晩夏の御坂主稜、お花詣でのつもりも
(黒岳山頂直下のブナ林・ブナハバチの影響で未だに明るい)
この記事を纏めるときに気がついたんですけど、御坂の記事を書くのは今年初でしたね。まぁ実は密かに一回歩いているんですけど(笑)。それはともかく今回(08/28)は丸二年ぶりに晩夏のお花見をかねて御坂峠から雪頭ヶ岳まで御坂主稜をさらっと歩いてきました。
なので夏の河口湖も丸二年ぶりだったんですけど、富士山登る人が本当に増えましたねぇ。二年前までは朝一の富士急だってハイカーなんてほぼボク一人な事だって多かったのに、今は電車もバスも凄い人出で今は山歩き自体がブームなんだなぁという事を改めて思い知らされた感じです。
(御坂峠)
とはいえ山のカッコをして五合目行きのバスに乗らないのなんてボクだけで(笑)、こちらは一足先に出る甲府行きに乗り三ツ峠入口に出てからのスタート。天気が良くて気持ちいいけど、なんか暑そうです。
御坂峠まではさすがに暑い道のりでしたが、稜線に上がると風が吹いてきて意外に涼しい。ただ下からの道中からしてお花が減りましたねぇ。それでも御坂峠周辺はまだある方でした。
(黒岳山頂)
もう何度も言ってるかも知れないけど主稜線にあがると個人的に一番気になっていたのがやっぱりブナハバチの状況。黒岳へ向かうとハバチ自体は今年も少しは発生していましたが、大規模に喰われているブナはなし。ただ毎年喰われていると思しき弱ったブナも残念ながら散見されました。
稜線もシカの影響か目立つのはコウシンヤマハッカにテンニンソウ、アズマレイジンソウ、メタカラコウ、ハンカイシオガマ、ママコナ、ホソエノアザミ、タカオヒゴタイ、タムラソウ、サラシナショウマぐらいでしょうか。さすがに秋の花が増えてきましたけど、以前は大量に咲いていたオクモミジハグマやカイフウロ、シュロソウ、ウスユキソウなどはかなり数を減らしている印象です。
(ユウガギクは咲き始め)
そんな様子に黒岳はどうなっているのだろう、と心配になってきましたが、着いた山頂は花は減ったものの相変わらず蝶の乱舞している山頂で、ほんとうにほんとうにホッとしました。山頂に沢山いるユウガギクはこれから咲き始めるのでまだ花は続きそうです。
一応南の展望台にも寄ってみたんですけど、タイミング悪く周囲はガス。パンを食べただけで山頂に戻り、主稜をなおも西へ向かいます。
(主稜を西へ向かうと晴れてきた)
途中でこの日初めてのアキノキリンソウを見つけて、そおいやコレまで黄色い花をほとんど見ていなかったことに気がついて愕然。アキノキリンソウもあと数株しか見かけなかったし、オトギリソウやニッコウキスゲに至っては株すら目に入らない状態でした。
そんな中を淡々と歩いて不逢山を過ぎ、大石峠下り始めると再び花が増えるはずなのに、あれれ?と思っていたらもう大石峠の草原に出ちゃっていました(笑)。
(大石峠周辺は花が激減していた)
去年の初夏に歩いた時点でこの草原はお花が激減していたので覚悟はしていたんですけど、それでも想像以上の減りっぷりで、最初目の当たりにした時は茫然としてしてしまいました。この草原の柵がなくなったのはやはりお花が少なくなってしまったからだったんですね。。。
そしてお花の総量が減ったこともさることながら、この周辺でしか見られなかったお花がほとんど全滅していたのもかなりショックだったかも。
(今回見かけたお花の一部)
(黒岳・三ツ峠方面を振り返る)
でもここから節刀ヶ岳へ登り返すとそれなりながらもお花が増えてきたのが救いで、ここでようやくジャコウソウを見つけてひとり狂喜してしまいましたが(笑)、こことてお花もさることながら下草自体が減っているように思いました。
それとシカさんがお好きでないテンニンソウやヤマトリカブトまで一部食べられていたのも驚いたことで、それだけ事情が逼迫しているのでしょうか。ただこの辺りウラジロモミの植林が多いんですけど、それには手が付いていないんですよね。
(テンニンソウはまだ多いが、下草全体が減っている印象だ)
辿り着いた節刀ヶ岳は展望は今ひとつ。でも鬼ヶ岳では曇ってはいたもののそれなりに恵まれて、ようやく展望を楽しめましたが、結局間近に見えるはずの富士は見えずじまい。甲府盆地の方はなんかかなり気温が上がっている感じですけどどうでしょう。
