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2010.05.25

新緑の日原・タワ尾根から孫惣谷をゆるゆる探訪

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(孫惣谷・ワサビ沢出合の滝)

新緑の世附と来たらやっぱり次は新緑の日原に戻るでしょう。(^^ゞ

ということで今回(05/22)は久しぶりに上段歩道から、鳥居谷左俣と右俣の中間尾根たる元小屋窪 四軒小屋窪中間尾根を登ってウトウノ頭に。そしてタワ尾根をタワ尾根ノ頭まで上がったら、都県界尾根/長沢背稜を西へ稜線通しに水松山まで行き、孫惣谷の本谷でもある板小屋窪を下降。あとは孫惣谷の水源林巡視路を拾って御供所に出て、東日原に戻るコースを歩いてきました。

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(新緑盛りの上段歩道)

土曜は天気が下り坂と聞いたので久しぶりに一番バスに乗ったんですけど、一番だから・・って余裕綽々でバスに乗り込んだらなんと席が埋まってました(笑)。まぁパーティがいたせいもあるんだけど、コレがこの日一番驚いたことかもしれません。それでも東日原から歩き出せばいつの間にやら一人旅。バスの車中もそうでしたが今年はフジが本当に見事で、取付までの道中もなかなか楽しめますね。

上段歩道は改修も終わり、道中特段変わった箇所もなく、盛りの新緑を楽しみつつゆるゆる歩けます。

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(元小屋窪 四軒小屋窪中間尾根・露岩の急登が続く)

これまた新緑の見事だった鳥居谷左俣=元小屋窪に出たところで一休み。そこから次に乗り越した尾根が目的の元小屋窪と四軒小屋窪(鳥居谷右俣)の中間尾根でそこにはなぜかつるはしの頭が??さっそく尾根に取り付きます。

この尾根は遠目から見ても急で岩がちな黒木の多い尾根なので、そういう尾根なんだろうな、という予想は実際歩いてみても想像通り。のっけはアゼビに岩屑の散らばる尾根で、そこからひと登りするとこれまた想像通りに巨岩のお出まし。

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(中間尾根・痩せた箇所もある)

やっぱりこうでなくっちゃ♪と思いつつ露岩はできる限り直登を心がけましたが、二つ目の岩コブちょっと急だったのでおとなしく右に捲きました。時折お休み区間があるものの基本的には↑↑こんな感じの登りが続きます。

ただ個人的にもしかしたら・・・と思っていた植生的な妙味が少なかったのは少々意外でしたけど、露岩が減ってくると四間小屋尾根上部のようなコメツガやヒノキなどの黒木の尾根に変わって、あとはタワ尾根を目指してひたすらに登るだけ。この辺りもウトウノ頭周辺と同様にコメツガがバタバタ倒れていて、周囲が明るくなっているのが気になりますねぇ。。。

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(アズマシャクナゲ・数は少ないが咲き始めた)

急な尾根が緩んで広葉樹が目立ってくるとまもなくタワ尾根と合流。ひと登りでウトウの頭に到着します。ここで楽しみにしていた新しいプレートとご対面。前に見かけた簡素な仮のものから、先月つけ替えられた完成品は派手すぎず、そして良い意味で地味すぎず、意外にマッチしてるんじゃないかなぁ、と思いました。

そして今年はツツジが今ひとつだから、と思っていたアズマシャクナゲは・・・咲き始めていました。花をつけている木はさすがに去年より少なかったですけど元々少ないし(笑)、標高の低いここでそれなりに咲いているんだから今シーズンのシャクナゲは思いっきり悪いことにはならないんじゃないかなぁ。ちなみにイワカガミはまだ蕾。一部が綻び始めているぐらいです。

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(都県界尾根/長沢背稜・バックは水松山)

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(コミヤマカタバミは見頃)

無事にお目当てのお花に逢えたら、うっすら芽吹き始めたタワ尾根をせっせと上がってタワ尾根の頭へ。木の花はオオカメノキにハウチワカエデぐらいでしょうか。あとトウゴクミツバツツジはごく一部で咲き始めたぐらいですけど、今年は蕾のビッシリついた木と殆どついてない木の差が激しいですねぇ。なのでトータルで見るとそれなりに咲きそうな気がします。

オオヤマザクラの花びらが散らばるタワ尾根の頭に上がったら、今回はそこから西へ下った緩斜面でのんびりランチ。二週前には見られなかったコミヤマカタバミはすでに見頃で、満開に近いのではないでしょうか。

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(都県界尾根/長沢背稜・縦走路の様子)

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(板小屋窪・ツメの辺り)

ランチを終えたらなおも稜線伝いに水松山へ行き、縦走路が南から北へ乗り越す西の鞍部まで来た所で孫惣谷の本谷でもある板小屋窪の下降に移ります。とはいえそのまま下るのはちょっと急なので、縦走路の水場の辺りからワチガイソウで埋まる(足の踏み場もないほどでした)枝尾根を伝って板小屋沢に降り立ちました。

のっけは想像通り緩やかな感じで、ワチガイソウを始めタチツボスミレ、エイザンスミレ、ハシリドコロ、ミヤマハコベ、ツルネコノメソウ、ヨゴレネコノメ、シコクハタザオ、ミヤマキケマン、コチャルメルソウ、クワガタソウなどなど・・・もちろん種類は限られてはいますが、お花が思いの外多かったのにはビックリ。

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(板小屋窪・滝は高いのでもこのぐらい)

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(立派なシオジを見るようになると巡視路は近い)

