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2010.02.21

氷の花咲く蛭ヶ岳 から箒杉沢、鍋割山へ

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(氷の花、満開。蛭ヶ岳直下にて)

先週も相変わらずぐずついた日が続きましたね。とはいえスノーシュー持って雲取・石尾根!ってぐらいにドカッと降ってくれる訳ではないし、かといって雪は降る訳だから世附(世附川流域の山々)の廃道探訪もちょっと無理なお話。

それならば、こういう時こそ雪の時期に歩いたことの無かった蛭ヶ岳へ行ってみよう!ということで今回(02/20)は東野から丹沢主脈に上がって蛭ヶ岳へ行き、なおも不動ノ峰まで主脈を辿ったら棚沢左岸尾根たる不動ノ峰南尾根を下降。箒杉沢に降り、河原を尊仏ノ土平の少し先のコシバ沢(越場沢・寄コシバ沢ではない)出合まで歩いて、鍋割山へ直接上がれるコシバ沢右岸尾根を登り返したら、あとは後沢右岸尾根の径路経由で寄に降りる、という丹沢を北から南へ縦断するルートを歩いてきました。

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(姫次より)

今回はいつもより一本後の電車でいい、藤野・やまなみ温泉経由で東野へ出てのスタート。バスの車中から真っ白になった大室山の姿にわくわくしっぱなしで、バスを降りたら少しストレッチをしてさっそく歩き出します。

蛭ヶ岳も東野もかなり久しぶりの事で、登山道までの道のりも今ひとつ自信がなかったのですが、道標もあることだし(笑)こちらは難なくクリア。北斜面という事もあって登山口から雪がうっすらで、そこから八丁坂ノ頭までは雪も薄く、若干滑りやすいものの比較的スムーズに歩けます。ただ急な所は雪の下が凍っており、そのあたりが要注意かもしれません。あといつの間にやら尾根に沿ってモノレールもできているんですね。

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(蛭ヶ岳への登りしなのひとコマ・Part1)

登り出す前こそ山肌は白かったけど晴れて気温は高いし、木に着いた雪が主脈まで保つかなぁと思いつつ、少し気が急く感じで登っていたんですけど、いざ主脈に上がると稜線の木々はまたまだ真っ白。えっ??と思って木をよ~く見てみると完全に樹氷になっていました。

そんな木々が真っ青な快晴の許、たっぷりの日差しを浴びて輝いている訳ですから素晴らしくない訳ありません。そんな木々の様子に周囲をボーッと眺めてしまい、しばらくしてからハッと気がついたように再び歩き出して姫次へ向かいました。

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(蛭ヶ岳への登りしなのひとコマ・Part2)

さすがに稜線に出ると積雪も深くなりますが、根雪が凍っており踏み抜くこともなく、快適に歩けたのは助かりました。そして辿り着いた姫次が良かった。この時期に来て初めて心底良い所だと思えたかも。

そんな姫次でパンを食べて少し休んだら、目の前に聳える蛭ヶ岳を目指します。雪はここからが本番かな?と思っていたら、こちらも積雪自体は多くても20cmほど。道中も至って歩きやすく、白くなった周囲の木々の様子にルンルン気分で歩けました。

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(蛭ヶ岳山頂はこんな感じ)

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(不動ノ峰、丹沢山方面)

さすがに蛭ヶ岳の直下まで来ると滑るし、しんどかったけど、それを何とか登り切って山頂に出ましたが、山頂には先客さんが二人だけ。蛭ヶ岳でもさすがにこの時期はこんなものなのかな、と思っていたらその先客さんもいなくなり、一人になってしまいました。

おかげで広いテーブルベンチを占領して、のびのびランチをとっていると青根側からもう一人来て、そして休憩を終えて、さぁ歩きだそうとしたらパラパラとハイカーがやってきた感じ。雪のせいもあるのかもしれないけど、意外に人出が少ないというのが正直な感想です。

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(鬼ヶ岩ノ頭付近だったと思う)

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(蛭ヶ岳を振り返る)

