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2010.06.09

ミカゲ沢ノ頭北西尾根から蛭ヶ岳へ

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(ミカゲ沢ノ頭北西尾根<仏谷 金山谷中間尾根>上部のひとコマ)

いやぁ・・・丹沢の東の方もなかなか良いもんだねぇ!というのが今回歩いて心底思ったことでした。(^^) そんな訳で日曜(06/06)はあまり良くなくても丹沢のシロヤシオを見に蛭ヶ岳へ。今回はミカゲ沢ノ頭北西尾根を登路にとり、久しぶりに地蔵尾根を下って戻る神ノ川側の周回ルートを組んで歩いてきました。

しかし檜洞丸のシロヤシオが満開のせいでしょうか、朝の6時過ぎだと言うのに神ノ川ヒュッテの前には車がズラーっと並んでいてビックリしてしまいました。北側でこうなのだからメインな西丹沢の方はさぞかし凄い人出だったのでしょうね。まずは二色どころか三色の花を咲かせるニシキウツギが盛りな林道じゃなくて県道をてくてく歩いて広河原を目指します。

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(タニギキョウ)

広河原に着いたらここで神ノ川へ降りるのではなく、彦右エ門谷の方に降りて少し休憩。そしてここから源蔵尾根を越えて、ミカゲ沢北西尾根が延びている仏谷出合に出る段取りだったのですが、途中にあった明瞭なトラバース道に入ろうかどうしようか・・・かなり迷った末に入ってみたら案の定行き過ぎてしまい、引き返すのと現在地を確認するのに手間取ってここで40分ほどのロス。

ようやく仏谷出合に降りる枝尾根を捉えて尾根を降りたのですが、地形図を見る限りこの枝尾根の末端も穏当に降りられる感じではなかったので、南の緩い沢筋の方を選んで降りていくと、まもなく沢音と一緒にタニギキョウの小さい花がちらちら現れ、神ノ川の本谷である金山谷に降り立ちました。仏谷出合からちょっと上がった所でしょう。

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(金山谷に降りた所・北西尾根の末端が目の前だった)

対岸は目的のミカゲ沢ノ頭北西尾根で、末端は急ながらも何とか取り付けそうな感じ。この日はここからが本番なので腹ごしらえをしてからさっそく北西尾根に取り付きます。

のっけは想像通りだった岩屑混じりのぐずぐずした急な登りが続くのですが、なんとこんな所にトラロープが張られていたのには唖然。そんな気を遣う登りをこなすと尾根が広がってようやく歩きやすくなりました。

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(ミカゲ沢ノ頭北西尾根・1230m峰への登りしな)

あとは緑に染まる林の中をゆるゆる歩く感じですが、尾根が広いのでそうとは判りづらいけど結構急です。じきにアセビの中を行くようになると、右側が崩落地になっているのか少々展望が利くのも良いアクセントかも。

目に入る白い花はみんなツクバネウツギでしたけど、そこはさすがに丹沢、花こそ無いもののシロヤシオもぼちぼち現れてきました。そして土の地肌がむき出しな小広い裸地に出て、かなり奇妙な所だなぁ、と思っていたらそこが1230m峰でした。

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(1230m峰・過去に小屋?が建っていた??)

周囲には湯飲みや一升瓶の破片が落ちているし、下は基本的に二次林だった事を考えると、もしかすると伐採絡みの小屋でも建っていたのかもしれません。でも実際の所はどうなのでしょう?ネ。

裸地の辺りはさすがに暑いので、木陰に逃げて休んでから先を行くと立派な巨樹(何の木か判らなかった)が目に入り、徐々に自然林も混ざるようになります。

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(1230m峰を過ぎると自然林が多くなる)

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(こんな所に青根と青野原の境界標??が)

そして地面にシロヤシオの花殻が散らばるようになると、まもなく咲いた花が目に入りました。今年は花つきが良くないし、お花は先週の奥多摩で充分堪能しているはずなのに、それでもやっぱり嬉しい瞬間ですね。もちろんトウゴクミツツバツツジも現れて、周囲が徐々に華やかになっていく様子に心も浮き立ちます。

この辺りはお花だけでなく、↑↑のような下手に「青根」、上手に「青ノ原」と彫られた境界標?と思しきものも見つかりましたが、青根はわかるとして青野原というのが丹沢初心者のボクにはどうもしっくりしません。どうにも道標とは思えないし、境界標がこの北西尾根にあるのも不思議だし、この辺りも例えば飯豊本山周辺のようにかなりややこしい境界にでもなっていたのでしょうかねぇ。。。

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(ミカゲ沢ノ頭直下はぐずぐずな露岩の急登が続く)

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(今さっき歩いた北西尾根と檜洞を振り返る)

あとはこのまま上まで行けるのだろうなと思っていたら、最後の鞍部からの登りがこれまたクセもの。今回は右に捲きましたけど、浮いた露岩に神経を遣う急な登りが続いて、それを登り切るとようやく主稜縦走路の通るミカゲ沢ノ頭に飛び出しました。

