« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »

2010.03.29

城ヶ尾歩道の探訪 その4・一年ぶりにフジモク沢へ

B100329a
(一週間後はなんと雪・菰釣山シキリ尾根のひとコマ)

えっと・・・実はお彼岸の振替休日(03/22)にお花の様子見で前道志(楢山沢~楢峠~高畑山~倉岳山~トヤ山北尾根)の方を歩いてきたんですけど、最近ちょっと忙しいのでこちらで纏める事ができず、山歩きの記録倉庫の方のみにアップしました。もしお暇でしたらご覧頂けたらと思います。<(_ _)>

ということでここからが本題。しかし土曜(03/27)の天気のハズレ方には参りましたネ。とはいえ、それにもめげず今週も世附(世附川流域の山々)の廃道探訪をしてきました。今回は先週の続き、城ヶ尾歩道の未踏分を繋げるということで、先週切り上げたカワゴノ沢から尾根(カワゴノ沢左岸尾根)を越えてフジモク沢(荷干沢・本水沢)~中ノ丸南尾根下部の枝尾根・主尾根~白石沢の間を完全にトレースしてきました。

B100329b
(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part2)

行く所は南関東では一番天候の不安定な丹沢ですので、基本的に山行きの際に最悪のことも一応は考えてはいるんですけど、曇るならともかく青根あたりから雪が降り出したのは全くの想定外でした。とはいえこの日のバスの乗客は少なく、月夜野行きはボクを含めて3人。そして道志方面のバスに乗り継いだのは私一人と普段通り(笑)。丹沢がホームの皆さんはわかっていらっしゃったのでしょうか・・・。

それでも雨じゃないので歩くのに支障は無く、助かりました。そんな訳ですから今週もサガセ西沢経由で甲相国境稜線に上がれば周囲は↑↑こんな銀世界。そして菰釣山に上がったら今週もまたシキリ尾根を下降。まずは城ヶ尾歩道が尾根を横切る1030m圏を目指します。

B100329c
(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part3)

それでも思いもかけず雪に樹氷のシキリ尾根を歩く機会に恵まれたのですから、これはラッキーでした。美しい森林はいつ歩いてもやっぱり美しいものですね。

ただし雪に凍ったお陰かダニはつきませんが、下るにつれ雪や氷が溶けるので当然服は濡れます。それでもこの頃には雪がやんでいたので、午後になれば服も乾くだろうと構わずそのままいきました。

B100329d
(ブナ沢ノ頭と南東尾根<カモオキ沢右岸尾根>・シキリ尾根より)

城ヶ尾歩道が横切る1030m圏まで降りると、もう周囲に白いものは見当たらず、周囲は少し濡れているだけで先週とあまり変わらない感じになってました。ここから城ヶ尾歩道に入って、まずはカワゴノ沢870m圏二俣中間尾根の辺りを降ります。

「辺り」というのは、今回施業図の通りに尾根の東側やそこから西側へトラバースする箇所もできる限り忠実に追ってみたのです。実際歩いてみると道形のない箇所も多かったけど、下部のトラバース区間はそれなりに道形が残っていました。

B100329e
(城ヶ尾歩道は左・カワゴノ沢左岸尾根を乗り越える所にて)

カワゴノ沢(フジモク沢・本水沢・荷干沢790m圏二俣左俣)に降りると、先週は咲き始めだったハナネコノメは満開どころかすでに盛りすぎといった感じ。と、ここで世附ではハナネコと同様に早春の沢につきもののコチャルメルソウを見たことがないことにフト気がつきました。世附にはコチャルメルソウがいないのか、それとも単にボクが見つけられないだけなのか、はたしてどちらでしょうね。

対岸の植林尾根(フジモク沢790m圏二俣中間尾根=カワゴノ沢左岸尾根)にはスズタケが茂って見た目入りづらい感じですけど、いざ入り込んでみると明瞭な道が延びていました。そしてすぐ先には施業図通りに分岐があって、目的の城ヶ尾歩道はもちろん左でしょう。

B100329f
(カモオキ沢出合を目前に道は中央の崩落で寸断されていた)

その左の道を辿るとまもなく尾根上に上がり、そのまま乗り越すように北のフジモク沢へ下り始めます。この辺り道や周囲の様子から、そおいや去年というか丸一年前にこの道歩いたなと気がついて、なおもそのまま行くと十字路(これも記憶に有った)を越えた先で、道はカモオキ沢の出合(フジモク沢・本水沢・荷干沢870m圏二俣)を目前に崩落で寸断されていました。