しかし関東周辺で快晴な「鉄板の晴れ」でも丹沢だけは雲がかかってしまうことが多いのですが、お昼を過ぎたらこの日も徐々に曇ってきて、やっぱり!という感じ。それでも不動ノ峰へ向かう道中が光の具合といい、樹氷の様子といいこの日のハイライト。周囲を眺めつつ、写真を撮りつつ、のろのろ歩く感じになってしまいます。

そして不動ノ峰に着くととうとう完全に曇ってしまいましたが、それでも山頂周辺のブナは真っ白でまだまだ見事。そんな中で一息ついたらさっそく南尾根の下降に移りました。

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(不動ノ峰南尾根<棚沢左岸尾根>上部にて)

のっけは丹沢主脈の稜線らしく小笹の敷き詰められた、藪もなく広くて歩きやすい尾根。ブナに混じって白いような茶色いような細い木も見かけましたけどあれはヒメシャラでしょうか。もともとシカの多い地域の上に人がほとんど入らないせいか、シカがそこかしこピョンピョン跳びはねてます(笑)。

地形図にも載っている途中の崩落地からは、尾根の続きにこの次に歩くコシバ沢右岸尾根と鍋割山を確認。それからしばらくはそんなスッキリした自然林が続きましたが、尾根が急になる1350m圏辺りから、アセビや灌木が若干被りだし、岩屑が尾根を覆ったり、痩せたりして、雪が残っていることもあって一気に歩きづらくなります。

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(崩落地より、中央奥には鍋割山とコシバ沢右岸尾根も見える)

しかしそれも尾根の肩と言った風情の1253m峰からは植林帯に入って一息つけたんですけど、まもなく植林下の急降下に変わって、所々痩せた箇所もあったりしてこの下降がちょっとしんどかったです。それでもこの急さですからねぇ・・・登りに採らなかったのは正解だったのかも。

結局不動ノ峰から一時間ほどで箒杉沢に到着。上から何となく見えてましたけど、この辺りは山奥の沢とはとうてい思えないようなだだっ広い、そして過去に相当暴れたのが容易に想像のつく荒涼とした沢ですね。

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(棚沢 箒杉沢出合と不動ノ峰南尾根の末端部)

広い河原はどこでも歩けるのですが、さすがにゴーロは歩きづらいので左岸側の廃林道を下って鍋割沢との出合へ。そして出合からは適当に対岸へ渡って林道に這い上がり、これまた箒杉沢と同じような様子の鍋割沢に沿って緩く上がると、まもなく塔ノ岳への道が沢の遠い対岸へ渡る所に出ますが、この辺りが尊仏ノ土平と言われる所でしょうか。

林道はここで終わっているので、堰堤を捲いてから河原に降りるとそのすぐ先がコシバ沢の出合。この時点でもう14時を回っていたのでそのまま右岸尾根に取り付きました。

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(コシバ沢右岸尾根のひとコマ)

地形図を見る限り、植林の多い尾根という予想は大きく外れて、実際は自然林の許、ブナの立派な木々を見ながら登れる気持ちの良い尾根でした。ただ尾根は急だし、曇って寒いし、新雪のせいでズルズル滑る登りがここへ来て課せられる訳ですからですから、実際はもうヘロヘロでした。

それでも尾根が短いのが幸い。一時間弱で花立~鍋割山の稜線になんとか這い上がったらすぐ先が鍋割山でした。山頂も変わらず寒いし、ここに来たらやっぱり鍋焼きでしょーと言っても、15時を回った時点で泊まりでもないハイカーが鍋焼きうどんなんて頼んだら怒られそうなので、ここはそそくさと下山を始めるしかありません。

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(稜線に出ると鍋割山はすぐ先だった)

下山と言っても行程上大倉へは降りたくないので、今回は後沢右岸尾根の径路経由で寄に降りましたが、後沢右岸尾根は全編植林の趣に欠けた尾根でした。でも人気の山のメインルートはすでに泥濘になっており(とはいえ、そんな状況でもそれなり歩きやすく整備されているのはほんとうに凄い事だと思います!)、慣れている人であればそれを避けられる格好のルートしての利用価値は小さくないと思いました。

