久しぶりにセギノ沢、バケモノ沢の辺りをのんびりと
(バケモノ沢<地蔵沢>800m圏二俣中間尾根のひとコマ)
前回こそ奥多摩・秩父でしたが、世附の廃道探訪はまだまだ続きます。(^^)
まだ未踏で懸案でもあった、大滝峠と地蔵平を結ぶ権現歩道の探訪をかねて、久しぶりにセギノ沢(権現沢→杉ノ沢)・バケモノ沢(地蔵沢)の辺りをぶらぶらしてきました。
今回(01/24)は大滝橋から大滝峠に上がり、その権現歩道を下って大滝沢橋へ。それから地蔵沢林道を終点近くまで歩いて、林道からバケモノ沢800m圏二俣に降り、その二俣の中間尾根~セギノ沢 バケモノ沢中間尾根を畦ヶ丸手前の登山道まで登り返したら、大滝峠上経由で大滝橋へ戻るコースを歩いてきました。
(アカガシの緑眩しい、大滝峠への道すがら)
快晴の日曜とはいえさすがにオフシーズンのせいか、西丹沢行きのバスの乗客はかなり少なめ。お陰でバス待ちの間にのんびりおそばを食べられるし、この時期は本当にいい事ずくめですネ。
大滝橋までの長い車中に一眠りしたら丁度良く大滝橋で、寒いバス停前でストレッチをしたらさっそく大滝峠へ向け歩き出します。
(大滝峠にて)
ぼちぼち歩いている大滝橋から大滝峠上への道も、登りに採るのはなんと初めてのこと。今回は権現歩道を歩くのが一番の目的ではあったんですけど、この道の登りの様子と時間を頭に入れたかったのも実は大きかったりします。
おかげでボクなりの見所なりポイントなりを覚えられたんですけど、一軒家避難小屋を過ぎた辺りのステタロー沢沿いに行くところ。あの辺りって登りだと意外にわかりづらいんですねぇ。ぼちぼち下っていたので大まかなルートはわかっていたんですけど、沢に沿っている道筋を追えないこともしばしば。。。(笑)
(権現歩道・道形は何とかあるが辿るのは危険)
それでも一時間半ほどで大滝峠上に上がり、そこから峠へひと下り。峠は植林に覆われた暗いところなので、朽ちかけた看板にテーブルベンチをカメラに収めたら、さっそく西へ延びる権現歩道に入ります。
道にはスズタケが生えているものの、道形自体は明瞭。んが、それもまもなく沢筋を横切る所で↑↑のように薄くなってしまいました。この時点で沢に降りた方が安全ですが、崩れた斜面に延びる細い道筋をヒヤヒヤしながらなおも追うと、まもなくセギノ沢の本谷との二俣に降り立ちました。
(権現歩道・奥の堰堤との二段滝?は右岸を捲く)
ここから先は道形もよくわからず、ひたすらにセギノ沢に沿って下って行く感じ。沢自体は一部倒木の多い箇所があったものの、基本的に難場はなく、スイスイ下れます。ただ西斜面、しかも午前中のせいでしょうか?日陰が多くて全般的に暗い印象でしたが、それも午後だと少しは違うのかもしれません。
唯一とも言える↑↑の石積み堰堤との二段滝は難なく右岸側を捲けて、しばらく行くと地蔵沢林道が横切る大滝沢橋に着きました。
(地蔵沢林道のひとコマ)
ここからは地蔵沢林道を北へ。橋のたもとからして林道上に土砂が堆積しており、すでにこちらも廃道状態。先には崩落している箇所もいくつかあって、林道と言うよりはもう程度の良い山道、といった感じです。
こちらは日当たりが良好なこともあって、周囲の様子を見つつ林道をてくてく。バケモノ沢を挟んだ対岸側が植林から、葉を落とした裸木の斜面に変わるとそろそろ終点も間近の雰囲気がしてきます。そして林道が終点手前の999m峰北西尾根を乗り越した所で林道を離れ、北西尾根を辿ってバケモノ沢に降りました。
(バケモノ沢800m圏二俣)
バケモノ沢に降りて、沢に沿って少し上がると左岸側から枝沢の合わさる二俣に出ますが、ここが800m圏の二俣。周囲には大ブナの立つ、日当たりの良い広い平地もあって、しかも頃合いも良かったのでここでランチと相成りました。
