ミカゲ沢ノ頭北西尾根から蛭ヶ岳へ
(ミカゲ沢ノ頭北西尾根<仏谷 金山谷中間尾根>上部のひとコマ)
いやぁ・・・丹沢の東の方もなかなか良いもんだねぇ!というのが今回歩いて心底思ったことでした。(^^) そんな訳で日曜(06/06)はあまり良くなくても丹沢のシロヤシオを見に蛭ヶ岳へ。今回はミカゲ沢ノ頭北西尾根を登路にとり、久しぶりに地蔵尾根を下って戻る神ノ川側の周回ルートを組んで歩いてきました。
しかし檜洞丸のシロヤシオが満開のせいでしょうか、朝の6時過ぎだと言うのに神ノ川ヒュッテの前には車がズラーっと並んでいてビックリしてしまいました。北側でこうなのだからメインな西丹沢の方はさぞかし凄い人出だったのでしょうね。まずは二色どころか三色の花を咲かせるニシキウツギが盛りな林道じゃなくて県道をてくてく歩いて広河原を目指します。
(タニギキョウ)
広河原に着いたらここで神ノ川へ降りるのではなく、彦右エ門谷の方に降りて少し休憩。そしてここから源蔵尾根を越えて、ミカゲ沢北西尾根が延びている仏谷出合に出る段取りだったのですが、途中にあった明瞭なトラバース道に入ろうかどうしようか・・・かなり迷った末に入ってみたら案の定行き過ぎてしまい、引き返すのと現在地を確認するのに手間取ってここで40分ほどのロス。
ようやく仏谷出合に降りる枝尾根を捉えて尾根を降りたのですが、地形図を見る限りこの枝尾根の末端も穏当に降りられる感じではなかったので、南の緩い沢筋の方を選んで降りていくと、まもなく沢音と一緒にタニギキョウの小さい花がちらちら現れ、神ノ川の本谷である金山谷に降り立ちました。仏谷出合からちょっと上がった所でしょう。
(金山谷に降りた所・北西尾根の末端が目の前だった)
対岸は目的のミカゲ沢ノ頭北西尾根で、末端は急ながらも何とか取り付けそうな感じ。この日はここからが本番なので腹ごしらえをしてからさっそく北西尾根に取り付きます。
のっけは想像通りだった岩屑混じりのぐずぐずした急な登りが続くのですが、なんとこんな所にトラロープが張られていたのには唖然。そんな気を遣う登りをこなすと尾根が広がってようやく歩きやすくなりました。
(ミカゲ沢ノ頭北西尾根・1230m峰への登りしな)
あとは緑に染まる林の中をゆるゆる歩く感じですが、尾根が広いのでそうとは判りづらいけど結構急です。じきにアセビの中を行くようになると、右側が崩落地になっているのか少々展望が利くのも良いアクセントかも。
目に入る白い花はみんなツクバネウツギでしたけど、そこはさすがに丹沢、花こそ無いもののシロヤシオもぼちぼち現れてきました。そして土の地肌がむき出しな小広い裸地に出て、かなり奇妙な所だなぁ、と思っていたらそこが1230m峰でした。
(1230m峰・過去に小屋?が建っていた??)