去年、カモオキ沢出合側から逆にカワゴノ沢へ尾根を越えた時、カモオキ沢出合附近で尾根の取付がなかなか見当たらなかったのはこの為だったんだ、とようやくわかった反面、全く偶然に城ヶ尾歩道の一部を歩いていたことは驚きでもありました。

B100329g
(カモオキ沢出合<フジモク沢870m圏二俣>)

カモオキ沢の出合はブナ沢ノ頭南東尾根の末端が延びている所でここも一年ぶりの再訪。両岸共に一部植林があるのが玉にきずだけど、広々として好ましい所だし、おかげでのびのびランチをとる事ができました。

ランチをとり終えたら左岸側に延びる城ヶ尾歩道をなおも追いますが、ここから先はスズタケが被るものの道形が比較的明瞭になったのにはちょっと拍子抜け。その明瞭具合は世附言語で云えば??奥野歩道(旧東海自然歩道)のレベルでしょうか。ただ道形がわかりやすくなるとスズタケが絡むようになるのが嫌らしいというか、この辺りらしいですね。

B100329h
(カモオキ沢出合からは道形がやや明瞭になるがスズタケが煩い)

B100329i
(カワゴノ沢出合から最初の沢)

ただ沢を横切る所は藪から開放されるので、ここで一息つけるというかダニを払える(笑)。やっぱり歩いているとヤツが結構ひっつきますねぇ。。。なのでスズを漕いで解放されたらダニを払う、と言うのを繰り返す感じでしょうか。

そして二つ目の沢から三つ目の沢を越えてしばらく行くまではこの辺りで一番ヤブの濃い箇所で、基本スズタケが谷側に倒れていることもあって、この辺りは奥野歩道そのままの様子と言い切れると思います。

B100329j
(スズタケが濃い、奥野歩道のような箇所もあった)

B100329k
(こんなところも)

そんなスズの濃い箇所を抜けて、藪はまだ被るもののかなり薄くなって少し安心していたんですけど、実は今回ここからが大変な所で、徐々に東へ行くにつれ体にひっつくダニも比例して増えていくというオソロシー状況に。。。(^^;;;;;

これまでは沢と沢の間にダニを払えば良いぐらいだったのが、この辺りになるとスズタケやちょっとした灌木に体が触れる度にダニがどっちゃりとくっつく始末で(笑)、その度に必死にダニを払いながら進むという、七年前の金山沢と水ノ木沢ノ中間尾根を登ったときのことを想起させるようなヒドさ。

B100329l
(中ノ丸南尾根が近づくと藪は薄くなったが・・・)

B100329m
(中ノ丸南尾根を乗り越す手前か)

でも西丹沢ってなんでこんなにダニが多いのでしょう!これは雨後のせいなのか(この可能性が一番高い鴨)場所のせいなのか時期のせいなのか、よくわからないけど、個人的に今までの経験から少なくとも世附の辺りの於いては、自然林よりも植林下のスズタケの藪の方がダニは多いような気がしています。

そんなこんなでのろのろと東へ行き、見覚えのある鳥獣保護区の看板を見かけるとまもなく中ノ丸南尾根(白石沢右岸尾根)を乗り越しましたが、こちらにも同じ看板がありました。以前中ノ丸の南尾根を登ったとき、当時はまだ真新しかったこの看板の存在が不思議だったんですけど、そこに城ヶ尾歩道が通っていたから付けられてたんですね。でも今はこの辺りまで猟師さんが来る事ってあるのかなぁ。。。

B100329n
(白石沢へ向かう箇所も藪の薄い箇所はあったが・・・)

B100329o
(白石沢へ降りる所はこんな感じ)

中ノ丸南尾根を乗越すと再びスズタケが被る箇所が現れましたが、それも距離的には知れたもの。白石沢の沢音や対岸の白水ノ沢右岸尾根が近づいてくるとそろそろ白石沢も近く、白石沢に降り立つ直前に合流するはずの白石歩道との合流点はよくわからずに、ようやく白石沢に降り立ちました。

そこは一月に城ヶ尾歩道を信玄平まで辿ったときにおおよそ見当をつけていた所で、そこから道筋なりに左岸側へ辿ると自然と一月に取付いた切り開きに行けるようになっていて、この辺りの判断も間違えのないことがわかって、今回ここまでトレースできた事とこれまた二重の喜びでした。

