんですけど、どっちにしようかしばらく思案していたら、ちょっとした所からガスで隠れた大平山と大クビレが見えて、こちらから見る大クビレはちょっと上にあるようにも見えて、余計に迷うジャン!(笑)

結局下るのはイヤなので尾根を登り返したんですけど、枯れたスズタケを漕ぎつつ登ってもそれらしきものは見当たらず、あっけなく大栗山に上がってしまいました。

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(ハナド岩に着く頃にはすでにこんな感じ)

さて、ここまで上がってしまうと再び下るのはちょっとイヤだし、何より曇ってしまったし、しかもお昼時だし、今回はの所はここまでして、とりあえず近くのハナド岩でランチをとることにしました。

こんな天気のせいかハナド岩にも誰もいなくて、向かいの石尾根もすでに↑↑↑こんな感じ。コレなら誰も来ないだろうと、おかげで安心してランチタイムを過ごせましたが、やっぱりチト寒いですねぇ。

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(ミズナラ美し・ハンギョウ尾根)

しかしここでランチをとってしまうと後の行程が悩み所で、酉谷廻りだと16時台のバスは無理だし、かといってヨコスズ・ハンギョウ尾根、カロー谷では早すぎる。倉沢は先週歩いたし、大栗尾根も中間から下は植林だし・・・さてどうしたものかと考えていたんですけど、そおいやカロー谷からヨコスズ尾根の西側を通って日原へ抜ける間の中段歩道は久しくご無沙汰していた事に気がついてようやく帰路も決定。そうと決まればさっさと後片付けをして下山開始です。

相変わらずミズナラの疎林が美しいハンギョウ尾根を降り、今回は巡視路通りに途中から尾根を外れて一旦カロー谷の方に降り、まもなくの分岐を右の道へ入って中段歩道に出る段取り。

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(中段歩道・カロー谷に降りました)

中段歩道を東へ辿ればまもなくカロー谷の小屋跡の広場で、ここで一休みしてからなおも中段歩道を追います。

カロー谷から先の中段歩道は急斜面につけられた道に変わるせいか、どこかしらスリリングな箇所が点在していてそれはそれで楽しいものなんですけど、やはり気を遣う印象があったのですが、今回はなぜかそれらを気にせず歩ける感じなのが妙な違和感。。。

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(中段歩道・カロー谷~日原間は近年になく歩きやすい)

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(木々美し、中段歩道のひとコマ・Part3)

それでもこの辺りは自然林が美しく、曇っていてもなかなか素晴らしい道のりです。カロー谷から続いた登りが終わると、ここからがこの道のハイライトでもあるんですけど、この辺りも高度感のある急斜面なもののルンルン気分で歩けちゃいました。

ということでカロー谷~日原間は09/26の時点ではかなり歩きやすくなっていましたが、今年もかなり遅れたもののようやく秋の長雨の時期に入りましたし、これからは台風シーズンでもあるので、もともと地形の脆いところ、今後の天候次第では道の状態は予断を許さないということは念のため付け加えておきます。

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(シオジ美し、中段歩道のひとコマ・Part4)

そしてこれまた久しぶりに学校跡に降り立ったらあとはプレミアムモルツめがけて一直線、だったんですけど残念ながらお店はお休み。残念!でも先週はお休みだった酒屋さんが開いていたのでビールは無地確保できました。(^^)

そおいえば帰りのバスも先週ほどでないにしろ連休の割には少なくて、後の続行便は今週もガラガラだったのでしょうかねぇ。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.09.26 (Sun)   晴 後 曇
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:50- 一杯水 08:35/08:45- 三ツドッケ 09:00/09:15- 板形ノ峰東鞍部からの下降路横切る 10:10- 1460m圏緩斜面 10:40/10:55- 大栗山 12:10- ハナド岩 12:20/13:10- カロー谷 14:10- 巨樹コース合流 15:15- 東日原 15:30
 

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2010.09.19

木々美しき 都県界尾根北面の捲道を歩く

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(都県界尾根/長沢背稜北面捲道のひとコマ・Part1)

ふうぅ。ようやく気温が下がって溶けるような暑さから解放されてホッとしています。そんな訳で山へ行く気力もようやく出てきて、土曜(09/18)は三ヶ月ぶりに日原方面を歩いてきましたよ♪

