2009.11.30

ツバノ尾根から石尾根北面ひとめぐり

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(ツバノ尾根下部のひとコマ)

えー、先の週末(11/28)の山行きも実は日原だったんですけどさすがにもう錦繍は使えませんよねぇ・・・(^^ゞ ということで今回は珍しくというか電車バス利用ではなかなかできない石尾根北面の周回。七年ぶりにツバノ尾根を下から登って高丸山~七ツ石山~唐松谷林道と歩いてきました。

今回は東日原からではなく個人的にうふふっ♪な日陰名栗沢下降点からのスタート♪ 日原林道からの下りは荒れている箇所がいくつかありましたけど、なんとか日原川本谷の沢床に降りるとまずは光石と呼ばれる白い巨岩が目に入って、そのすぐ上流側に日陰名栗沢の出合があります。

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(光石と日陰名栗沢出合)

今回も本谷の水量が多くて飛び石で渡るのは無理だったので徒渉を敢行しましたが、11月下旬となるとさすがに水がちべたいですねぇ。でも水深は深くても膝下ぐらいだったので水が冷たいのを除けば徒渉自体はまぁまぁ楽でした。

ただ対岸に移ってもここからツバノ主尾根に上がる間はイヤらしいぐずぐずの急登が続く所でまだまだ気は抜けません。それでも今では少ないながらも人が入るようでそれなりの獣道とは思えない踏跡らしきものも確認できます。

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(尾根上へ向けぐずぐずの急登が続く)

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(ツバノ尾根1190m圏緩斜面の辺り)

途中にはスパっと綺麗に切れたような面を見せる大石があったりして、しんどいながらも落石に気をつけつつそんな急な登りを楽しみながらいくとようやく黒木に覆われたツバノ尾根上に這い上がりました。行程的にはもちろんこれからなんですけど、もう仕事はあらかた終えてしまった感じがなきにしもあらず(笑)。

一息ついたらツバノ尾根を辿ります。のっけのスッキリした黒木の並木道は記憶通りだけど、歩いても歩いてもなーんか藪が全くないような。あとオノオノレカンバの古木が多いとわかったのも久しぶりに歩いたおかげでしょうか。そんな植生に限らず、いろいろな意味で以前とは視野が広がっているのが自分でもよくわかるのが面白いです。

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(ツバノ尾根中部のひとコマ)

ブナの巨木がぽつぽつと立つ1190m圏緩斜面を過ぎてもスズタケは今ひとつで、まぁなんとも歩きやすい道??のり。この先も広葉樹林と黒木の林を交えつつ、その雰囲気を楽しみながらゆるゆる行けます。

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(マミ谷右岸尾根との合流点附近)

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(尾根上部のスズタケは枯死が進んでいた)

1399mを過ぎた辺りからは二年ぶりになるのですが、右手からマミ谷右岸尾根を合わせる辺りのブナの緩斜面もスズタケが減ってすでにかなりスッキリしていました。(参考までに二年前のツバノ行きは→ こちら

そんな緩斜面を過ぎるとようやくスズタケが被るようになってきましたけど、こちらもすでにほとんど落葉していてすでに瀕死の状態。おかげで歩きもかなり楽で、スズタケの濃かった山頂直下は南へ捲き気味に行ける余裕すらあって(笑)あっけなく高丸山の山頂に飛び出しました。

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(高丸山より千本ツツジ・七ツ石山)

石尾根に上がったときはまだ晴れていましたが、すでに雲が広がりつつあり展望は今ひとつ。それでも一歩西へ歩き出すと・・・気持ちいいんですねぇ。(^^) やっぱり石尾根は開放感があって歩いているだけで楽しくなってきます。

それにこの辺りは石尾根でも一番人の少ない所と言う事もあって、静かなのも良いですネ。千本ツツジを越え、緩く下った所でランチをとるのもすいぶん久しぶりのような気がします。この頃にはもう曇ってしまって遠望が利かないせいか、足下に延びる登り尾根のフォルムに改めて見惚れたりもしました。

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(七ツ石山より雲取山方面)

曇っていても思いの外寒くなくて、結局一時間ほどのんびりしたらそろそろおいとまの時間。お次は西の七ツ石山へ向かいます。

石尾根の下を捲いた縦走路や鴨沢からの道を合わせるとここでようやくハイカーとすれ違うようになって、山頂手前の七ツ石神社に参拝。神社の裏手から並ぶ尾根上の巨岩群はやっぱり七ツ石だった?事に改めて気がついた頃、七ツ石山に到着しました。

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(唐松谷林道はすでにこんな感じ)

山頂はさすがに雲取行きと思しきハイカーで埋まっていましたけど、鷹ノ巣や雲取に比べるとやっぱり人出は少な目ですね。ここで最後の展望を楽しんだらまだ名残惜しいけど下山を始めます。まずはブナ坂へ下って唐松谷林道へ。

こちらはさすがに紅葉の名残すらなく、全編歩く感触の心地よい落ち葉道。ただ落ち葉に埋もれて下の石や木の根などが見えないので若干気を遣います。その上道の遙か下を流れる唐松谷をついついよそ見してしまう事もあるから余計に危ない。

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(吊橋が見えてくるとそろそろお終い)

それでもそんな事に慣れてくると歩きを心底楽しめるようになってくるんですけど、その頃にはもう終盤にさしかかっている、というのはまぁ良くあることですね(笑)。

本谷を渡る吊橋に降り立てばあとは林道へ上がるだけ。林道端にわずかに残る紅葉を探しつつ歩いていると、じきに右手に先ほど登っていたツバノ尾根が見えてきます。

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(林道よりツバノ尾根を見上げる)

朝歩いた尾根を眺めつつ一日の行程を反芻できるのはなかなか気分のいいものです。電車バス利用だとどうしても「縦走」にこだわってしまうんですけど、こういうのも悪くないものだなぁと思いながらスタート地点へ向かったのでした。