B100329p
(白石沢出合)

とはいえ城ヶ尾歩道の大半をトレースできたのはいいのですが、この時点ですでに14時半近く。今は道志側のバスがない以上実は結構な時間で、ここから沢沿いに白水ノ沢出合まで延びている白石歩道を、今のペースで道を探りながら歩いていたのでは地蔵平に着く頃には日が暮れてしまいます。

なので白石歩道を歩くのはまた別の機会にして、帰りは白石沢~フジモク沢をそのまま下る事に。(^^;;; 一旦すぐ上流側にある桃ノ木沢出合まで往復してから、全身入念なダニチェックを行い、帰路につきました。

B100329q
(白水ノ沢出合)

白石沢にしろフジモク沢にしろ事前の情報の全く持ち合わせてないまま下降してしまいましたが、実際歩くとしんどい滝場もなく、フジモク沢と合流してから堰堤を二回ほど捲いたぐらい。実際しんどかったのは雨後のせいか水量が多くて山靴で飛び石徒渉をする時ぐらいだったのは幸い、というか実はこれもまた楽しいもの。

結局地蔵平には桃ノ木沢の出合直下から1時間30分弱と意外に早く着きましたが、この時間では細川橋で17時台のバスを捉えられるギリギリの時間。まぁ土曜日だし、そんなにガツガツしても山行きがつまらなくなってしまうだけなので、もう最終バスでいいや、と大杉歩道経由でのんびりと細川橋へ向かう事にしました。

B100329r
(大又沢林道ではフジザクラが咲き始めた)

ということで地蔵平からは先週と全く同じ行程。千鳥橋までの大又沢林道沿いも先週はダンコウバイが満開で周囲をほんのりと黄色く染めていたのに、この日はもうほとんど終わりに近くて、これまた盛りを過ぎていたフサザクラが目立つくらい。でも先週密かに期待して密かにフラれていたフジザクラ(マメザクラ)がこの日は咲き始めていて、この日はこの花を見られただけでもう十二分に満足だったのでした。(^^)

城ヶ尾歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。ダニもかなり多いし(笑)、相変わらずしつこいぐらいに余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。

・・・・・☆
 
◆ 2010.03.27 (Sat)   曇 時々 雪
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30-サガセ西沢ゲート 09:10- 菰釣山 10:10/10:20- 菰釣山シキリ尾根1030m圏 11:05- カワゴノ沢870m圏二俣 11:30/11:40- カモオキ沢出合 11:50/12:45- 中ノ丸南尾根乗越す 13:55- 白石沢(桃ノ木沢出合往復)14:20/14:30- 白石沢出合 15:00- 白水ノ沢出合 15:30- 地蔵平 15:45/15:55- 千鳥橋 16:15/16:25- 二本杉峠 17:05- 細川橋 17:45
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.03.21

城ヶ尾歩道の探訪 その3・菰釣山南東面で真剣に遊ぶ

B100321a
(イデン沢<コモツリ沢・菰釣沢>枝沢の緩斜面に聳える大ケヤキ)

いやいや、当初は暖冬で今シーズンは雪がほとんど降らないだろうと思っていたら、それなりに降ってしまって(笑)ほぼ二ヶ月。ようやく世附(世附川流域の山山)の廃道探訪を再開することができました。(^^)(^^)

ということで今回は城ヶ尾歩道の西寄り。一月に歩いて打ち止めとなったイデン沢940m圏二俣中間尾根の東側斜面から東へ、イデン沢の枝沢(イデン沢940m圏二俣右俣)~イデン沢900m圏二俣中間尾根~840m圏中間尾根~菰釣山シキリ尾根1030m圏。そしてカワゴノ沢870m圏二俣中間尾根を降りてカワゴノ沢の870m圏二俣まで城ヶ尾歩道を辿ってきました。

B100321b
(雪は菰釣山山頂付近で僅かに残るのみ)