あと寄への道も、最後の寄へ向かって周囲が直線的に広がる光景が個人的には印象的でしたし、バス停前のみやま浜善も気になる存在。これならバスの時間が合わせなくてもいいなぁ、と思いましたけど次もまた6年後かも(笑)。でも個人的に丹沢と言えば近年は世附オンリーだったので、たまには丹沢の別の所も新鮮でなかなか面白かったです。(^^)

・・・・・☆
 
◆ 2010.02.20 (Sat)   晴 後 曇
藤野駅 06:45→ やまなみ温泉 07:00/07:15→ 東野 07:35- 登山口 08:15- 姫次 10:00/10:10- 蛭ヶ岳 11:30/12:05- 不動ノ峰 12:50- 1253m峰 13:20- 棚沢出合 13:45- 尊仏ノ土平 14:05/14:10- 鍋割山 15:15/15:20- 径路分岐 15:40- 762m峰 16:00- 登山道入口 16:15- 寄大橋 16:30- 寄 17:00
 
・・・・・☆・・・・・☆

リンクの紹介なんて久しぶりですネ。(^^ゞ
今回は老少年さんの やま旅・はな旅 北海道 をリンクしました。

その題名の通り、あこがれの日高の山にハマり通い続ける記録がメインですけど、北海道だけでなくこちらの山の、特にお花絡みの山歩きの記述も多く、充実したページだと思いました。みなさま是非ともご覧ください。(^^)
 

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2010.02.19

こればかりは、とくべつ

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(大糸線の車窓より有明山)

しかしここのところ天気が今ひとつすぐれませんね。先週は建国記念日もあったのに晴れたのは日曜だけ。しかも日曜は降雪の翌日という絶好の山日和だったのでボクもさっそく雪見としゃれこんで・・・

・・・とはいってもこの日、実はお山は見るだけ。松本にちょっとした所用があったのでその前に、というかそれにかこつけてほんとうは↓↓こちらがメインなのかも(笑)な、お出かけでした。

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(行きはキハ52 115・南小谷駅にて)

鉄道はボク自身「マニア」とは言い切れない「ハンパもん」なこともあって、惜別乗車というのは滅多にしないボクでも、非電化区間の山線とは切っても切り離せない存在だったキハ52だけは、個人的な思い入れもあってやっぱり特別でした。

実は二年前、飯豊帰りの米坂線で偶然キハ52に乗り合わせた時に、もうこれで最後だろうとは思っていたんですけど、この大糸線のが最後の最後、と聞いたらやっぱりね。3月までに行く機会を狙い澄ましていたのは確かです。

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(木製のテーブルが泣かせるなぁ)

しかし惜別乗車なんて十ン年前の南部縦貫鉄道のレールバス以来かなぁ。。。重役出勤で南小谷に着くと、日曜という事もあってホームは凄い人出。しかもその7、8割方はボクのような筋の人で占められており、南小谷より先は当然ながら単行な訳ですから、車内はなかなかの混雑っぷりです。

それでも南小谷から先は雪がなくても車窓は楽しいのに、今の時期は雪がたっぷり良い具合に積もっている訳ですから、風光明媚なことこの上ありません。もちろん外から撮っている人も多く、それすら「いい景色」になっていたような気がします。ただ惜しむらくは、車内が混んでてこの辺りの写真をまったく撮れなかったことでしょうか。

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(こちらも今月一杯のレンガ車庫&キハ120・糸魚川駅にて)

糸魚川駅周辺はすでに新幹線の工事が始まっており、↑のレンガ車庫も今月いっぱいとか。これは帰宅してから知ったんですけど、こんな事なら車庫もちゃんと撮っておけば良かったです。。。

糸魚川に着いたらとりあえず海へ行って、クイニーアマンを食べて、またすぐに駅へ(汗)。ということで、今回糸魚川の滞在時間わずか30分でした(笑)。

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(日本海も滞在わずか10分・^^;;;)

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(海の反対側は・・・焼山と左奥は火打山?)

帰りは折り返しと思っていたら、また別の車両が出てきてこれは嬉しかったです。車内も行きよりは空いていて、ずっと立ってましたがゆっくりと車窓を堪能できました。(^^) さすがにビールは飲めなかったケド。

でも風光明媚なローカル線ってお酒が本当に美味しいんですよね~。雪があって、風光明媚で、しかも旧国鉄時代の気動車が乗れる所ってもう関東周辺では只見線だけになっちゃった?のかなぁ??