・・・・・☆
 
◆ 2009.11.28 (Sat)  晴 後 曇
日陰名栗沢出合 07:30/08:00- ツバノ尾根上 08:35/08:40- 1190m圏緩斜面 09:30- マミ谷右岸尾根合流 10:40- 高丸山 11:20/11:30- 千本ツツジ西鞍部 11:55/13:00- 七ツ石山 13:30- ブナ坂 13:45- 富田新道合流 15:15- 唐松谷下降点 15:45- 名栗沢橋 16:05
 

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2009.11.16

錦繍の日原 石尾根・再び巳ノ戸谷から鷹ノ巣山へ

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(ヤケト尾根の水源林巡視路にて)

先々週は恒例となっている笹一の新酒祭りがあったので久しぶりに笹子の方でしたが、先週末はまた日原に舞い戻ってきました。ということで今回の山行きは雨上がりのカラッと晴れた日曜日(11/15)。

今回の目的は先月ヤケト尾根の巡視路から巳ノ戸谷に降りて、五兵窪左岸尾根を歩いた時に気になってしまったその北隣の直接鷹ノ巣山へ延びる孫七窪左岸尾根。そして鷹ノ巣山からは久しぶりに榧ノ木尾根~大麦尾根(倉戸山東尾根)と辿って奥多摩湖へ降りました。

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(孫七窪出合にかかる滝)

さすがに10日以上空くと紅葉はもう麓まで降りてきていて、この日は集落を過ぎてから小川谷橋までの紅葉が盛りは若干過ぎていたんだけど、これがなかなか見事でした。ただ惜しむらくは日陰なので写真を撮れなかったこと。まぁしょうがないんですけどねぇ。。。

歩き出しから一時間ほどでヤケトの吊橋に降り、今回は新道を辿って巳ノ戸谷へ。名残の紅葉を愛でつつ歩いて道がヤケト主尾根を乗り越したら、対岸の様子を見つつ巡視路を進んで適当な所で巳ノ戸谷へ下降を始めます。のっけからぐずぐずな急斜面の中でも緩い箇所を選びながら慎重に降りると、をを!10mを越えると思しき孫七窪出合の滝が見えてピタリと孫七窪の出合に降り立ちました。

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(孫七窪左岸尾根・下部は黒木が多い)

出合から滝ではさすがに尾根には取り付けないので、ここは左岸を捲きつつ巳ノ戸谷を上がるとじきに現れた枝尾根は何とかいけそうな感じ。ということでこの枝尾根から取り付いちゃいました。

最初の岩場を慎重に越えれば、後は相変わらず急なものの問題なさそうな雰囲気。周囲に伐採の針金やワイヤーロープが放置されているのはお隣のキリンボ尾根(サイグチ窪左岸尾根)と一緒ですね。枝尾根上は急なので、枝尾根と主尾根の間のガレ場を慎重に登って主尾根と合わさった尾根の肩に上がってようやく一息つけました。

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(孫七窪左岸尾根・巳ノ戸林道が横切る所)

尾根上は過去に伐採があったせいか妙にスッキリしていて岩がちなこともあって黒木にアセビが目立ちます。それが登るにつれ徐々にスズタケのお出ましになりますが、こちらもご多分に漏れずかっての獰猛さはもうなく、明瞭な切り開きがあってさほどの難なく行けます。

尾根下部にそれなりの切り開きがあるのは両隣の尾根と共通していたので、これは巳ノ戸林道までかな?と思いつつ登っていき、周囲に立派なブナが散見され出すとここで明瞭な道が尾根を横切りました。

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(振り返ると芋ノ木ドッケと天祖山が大きい)

道はそれなりに明瞭とはいえスズタケが結構億被さっていたので、これは五兵窪左岸尾根でも見かけた下の道かな??などと思いつつ尾根を辿っていくと、5分もしないうちに先ほどよりも明瞭な道が尾根を横切っており、道の感じからしてもおそらくこれが巳ノ戸林道でしょう。

巳ノ戸林道で一息ついたら先を行きますが、予想通りここからは下道もあやふやになりスズタケを漕ぎつつ倒木を乗り越えつつ淡々と登っていく感じ。

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(孫七窪左岸尾根・ここまで来ると鷹ノ巣山は近い??)

ただこれまでと違ったのは周囲の林相が両隣の尾根より好ましかったこと、というかそう言う林相の範囲が大きかったのしょうね。

登るにつれ尾根は急になり、するとスズタケはなぜか枯れてきたんですけどこれは却って歩きづらく、ヘロヘロになりながら登って登って藪から抜けたらそこは鷹ノ巣山山頂のすぐ手前でした。

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(鷹ノ巣山山頂より)

今回は天気ももってくれて目の前には闊達な展望が広がっています。もう何度も言ってるけどこの周囲が一気に開ける感じは石尾根を北側から登る時の醍醐味ですね。

ただ山頂を吹き抜ける風の強いこと強いこと。風がこの時期としては異常に暖かいのは助かったけど、これではお湯は沸かせないので、風に吹き付けられながらも展望を楽しみつつおにぎりとパンでランチを済ませました。

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(鷹ノ巣山より御前山と大岳山)

この風ではこれ以上のんびりできる訳もなく、ランチを終えたらすぐに下山開始。まずは東の水根山側降りて榧ノ木尾根へ。この日歩けたのはほんの短い間でしたけど、天気良い日の石尾根はいつ歩いても爽快ですネ。

下の縦走路に降りるとなぜかスズタケが青々と茂る一角があってかなり気になったものの、周囲は基本的に去年葉を落としたまま枯れている感じ。そして榧ノ木尾根に入って植林の中を最低鞍部まで下れば、あとは榧ノ木山までは自然林、それより下は気持ちの良い雑木の落ち葉道が延々と続きます。(^^)(^^)

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(榧ノ木山の手前辺りか)

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(榧ノ木尾根中腹に広がる雑木の緩斜面)