ちなみに一番大事な説明を忘れていたので、とりあえず城ヶ尾歩道のあらましを説明しますと、大栂南東尾根の中腹から大栂東尾根~イデン沢(コモツリ沢・菰釣沢)~菰釣山シキリ尾根の枝尾根やイデン沢の枝沢などシキリ尾根の中腹(おおよそ1050m~1000m)~シキリ尾根~カワゴノ沢~フジモク沢(本水沢・荷干沢)~中ノ丸南尾根(白石沢右岸尾根)の下部~白石沢~白水ノ沢右岸尾根~白水ノ沢~信玄平までの山腹を延々とトラバースする径路のこと(東側は白石歩道の可能性もあり)で、現在は当然のごとく廃道状態

一月に西の大栂東尾根からイデン沢940m圏二俣中間尾根の東側斜面と、東端の白石沢から信玄平は辿っているので、今回はその3という事になります。

B100321c
(菰釣山シキリ尾根のひとコマ)

B100321d
(城ヶ尾歩道がありました・イデン沢900m圏二俣中間尾根中腹)

これまた一月以来となる青根経由・道志までのバスは、なんと個人的に今までで最高の乗客数でかなりビックリしましたが、それでも下善の木まで乗ったのは私一人。今回は西沢経由で菰釣山に上がり、まずはシキリ尾根を下降。そしてイデン沢840m圏二俣中間尾根が分かれる1100m圏峰でシキリ尾根と分かれて中間尾根の方を下降。すぐ下の分岐で今度は西の枝尾根であるシキリ沢900m圏二俣中間尾根の方へ降り、尾根が広がった所でようやく城ヶ尾歩道の捜索を始めます。

とはいえさすがにすぐに道は見つからないので周囲を見物しながら捜索したのですが、この1020m圏あたりの西側の緩斜面はなかなか良い所でした。藪は薄く、周囲にはモミやブナ、そしてすぐ下にイデン沢の枝沢(イデン沢940m圏二俣右俣)を流れていることもあって立派なシオジやケヤキも目に入り、城ヶ尾歩道の道形を探しながら周囲をウロウロしていると、おっと!薄いながらもようやく見つかりました。

B100321e
(尾根から西の枝沢へ降りた所・スズタケがうるさい)

B100321f
(イデン沢の枝沢<940m圏二俣右俣>1010m圏二俣)

そうとわかれば後は辿るだけ、なんてのはやっぱり甘くて、四つ足の立派なケヤキを見て、すぐ西の枝沢の枝沢(イデン沢940m圏二俣右俣1000m圏二俣右俣・笑)へ降りる所がさっそく不明です。ここは枝沢へ降りて少し遡ると対岸に薄いながらもスズの被った道形をなんとなく発見。スズに埋もれながらもなんとか道形を残している道筋を辿ると、じきにイデン沢940m圏二俣右俣の1010m圏二俣(これでもかなりややこしいな)に降り立ちました。

この二俣はなかなか雰囲気の良い所で、ここから先もよく見るとそれなりのが対岸へ延びています。まずはこの二俣のすぐ下の先ほどの枝沢の枝沢が分かれている1000m圏の二俣確認してから、ベッタリついたダニを払い(暖かいしね)、沢で顔を洗って、なおも先を行きます。

B100321g
(ピタリとこの沢筋に到着・一月に打ち切った場所が対岸に見える)

が、この先は最初こそそれなりに歩けたものの、まもなくスズタケが埋もれだして行く手を阻みましたが、それにもめげず強引にトラバースしていくと見覚えのあるザレた沢筋が見えてきて、ようやくスズから解放されるとその沢筋でした。しかも一月に打ち切った場所が薄い道形の先に丁度目の前に見えており、ようやく辿り着いたこととその時歩いたルートに間違えがないこともわかって、これは二重の喜びでした。

とりあえず城ヶ尾歩道の西側は繋げたので今度は東側。とはいえ来た道をそのまま引き返すのはかなりしんどいので、ここはこの沢筋をすぐ下を流れるイデン沢940m圏二俣右俣へ下ってから、右俣を遡りました。実際に辿ってみると周囲は明るく広くて、渓相・林相・雰囲気はイデン沢の本谷より良い感じですね。

B100321h
(イデン沢枝沢<940m圏二俣右俣>に降り立ちました)

B100321i
(大ケヤキ・幹周りは5m弱か)

そして沢沿いに少し上がると、城ヶ尾歩道を捜索している時に見下ろしていた左岸側の緩斜面が目に入ったので沢から離れてそこへ這い上がると、その中で飛び抜けて大きいように見えた木が、実際目の当たりにしても本当に大きくてビックリ。少なくとも5m弱はある大ケヤキで、それはイデン沢の主とも云える風格があり、今回はその脇でランチをとらさせてもらいました。

