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2010.05.18

新緑の世附・シキリ尾根とイデン沢の間をのんびりと

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(イデン沢<菰釣沢・コモツリ沢>900m圏二俣)

新緑の日原と来たらやっぱり次は新緑の世附でしょう。(^^)
去年世附(世附川流域の山山)の紅葉を見に行った時から、新緑の時期もぜひ見てみたいと思っていたのでした。

ということで今回(05/15)は道志の御正橋から前ノ岳経由で菰釣山に上がり、毎度のごとくシキリ尾根(南東尾根)を下降。春先に城ヶ尾歩道を探訪した時と同様に1100m圏のピークからシキリ尾根と別れて、今回は先に下流側のイデン沢(菰釣沢・コモツリ沢)840m圏二俣中間尾根を下降。イデン沢に降りたら沢を遡り、900m圏二俣中間尾根を登り返して再びシキリ尾根の1100m圏のピークに戻ったら、そのままシキリ尾根を忍橋林道まで降りて地蔵平。そして屏風岩山西尾根を登り、東尾根を下って大滝橋。と言うコースを歩いてきました。

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(前ノ岳付近にて)

この時期に道志までのバスに乗ったのは初めてでしたが、さすがに人が増えますねぇ。月夜野行きは立客が出るぐらいだったし、その先の長又行きも7、8人は乗っていたのではないでしょうか。それでも長又も間近な御正橋まで乗ったのはボクを含めて二人。そしてここから菰釣山へ向かえば当然一人旅でした。

歩き出しこそ天気は良かったのに、前ノ岳を前にして曇りだして富士が隠れてしまったのは予想よりも早すぎでガックリしてしまいました。でも新緑はすでに甲相国境稜線まで上がってきていて、菰釣山までの道のりもなかなか楽しいもの。菰釣山の山頂で少し休んだら今回もシキリ尾根を下り始めます。

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(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part1)

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(イヌブナの若葉)

楽しみにしていたの新緑のシキリ尾根だったのにこの辺りで暗くなってしまったのはただただ残念だったけど、それでも通い慣れた所でも新緑の時期はさすがに雰囲気が一変しますね!

そんな様子に今回もついついのんびりしてしまいますが、1100m圏のピークについた所でシキリ尾根と別れて、そしてそのすぐ下の分岐で先ずは左の840m圏二俣中間尾根の方に入ります。

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(イデン沢840m圏二俣中間尾根・城ヶ尾歩道のコル)

さすがにこちらに入るとこちらではもうお馴染みのダニがひっついてきますが、数としてはそれなりに付かれるものの想定よりは少なかったので定期的に払えばOKな感じ。徐々に濃くなっていく周囲の緑に染まるように降りていくと、まもなく見覚えのある微妙に曲がりくねった大モミが見えてきて、城ヶ尾歩道が尾根を横切るコルに降り立ちました。

当たり前だけど、こちらも雰囲気の一変した城ヶ尾歩道を一瞥してなおも下るとなぜかスズタケが薄くなり、今度は

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(城ヶ尾歩道のコルの脇に立つ大モミ)

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(840m圏二俣中間尾根・その下にはこんな緩斜面も)

このようなモミの大木が目立つ緩斜面が現れて、またまた周囲を彷徨うようにウロウロ。

気の済むまでそんな緩斜面を散策したら、あとは東へ向き出す枝尾根に引き込まれずに下って行くと、じきにイデン沢の840m圏二俣に降りたちました。

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(イデン沢840m圏二俣)

イデン沢ももちろん新緑に覆われており、豊かな沢の流れと相まってなんとも見事です。周囲を見てみると、どうやら釣り師さんはこの辺りまでは来ないようで、そうとわかったら入念なダニチェックのあと、ちょっくら水遊び(笑)。

それから900m圏の二俣へ向けイデン沢を上がりましたが、時折交える小滝も冬とは違って水量豊かでコレがなかなか楽しいです。そして丹沢や御坂に行かないと見られないツルシロカネソウが、ベタな言い方だけど花のほとんどない沢でなんとも可憐に花を咲かせていたのが印象的でした。こやつは沢沿いにもいるんですね。