ここから蛭ヶ岳への最後の登りはやはりしんどかった。本ダルミ周辺はシロヤシオ、トウゴクミツバツツジが満開でなかなか見事だったんですけど、登るにつれシロヤシオの花は少なくなっていく感じ。5年前に歩いた時(大当たりの年だったと思う)は山頂まで途切れずに花が続いていたので、やはり今年は丹沢でもシロは裏年なのでしょうね。

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(臼ヶ岳をバックに)

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(シロヤシオは満開だったがトウゴクミツバツツジの方が目立った)

んであとはヘロヘロ登って、歩き出しから6時間以上かかってようやく蛭ヶ岳の山頂に到着。まさかここまでかかるとは少々想定外でしたが、あとは地蔵尾根を下るだけなのでこの時間でもまだ余裕があったのは幸いでした。

蛭ヶ岳に着くのが少々遅くなったせいかテーブルベンチも無事に確保でき、展望はあまり良くないものの結局小一時間程のんびり。南側からガスが上がってきたのを見計らって、下山を始めます。

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(1376m峰・地蔵尾根の地蔵平)

あとは過去に歩いたことのある所だからとお気楽に考えていたら、さっそく地蔵尾根の下降点を間違えて(笑)、改めて正しい下降点へ出た所で地蔵尾根の下降に移りました。

地蔵尾根は四年ぶりでしたけど、下りに採るとさすがに急ですね。露岩や浮き石も多く神経を遣いますが、道沿いに張られたトラロープはかなり増えている印象です。

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(地蔵尾根・ロープと捲道が増えたような・・・)

「鹿落し」の標識はまだ残っていましたけど、その他のは見かけませんでした。あと四年前に登った時はこんなに尾根を捲くことがあったかなぁ・・・と思うぐらい尾根上の登降を避けた捲道が増えているようにも思いますけど、どうでしょう?

剣ケ峰からしばらく下ると尾根が広がって一旦歩きやすくなりますが、最後の関門でもある岩水沢出合へ降りるところが面白かったけど、想像通りに今回一番しんどい箇所でもありました。エアリアの表記通り、ここを大パーティで下るのはちょっと危険ですね。

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(広河原に戻りました)

そんな訳で何とか神ノ川に降り立てば、あとは日陰沢橋へ戻るだけ。広河原から県道へ上がる道を探すのに少々苦労しながらもなんとか県道に上がると、ここで朝は見られなかった蛭ヶ岳が姿を見せてくれたのが本当に嬉しかった。

最後の最後も良い感じで〆られ、疲れてはいるものの良い開放感に浸りつつ日陰沢橋に戻ると、朝あれだけ並んでいた車はもう一台だけしかなかったのでした。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.06.06 (Sun)   晴 時々 曇
日陰沢橋 06:35- 広河原 07:35/07:50-(40分ロス)- 金山谷(仏谷出合附近) 09:15/09:35- 1230m峰 10:50/11:00- ミカゲ沢ノ頭 11:50/12:00- 蛭ヶ岳 12:50/13:45- 1376m峰 14:30/14:50- 剣ヶ峰 15:30- 岩水沢出合 16:25- 広河原 16:50- 日陰沢橋 17:50
 

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2010.06.03

シロヤシオを愛でつつ大平山から三ツドッケへ

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(シロヤシオ満開・七跳山から大クビレヘの下りしな)

とにかく間に合ってよかった~、というのが正直な感想でした。先週末天気が良くなくて歩けなかったのでね。(^^ゞ

水曜(06/02)は天気が良かったので久しぶりとなる平日山行。今回はゴンパ尾根~七跳尾根の水源林巡視路(七跳尾根を下から上がったのではない)から七跳山に上がり、秩父側の大平山を往復してから三ツドッケ、そして滝入ノ峰経由でヨコスズ尾根を降りる、というちょっとだけヒネったシロヤシオのお花見コースを組んで歩いてきました。

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(ゴンパ尾根~七跳尾根へ繋がる巡視路)

この日は早めに帰途につきたかったので、久しぶりに平日の一番バスでのスタート。さすがに歩き出しが早いだけあって小川谷林道の終点に着いたのもまだ8時過ぎです。今回はここから犬麦林道ではなく、一旦酉谷の方へ行き、廃林道の終点から涸れ沢に沿って延びている巡視路を辿ってみました。

この巡視路は本当に長らく気になっていた道で、この道が七跳尾根の中腹にある分岐に繋がっていることは予想がついていたのですが、実際に歩いてみるとほぼ全編植林の中、まず沢沿いに上がってから西側のゴンパ尾根の枝尾根に上がり、しばらく上がった所で東へトラバースして、1342m峰のすぐ上で七跳尾根と合流という段取りでした。

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(七跳尾根のひとコマ)

でもこういう植林の多い道はそれこそこういう機会でもないと歩く気がしないので、実際の趣はどうあれ、長年の疑問が解けたことがちょっと嬉しかったかも。あとはすでに新緑に染まっていた登山道をゆるゆる上がっていきます。