それにしてもスズタケの蔓延るこの辺りで、なんとも雰囲気の良いランチ場があったのは幸運でした。ランチを終えたら北へそのまま斜面を上がって城ヶ尾歩道に戻り、今度は東へ辿り始めます。

B100321j
(900m圏二俣中間尾根を乗越してもこんな感じ)

B100321k
(スズから解放されても次はザレ場が・・・)

こちらも先程でないにしろスズタケがうるさかったのですが、スズが生えているように見えてもそれなりの労力でトラバースでき、藪を抜けるとまたザレた沢筋をトラバース。やがてイデン沢840m圏二俣中間尾根に上がるとそこは明瞭な撓みになっていて、尾根を乗越した先には今までより明瞭な道筋が延びていてホッとしました。

B100321l
(イデン沢840m圏二俣中間尾根を乗越す所・明瞭な撓み)

B100321m
(840m圏二俣中間尾根を乗越すと道形はやや明瞭に)

その道筋の見た目通り、この先は今までより歩きやすくなって(それでも道筋を捜索する箇所はいくつかありました)、尾根が広がることもあって周囲はなかなか良い雰囲気。

それでもザレ場のトラバースも何箇所かありましたが、それも歩きの良いアクセントといった感じで、それらをこなすとまもなくシキリ尾根と合流しました。

B100321n
(意外に道形が残ってるなぁ)

B100321o
(シキリ尾根<1030m圏附近>に戻りました)

シキリ尾根を下っている時、この辺りにそれなりの道筋が通っていたのを不思議に思っていたんですけど、もしかするとこれは城ヶ尾歩道の名残なのかも知れないと実際辿り着いてみて感じましたが、実際の所はどうでしょうね。

この先もカワゴノ沢870m圏二俣中間尾根が分かれる1030m圏峰を少し下った所から、北へそれなりに明瞭に延びていて躊躇なく先へ行けます。

B100321p
(カワゴノ沢870m圏二俣中間尾根上・道形はぼちぼち)

道筋はここからカワゴノ沢へ下って行く一方なので基本、尾根に沿いつつ辿っていきましたが、もしかすると下部の急斜面あたりはつづら折れになっているかも知れません。

下りだしてから15分ほどでカワゴノ沢に降り立ったら、行程的にも時間的にも今回は「ここまで」でしょう。全身くまなくダニチェックをして、顔をよく洗ったら、あとは忍橋林道へ登り返して帰路に就きました。ちなみに最後に付け加える形になりますが、地蔵平~千鳥橋の間はダンコウバイ、フサザクラ、ヤシャブシが満開で、キブシ、ネコヤナギ辺りは咲き始め。ミツマタは二本杉峠付近でも見頃、下ではすでに満開になっていました。

B100321q
(カワゴノ沢<フジモク沢・本水沢・荷干沢790m圏二俣左俣>の様子)

今回で城ヶ尾歩道の核心部は歩けたのであとは白石沢までの間、と言う事になりますけどこの辺りは植林の多い所なんですよね。なので今回のように楽しめる行程かどうかは実際歩いてみないとわからないけど、白石歩道との分岐も気になるので一度は歩かないといけないですね。しかしそれにつけても今回は世附自体が久しぶりと言う事もあって本当に楽しい、そして城ヶ尾歩道をうまく辿れた事もあって会心の山行きでもありました。

城ヶ尾歩道・・・当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。しつこく余計な世話を焼いているだけなのかもしれませんが、念のため。
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.03.20 (Sat)   晴 時々 曇
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 下善の木 08:30-サガセ西沢ゲート 09:10- 菰釣山 10:05/10:15- 菰釣山シキリ尾根1100m圏峰 10:45- 城ヶ尾歩道捜索(イデン沢900m圏二俣中間尾根)-10:55/11:15- イデン沢枝沢(イデン沢940m圏二俣右俣)1010m圏二俣 11:35- 引き返し地点 11:55- イデン沢枝沢の緩斜面 12:05/12:55- イデン沢840m圏二俣中間尾根乗越す 13:25- シキリ尾根1030m圏 13:45/13:55- カワゴノ沢870m圏二俣 14:10- 忍橋林道終点 14:25- 地蔵平 15:10/15:20- 千鳥橋 15:40- 二本杉峠 16:20- 細川橋 16:55
 