ということで今回は倉沢スタートで長尾谷の水源林巡視路から長尾谷、そして仙元峠の西隣1400m圏峰へ突き上げる左又窪左岸尾根を登って仙元峠に出たら、長年懸案となっていた都県界尾根/長沢背稜北面(秩父側)の捲道を西へ、三ツドッケ北東尾根たるシャクナン尾根まで辿って三ツドッケに出るコースを歩いてきました。

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(長尾谷980m圏二俣附近)

奥多摩も今年に入ってから特にハイカーが増えた印象だったので、それなりに天気は良いし三連休初日の人出が気になっていたんですけど、まだ高い所へ向かっているのか想像よりかなり少なくちょっとホッとしました。ということで倉沢で降りたのもボク一人で、さっそく林道を歩きはじめます。

魚留橋を過ぎ、廃林道の終点でもあるワサビ沢出合手前の分岐に出たら今回は沢へ降りずに左の道を行きます。ひと登りで去年這い上がった箇所を通りかがったら(笑)あとはスムーズに行けるもの、と思っていたんですけど、その先の一旦左岸側を捲くところも若干わかりづらくなっていたし、

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(この先は水線に沿って遡行するしかない)

その先の930m圏の二俣から先の道が倒木に枝葉が散乱していて皆目わからず、自然と右岸側の枝沢沿いに延びる棒杭尾根に出そうな巡視路に入ってしまい20分ほどのロス。しばらく捜索しても道が見つからなかったので、ここは一旦沢に降りて水線に沿ってしばらく上がり、適当な所で右岸側を試しに高捲いてみるとあっさりと道が見つかりました。

再び道を辿ると林班標の立つ980m圏二俣附近の広場はすぐ先で、巡視路があるのはここまで。ここからはそのまま沢を行きますが水量も少ないのでビブラムでも難なく行けて、じきに左手から等量の左又窪が合わさる1040m圏の左又窪 センゲン前窪出合に到着。

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(左又窪左岸尾根・末端部はリッジ状の痩尾根)

この中間の尾根が目的の左又窪左岸尾根なのですが、末端部は少々急な岩尾根なので右の本谷側に入り、先の崩落地を登るのは・・・やっぱりやめて末端部に近い所から尾根に取り付きました。

幸いに急でぐずぐずな箇所はひと登りで終わり、しばらくはアセビの目立つ岩屑混じりの続きます。

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(左又窪左岸尾根・露岩がなくなると日原らしい林になる)

尾根が緩んでくるとミズナラ、ブナの日原らしい素敵な林に変わり、同時に枯れたスズタケも出てきますが今となっては若干触れる程度。あとはこのまま稜線だろうと思っていたら、途中左手からマーキングの付いた踏跡が合わさってビックリしてしまいました。

この先も2、3箇所ほど付いていましたけど、これは何かの道だったのか、それとも単に沢登り用なのか少々気になりました。そおいや去年長尾谷から枝尾根を上がったときも鹿道とは思えない妙な道形らしきものもあったんですよね。

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(仙元峠・大ブナの枝が折れて明るくなった)

そうこうしているうちに縦走路に出てしまいましたが、ここは最後のピークまで登りきってから東の仙元峠に向かいました。本当はここでランチにするつもりだったんですけど、予想外に早く曇ってしまったため遅くなってもいいから三ツドッケでとることにして、一息ついてから今回のメインとも言える北面捲道を探すべく久しぶりに北の仙元尾根を下り始めました。

ひと下りすると真新しい道標があって、そこから西へ分かれている切り開きが怪しかったんですけど、とりあえず確認のためにしばらく下ってみて周囲を確認してから、やっぱりコレが北面捲道かなぁということで戻ってさっそく突入。

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(都県界尾根北面捲道のひとコマ・Part2)

10年以上前はこの辺りもスズタケの藪に覆われていて、仙元尾根や仙元谷の径路も当然そんな藪道だったんですけど、当時から道を横切る明瞭な切り開きがあって、それが北面の捲道だとわかったのは花のひかりを始めた当初にも紹介した「回想の秩父多摩」を目にしてから。それから一部をちょこちょことは歩いていたんですけど、今回ようやくまとめて歩く気になったのです。

そんな訳で期待にワクワクしながら先を行くと、道は枯れたスズタケの中を細いながらも明瞭に延びていてこれで間違えない感じ。でもしばらくは稜線に近い所に延びているんですね。

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(都県界尾根北面捲道のひとコマ・Part3)

周囲のスズタケが枯れたせいで少々荒れた感じですけど、それでもブナの立派な木々が林立する北面の自然林はやはり素晴らしい。そして沢を横切る所はシオジやサワグルミなどの渓畔林もなかなか、カツラなのかタカノツメなのか周囲にはほのかに甘い香りも漂って良い感じです。