周囲には湯飲みや一升瓶の破片が落ちているし、下は基本的に二次林だった事を考えると、もしかすると伐採絡みの小屋でも建っていたのかもしれません。でも実際の所はどうなのでしょう?ネ。
裸地の辺りはさすがに暑いので、木陰に逃げて休んでから先を行くと立派な巨樹(何の木か判らなかった)が目に入り、徐々に自然林も混ざるようになります。
(1230m峰を過ぎると自然林が多くなる)
(こんな所に青根と青野原の境界標??が)
そして地面にシロヤシオの花殻が散らばるようになると、まもなく咲いた花が目に入りました。今年は花つきが良くないし、お花は先週の奥多摩で充分堪能しているはずなのに、それでもやっぱり嬉しい瞬間ですね。もちろんトウゴクミツツバツツジも現れて、周囲が徐々に華やかになっていく様子に心も浮き立ちます。
この辺りはお花だけでなく、↑↑のような下手に「青根」、上手に「青ノ原」と彫られた境界標?と思しきものも見つかりましたが、青根はわかるとして青野原というのが丹沢初心者のボクにはどうもしっくりしません。どうにも道標とは思えないし、境界標がこの北西尾根にあるのも不思議だし、この辺りも例えば飯豊本山周辺のようにかなりややこしい境界にでもなっていたのでしょうかねぇ。。。
(ミカゲ沢ノ頭直下はぐずぐずな露岩の急登が続く)
(今さっき歩いた北西尾根と檜洞を振り返る)
あとはこのまま上まで行けるのだろうなと思っていたら、最後の鞍部からの登りがこれまたクセもの。今回は右に捲きましたけど、浮いた露岩に神経を遣う急な登りが続いて、それを登り切るとようやく主稜縦走路の通るミカゲ沢ノ頭に飛び出しました。
ここから蛭ヶ岳への最後の登りはやはりしんどかった。本ダルミ周辺はシロヤシオ、トウゴクミツバツツジが満開でなかなか見事だったんですけど、登るにつれシロヤシオの花は少なくなっていく感じ。5年前に歩いた時(大当たりの年だったと思う)は山頂まで途切れずに花が続いていたので、やはり今年は丹沢でもシロは裏年なのでしょうね。
(臼ヶ岳をバックに)
(シロヤシオは満開だったがトウゴクミツバツツジの方が目立った)
んであとはヘロヘロ登って、歩き出しから6時間以上かかってようやく蛭ヶ岳の山頂に到着。まさかここまでかかるとは少々想定外でしたが、あとは地蔵尾根を下るだけなのでこの時間でもまだ余裕があったのは幸いでした。
蛭ヶ岳に着くのが少々遅くなったせいかテーブルベンチも無事に確保でき、展望はあまり良くないものの結局小一時間程のんびり。南側からガスが上がってきたのを見計らって、下山を始めます。
(1376m峰・地蔵尾根の地蔵平)
あとは過去に歩いたことのある所だからとお気楽に考えていたら、さっそく地蔵尾根の下降点を間違えて(笑)、改めて正しい下降点へ出た所で地蔵尾根の下降に移りました。
地蔵尾根は四年ぶりでしたけど、下りに採るとさすがに急ですね。露岩や浮き石も多く神経を遣いますが、道沿いに張られたトラロープはかなり増えている印象です。
(地蔵尾根・ロープと捲道が増えたような・・・)
「鹿落し」の標識はまだ残っていましたけど、その他のは見かけませんでした。あと四年前に登った時はこんなに尾根を捲くことがあったかなぁ・・・と思うぐらい尾根上の登降を避けた捲道が増えているようにも思いますけど、どうでしょう?
剣ケ峰からしばらく下ると尾根が広がって一旦歩きやすくなりますが、最後の関門でもある岩水沢出合へ降りるところが面白かったけど、想像通りに今回一番しんどい箇所でもありました。エアリアの表記通り、ここを大パーティで下るのはちょっと危険ですね。
(広河原に戻りました)
そんな訳で何とか神ノ川に降り立てば、あとは日陰沢橋へ戻るだけ。広河原から県道へ上がる道を探すのに少々苦労しながらもなんとか県道に上がると、ここで朝は見られなかった蛭ヶ岳が姿を見せてくれたのが本当に嬉しかった。
最後の最後も良い感じで〆られ、疲れてはいるものの良い開放感に浸りつつ日陰沢橋に戻ると、朝あれだけ並んでいた車はもう一台だけしかなかったのでした。
・・・・・☆
◆ 2010.06.06 (Sun) 晴 時々 曇
日陰沢橋 06:35- 広河原 07:35/07:50-(40分ロス)- 金山谷(仏谷出合附近) 09:15/09:35- 1230m峰 10:50/11:00- ミカゲ沢ノ頭 11:50/12:00- 蛭ヶ岳 12:50/13:45- 1376m峰 14:30/14:50- 剣ヶ峰 15:30- 岩水沢出合 16:25- 広河原 16:50- 日陰沢橋 17:50
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