倉戸山から倉戸口の方へ下り出すと紅葉も徐々に復活し、しばらくは西日に当たって輝くその姿に見とれながら下って行く感じ。

じきに950m峰附近の広々とした緩斜面に出たらここで登山道と離れて大麦尾根に。ここからしばらくは色づいた雑木の緩斜面を彷徨うように降りていけるのですが、東向きの尾根のせいかほとんど日陰になっていたのが本当に惜しかった。

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(倉戸山から下は紅葉も見られた・大麦尾根にて)

そんな雑木の広尾根をルンルン気分で下って行き、やがて左手の梢越しに奥多摩湖の湖水に御前山が見えるとそろそろ麓が近くなってきます。

そして左手に鉄柵が続くようになると鉄柵の中はもう「みはらしの丘」の敷地内で、あとは柵の中に入る扉を探す段取りなんですけど、昔の記憶が曖昧でこれがなかなか見当たらない。

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(御前山と奥多摩湖・大麦尾根より)

あれー、扉ってどこにあったっけ??と扉をうろうろ探しながらなおも下っていると尾根が痩せて植林帯に入ってしまったので、ここで引き返して今度は柵に沿って登り返すとようやく扉を発見!これで奥多摩湖へ下れるわ~(笑)。

扉を開けて見はらしの丘の敷地に入ったらあとは散策路を適当に下るだけ。道中の紅葉(おそらく植栽でしょうけど)は盛りを過ぎていたけどなかなか楽しめたし、とにかくその名の通り周囲が開けてて展望は非常に宜しい。道だって以前に比べたらたいへん綺麗になって歩きやすいし、何でこんな良い所なのにここには人っ子一人いないのん??

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(見はらしの丘散策路・また通行止に ^^;;;)

・・・と思っていたら車道に降りてようやく疑問が氷解。要はクロスケが出るので散策路がまた通行止になっていたのでした。確かにこの日は倉戸山の直下で目撃されたようですし、クロスケと絶対に遭遇したくない向きには、この辺りを歩くのはしばらく避けた方が良いのかもしれませんね。

・・・・・☆

さて、15日から本格的な狩猟期に入りました。これから少なくとも三ヶ月間、東京都の水源林周辺ではもっと長期間になるでしょうけど、この手の歩きをされる方々におかれましてはくれぐれもご注意くださいませ。

・・・・・☆・・・・・☆
 
◆ 2009.11.15 (Sun)  (快晴に近い)晴
奥多摩駅 07:25→ 東日原 07:50- 吊橋 08:55- ヤケト主尾根乗越 09:50- 孫七窪出合 10:20- 巳ノ戸林道横切る 11:25- 鷹ノ巣山 12:35/13:05- 榧ノ木山 13:40/13:50- 倉戸山 14:20- 柵出入口の扉(見はらしの丘上端)15:00- 奥多摩湖BS 15:20

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2009.11.05

錦繍の日原・紅葉に雪に なんとも贅沢な酉谷山

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(酉谷を繞る尾根を見下ろす・酉谷山南東尾根末端附近の岩頭より)

先週末はブナ黄葉に惹かれてちょっと世附に浮気してしまいましたが(笑)、錦繍の日原はまだまだ続きますよ~。ということで文化の日(11/03)は先週末の菰釣山と実は両天秤にかけていた酉谷山を骨谷と酉谷の中間尾根たる南東尾根を末端から登ってみました。

この日は荒天後の好天が予想されていたので一番の日原行きバスで入るつもりだったんですけど、あまりの寒さにちょっと寝坊をしてしまったので、タクシーで小川谷林道の起点まで入って(¥3590)からのスタート。

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(小川谷林道で紅葉はちょうど見頃だった)

タクシーから降りると外はかなり寒いですが、狭い渓から見上げる空は真っ青。そして紅葉の見頃がすでにこの林道まで降りてきているようで、普段は退屈な林道歩きもこの日は大変楽しいものでした。

ということで歩き出しから1時間半ほどで林道終点に着いたらさっそく登山道に入り、三又へ下ります。

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(三又にて)

するといきなり日陰では薄いながらも雪を踏むようになって思わずビックリ。確かに雪が降ってもおかしくない寒さなんだけど、急激に寒くなったので心身ともに妙にしっくり来ないのがちょっとおかしかったりもしました。紅葉は盛りを過ぎてはいましたけどまだまだ充分に楽しめます。

三又に降り立ち、右岸へ渡ればここから酉谷に沿って歩くのですが、酉谷はやっぱり良いですね。結構冷たいながらも沢を伝う風や、周囲の色づいた木々、うっすらと雪化粧を施した周囲の様子。歩いているとそんな周囲の雰囲気が自分自身にじわじわと滲みこんでくるようです。(^^)

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(酉谷・骨谷出合附近にて)

喜右衛門坂からなおも新道を高捲いて、再び酉谷に降りたつと沢が広がって周囲が少し明るくなります。その一番奥が酉谷山南東尾根の末端が延びている骨谷の出合。河原で少し休んでからさっそく尾根に取り付きました。

尾根はすぐに露岩になりますが、うっすら積もった新雪が滑って滑ってとにかく歩きづらいこと。最初こそ尾根を捲き気味に登ろうとしたんですけど、それも新雪のせいで足場がなく、結局岩場を慎重に直登するしかありません。

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(骨谷方向はこんな感じ・酉谷山南東尾根末端附近の岩頭より)

その岩場もすぐに終わると思っていたら意外や結構続いて、20分ほど登るとパッと周囲の開けた岩頭に飛び出しました。

岩頭からは真正面に酉谷を繞る尾根を見下ろし、右に骨谷、左に日向谷を望めるなかなか良い所で、ここにいるとまさにお山の大将、お猿さんになった気分になれます。周囲の山肌は雪で白くなっていて、そこにはすでに葉を落とした裸木と、色づいた木がグラデーションのように広がっている様子がとにかく見事かつ新鮮でついつい長居をしてしまいます。

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(酉谷山南東尾根のひとコマ・Part1)

それでも先はまだ長いので適当な所で切り上げて先を行くとすぐ先の鞍部で岩場は終わり、尾根は地形図通りに横へふくれて、行き先にはうねるような自然林の緩斜面が広がっています。