あと上流部は特にそうだったんですけど、この辺りは稜線とおなじく沢沿いもコハウチワカエデが多く、もちろんうまく色づけば・・・の前提はありますけど、紅葉の時期はかな~り良いかもしれませんよ。

出てくる滝もさほどの難なく捲け、下るにつれ花は減って、その代わりに?倒木が増えて少々荒れた感じにはなりましたけど、徐々に濃くなる緑に気をよくしながら降りていき、周囲に立派なシオジが目立ち始めるとじきに梯子坂ノクビレからの巡視路&梯子坂窪と合流しました。とはいえ今はこの辺りも道が流されて無いので、なおも適当に下ってワサビ沢の出合へ向かいます。

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(トウゴクミツバツツジ・花付きは濃淡極端だが悪くない)

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(ワサビ沢出合・カツラの巨樹と)

今回の記事のトップにワサビ沢出合の滝を持って来たことからもわかるように、この日はこの出合周辺の新緑がまさに最高潮で恐ろしく素晴らしかったです。特に出合の滝は周囲の木々に、石にはりつく苔、下草が全て輝きを放ち、実際目の当たりにした時はその光景に声すら上がらない神々しさ。とにかくこの瞬間に出逢えた事に感謝、でした。(^^)

出合からの孫惣谷の巡視路は道筋自体はハッキリしていましたが、所々崩落が進み倒木もあって、近年では荒れている方に入るでしょう。ここも自然林の続く大変好ましい道なんですけど、非常に贅沢な言い方をすると今回ばかりはワサビ沢出合周辺のインパクトが強すぎました。

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(孫惣谷の巡視路・やや荒れてきた)

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(フジに触れたかったので孫惣谷林道を降りたのでした・^^)

孫惣谷本谷がトンネルで合流する「今の水松沢出合」に出たら、徒労としか言いようのない大高捲きをこなして今回はおとなしく御供所に降りました。なので御供所からは長い林道歩きが待っているんですけど、なんで今回長い林道歩きをする気になったかというと、今年大当たりのフジを見たら、実際に花を触って、その香りを楽しみたくなったから。

実は孫惣谷林道にはそういうフジに触れられるポイントがいくつかあって、チンタラ歩きながら久しぶりにフジに触って、その香りを楽しんで、そしてカメラにも収めて、あとはルンルン気分で東日原へ向かったのでした。

しかし、もう何度も言っていますがの時期の日原は何度歩いても素晴らしい光景に出逢えますネ。さて来週は日原なのか世附なのか、はたまた別の所になるのか(笑)。この時期はいろいろ迷いますよお。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.05.22 (Sat)   晴 時々 曇
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:50- 取付 07:30- 元小屋窪(鳥居谷左俣)08:55/09:05- ウトウノ頭 10:10- タワ尾根ノ頭 11:15-(途中休憩60分)- 水松山 12:50- ワサビ沢出合 13:50/14:10- 御供所 14:35- おろせ橋(八丁橋)15:25- 東日原 16:05
 

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コメント

あ、ばれちゃいました?
ヤマレコにkoizってユーザ名で備忘録のつもりでかいでます。この日もkomadoさんの記録のおかげで楽しく歩くことができました。どうもありがとうございます。
どこかでお会いしたときは、こちらこそどうぞよろしくお願いします。

投稿: こいずみ | 2010.05.30 12:07

こいずみさん、

あれあれ・・・なんと同じバスでしたか。確かにボクは入り口の所に立っていました。あの日は一番バスでまさかの立ち。本当に久しぶりの事だったので、少々不機嫌だったかも・・・(^^ゞ

それはそうとこいずみさんは、ヤマレコの方で書かれている方ではないでしょうか?毎回エラい距離を歩かれて、すごいなと思いながらいつも拝見していますヨ。

もし間違えていたらスミマセン。でも日原は本当に良い所です。紅葉には当たり外れがあるけど、新緑にはそれがない所も良い。東京都が持ち主だったからこそ現在になってもこれだけの林を保てているのだと思っています。今回はかなり惜しかったようですけど、またどこかでお会いしたときはどうぞ宜しくお願いしますね。

投稿: komado | 2010.05.27 22:49

ごんべセンセ。

ほんとにこの辺りだけ春のようでした。
黒木のお花なので縦走路を歩くと殆ど見られないけど、稜線上がれば結構見れますよ。まぁこれだけ増えるという事はシカさんはお好きでないということなのでしょうね。

投稿: komado | 2010.05.27 22:35

今年の2月頃に一度だけご挨拶を書き込んだことのあるこいずみです。
また、この話で申し訳ないのですが同じバスに乗っていました。バスの入り口付近に立っていた方がkomadoさんでしょうか? でしたら、隣あたりに立っていました。東日原に降りるときにバンダナをしていたので気になったのですが、細身でバンダナだけじゃわかりませんでした。それに怪しい身なりじゃなくて、ちょっとストイックな感じのかっこいい人だったし。
わたしはタワ尾根をのぼり天祖山から降りたのですが、komadoさんが上段歩道から中間尾根を登っている頃に篶坂ノ丸から上段歩道に降りていて、komadoさんがタワ尾根の頭から稜線上にいる頃に下の縦走路を歩いてました。もう少しでお会いすることができたのに残念です。
新緑の頃の日原に行くのは初めてだったので、1日とっても楽しめました。

投稿: こいずみ | 2010.05.26 07:59

コミヤマカタバミ

これだけ群生すると ほんとに
お見事!!!! 
いやぁ 見てみたいです

投稿: | 2010.05.25 23:58

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