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(帰りはキハ52 125・糸魚川駅にて)

そうそう、この日は写真こそ撮れなかったけど、降雪直後ですから朝の高尾して素晴らしく、中央線沿線の山山に南アルプス(特に甲斐駒)、八ツ、鉢盛、美し、そして北アは大天井以北でしたけど、南小谷までの車窓もかなり楽しめましたです。

南小谷からの帰りは山帰りと思しき人の姿をちょっと羨ましいなぁ、と思いつつも、こんなのもたまには悪くないなと思いつつ松本へ向かったのでした。
 

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2010.02.08

雪の酉谷山・青空と風と共に

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(日向谷右岸尾根・中部まではミズナラが美しい)

いや~二月に入ったらいきなり雪が降っちゃいましたねぇ。今シーズンもほとんど降らないんじゃないかと思っていただけに、普通に考えればごくごく当たり前の事なんですけど、少々意外でありました。

これでは世附の尾根・沢ならともかく廃道探訪となるともう無理なので、まっさらな雪面にトレースをつけるスノーハイクならやっぱり日原かなぁ、ということで今回(02/07)は久しぶりに雪の酉谷山。東日原から酉谷を上がり、懸案となっていた日向谷右岸尾根を辿って長沢背稜/都県界尾根の1702m峰に上がったら酉谷山、そしてタワ尾根を下降するコースを歩いてきました。

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(朝の三又)

しかしのっけからアレですが(笑)E233系は本当に素晴らしい車両です!つい二年程前までは通気性の良い201系の上に、交換の度に扉全開の長時間停車を繰り返されて、体感的には山より寒く、個人的に人権問題とまで思っていた、早朝の青梅線がチョー快適になっていて、奥多摩までの車中はもはや感動的ですらありました。

そのせいかどうかわかりませんが、日原行きの一番バスも真冬にしてハイカーが多い印象。朝も想像よりは暖かく、ストレッチを終えたらさっそく歩き出します。

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(酉谷・トレースはあったが半分以上は埋もれていた)

小川谷林道の方は圧雪4割、地肌が出ているのが6割といった感じで至って歩きやすく、一面の雪景色にワクワクしたせいか、ボクにしてはかなり早いペースで林道の終点まで行ってしまいました。

そして酉谷の登山道に入ると降雪直後に入ったと思しきトレースがありましたが、急斜面をトラばる箇所をはじめ、道中の半分以上は乾雪のおかげで道が完全に埋もれている状態。今しばらくは夏道を熟知した人向けでしょうね。でも積雪自体は深くても膝下ぐらいで、酉谷の雰囲気の良さと相まってトレースをつける作業が本当に楽しいです。

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(旧酉谷小屋附近)

そんな中、せっせとトレースをつけながら歩いた割には一時間ほどで旧酉谷小屋跡に到着。その左岸側に延びている尾根が目的の日向谷右岸尾根で、一息ついたらさっそく尾根に取り付きました。

登りだしこそ尾根が急で雪にずるずる滑りながら登る感じでしたが、それを登り切るとその先は思ったよりは緩やかで、ふと見上げると若いミズナラたちが青い空一面に枝を伸ばしていて、それは見事な光景でした。

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(日向谷右岸尾根・ここまで来ると縦走路は近い)

やがて尾根上に枯れたスズタケが現れると、それと同時に尾根を通る風がかなり強くなり、強風がゴウゴウ鳴っている中をひたすらに登っていく感じになります。

尾根の中間を過ぎると、素敵なミズナラ林から徐々にカラマツ植林が混ざるようになり、全面カラマツ林に変わったところであっけなく尾根を横切る縦走路に飛び出しました。んが、驚いたことに縦走路の方はトレースがありません。

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(矢岳と秩父市街を見下ろす・1702m峰附近より)

晴れてはいるものの風が強くて寒いし、もうお昼も近いのでこのまま避難小屋へ逃げ込みたかったのですが、やっぱり尾根を登りだしたら最後まで、ということでもうひと頑張りして1702m峰へ。しかし稜線は氷点下の北風がマトモに吹き付ける状態で、ほうほうの体で西の避難小屋へ逃げ込みました。