この辺りまで来ると紅葉は名残を残すのみでしたが、あとはそんな広尾根を右へ左へ彷徨うようにゆるゆる歩きながら・・・

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(酉谷山南東尾根のひとコマ・Part2)

登っているうちに右手からブナが増えてくると、何となく見覚えのある光景になりましたが、この辺りが酉谷最奥の二俣からの枝沢が来ているところでしょう。

すると尾根が急になり、ひと登りで縦走路に出ますが、ここはもちろん突っ切って酉谷山まで詰め上げます。

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(酉谷山南東尾根のひとコマ・Part3)

ここでカラマツ植林に変わってしまうのが何とも惜しいんですけど、藪の薄い歩きやすいところを選んで登るとぴったりと酉谷山の山頂に到着しました。

山頂に着いてまず驚いたのが恐ろしくクリアに東京や秩父方面の平地が見えていること。そして周辺を見ると稜線には霧氷が着いて白くなっていたことにまた驚き、梢越しながら北側に見える両神山のその形をつくる尾根の一つ一つまでがくっきり見えていたことにもまたまたビックリ。

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(稜線は樹氷ができていた・酉谷山より)

そんな光景にひとり興奮してしまいましたが、それを抑えつつランチ。でも食事中もその間に稜線の氷が溶けやしないかと気がかりでどうにも落ち着かない休憩でした。

そんな訳で少し焦り気味に後片付けをして、すぐにタワ尾根に向け西へ歩き出します。

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(長沢背稜/都県界尾根のひとコマ)

下っている最中はまだ溶けてくれるなよ~と願いつつ行福ノタオに降り、ここから縦走路と離れて稜線を忠実に辿ると、ようやくそんな木々を間近で見られる場所に到着しました。

実際に見てみると木には透明な氷が貼り付いていて、これは霧氷と言うよりは樹氷?? 日差しに照らされてキラキラ輝く様子をなかば呆然と眺めつつ、うまくは撮れないだろうけどとりあえずカメラに収めてから下の縦走路へ向かいます。

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(篶坂ノ丸山頂にて)

縦走路は雪道と溶けて地肌の出た道とが半々ぐらいでしょうか。積雪は深くても3cmほどで、時間に余裕がないにもかかわらずちょっと寄り道してしまったので、道がタワ尾根を乗越したら休憩もせずにそのままタワ尾根を下り始めました。

でもタワ尾根をひと下りすれば雪は日陰で見るぐらいになってあとはすいすい下って行きます。

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(金袋山直下の巡視路を過ぎると紅葉は再び見頃に)

篶坂ノ丸を過ぎると紅葉も徐々に復活しだして、金袋山下の巡視路を突っ切ればその先では再び見頃に。この辺りでは紅いのが予想よりかなり残っていて、西日に輝くその光景はまさに最高のフィナーレに相応しい光景。

そんな訳で結局この辺りでもウロウロしてしまい、あとは16時台のバスを捕まえるべく急いで東日原へ向かったのでした。

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(一石山附近にて)

しかし事前に寒くなるとは聞いていたけど、まさか11月の頭に雪を踏むことになるとは今まで暖かかったこともあってまったく想像してませんでした。というかできなかった。でもおかげで一日のうちに紅葉に雪に展望に樹氷に、そしてまた紅葉と一粒で何倍も美味しいなんとも贅沢な山行きになりました。こんな光景に出逢えた幸運にとにかく感謝の一日。近場でこんな日はもう滅多にないでしょう。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.11.03 (Teu)  快晴
日原鍾乳洞 07:40- 滝上谷橋 08:20- 林道終点 09:05/09:15- 三又 09:30- 骨谷出合 10:00- 岩頭 10:20/10:35- 縦走路 11:30- 酉谷山 11:45/12:25- タワ尾根乗越 13:15- ウトウノ頭 13:55- 金袋山 14:25- 一石山神社 15:25- 東日原 15:55
 

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2009.10.29

錦繍の日原・孫惣谷と繞る尾根と絡めて

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(孫惣谷の水源林巡視路のひとコマ)

う~ん、近場の山も紅葉の時期に入ったというのに諸事情により先週末はお山はお休み。でもその代わりと言っちゃなんですけど、この水曜(10/28)になんとか山歩きをすることができました。

今回は表参道から天祖山へ上がり、梯子坂ノクビレに降りて孫惣谷~左岸の水源林巡視路を辿って、ウトウノ頭南西尾根とも言えるウトウ沢1190m圏二俣中間尾根を登り返し、四軒小屋尾根を下降、上段歩道で日原戻りのコースを歩いてきました。

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(天祖山表参道1355m峰附近にて)

この日はかなり久しぶりに日原行き一番バスでのスタート。紅葉の時期とはいえ一番だし、さすがにハイカーはいません。まずは八丁橋を目指して色づき始めた日原林道をてくてく。

歩き出し45分ほどでまだ緑の優勢な八丁橋先の登山口に着いたらさっそく表参道に。表参道は尾根上に上がるまでがガレた急な斜面でいつも気を遣いますが、実はここが林の良い所でもある所。でもこの辺りでも周囲はまだ緑なので慎重に登っていき、尾根上に上がった所で一息つきます。

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(会所まで上がるとほぼ落葉)

ハタゴヤの水場を過ぎると、ようやく周囲の木々も色づき良い感じになってきます。んが大日大神を過ぎると一旦植林帯に入り、それ抜けて1355m峰に上がると林相的にはここからが本番、なんですけど紅葉の盛りはもう過ぎて高木はミズナラを残すのみといった感じ。

表参道はやっぱり先週末が一番良かったのかなー、と思いつつ、まだ残っているカエデやブナの色づきを楽しみつつ尾根をゆるゆる。徐々に登っていくと木々の葉もなくなり、会所に着く頃には周囲の木々はほぼ落葉を終えていました。

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(長沢谷方面・中央 二軒小屋尾根の枝尾根と右 ノーナギ尾根)

