南ア南部まったり縦走 4(百間洞~聖岳~聖平)
(朝の大沢山・バックは聖岳)
昨晩の様子からこの日は絶対晴れると確信はしていたものの、今までが今までだったので、朝起きて外を見るまでかなり不安だったのですが、さすがに朝は聖岳(ようやく間近で対面できました)こそ雲がかかっているものの、他は雲一つない快晴!
でも実際はやったーというより、やれやれようやくかよと言った所でしたけど、やっぱりテンションが上がっていたんでしょうね。居ても立ってもいられず朝食を頂いたら、さっさと準備して出発です。
(中盛丸山、兎岳方面はこんな感じ)
この辺りはもちろん初めてなので捲道は行かずにそのまま大沢山へ直登したんですけど、結構急な登りも天気が良いとルンルン気分でこなせます。振り返ると赤石はまだガスがかかっていましたが、百間平に奥の悪沢岳は姿を現し、ガスで皆目わからなかったけどあの辺りはあんな感じだったんだなぁ、と思わず立ち止まってしばし眺めてしまいました。
そして左側も見慣れぬ山々だったんですけど、尾根の途中に立派な小屋が見えたので、アレは何?と地図を見てみるとしらびそ山荘なんですね。あそこは昔林道ツーリングで泊まったことあるんでかなり懐かしかったです。
(ようやく再会・タカネビランジ)
そんな感じで兎岳まではゆるゆる歩ける大変気持ちの良い稜線。でも花は意外に少なかったかな?
のんびりペースで百間洞から3時間ほどで兎岳に上がると、ここでようやくタカネビランジとの再会。長かったー。この花はもっと手前で普通に見かけるだろうと思っていたんですけど、天気が良くないこともあってここまで逢えないとは正直思ってもいませんでした。
(中盛丸山、大沢山、百間平辺りを振り返る)
(兎岳避難小屋・中は利用できるように改修されていた)
花は盛りやや過ぎてしたがまだ綺麗なのもあったので念入りにカメラに収めたら、この日はここからが本番、一旦下って聖岳へ登り返すんですけど、コレが見ただけでもイヤになる上下です。
ただここからお花が増えてきたのは想定外。特に下った兎岳の避難小屋周辺はイワオウギやタカネヨモギあたりがやたらと、そしてなぜかテガタチドリにミヤカクワガタじゃなくておそらくアカイシミヤマクワガタなんかがいたりして、この辺りだけ周囲と少々様子が違っていたのが印象的でした。
(コレを下って登り返すのかぁ・・・)
(今回見かけたお花の一部・Part1)
そして聖兎コル周辺の崩落した西沢側の方にお花が多かった(種類も量も)のも意外、と思ったんですけど、もしかするとここはシカさんの来づらい所のせいなのかもしれませんね。
痩せた稜線を慎重に降り、最低鞍部に降り立ったらここから聖岳へ登り返しです。最初こそ急でしたがそれをこなすとあとは想像よりは緩くて、もちろんしんどいことはしんどいですけど、案外楽に行けました。ただ楽に歩けたのはこの辺りからガスりはじめて涼しくなったおかげもあるかも。
(赤石岳もようやく姿を現した)
他の山は早い時点でガスが切れて姿を見せてくれたのに↑↑の赤石だけは姿を見せたのはほんの数分といったレベルで、まあ今回の所は間近に姿を見られただけも充分、でしょう。
あとはニセピークに何度か騙されつつもゆるゆる登っていくと、ようやく人の姿が見えてきてラストスパート。なんとか聖岳の山頂に到着しました。
(聖岳山頂)
もうこの頃にはガスが上がってきていて展望は今ひとつでしたが、思いの外広い山頂には人が沢山いたので、とりあえず落ち着けそうな場所を探して東へ移動。適当な所を見つけたらさっそくランチです。
実はこの時点でまだ持参の食料が4食分もあったのに、百間洞の仕事ぶりに思わずオベントも購入してしまっていたのでした(笑)。凝った包み紙の中には混ぜご飯のおにぎりに天むす。もちろん美味いです。そおいやこの天ぷらは夕食のおそばにも入っており、食材の共用の仕方にも感心してしまいました。
(今回見かけたお花の一部・Part2)
(聖平への下り始めも急だ)
んでランチを終えたら腰を上げて・・・のつもりが急に襲われた眠気に勝てずその場で一時間ほどぐっすりお昼寝してしまい、これで密かに狙っていた茶臼岳は時間的に諦めざるを得なくなってしまいました。
しょうがないのでとりあえず奥聖までのんびり往復してから聖平へ向かったんですけど、こちらも急でエグいぐらいに下りますねぇ。まぁ時折ガスが晴れて気持ちがいいし、下りだから楽ですけど。
(小聖岳附近より聖岳を振り返る)
下って下って小聖辺りに出ると尾根が一旦緩むんでフト振り返ると、聖が壁のように聳えていて思わずボーッと眺めてしまいましたが、これを見ながらの登りも結構しんどいものがありますね。
小聖を過ぎると間もなく樹林帯に入り、そろそろお終いの雰囲気。この辺りもお花が多くて見事ではあるんですけど、シカさんのお嫌いなお花ばかり。そして聖平の分岐がある最低鞍部に降り立つ頃には周囲は完全にガスに包まれて、これで茶臼への未練もキレイさっぱりなくなりました。
(聖平への下りしな・下るにつれシカの影響が出てくるようだ)
ということでこの日のお宿は聖平小屋。小屋に着いたハイカーに振る舞われるお茶がやたらに美味かったなぁ。小屋は綺麗でスタッフの対応も良く、大変気持ちの良い小屋でしたが、ここもトイレが遠い!荒川小屋より遠いかも。まぁここは素泊まりでも同じ距離ですけど(笑)。
ガスも夜になるときれいになくなり、この日は前の日以上の星空を楽しむ事ができました。あぁ明日で下山なんてホントにもったいないなぁ。。。
・・・・・☆
◆ 2010.08.16 (Mon) 晴 後 曇
百間洞山の家 05:00- 大沢岳 06:00/06:10- 兎岳 07:55/08:10- 兎岳避難小屋 08:20/08:30- 最低鞍部(聖兎コル)08:50- 聖岳 10:00/11:15- 奥聖岳 11:30/11:40- 聖岳 12:10- 小聖岳 12:45- 聖平小屋 13:30
聖平小屋 一泊二食 ¥8000
ビール(ロング缶) ¥700
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コメント
ふうたろうさん、
な・・・あちらも破線がついているんですか!