酉谷山の避難小屋は改修完了後初めての訪問。南向きの小屋には日が燦々と降り注ぎ、中は2℃でも体感的にはぽっかぽか。小屋からは富士も望めて、相変わらず素晴らし過ぎる小屋ですネ。

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(酉谷山避難小屋・改修完了しました)

おかげでこんな荒天にもかかわらず、展望を楽しみつつのんびりランチに休憩ができて、この日ほど避難小屋のありがたさを感じた事はありません。<(_ _)> <(_ _)>

休憩を終えたら酉谷山を目指しますが、縦走路にトレースがないのですから当然稜線にもトレースはなく、稜線へ上がる所からしていきなり膝上の吹きだまりを乗り越える展開。

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(酉谷山山頂より)

それでも強風のお陰か雪が風で飛ばされている箇所もあって、できるだけ雪の浅い所を選びつついきましたが、それでも普段の倍はかかってようやく酉谷山の山頂に辿り着きました。

山頂も当然寒いので、南側で展望を楽しみつつ少し日向ぼっこをしたら、そのまま西へ下り始めます。

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(行福ノタオ附近・膝上ぐらいの吹きだまり)

雪を蹴散らしつつ、そして乗り越えつつ下っていき、縦走路と合流する辺りは↑↑こんな感じになってました。それでも縦走路は基本、稜線の南側を捲くので積雪は平均すると20cmぐらいでしょうか。

それに一旦南へ捲き出すと風が来なくなるのもホッとする所。あとは周囲の自然林を愛でつつヘロヘロ西へ行き、タワ尾根を乗越す所まで来たら、一息ついて下降に移ります。

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(タワ尾根上部・雪はあまり多くない)

タワ尾根もトレースこそなかったものの、上部は黒木が多いせいか積雪は少なめ。ただ露岩と絡んで滑りやすく、モノレールの軌道も邪魔でこれはこれで歩きづらいかも(笑)。そして大京谷ノクビレからウトウノ頭への登り返しは、急な上に滑りまくってこの日一番しんどい所でした。

昨秋以来となるウトウノ頭では新しいプレートとようやくご対面。実際見てみると至ってシンプルなデザインでこれはこれで良いですね。

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(日向谷右岸尾根と石楠花尾根・ウトウノ頭附近より)

ウトウノ頭からもう一コブ越えれば、この先はほぼ下りオンリーで、素敵な自然林の広がる尾根上に好き勝手にトレースをつけつつすいすい行けます。

そして緩く登り返して篶坂ノ丸に着くと、ここで下からのトレースが来ていました。あとは傾きはじめた西日を浴びつつ下って行き、大ミズナラに寄って、そして鍾乳洞へ向かったのでした。

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(篶坂ノ丸山頂附近)

しかし積雪の方は今後はどうなるんでしょうねぇ。スノーシュー使うんだったらあと二降りぐらいは欲しいけど、この先の予報を見ているとさすがにそれは無理そうな予感。となるとあとは花粉が飛んでも良いから(笑)、雪が溶けてくれることを願うしかないのかなぁ。。。

それでも久しぶりの雪歩きは、普段使わない筋肉を久しぶりに使えて、そのお陰で忘れかけていたその感覚を思い出す事ができたのが、実は一番楽しかったことなのかもしれません。(^^)
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.02.07 (Sun)   快晴
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:55- かろう橋 07:35- 滝上谷橋 08:05- 林道終点 08:50- 三又 09:10/09:15- 旧酉谷小屋 10:15- 縦走路 11:25- 1702m峰 11:40- 酉谷山避難小屋 11:55/12:45- 酉谷山 13:10- タワ尾根乗越 14:10- ウトウノ頭 14:50- 金袋山 15:35- 日原鍾乳洞 16:30- 東日原 16:55
 

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2010.02.01

7年ぶりに金山沢と水ノ木沢の中間尾根へ

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(金山沢 水ノ木沢中間尾根1192m峰附近のひとコマ )