今回はさほど長いコースではないし、位置のせいか風もなく、ぽかぽかしていて久しぶりに一時間ほどのんびりしてしまいました。普段ならこのまま下るだけ、なんですけど、今回はこれから目の前に聳える二俣の中間尾根を登り返さなければいけません。
(バケモノ沢800m圏二俣中間尾根・登りだしはこんな感じ )
この先はある程度の藪も予想されるので、ちょっと気が重いながらもその中間尾根に取り付いたんですけど、いざ取り付いてみると藪はうまく避けられるように登れるし、登るにつれ赤沢や大界木山の南斜面の美林帯が目に入るようになって、いつのまにやらそんな光景を楽しみながら登っていました。
尾根上に上がると尾根の右手が植林になりますが、左手はこちらもなかなかの自然林。見所もいろいろあってそれらを愛でつつ、なおも登っていきます。
(セギノ沢 バケモノ沢中間尾根と合流した辺り)
登るにつれ左手の自然林に立派なブナが目立ち始めると、じきに右手からセギノ沢とバケモノ沢の中間尾根と合流。林相的にもこの辺りが一番見事で、この辺りがこの尾根で一番のハイライトだと再確認しました。
三年前の初訪の折りはこの辺りもスズタケが残っていて、どうにも休憩する気になれなかったんですけど、こちらもずいぶんとスズが枯れてそれなりの平地がいくつかできていて、この尾根も今はランチ場にも困らない感じですね。
(奥野歩道<旧東海自然歩道>の道標はまだ健在)
そんな自然林を愛でつつゆるゆる行くとまもなく奥野歩道を突っ切り、稜線へ向け本格的な登りに変わりますが、この辺りもスズタケがずいぶん薄くなっていてビックリ。
思いの外楽に登れるんでコレはこのまま最後まで行けるかも、と思い始めたらさすがにスズタケが出てきて徐々に歩きづらくなってきましたが、それも以前と比べれば知れたもの。じきにあっけなく(本当に!)畦ヶ丸の登山道に飛び出しました。
(中間尾根上部はスズタケがうるさいが登りやすくなった)
ここで時計を見ると丁度14時。そのまま畦ヶ丸へ向かうと15時台のバスは乗れないけど、かといって17時台では暇をもてあましてしまう、かなり微妙な時間。下で昼寝をしたのがちょっとマズかったなぁ・・・と思いつつも心はすでに大滝橋へ下る方に傾いていたのでした(笑)。
ということで畦ヶ丸はまたの機会にして、すぐ下の西斜面の広がるブナ林を散策してから、あとは一路大滝橋へ下ったのでした。
(大滝峠への下りしなにあるブナ林)
懸案だった権現歩道はセギノ沢に沿っているだけあって植林が多かったのですが、それとは反対にバケモノ沢の源流域は遠目で見ても本当に見事な自然林が広がっていますね!世附のブナ林に於いて、バケモノ沢源流部はイデン沢の源流部とまさに双璧!!と言う事を再認識した一日でもありました。
植林も多いけど残された自然林は美しく、一旦山に入ればまず人に会うことはない。奥地に限れば猟師も入れないし、今の時期の世附の山は本当に楽しいですネ。(^^) これでダニがもう少し少なければ最高なんですけど(笑)。
・・・・・☆
◆ 2010.01.24 (Sun) (快晴に近い)晴
新松田駅 07:20→ 大滝橋 08:30- 一軒家避難小屋 09:20- 大滝峠 09:55/10:05- 大滝沢橋 11:00- バケモノ沢800m圏二俣 11:35/12:35- セギノ沢 バケモノ沢中間尾根合流 13:15- 奥野歩道(旧東海自然歩道)13:30- 登山道 14:00- 大滝峠上 14:25- 大滝橋 15:30
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