すでに霞んでいた富士を眺めてから天祖山の山頂に上がり、なおも北へ行きます。梯子坂ノクビレへの下りしなは行く先の長沢背稜/都県界尾根や梢越しながら色づいた長沢谷を眺める道のり。この写真↑↑実際にはもっと綺麗だったんですけど、くすんで見えるのがとにかく残念。

まもなく梯子坂ノクビレに降り立ちここから右の巡視路に入ると、落葉を終えつつあるブナにミズナラの自然林から下るにつれ徐々に色づいたカエデが増えてワクワクしてきます。そして梯子坂窪の出合で孫惣谷に降り立つとここからが本番。

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(孫惣谷の水源林巡視路・梯子坂窪 板小屋窪出合)

とはいえ巡視路はこの出合からワサビ沢の出合までは道が流されているので沢床を適当に歩いていくんですけど、先の台風の影響が孫惣谷の水量が多く終始右岸側を歩かされる感じでした。

そして右岸側から滝のかかるワサビ沢の出合に着けばまもなく道も現れ、谷筋に日差しも入って、光り輝く紅葉黄葉天国の始まりです。(^^)(^^)

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(孫惣谷の水源林巡視路のひとコマ・Part2)

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(水松谷中尾根<南東尾根>を乗越すところ)

下るにつれ徐々に緑が増えてきますが、その緑だってすでに盛夏のそれとは違い、しかも新緑ともまた違う微妙に黄色がかった輝きを見せてくれてこれもまた素晴らしい!まぁ採掘所の音が玉にきずではあるけど、もうこれは我慢できますヨ(笑)。今回もそのまま御供所へは降りずに左岸の巡視路に上がってウトウ沢へ。こちらも道のりもまたまた素晴らしいものでした。

そして巡視路がウトウ沢を横切ると次に尾根を絡みますが、その尾根がウトウノ頭へ直接上がるウトウ沢1190m圏二俣の中間尾根。道が尾根の突端を回り込んだところでさっそく尾根に取り付きます。

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(ウトウ沢1190m圏二俣中間尾根・中下部はカラマツ植林を交える)

自然林とヒノキ植林に分けられた尾根はすぐに植林側がカラマツに変わり、ちょっとした尾根の肩に上がった所で今回はランチ。休憩を終えて再び登りだしても藪のないスッキリした急斜面がなおも続きます。

尾根右手の植林が切れると傾斜はより増しますが、露岩等はないのでただただひたすらに登り詰めるだけ。やがて尾根上はアセビが増えてくるので尾根両脇の斜面に逃げながら紅葉を愛でつつ急斜面を淡々と登っていくといともあっけなくタワ尾根上に飛び出しました。

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(中間尾根上部・ダケカンバが出てくるとタワ尾根は近い)

そこから北へひと登りでウトウノ頭なのですが、なんとここで単独のハイカーとすれ違い、着いた山頂にはパーティがいてまたビックリ。平日なのに。まぁこれは前から言ってる事なんですけど、今はタワ尾根の方が天祖山よりもハイカーが入るんでしょうね。

ただ暗い山頂にはあまり用がないので、一息ついたら四間小屋尾根を下り始めます。四間小屋尾根と言えば、というか今では言わずとも目的はここ↓↓だとわかる方も多い事でしょう。(^^)(^^)

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(四間小屋尾根1388m峰附近の緩斜面)

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(四間小屋尾根1388m峰附近の緩斜面・Part2)

この緩斜面辺りも紅葉は盛りを過ぎた感じ、でもここはいつ来ても良いところですワ。時間に余裕があるのであの広い斜面をゆるゆる彷徨うように歩いていると、ここで後続の単独さんが通り過ぎていくのが見えてまたビックリ。

心ゆくまで歩いて、少しのんびりしたらあとは上段歩道に降りて帰路につきます。

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(四軒小屋窪<鳥居谷右俣>枝沢のツメを見上げる)

上段歩道の辺りも紅葉は見頃に入った感じ。ただ東斜面なので日が入らないのは残念ですけど、これは当然の事ながらしょうがないですからね。

道は全般にわたって改修が入ったようで一部道の細い箇所も残っていますけど、かなり歩きやすくなっていました。あっ、あと鈴坂窪枝沢の流された桟道も新たに架けられていてちょっと感動。通行止の措置も解除されていました。

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(上段歩道も見頃に入ったようだ)

でも平日は静かなところでもなんとなく雰囲気が違うような気がします。帰りは鍾乳洞からバスに乗れるし(笑)。平日だからこそ本当は普段から人出の多い石尾根の方が良いのだろうけど、今回の所はうまく紅葉の見頃を捉えられて満足いく歩きができたのでこちらでも正解でしょうか。さてお次はどこを歩こうかなぁ。。。

最後に、この日は平日なのに猟が入っていました。というかボク的には平日は猟がないという認識だったのですが、どうやらそれも古い認識になってしまったようで、この日はどうやら本谷と小川谷の二手に分かれて行っていた模様です。とにかくこれからは平日休日に限らずこの辺りのことも考慮していく必要がありそうです。まぁ登山道だけを歩くぶんには全く関係ない話ではありますけど。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.10.28 (Wed)  晴 時々 曇
奥多摩駅 06:02→ 東日原 06:30- 八丁橋 07:15- 大日大神 08:10- 天祖山 09:30/09:40- 梯子坂ノクビレ 10:10- 水松谷出合 11:15- ウトウ沢 11:40-(途中休憩30分)- ウトウノ頭 13:05- 1388m峰 13:20/13:40- 鳥居谷右俣(四間小屋窪)14:00- 鍾乳洞BS 15:45
 

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2009.10.20

もちろん、今年も錦繍の日原へ

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(紅葉も見頃に・長沢背稜/都県界尾根縦走路のひとこま)

さてさて、体育の日の連休も終わり近場の紅葉も見頃に入ってきましたね。「花のひかり」をご覧になられている方々におかれましてはこの時期ですのでもうおわかりの事でしょうけど(笑)、そういうことです。(^^)