・・・と言う訳で世附の廃道探訪はちょっとお休みして、世附は世附でも今年の初歩き以来となる金山沢・水ノ木沢の辺りへ。個人的に初西丹沢というか初世附だった藪尾根の再訪がメインでしょうか。(^^)

今回は山伏峠スタートで山伏歩道から水ノ木林道経由で菰釣橋に出たら、北へ鍋釣山(970m峰)・1192m峰を通って甲相国境稜線へ延びる金山沢 水ノ木沢中間尾根を登り返して、国境稜線を西へ行き、山伏峠に戻る周回コースを歩いてきました。

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(山伏歩道・西丸北西鞍部の分岐)

今回はおそらく5年ぶり??ぐらいとなる山伏峠からのスタート。初歩きの時は下降ポイントを忘れて西の枝尾根を下ってしまいまいたが(笑)、永らく訪れなかった間に登り口がトンネルの道志側に移っていました。実際歩いてみると道志側は平野側に比べると道がかなりしっかりしていますね。相変わらず峠付近に道標がほとんど無いのが難ですけど、これからは迷わずスムーズにR413へ下れそうです。

あとはくっきりクリアな富士を眺めつつ要所小屋ノ頭に上がり、そこから初歩きの時と同じく山伏歩道を下ります。歩道は下部の植林帯で間伐枝打ちが入っていたのに驚きましたけど、そのお陰でこの道は明瞭なのかもしれませんね。

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(こもつり橋の謎のもこもこクン)

沖ビリ沢(しつこいようですが「エアリアの沖ビリ沢」=山伏沢ではなく、その一つ南の沢)に降り立ち、すぐ下の金山沢との出合に出たら河原で一休み。この辺りは流れは緩やかですけど明るい沢が多くて良いですね。心なしか日差しも真冬のような弱々しさが無く、春は確実に訪れていると思わせる力強さを感じます。

休憩を終えたら水ノ木林道に上がり菰釣橋へ。途中の樅ノ木橋にはビリ沢歩道を降りた時に訪れてはいるものの、通しで歩くのは今回が初めて。まぁ取り立てて言う程の所はありませんでしたけど(前・中ビリ沢出合の確認は泣く泣く割愛)、菰釣橋直前の右岸斜面に見えた↑↑のもこもこ。最初は岩かと思ったんですけど、どうやらツル系の植物が木に巻き付いてできた造形のようですね。

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(菰釣橋にて)

菰釣(こもつり)橋に着いたら周囲の散策をかねてまた休憩。周囲は植林が多いけど、雑木やこの標高とは思えないような素敵な自然林も見受けられて思わず長居をしてしまいます。でもこの時間にここに着けばもう時間的な問題はなくなったも同然なので、実は余裕がけっこうあったりしたのです。

それでも行程的にはここからが本番。橋東詰の植林に覆われた尾根が今回の目的である金山沢と水ノ木沢の中間尾根の末端で、以前はスズタケに覆われていた末端部も、今ではずいぶんと枯れてしまって難なく尾根に取り付けます。

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(中間尾根・下部は植林の中モミやアカガシが目立つ)

尾根上に上がると測量でも?入ったのか??尾根上に沿って刈り払いが入っていて、ひたすらに歩きやすくなっていました。が、それもじきに上がった760m圏のピークまでで、それから先は時折切れ間はあるものの、終始スズタケが被る感じではありました。

それでもスズタケは適度に疎で初訪の時に比べれば至って歩きやすく、大栂近辺ほどではないにしろモミやアカガシの大木を見つけつつゆるゆる上がっていく感じ。ただ尾根全般に亘ってシカによるモミの食痕が、世附に頻繁に入るようになってからここが一番目立ちました。世附をぼちぼち歩いていると3mクラスのモミはありふれている感のある世附のモミの今後が少々気がかりではあります。

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(スズタケは終始被るが、以前に比べると歩き易くなっている)

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(鍋釣山<970m峰>へ白ザレの急斜面を登る)

尾根左手、東丸と西丸の間に富士が顔を出すのも新鮮で、梢越しながらもちらちら見てしまいます。しかし、実際に中間尾根を再訪してみると、昔のこと、しかも当時は天気も良くなく、ダニまみれで(笑)ただただ尾根を登り詰めていたせいか尾根の記憶がほとんど無かったんですけど、鍋釣山(970m峰)へ上がる↑↑の白ザレの急斜面の所はよ~く覚えていました。