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(ツルシロカネソウ)

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(イデン沢900m圏二俣中間尾根・下部にて)

そして右から明瞭な沢が合わさる900m二俣に着いたら、ここで二俣の中間尾根を登り返します。

こちらも登りだしからスズがさほど濃くなかったのは、ダニの出る時期なのでちょっとホッとしました。そしてこちらも登りだしからなかなかの新緑を見せてくれて、お腹は減っていたけど歩いているだけで楽しくなりますネ。

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(今回も大ケヤキの緩斜面でランチ・^^)

やがて尾根が直角に右に曲がるピークに出ると、ここから上はもう城ヶ尾歩道の探訪の時に歩いた所。ひと登りすると左手にイデン沢の枝沢と見覚えのある緩斜面が見えてきたので、あとは大ケヤキへまっしぐら(笑)。

この周囲には立派なケヤキがポツポツいるんですけど、ケヤキって他の木々に比べて芽吹きが遅いんですね。周囲が新緑に染まる中、ケヤキはようやく芽吹きを始めた感じでした。当然ランチもここ。今回下手の840m圏二俣中間尾根を先に降りたのは、全てはここでランチにするためだったのでした。(^^)

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(モミ囓られ・今年は世附全域でシカの新しい食痕とフンが目立った)

ランチを終えたら新緑の城ヶ尾歩道を追いたい所なんですけど、時間もかかるのでそれをこらえて城ヶ尾歩道を突っ切ってなおも尾根を登ります。

しかし・・・これまでに「花のひかり」でもたびたび触れましたが、この秋から今までのシーズンにかけて世附全般に亘って↑↑のようなモミがシカに囓られた痕や、地面に落ちているフンがぼちぼち目につくようになりましたね。特にモミは若木がかなりやられていて、今はそれから徐々に太い木に移りつつある状況で、スズタケも徐々に枯れているし、コレって10数年前にボクが日原で見たのと全く同じ過程を辿っているんですよねぇ。。。

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(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part2)

今までは世附の中心部が猟区になっているから、世附の辺りは東丹沢とは違い、今までシカの食害から逃れてきたのでは?とボクは勝手に想像していたんですけど、この状況を見るとそれも過去のお話になっちゃいそうな予感がしています。大木が多い世附のあのモミ林もヘタをするとあと10年保たないかも・・・。

そんな様子に少々複雑な思いも持ちましたけど、再びシキリ尾根の1100m圏峰に戻ればそこからはまた素敵なブナ林が待っています。とはいえ、こちらはブナハバチも出ているんですよね(汗)。シキリ尾根にもブナハバチで弱った??と思しきブナが見られましたし・・・。

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(菰釣山とシキリ尾根を望む・屏風岩山西尾根より)

今回はシキリ尾根を忍橋林道までそのまま降りてから、林道経由で地蔵平へ向かいました。林道端ではフジやヤマツツジ、ウツギの類の出逢いを期待したんですけど、フジぐらいはいるだろうと思っていた道中実際には花は殆ど無く、なぜかヤマブキか咲き始め。

地蔵平の地蔵堂に参拝したら、これまたお馴染みになった屏風岩山西尾根を登り返します。

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part1)

もちろんこちらも新緑の時期は初めてでしたが、今新緑真っ盛りの標高の辺りを歩くので、新緑はこの西尾根とイデン沢の渓畔林がこの日は双璧でしたと断言できる素晴らしさ。これは前にも言ったかも知れないけど、750mぐらいから立派なブナが次々と見られる所なんて奥多摩辺りや中央線沿線の山々ではまずあり得ません。

丹沢では当たり前なのかも知れないけど、そう言う意味でもこの屏風岩山西尾根は出色の尾根だとボクは思っています。

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(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part2)