ということで今回(10/18)は久しぶりに秩父側は大血川からの入山で、東谷の径路を辿って岩下谷ノ頭北尾根たる白石尾根(新山沢 白岩沢中間尾根)を登って長沢背稜/都県界尾根の稜線に出たら東へ酉谷山までは捲道(登山道)、そして酉谷山から七跳山までは稜線通しに歩いて、大栗尾根・・・ではなくある事情により一杯水~ヨコスズ尾根を下るコースを歩いてきました。

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(吊橋を過ぎれば道の状態はこの程度・大血川東谷の径路)

雲一つない快晴、ではなく朝のガスに覆われた西武秩父駅から今回もタクシーで長駆東谷林道のゲートまで(¥6020)。大血川は谷がたいへん深いので谷底には日差しがまったく入らないものの、上を見上げればすでに雲一つない青空が広がっています。

そんな様子やタクシーの料金がちょっと安かったことに気をよくしつつさっそくスタート。毎度のごとく東谷林道~ケンカ平歩道~東谷林道と歩いて、かの吊橋3度目の訪問にしてようやく正規の道で堰堤に降り、対岸(左岸)へ渡って東谷の径路を拾いました。

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(新山沢 白岩沢出合・右の尾根が白石尾根)

じきに黒ドッケ沢の大滝を見るとその先に新しく架け替えられた吊橋がかかっており、その橋を至ってスムーズに渡って右岸へ移り、ひと登りすると明瞭な分岐に出ます。左が5月に歩いた黒ドッケ沢の径路で、今回は未踏な右の道をとります。

するといきなり朽ちた桟道に倒木の歓迎を受け、一旦東谷の沢床に降り立ちます。ここでまた左岸へ渡ると道は細いながらも明瞭に延びており、ちょっとした崩れなんかも良いアクセント。「エアリア奥武蔵の新山沢」を渡ると広い植林帯に入り、ここでまた明瞭な分岐に出ました。

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(白石尾根・中腹までは植林が多い)

右の尾根上(長沢山北東尾根1358mへ繋がる尾根)へ上がる道はその周辺の植林道でしょうか。目的の新山沢(エアリア奥武蔵では白石谷)出合はまだ先なのでここは直進気味に下る道を選んで緩く下ると、まもなく白石尾根の末端が延びる新山沢と白岩沢の出合に到着します。

ここでさっそく白石尾根に・・・と行きたい所ですけど尾根末端は大岩で取り付けません。ここは本谷である白岩沢方へなおも延びる径路を辿ると・・・実は朽ちた桟道に体を預けなければいけない所もありましたけど・・・じきに昔は小屋でも建っていたんではないか思しき小平地に出て、そこからうまく尾根に取付けました。

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(ここまで来れば稜線は近い)

尾根に取り付いてもしばらくは露岩にリッジ状の痩尾根と岩場が続きますがそれもさほど長くは続かず、放置された植林帯に入るとあとは稜線へ向けての急登が始まります。しかし今までの偵察でわかってはいたものの、ここまで植林が延々と続いてくれると、この奥まで来て「これはないだろう感」がどうしても拭えません。甚だ自分勝手ないい方なのはもちろんわかってますけどネ(笑)。

登って登ってようやく植林を抜けてもその先は若干荒れ気味の雑木林で、周囲のスズタケも枯れてさほど気にならない程度。紅葉も尾根上よりも梢越しに見える対岸の長沢山北東尾根や酉谷山の山肌の感じが何ともよろしく、ついついよそ見をしながら登っていく感じでした。

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(長沢背稜/都県界尾根縦走路のひとこま・Part2)

そんな雑木林からコメツガなどの黒木が目立ってくると一がんばりで長沢背稜/都県界尾根の稜線に。ここでとりあえず西の岩下谷ノ頭に寄りますがこの辺りの紅葉がすでに見頃に入っており、強烈な日差しを浴びて木々はみんな輝き、凄い事になっています。

稜線のダケカンバがすでに落葉直前だったので今回は下の縦走路を歩くことにして南へ適当に下ったんですけど、下るつもりが紅葉に釣られて周囲を彷徨う感じになってしまい、なっかなか先へ進めません。

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(長沢背稜/都県界尾根縦走路のひとこま・Part3)

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(長沢背稜/都県界尾根縦走路のひとこま・Part4)

好きなところで立ち止まり、カメラに収め、時には休んだりしながらのんびり歩いていたら、さほどの距離でもないのに酉谷山まで一時間半もかかっていました。結果としても岩下谷ノ頭から酉谷山までがこの日一番紅葉の良かった所だったかも。

こんな好天なのにこちらは人が圧倒的に少ないです。お陰で今回は珍しく山頂でのんびりさせてもらいました。(^^)

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(酉谷山山頂)

酉谷山からは去年と全く逆のコース取りで今度は稜線通しに歩きます。んが、気温が上がりすぎたせいか東側から雲がやってきて日向谷ノ頭に着く頃にはすでに周囲はガスの中。紅葉もそこそこ良い感じなんですけど、日差しが無いぶんどうしても今ひとつになってしまいます。

それでも東へ行くにつれ徐々に明るくなってきて七跳山に着く頃には再び日差しが入るようになって一安心。

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(七跳山山頂の手前より)

そして七跳山の東鞍部に降り立ったところでまた縦走路に戻り、すぐ先にある降りる予定な大栗尾根の下降点へ向かったんですけど、その下降点の直前になんと猟師さんが立っていて、まさかこりは・・・。

ここで恐る恐る猟師さんに聞いてみると、どうやら秩父側と合同でかなり大がかりに行っている模様で、予想通りハンギョウ尾根と大栗尾根はX。そりゃモノレールがあるものねぇ。

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(ハナド岩より大栗尾根・中五日でここまで色づいた)

ということでここで一杯水回りで素直に下る事にして、ということは期せずして六日ぶりにハナド岩に寄る事でもあったんですけど、急な事もあって紅葉はさほど期待していなかったらこれがなんと↑↑こんな感じで綺麗に色づいていてビックリするやら嬉しいやら。しばらくはただただ見とれていました。