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010.03.16

マンサクを探しに棒ノ折山へ

B100316a
(棒ノ折山北東尾根上部のひとコマ・Part1)

しっかし今シーズンは雪が降って欲しいときに降らないで、いらん時に今シーズン一のまとまった雪が降るんですから本当に困りもの。と言う訳で週末は気温がかなり上がったものの、これでは世附(世附川流域の山々)の廃道探訪は当然無理な話。

なので今回(03/14)は早春の花の様子を見に棒ノ折山(棒ノ嶺)でした。去年アカヤシオの時期に下った白谷沢のその意外な花の多さに驚いたので、少し早い今の時期の白谷沢の様子を見ておきたかったのです。

B100316b
(白谷沢のひとコマ)

ということで今回はさわらびの湯からのスタート。湯ノ沢行きのバスは大パーティが乗っていたものの、こちらから歩き出す人は意外に少なく、まずはダムに上がって白谷沢の登山口を目指します。

ダムに上がると有間山が目に入るのですが山はさすがに白くて、この様子だと棒ノ折山の山頂は人が多いからグチャグチャかなぁ・・・などと思いつつ登山口に着いたらさっそく山道に入ります。

B100316c
(ハナネコノメ、コチャルメルソウは咲き始め)

白谷沢の道は沢に沿いつつ、何度も渡り返し、そして廊下を行き、時には滝を横目にそのすぐ脇を登る、というように沢の水量が豊富なこともあって、なかなか侮れない風光明媚な道のりです。

ただ狙っていたハナネコノメやコチャルメルソウ、ツルネコノメソウはまだまだ咲き始め。それでも咲いているのが見つかったので良し、と言う所で、お花はもう一週間遅い方が良かったようです。

B100316d
(棒ノ折山北東尾根上部のひとコマ・Part2)

沢の流れが穏やかになるともう林道は間近。ただこの辺りから周囲は雪に覆われるようになって、これでは野の花はもう望めません。となるとあとは狙ってもなかなか逢えない「あの花」だけか。

林道に上がり、すぐ先にある東屋で少し休んだら、次は左手の岩茸石を目指すのではなく、右手の北東尾根の枝尾根に取り付いて山頂を目指しました。

B100316e
(マンサクは丸三年ぶり。でも沢山咲いていました)

緩くなった雪面を分けつつ植林の中をせっせと登り、登って登って、植林が切れると、そこは北東尾根上部の緩斜面。初訪の折りは落ち葉の絨毯だったこの緩斜面も今は真っ白な雪に覆われ、青い空との対比がとにかく見事で、おもわず周囲を彷徨うようにウロウロ。

そんなこんなでのんびりしてしまい、結局頃合いも良くなってしまったので、ランチもここになってしまいました。

B100316f
(ここまで来れば山頂は近い)

ランチ中、ボーッと周囲を眺めていたら、ふと枝の周りが妙に黄色くなっている所が目に入ったので、マンサクだと良いけどこれはおそらくダンコウバイだろうなぁ、と思って確認してみると、なんとそれはマンサク!!

放し飼いのマンサクなんて丸三年ぶりの事なので思わず狂喜していると、一回見つかれば次々と見つかるもので(笑)ここはこんなにマンサクのある所だったのか、と思ってしまうほど。おかげで近年、探しても探しても悉く見つからなかった今までの鬱憤を一気に晴らしてくれました。(^^)(^^)

B100316g
(棒ノ折山山頂・意外に雪が残っていた)

さすがに13時過ぎだと棒ノ折山の山頂も人は少なめ。ただ山頂にも雪が意外に残っていて泥濘になっている箇所は一部。状態が悪くなかったのはこれまた意外でした。

ここで周囲の展望を楽しんだら、あとは滝ノ平尾根を下ってさわらびの湯へ。この尾根も西側の雑木林にマンサクがけっこう見られる楽しい道のり。今回もなかなか収穫のある道のりだったなぁ、と時折くしゃみを交えつつ(笑)ほくほく気分で下って行ったのでした。

・・・・・☆
 
◆ 2010.03.14 (Sun)   快晴
さわらびの湯 08:10- 白谷沢登山口 08:35- 林道の東屋 10:10/10:25-(途中休憩70分)- 棒ノ折山 13:10/13:20- 岩茸石 14:00- さわらびの湯 15:30
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

« 2010年2月 | トップページ | 2010年4月 »