展望を楽しんだら今度は南の雪頭ヶ岳へ向かいます。
(雪頭ヶ岳の草原・マツムシソウはなんとか残っていた)
大石峠が大石峠だったのでここの草原の状態も気がかりだったんですけど、こちらもお花は減っていたものの、なんとマツムシソウが残ってました!エゾカワラナデシコもヤマハハコもそれなりに健在だったし、まだ蕾なもののウメバチソウもまだなんとか。。。
思わず休憩もそこそこに登山道沿いに草原を散策して、あとは芦川・・・でなく今回はそのまま根場へおりました。
(元気なブナを見るとホッとします ^^・大岩尾根にて)
この日は天気も良かった割に稜線は涼しく、気持ちの良い山歩きができたんですけど、お花が想像以上に減ってしまったことが全てでした。閉店ガラガラとは言わないけど、このままだとあと数年でそうなってしまう可能性が高いでしょうね。。。
あっ、あとこの日見かけた花の名前だけ挙げておきまーす。
ヤマホトトギス、キンミズヒキ、ミズヒキ、イヌトウバナ、シモバシラ、フシグロセンノウ、イヌゴマ、アキノタムラソウ、ツルニガクサ、カメバヒキオコシ、ノブキ、ヌスビトハギ、ミツモトソウ、ゲンノショウコ、キツネノボタン、メタカラコウ、カイフウロ、シデシャジン、シシウド、テンニンソウ、イタドリ、タマアジサイ、ソバナ、マルバダケブキ、アズマレイジンソウ、タカオヒゴタイ、レンゲショウマ、シラヤマギク、オヤマボクチ、ホソエノアザミ、キヌタソウ、コウシンヤマハッカ、ハンカイシオガマ、タムラソウ、サラシナショウマ、オクモミジハグマ、シュロソウ、ウスユキソウ、クルマバナ、オオバコウモリ、キバナアキギリ、ヤマトリカブト、ノダケ、ママコナ、ミヤマヤブタバコ、ユウガギク、アキノキリンソウ、クルマバツクバネソウ、アキカラマツ、ワレモコウ、ウツボグサ、ツリガネニンジン、コウゾリナ、ヤハズハハコ、ハコネギク、ホツツジ、ハコネコメツツジ、シオガマギク、フジオトギリ、マツムシソウ、ヤマハハコ、エゾカワラナデシコ、コウリンカ、ジャコウソウ、ヨツバヒヨドリ、トダイハハコ、コウモリソウ、オミナエシ、シモツケソウ、キンレイカ、オトコヨモギ、オトコエシ、ハナイカリ、ヤマホタルブクロ、ナンテンハギ、マルバハギ、ヤマミゾソバに同定できなかったセリ科のお花に、表にできないお花(笑)を含めて計79種でした。
でもこうやって数えてみると種類は結構あるなぁ~。ε-(´∀`*)
・・・・・☆
◆ 2010.08.28 (Sat) 晴 時々 曇
河口湖駅 07:18→ 三ツ峠入口BS 07:45- 御坂峠 08:45/09:00- 黒岳 09:45/10:05- 中藤山 11:15- 大石峠 11:55/12:35- 節刀ヶ岳 13:30- 鬼ヶ岳 14:10- 雪頭ヶ岳 14:25/14:35- 根場(魚眠荘前BS)15:45
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コメント
AKIOさん、
御坂も徐々にお花が減りつつあるんですけど、ここ数年の減り方は少々激しいかも知れませんね。特に大石峠の状況は昔の丸川峠をいやでも思い出します。
そう考えると御坂は大菩薩の北の方と同じ感じで減っているのかも。とするとシカが入り込んだのが早いはずの南大菩薩の方が生き残るのかも。でもお陰で三ツ峠へ行くのが怖くなってしまいましたよ。来年オオバギボウシの時期に確認してみたいですね。
投稿: komado | 2010.09.01 23:29
こんばんは。確かに、かなりお花は減っているようですね。特に大石峠は残念ですね。
小生は15日にハイカーではない家内と新道峠下まで車で入って、レンゲショウマ目当てで中藤山まで往復しました。レンゲショウマは結構咲いていて満足して帰って来ました。その時は他にソバナ、コオニユリ、クサフジ、タチフウロ、カワラナデシコ、フシグロセンノウ、ニッコウキスゲなどもあり、全般的に昨年、一昨年に比べて少し少ないかなぁといった印象だったのですが、このレポの写真を見て驚いています。
投稿: AKIO | 2010.08.31 23:47