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2010.01.11

城ヶ尾歩道の探訪・イデン沢の辺りをぶらぶら

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(城ヶ尾歩道・イデン沢<コモツリ沢・菰釣沢>に降り立つ所)

例年より暖かめとはいえ真冬と言える時期に入って、世附通いも本格化と言ったところでしょうか。そんな訳で今回(01/10)ももちろん世附で、三週間前に大栂東尾根の下りしなにあっさりと見つかった城ヶ尾歩道をさっそく探訪してきました。

今回は珍しく車でサガセ西沢に出てからのスタート。驚いたのが林道に入った途端、辺りが雪景色になったことで、どうやら8日の晩あたりに一降りあったんですね。道形の甚だ薄い廃道歩きが待っているというのにこれはちょっと困ったなぁ、と思いつつさっそく歩き出します。

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(菰釣山山頂・積雪は多くても5cmほど)

ただ積雪と言っても道中多くても5cmほどで、それなりに冷えた日が続いたせいか雪も乾いており、至って快適に歩けるレベル。甲相国境稜線に上がれば尾根上には雪が残っているものの、南側はすでに地肌が見えている状態でした。

菰釣山の山頂に着いたら周囲の山山を眺めつつ少休止。化粧直しをした富士はもちろん美しいんですけど、南斜面な水ノ木の辺りも白くなっていてこの後の行程を考えるとちょっと嫌な感じ。休憩を終えたら次は南の大栂へ向かいます。

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(大栂山頂より菰釣山方面)

この辺りも徐々にスズタケが枯れつつあるようで、藪はまだまだ億被さるものの、訪れるたびに徐々に薄くなっているような気がします。でもこの辺りのブナ林は相変わらず見事でなかなかペースが上がりません。

大ダルミに下りきる辺りでは奥世附歩道と思しきか細い踏跡がこれまた意外にあっさりみつかり、ルンルン気分で大栂へ登り返しました。

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(大栂山頂直下のひとコマ・Part1)

すでにこのシーズン三度目となった大栂も周囲がうっすら白くなっていて、これまでとはちょっと違う雰囲気。ここでも結構のんびりしたら今度は南東尾根を下り始めます。

下り出すと雪はほとんど無くなり、ふかふかの落ち葉を踏みながら、かの美しい自然林の中をただゆるゆると歩くだけ。今シーズン三度目とはいえ、この辺りはいつ歩いてもため息の出るような所ですね。

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(大栂山頂直下のひとコマ・Part2)

東尾根との分岐に着いたらここで東尾根に入り、ひと下りすると今回のメインディッシュとなる尾根を横切る城ヶ尾歩道が無事見つかってちょっとホッとしました。でもこれから歩く北側はうっすらながら雪が積もって前途が案じられるような様子です。

さっそく城ヶ尾歩道に入って径路を辿り始めましたが、まもなく雪のせいでこれが道なのかどうかわからなくなってしまったので、そのような辺りを辿りつつ山腹を緩く下りながらトラバースしていきます。

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(城ヶ尾歩道・雪で道形を探すのはかなり難しかった)

しかしそれも広い二俣になっていた「大栂南東尾根から派生する尾根群と大栂から直接派生する尾根群を分ける沢」に降り立つと、シカさんのおかげもあって何となく判別できるようになり、対岸へ移るとようやく道形が現れてきました。

沢は枯れていましたけど、さすがに沢沿いのせいかシオジの立派な木も目立ってなかなか良い所。道中遠目で見えた時はブナと思っていた木はケヤキだったことに驚き、そしてなにかしら(っていったい何だよ)のご神木になりそうな立派なケヤキに驚き、なおも道を追います。

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(城ヶ尾歩道・この辺りは道形が明瞭に残っていた)

この先も道は意外にしっかり山腹をトラバースするように延びていて、藪も少し絡む程度で歩きやすかったのも意外でした。そして大栂の短い北東尾根をぐるりを回り込むと再び雪面に変わりますが、道形は判別できる感じでまもなくイデン沢に降り立ちました。

降り立ったところは1000m圏の二俣で、ここは一昨年イデン沢を上から降りた時、降り始めてから初めて沢床が広がったところだったので、あぁここに降りたのか!とすぐに思い出したのでした。

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(城ヶ尾歩道・ここでプッツリ、打止め)

イデン沢に降りたのは良いのですが、やはりというかこの先が周囲を見渡してもやっぱりわかりません。しょうがないので対岸の斜面(イデン沢940m圏二俣中間尾根)を適当に登ると、じきにそれなりの道筋らしきものが現れたので再びトラバース開始。

そしてイデン沢940m圏二俣中間尾根の尾根上に上がったら、ここで日当たり良い場所を探してランチ。ランチの後は再び道に戻り、尾根を乗り越してトラバースを再開したものの、次の枝沢を渡るところで道は完全に流されていました。

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(イデン沢940m圏二俣中間尾根中腹の辺り)

うっすらと雪のついた急な沢を横切るのはさすがに無理だし、周囲を見たところこの後も同じような箇所がある感じ。う~む。。。しばらく思案の末、これらを捲くにしてもかなり時間がかかるので、今回の所はここで打止めにして、このイデン沢940m圏二俣中間尾根を辿って菰釣山へ上がることにしました。

そうと決まれば話は早く、尾根に戻ってさっそく尾根を登り始めます。

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(ここまで来るとシキリ尾根は近い)

尾根はモミ・ブナの若木の中にたまに立派な大木が混ざる感じの林で、スズタケももちろん被りますけどあまり濃くなく、しかも細いながらも明瞭な下道が通っていてそれなりに歩きやすいです。

時折尾根上に現れる倒木や枝木などに邪魔されながらも徐々に登っていき、登りだしてから1時間ほどでシキリ尾根と合流。時間に余裕があるので周辺の美しいブナ林を散策してから菰釣山へ向かいました。

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(菰釣山シキリ尾根<南東尾根>のひとコマ)

今回はまだ日の高いうちに菰釣山に戻れたので(笑)、すでに逆光になっていた富士を愛でつつのんびりと休憩。あとはこの日の行程を思い起こしつつ、朝登って来た道を下って行ったのでした。

城ヶ尾歩道・・・辿ってみると思いの外道形が残っていて驚きましたが、当然の事ながらすでに廃道状態で、これまた当然の事ながら全く万人向けではありません。歩くのはもちろん個人の自由ですけど、歩くにあたっては「地形図とコンパスのみ」で確実な地形判断をできることが必須のスキルです。そして廃道歩きは後々のフォローのことを考えると尾根・沢・藪などの総合的なスキルも求められる、と心得てください。余計なお世話かもしれませんが念のため。

・・・・・☆

◆ 2010.01.10 (Sun)   晴
サガセ西沢ゲート 07:20- 菰釣山 08:40/08:50- 大栂 09:40/09:55- 城ヶ尾歩道 10:25- イデン沢1000m圏二俣 11:20/11:40- イデン沢940m圏二俣中間尾根 11:55/12:35- シキリ尾根合流 14:20- 菰釣山 14:30/15:00- サガセ西沢ゲート 15:50
 

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コメント

タカさん、

明けた土曜はさぞかしステキな光景だったことでしょうね。火曜も雪が降ったようですけど個人的には半端なのはイヤなので降るなら降る!降らないなら降らないとメリハリつけて欲しいなぁ(笑)。

投稿: komado | 2010.01.14 22:53

やはり丹沢も雪でしたか。

笹子も雪でした。8日の夜から9日の未明に
かけて降ったようですね。

投稿: タカ | 2010.01.12 07:13

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