その急登をこなすと再び植林に変わり、まもなく鍋釣山に着いたらそこは植林下の痩せた小さいピーク。そんな様子にここでのランチの目論見は崩れた。んですけど、ギャップ状になっている北の狭い鞍部は植林下ではあるものの日差しが入り、梢越しに富士も望めるので今回はこちらでランチとなりました。

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(中間尾根1192m峰附近のひとコマ・Part2)

ランチを終えて再び歩き出しても植林下の痩せ尾根が続きますが、それも尾根が緩くなった1060m圏辺りでようやく植林を抜け、雑木林や自然林が続くようになります。

そして1192m峰の頂稜に上がると、周囲はブナの立派な木々も散見される素敵な自然林に変わりました。そんな様子に思わず嬉しくなって、気分良くゆるゆる歩いていると、丹沢では比較的珍しい4mはあるミズナラの古木がいてビックリ。これにはより嬉しくなる一方、前はこんなに目立つ木すら目に入っていなったのか・・・と愕然とする瞬間でもありました。

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(白ザレの痩尾根も何度か通る)

あとこの1192m峰附近は周囲を国境稜線や菰釣山の南尾根に囲まれていて、妙な独立感というか小島にいるような感覚になるのも面白いですね。

1192m峰から先を行くと再びザレっぽくなり↑↑こんな箇所を二回ほど通過したら、一旦北の最低鞍部へここもザレザレの急降下。鞍部に着いたら、なにはなくともまずはこの附近を横切る奥世附歩道を捜索です。んで結果、明瞭ではないもののそれらしきものは見つかりました。(^^)

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(大栂<中央奥>と1192m峰<右手前>を見下ろす・国境稜線より)

鞍部からはスズを漕ぎつつひたすらに登りをこなし、尾根が緩むとじきに甲相国境稜線に飛び出しました。休憩をかねてさっそくダニチェックをしたんですけど、稜線を冷たい風が吹き抜けてこれがなかなかちべたい。日中は晴れて暖かくなっても、日が傾くと途端に寒くなりますね。

あとは山伏峠を目指して稜線をひたすら西へ。行く先に聳える富士はすでに逆光になっていることもあって、歩き出しこそたまに眺めるぐらいだったんですけど、徐々に日が傾いてくるとなーんか太陽が富士の近くに沈みそうな?感じ?? でも高指山辺りのダイヤモンド富士はまだ半月は先のことだし、まぁ山頂のすぐ脇辺りに沈むぐらいなんじゃないのん?

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(フィナーレはダイヤモンド富士が待っていた)

・・・なーんて思いながら歩いていたら、太陽は徐々に山頂部へ落ちてきて、こ、これはもしかするかも!と思い始めた時に、ちょうど富士山方面の開けた要所小屋ノ頭に戻ってきたのは神の御業でしょうか!あとはただただ慌てまくりながらデジを取り出し、太陽の撮り方もわからないので、ただただ露出を最低にして(笑)適当に撮った、というか撮るしかなかったのが↑↑こりでした。

そもそもその辺りの知識なんてほとんどないし、この日だって何も知らないでここまで歩いていたのに、それなのにタイミング良くダイヤモンド富士に遭遇するなんて、なんという巡り合わせ!これこそまさにミラクルだしもう何度も言ってますけど、山はこちらの浅薄な想像を遙かに超えるものをいつも見せてくれるんですよね。いやー、それでも今回はちょっと参りましたワ。<(_ _)>
 
・・・・・☆
 
◆ 2010.01.30 (Sat)   (快晴に近い)晴
山伏峠 07:20- 要所小屋ノ頭 08:10- 沖ビリ沢出合 09:15/09:30- 菰釣橋(636m)10:10/10:30- 鍋釣山(970m峰)12:10-(途中休憩45分)- 1192m峰 13:50/13:55- 甲相国境稜線 14:55- 西沢ノ頭 15:50- 石保土山 16:10- 要所小屋ノ頭 16:25/16:35- 山伏峠 17:05
 

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