とはいえもう14時過ぎており、バスの事を考えると「あまり」どころか全くのんびりできない状況だったのがとにかく惜しくて惜しくて惜しすぎるー。後ろ髪引かれる思いで16時台のバスに間に合わすべく東日原へ駆け下ったのでした。

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(板形ノ峰の手前辺り)

しかし12日のタワ尾根下部と言いこの日といい、今年はこれまでになく早い段階から猟が盛んになっています。この時点ではまったくの想定外でしたけど、これからはセカンドプランを用意しつつ臨機応変にいけるようにしないといけないようですね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.10.18 (Sun)  晴 後 曇
東谷林道ゲート 06:55- 吊橋 07:35- 新山沢 白岩沢出合 08:00/08:15- 岩下谷ノ頭 10:00/10:15- 行福ノタオ 11:00- 酉谷山 11:30/12:20- 坊主山 13:05- 七跳山 13:30- ハナド岩 14:05- 一杯水 14:25- 東日原 15:40
 

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2009.10.17

ハンギョウ尾根の枝尾根からハナド岩へ

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(登ってきたクラミクボ右岸尾根を見下ろす・ハナド岩より)

・・・体育の日の連休は遠出をしない代わりに実は連荘だったのです。(^^ゞ
そんな訳で久しぶりだった日帰りの連荘は日原の連荘でもありました。

連休最終日の体育の日(10/12)は連荘でもあるし、ボクにしては珍しく遅めのバスでスタート。ただ連休最終日のせいか人出は意外に少なく、二台出たバスもちょっと余裕がある感じ。東日原に着いたらさっそく歩き出します。

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(クラミクボ右岸尾根・下部中部は主に植林だった)

今回は小川谷林道の方に入り、緑がまだ優勢な林道をてくてく。タワ尾根下部で猟が入っているのには驚きましたけどまぁ水源林ですからネ。かろう橋を過ぎ、モノレールの車庫を過ぎ、しばらく行くと名のない橋で狭い沢を渡りますがこれがクラミクボです。

んで目的のクラミクボ右岸尾根は橋のたもとからなんとか行けそうでしたが、そこはぐずぐずの露岩が絡んでちょっと面倒そう。なので安全な取付を探すためにとりあえず林道を先へ行きましたが、どこも露岩か急斜面でとりつくしまは全くなし。結局滝上谷橋まで行ってしまったところで来た道を戻り、例の橋のたもとから尾根に取り付きました。

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(右岸尾根上部は自然林の気持ちの良い広尾根)

ぐずぐずの斜面を慎重に登って尾根上に上がれば一安心。ではなく、行く先がいきなりリッジ状の痩尾根になっていたのには驚きましたけどそれも短い距離で、尾根が広がると周囲は植林に変わって、かなり急になります。

しばらくはそんな植林下の急登をせっせと登り詰めるだけ。尾根が緩むとじきに見覚えのある掛小屋が目に入り、そこで中段歩道が尾根を横切っていました。

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(色づいた木々もぼちぼち見られた)

中段歩道を突っ切り、しばらく行くとようやく植林を抜けてくれて雰囲気も一変。藪のないすっきりした、そして広々とした尾根上に広がる自然林の様子に思わず声をあげてしまう素晴らしさ。広い尾根を彷徨うようにゆるゆる歩きながら、そしてハンギョウ尾根とまだ合流するなよとつぶやきながら。。。

でもそんな願いは叶わず、あっけなくモノレール軌道の通るハンギョウ尾根と合流してしまえば、もう稜線は間近。こちらもミズナラの疎林が美しいのですが、モノレールが本当に惜しいんだよなぁ。

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(ハンギョウ尾根の様子)

ハンギョウ尾根と合流してから30分弱で長沢背稜/都県界尾根の縦走路に出たら、直ちに西のハナド岩へ向かいます。さすがに連休のせいかぽつぽつとハイカーとすれ違いましたが、着いたハナド岩には誰もいませんでした。

ハイシーズンの筈なのにこれはラッキー!と風は少々強いし、周囲は霞んで展望も今ひとつだけど当然こちらでランチと相成りました。(^^)

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(大栗尾根はこんな感じ・ハナド岩より)

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(長沢背稜/都県界尾根の縦走路も色づき始めている)

ハナド岩で気分良く小一時間程過ごしたらお次は一杯水。なのですが、今までの行程でたいへん気分が良くなっているのにここでわざわざ不愉快になりに行く必要もないでしょうから(笑)今回三ツドッケは捲く事にして、腰を上げます。

色づき始めた縦走路を東へ行くと、お昼を過ぎたせいかハイカーはもう見かけません。一杯水にも人のいる様子がない感じで、ここから縦走路と離れてヨコスズ尾根に入りました。

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(こんな所は最後の最後のごく一部・茅尻沢の水源林巡視路)

ヨコスズ尾根もカエデの類がぼちぼち色づき始めており、1388m峰を捲いてしばらく下ると尾根の東側に今はマーキングのついた道が分かれているのですが、そこが茅尻沢の巡視路との分岐。さっそく巡視路に入ってみると、まずは戻るように下って行き、あっけなく植林に入ってしまいます。

ここで一旦尾根に上がって尾根上をしばらく下りますが、じきに尾根を右へ外れて茅尻沢に降り立つ段取り。途中でみかけた気になる分岐も今回は無視して沢に沿う道を選んで下って行くと、やがて水流が現れますが周囲は植林のまま。

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(塩地谷の水源林巡視路にて)

それもようやく抜けて、↑↑上のようにようやく「らしい」雰囲気になったと思ったら、すぐに(本当に!)塩地谷の巡視路と合流してここであっけなくお終いでした。話には聞いていたけどここまで植林だらけの道だったとは。。。

それでもこのまま倉沢へ下ってもバスの時間に余裕があるので、上流にある塩地谷小屋跡周辺に広がる自然林の緩斜面の所へ寄ってしばらくのんびり。それから来た道を戻って倉沢へ向かいました。