そして左手からゴンパ尾根を合わせると、すぐにトウゴクミツバツツジの紫が目に入り、その中をよ~く注視してみるといましたいましたシロヤシオ!盛り過ぎかと思っていたら蕾も落花もない満開状態でしたが、花は去年よりは明らかに少なく、去年の記事のようなシロの大きな塊をカメラに収めることはできませんでした。

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(七跳山~大クビレ間・花はともかく、シロが多い)

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(大平山の大クビレ・作業小屋がなくなった)

なのでとりあえず縦走路を突っ切って七跳山に上がり、去年から気になっていた北の大平山へ向かったのですが、歩いて早々に花こそ少ないものの、去年大平山へ寄らなかったことを後悔するようなシロヤシオの多さにはビックリ。

大クビレまではなぜか尾根の西側に咲いている花が多い傾向でしたが、大クビレに下り大平山へ登り返すと、今度は尾根の東側の方が花が多かったりして、この差はどうして??と思いつつもシロの多さにご機嫌です。しかし、この辺りは当たりでなくてもごく普通に咲いてくれるだけでシロヤシオを十二分に楽しめる区間なんですね。正直ナメてましたわ。

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(大平山への登りしな・こちらもシロが多い)

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(都県界尾根/長沢背稜縦走路のひとコマ)

大平山に着いたら直ちに来た道を引き返し、再び七跳山へ向かいます。本当は林道を歩いてから適当に都県界尾根に這い上がろうと思っていたんですけど、やはり道中のシロの多さには敵いません。

帰りは花を愛でつつ、行きしなにチェックしていた箇所で花を撮りつつ、そして途中の緩斜面でのんびりランチをとって七跳山に上がったら、ここから東へ下って縦走路へ降りました。縦走路・稜線上の道中はシロヤシオの「花」は少なく、トウゴクミツバツツジの方が目立つ感じ。

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(ハナド岩より、七跳尾根と酉谷山)

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(三ツドッケ北面はシロ・トウゴクミツバツツジともに見事だった)

それでも再び縦走路から離れて三ツドッケへの登りにさしかかると、なぜか北斜面のシロの花が増えだして、辿り着いた三ツドッケ北面の見事な咲きっぷりにビックリするやら嬉しいやら。ここもド満開の状態で、下手をするとこの辺りだけは去年よりも見事かも??と思ってしまったほどです。

そんな訳で展望の良い山頂なんかそっちのけで、お花を愛でつつ北側の周囲をウロウロ。心ゆくまで堪能したら山頂に上がり、一息ついたら下山をはじめました。

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(三ツドッケ北面にて)

稜線から離れて南の一杯水へ下り始めると、さすがにこの辺りからシロヤシオの落花がちょっと目につくようになりましたが、この分なら次の週末までは問題なくお花を楽しめると思います。

そして一杯水からヨコスズ尾根を下れば、新緑の中鮮やかな朱色を輝かせるヤマツツジが目に入り、ちょっとした岩場ではをを!今年もチチブドウダンとのご対面。

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(ヤマツツジとチチブドウダン)

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(ヨコスズ尾根のひとコマ)

チチブドウダンは花付きこそ良くないものの、そのまま尾根通しに上がった滝入ノ峰へ向かう道中もぼちぼち見られて、おかげで今年はかなり久しぶりにチチブドウダンを堪能できました。

そんな訳であとはルンルン気分で東日原に降りたのですが、なーんかバス停にはいっきさんがいるし、しかもカセージンさんもこの周辺を歩いていたとか。帰りのバスも妙に濃ゆい感じで(笑)平日に山を歩く人は本当に山が好きな人が多いんだなぁ、と思いつつ帰路に就いたのでした。
 
・・・・・☆
 
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(タワ尾根ノ頭のヘリポート・工事が始まったようです)

さて、かねてから画像掲示板の方で話題になっていた、滝谷ノ峰(タワ尾根ノ頭)附近にヘリポートがつくられるという話。小川谷林道の終点に↑↑こういうのがあって、どうやらすでに工事は始まっているようですね。

まぁ林道終点が資材置き場になると言う事は、以前AKIOさんから報告頂いたとおりに、どうやら喜右衛門尾根に工事用の作業道がつけられるようにも思えます。しかしヘリポートの完成するお盆以降、あの辺りがどう変わるのか少々気がかりです。
  
・・・・・☆・・・・・☆
 
◆ 2010.06.02 (Wed)   晴 時々 曇
奥多摩駅 06:02→ 東日原 06:25- かろう橋 07:05- 滝上谷橋 07:35- 林道終点 08:10/08:20- 七跳尾根合流 09:00- 七跳山 09:45- 大平山 10:20-(途中休憩40分)- 七跳山 11:45- ハナド岩 12:15- 三ツドッケ 12:40/13:00- 滝入ノ峰 13:55- 東日原 14:45
 

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