そおいや木のは古いエアリアだから聖岳東尾根も末端部は聖沢の方に延びているけど、新しいのは椹島の方へ赤破線が付いているんですよね。
今回はメインの所しか歩かないから8年前のをそのまま持って来たんですけど、明日本屋で新しいのを確認していますね。ありがとう。(^^)
投稿: komado | 2010.09.01 23:22
話横からですみません。
奥茶臼山、2010年号の昭文社の地図から、
ルートが記載されているようですよ。
南アルプス深南部主稜線からは繋がってはいないみたいですけど、
上村方面からは行けるんじゃないでしょうか。
少なくとも、ふうたろうはもう狙っています(笑
投稿: ふうたろう | 2010.08.29 23:23
かずさん、
兎の小屋はイメージ的に言うとあの中に新たに簡素な小屋を造ったという感じでしょうか?ごくごく簡素ですけど泊まるには問題ないですね。ただトイレがないので携帯用のが中に用意されていました。
便ヶ島の方は確実にタクシーだし、ヒルも出るらしいので今回はおとなしく畑薙の方におりましたよ。
投稿: komado | 2010.08.27 22:41
SAKURAさん、
実は今回歩いて一番気になったのは大沢岳から派生する丸山・奥茶臼・しらびそと続くあの稜線だったんです。まぁあの辺りは最後までガスが来なかった所でもあるんですけど、上村の辺りの急峻さとか今でも印象に残っているので、今回歩いた所とあそこは繋がっているんだ・・・としみじみ味思いながら歩いていたのでした。
笊ヶ岳はしんどそうですよね。椹島からの往復では交通に難ありなので前泊で身延側へ抜けられるかなぁ、と思案していたりします。
投稿: komado | 2010.08.27 22:39
ふうたろうさん、
ホントに晴れて救われましたね。雨の日もガスの日もそれなりに楽しみはあるとは言っても、こういう山行きでそうなっちゃうとやっぱり不完全燃焼ですから。
茶臼は行けなくて残念でしたけど、光も残ってるしコレはまた来いと言われているんだと思っています。でも南部は遠いよなぁ。。。
投稿: komado | 2010.08.27 22:33
え?(_□_;)!!
兎岳避難小屋改修されたの~?
僕が行った時は、お化け屋敷のようでしたけど。
内部の写真も見たいなあ。
あんな素敵な稜線なのね…。
晴れていれば~。(笑)
もう一度行かないとなあ。
聖平への下りしなは記憶に残ってて懐かしい!
聖平からはどこへ下ったんだろうなあ?
僕は易老渡でしたよ~。
投稿: かず | 2010.08.26 17:17
晴れてよかったですね。
やはり、展望がないと残念ですもんね。
上からもしらびそ峠が見えるんですね。
行った事はあるのですが、雲が多くて山々は見えませんでしたが、今回歩かれた辺りが見えるはずですよね。
高山のお花がたくさん見えて、展望と共に楽しまれたご様子ですね。
タカネビランジの大株素晴らしい~♪
山はやっぱり、お天気に左右され、本当に帰るのがもったいないですねぇ…
南アに入っていた友人が今日下山したようです。
1人で幕背負って8日間歩いたようです。
やはり、笊ヶ岳は厳しかったそうです。
投稿: SAKURA | 2010.08.25 22:11
こんちは。
komadoさんが聖岳山頂に着いた頃、
ふうたろうも冬季ルートをちょうど終えました。
後1日あれば、ふうたろうも茶臼岳まで行けたのになあなんて、
無い物ねだりを今更してみたり。
それでも、最後の日だけでも晴れて、
有終の美を飾れましたよね。
投稿: ふうたろう | 2010.08.25 11:41