西尾根で新緑に染まりつつ屏風岩山に上がったら一息ついただけですぐに下山開始(笑)。あとは東尾根を駆け下って大滝橋を目指しました。そおいや奥多摩秩父方面ではあれだけ凄い咲きっぷりだったフジも下りきった大滝沢でひとかたまり見かけただけ。帰りのバスも丹沢湖の湖畔では今ひとつで後は寝ちゃったからわからないけど、それから下のフジがちょっと気になりました。

今回は日差しが少なかったのはちょっと残念でしたが、それでも新緑の世附を存分に堪能できました。やはり自然林が素晴らしい所は新緑も素晴らしいですね。とにかく新緑は紅葉のように当たりハズレがないので、時期さえ合えばほぼ必ず見られるのがいいところ。 こうなるとブナハバチの時期もかなり気になるんですよねぇ。。。世附はダニがつきものなんですけど(笑)。

・・・・・☆
 
◆ 2010.05.15 (Sat)   曇 時々 晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 御正橋 08:30- 前ノ岳 09:25- 菰釣山 10:00/10:10- シキリ尾根1100m圏峰 10:40- イデン沢840m圏二俣 11:30/11:40- 900m圏二俣 12:00-(途中休憩45分)- シキリ尾根1100m圏峰 13:25- 忍橋林道 13:50- 地蔵平 14:30/14:35- 屏風岩山 15:40- 大滝橋 16:45
  
・・・・・☆・・・・・☆
 
今週も珍しく(本当に!)リンクの紹介です。(^^ゞ

2chのハイキングバススレで北関東から南関東まで関東一円の山バス情報を上げてくれていたYuuichiさんが、YAMA BUS INFOを開設されたのでリンクしました。

以前から関東一円の山バス関係の情報の早さ、そしてフォローの丁寧さにおいてネット上ではピカ一の存在で、ボクのような関東の公共交通機関を利用するハイカーにとっては4月・10月のダイヤ改正の時だけに限らず、すでにマストのブログと言い切れるぐらいの決定版。大・大・大推薦です!
 

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【前道志・道志・丹沢 2010】」カテゴリの記事

コメント

Yuuichiさん、

あっ、ほんのちょっとでもお役に立てましたか・・・(汗)。

三ヶ木~月夜野のバスは世附へいくのに真冬もちょくちょく乗っていたのですが、思いの外乗客がいました。一昔前の廃止前提から、せっかく復活したのですから、このまま定着するよう、ボクもたまには乗ろうと思っています。

もちろんあちらはあちらで重要ですけど、ボクのブログは結果としてある地域に特化しているので、今の形の方が却って好都合だし、ウチのブログを見てもらっている方々にとってもそれは同じだと思っているのです。

投稿: komado | 2010.05.21 19:46

ba_sobuさん、

今はどこかで盛りの新緑を楽しめる時期ですね。山ならもちろんどこでも楽しめるんですけど、やはり自然林の良い所はひと味もふた味も違います。

これでもう少し日差しがあったらなお良かったんですけど、明るい曇りだったので明暗の差が無く、全体がこう・・・みどりの柔らかな明かりに照らされたような感じで、これはこれで又良かった。今の時期は本当に楽しいですね。

投稿: komado | 2010.05.21 19:29

 大推薦していただきありがとうございます。昨日から
アクセス数が増加しています。
 三ヶ木~月夜野間のバスは、「1便あたりあと2人
乗らないと廃止になる」という記事が2005年9月
ごろのカナロコに載っていて、大室山に登るのに
それまでの予定を変えて道志側から行った記憶が
あります。土曜休日運転復活から6年、だいぶ定着して
きたようですね。

投稿: Yuuichi | 2010.05.19 21:50

丹沢の新緑 ホントニホントニ綺麗ですね
まいとし丹沢には行っていますがことしは未だ~ず。
自分の目から見える景色もちろん良いです
でも こうやって べつの目を通して見ると、また違う感動が。
それにイデン沢の新緑は知らないし・・・

投稿: ba_sobu | 2010.05.19 20:09

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