ただ今まで歩いた印象から暗い北面を行くので晴れた日を狙ったはずなのに予想外に早く曇ってしまったのがとにかく惜しい。カエデの類も多く紅葉も良さそうです。

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(都県界尾根北面捲道のひとコマ・Part4)

なおも先を行くと基本的に下り勾配となり、稜線よりそれなりに下がったところを通るようになりますが、道筋が薄いせいかどうしても上へ行く鹿道を拾ってしまい、そのたびに斜面を下ると道が見つかる感じ。

そしてカラマツ植林混じりになるとじきに仙元沢の径路を横切りますが、スズタケの枯れた今この辺りも仙元谷の径路の方に入り込み易いかも知れません。

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(三ツドッケの北面を捲くようになると大岩が次々と出てくる)

仙元谷の径路を横切ると三ツドッケの北面を捲くようになるせいか、大岩が次々現れて雰囲気がちょっと変わってきます。この辺りは今までとは違って林も荒れた感じがなくて、個人的には一番好ましいと思った区間でした。

そして行く先にシャクナン尾根が目の前に近づいてくると、ここから道はどう尾根を横切るのかが楽しみだったんですけど、尾根が近づくと道は今までのトラバース道から一転つづら折れに変わってシャクナン尾根に上がる段取り。

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(シャクナン尾根に上がりました・右が北面捲道)

尾根に上がった所は地図を見ると1470m圏のちょっとした鞍部で、西へは南方向と北方向へ道筋が延びていて北面捲道はどちらなのか悩んでしまうような五叉路になっているようにも見えます。

この先も気になるんですけど、お腹も減ったし時間も時間なので今回はここまで。行く先に聳える三ツドッケ北峰(やはりここもシロヤシオが多い)をフラフラ登り、下って三ツドッケへ登り返すとすでに14時近い時間になっていました。

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(蕎麦粒山と仙元峠を振り返る・三ツドッケより)

当然ながら曇っている上にこの時間ですから山頂には誰もいません。周囲を見渡してみると1700m以上の山にはガスがかかっていたので、それなりに展望が楽しめたこちらにしたのは結果正解だったのかも。あとはフラフラしながらランチをとって(笑)おとなしくそのまま東日原へ下りました。

そうそう東日原バス停手前のお店、長らくお店が開いている所を見てなかったんですけど、なんと若い方がおそば屋さんとして復活させていたのにも驚きました(喜び処 みんなのいえ、だそうです)。今回はお昼を食べたばかりだったので生ビールだけでしたけど、日原でプレミアムモルツの生で山行きを〆られるなんでなかなかオツじゃないですか~。(^^)

店主さんにお聞きしたところ本業があるのでしばらくは不定休だそうですが、どうやら寒くなってもやってくれそうな雰囲気。冬でも開いててくれると良いなぁ。その暁にはかの大日そばみたいに焼酎の蕎麦湯割なんて提案してみようかしらん。 
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.09.18 (Sat)   曇 時々 晴
奥多摩駅 07:25→ 倉沢 07:45- 魚留橋 08:20-(20分ロス)- 長尾谷980m圏二俣 09:35/09:50- 左又窪 センゲン前窪出合 10:10- 仙元峠 11:15/11:25- 仙元谷径路横切る 12:55- シャクナン尾根(三ツドッケ北東尾根)1470m圏鞍部 13:25- 三ツドッケ 13:45/14:15- 一杯水 14:30- 東日原 15:45
 

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2010.09.08

ゆづく ・・・と!

 
今回の台風は勢力も弱いし、大したことないだろうと高をくくっていたんですけど、こちらの方は大丈夫だったものの、南の丹沢辺りは雨が相当降ったみたいで、ニュースで酒匂川の凄い濁流な映像が流れているし、その上にこんな↓↓↓ニュースも。。。
  

神奈川 土砂崩れで3人けが

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20100908/k10013870611000.html
 
 
今日一日で丹沢湖では雨がなんと500mmも降ったとか。これだけ降れば普通の山でも何かあるのは避けられないんですけど、何かと脆い箇所の多い西丹沢のこと。どういう状況になっているのか大変気がかりです。

そうそう、そおいや夕方のニュースではきちんと「ゆづく」と読まれていたのには驚きました。実はコレが一番言いたかったことだったりするのですが、とにかく被害に遭われた方々にはお見舞いを申し上げます。
 

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