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(倉沢林道はまだまだ緑だ)

魚留橋までも道に荒れたところはなく至ってスムーズに歩けました。そして倉沢林道の方はまだまだ緑が優勢でしたが、ここでも林道端にキッコウハグマの花がいくつも見つかってビックリ。花を探しまくっていた今までの苦労はいったい何だったんでしょう(笑)。それとも今年はやっぱり当たり年なのかなぁ。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.10.12 (Mon)  晴 後 曇
奥多摩駅 08:35→ 東日原 09:05- かろう橋 09:45- 滝上谷橋 10:15- 中段歩道 11:10- ハンギョウ尾根合流 11:45- ハナド岩 12:15/13:05- 一杯水 13:35- 巡視路分岐 13:50- 塩地谷小屋跡 14:25/14:35- 魚留橋 14:55- 倉沢 15:35
 

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2009.10.13

巳ノ戸の「谷と沢」を絡めて鷹ノ巣山へ

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(鷹ノ巣山までもう少し)

さてさて、10月に入って近場の山でもそろそろ紅葉の季節になってきました。
個人的には先月までで結構遠出しちゃっていたので今年の10月の連休も近場で・・・ということになりました。

今回(10/11)はキリンボ尾根(サイグチ窪左岸尾根)を歩いて以来丸五年ぶりにヤケト尾根の巡視路から巳ノ戸谷に降り、五兵窪左岸尾根を辿って石尾根に上がり、鷹ノ巣山へ。そして鷹ノ巣尾根~巳ノ戸林道を下って日原に戻る、という巳ノ戸谷と巳ノ戸沢を絡めたルートを歩いてきました。

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(ヤケト尾根の水源林巡視路・ヤケト主尾根を乗越す所)

雲一つない好天の、しかも連休の中日とあっては東日原行きのバスも凄い人出でしたが、いざ東日原から歩き出せば毎度のごとく早くも一人旅。まずはてくてくヤケトの吊橋を目指します。

歩き出してから一時間ほどで吊橋に着き、橋を渡ってさっそく改修の入った巡視路を辿っていると、ここでキッコウハグマの花をたくさん見つけて思わず狂喜してしまいました。キッコウハグマは日原では結構見かけるのですが、いつも閉鎖花ばかりで日原で咲いている花に出逢ったのが実はこの日が初めての事だったのです。(^^)(^^)

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(ヤケト尾根の水源林巡視路にて)

道は急斜面から枝尾根に上がってまもなく主尾根へトラバースを始めると、あれあれ分岐の所で目的の道が通行止になっていたんですけど、ここは無視して先へ。途中の小崩落を慎重に渡るとじきにヤケト主尾根を乗越しました。

自然林の見事なヤケト主尾根の様子にそのまま尾根を行きたくなる思いを抑えて、なおも巡視路を辿るとすぐに倒木帯になり、それをなんとか越えるとおおー!右手から新しい道が来ていました。おそらく先の分岐から新たにつけ替えられた道でしょう。

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(巳ノ戸谷に降り立ちました)

ここから先は以前歩いたときよりも歩きやすく、ヤケト主尾根を乗り越すと周囲はヒノキにカラマツの植林帯になってしまいますが、カラマツは色づき始めていてこれはこれでいい感じ。でもそんなカラマツ植林が切れると、いきなり小崩落のお出ましでここは慎重に渡りましたが、対岸の五兵窪の切れ込みを確認すると間もなくまた崩落が。。。

崩落の先はザレ気味の露岩で道筋もあやふや。でも前に歩いた時はあそこをへつって行ったけど、崩落地をトラバースした後にアレは嫌だな~、ということでワサビ田を直前に巡視路を辿るのをここであっさりと打ち切り、下を流れる巳ノ戸谷へ下りてしまいました。

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(五兵窪左岸尾根・尾根を横切る?な道)

少し休憩してからすぐ下にある五兵窪の出合まで下ろうとしたんですけど、これも出合の直前で高捲きを強いられるため断念。まぁ尾根の末端部も近いので右岸側のこれまたザレた急な斜面を慎重に登り、五兵窪左岸尾根の尾根上に何とか這い上がりました。

まぁ尾根上にさえ上がればスズタケが被るもののおそらく安全は保証されたような物なので気は楽です。しかも尾根上はスズタケが枯れ始めている事もあり、思いの外藪が薄くてそこそこ楽に歩けます。

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(五兵窪左岸尾根上部にて)

尾根に取り付いてから30分ほどでやや明瞭な道が尾根を横切りましたが、スズが被っているし大クビレが近い割には標高も低いのでこれは巳ノ戸林道は別の道でしょうか?巳ノ戸林道の旧道にしては道がハッキリしすぎている気がしますし。。。

そこからまた30分弱でまた明瞭な道が尾根を横切りましたが、おそらくこれが巳ノ戸林道でしょう。巳ノ戸林道を過ぎるとスズが徐々に深くなりますが、以前の周囲のスズタケの様子を思えばかなり楽で、徐々に良くなってくる自然林を愛でつつゆるゆる登っているとあっけなく石尾根の縦走路に飛び出しました。

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(鷹ノ巣山より御前山と大岳山)

周囲が一気に開けた南側からは雲が出ていたものの富士も南アもまだ姿を見せてくれていて、間に合って良かったわ。やっぱり北側から石尾根にパッと飛び出すのは何度やっても爽快ですね。

あとは色づき始めた石尾根をゆるゆる10分ほど行くと鷹ノ巣山の山頂でした。

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(鷹ノ巣山より日陰名栗峰)

さすがに連休の中日。山頂はすんごい人出でしたが、珍しく今回はボクも山頂の一角で展望を楽しみつつの~んびりとランチ。実はいろいろあって山にストーブを持って来たのは1年8ヶ月ぶりの事だったのでした。

後の行程に余裕があったのでもう少しのんびりしたかったんですけど、徐々に曇ってきて日差しがなくなってしまったので一時間ほどで腰を上げて、まずは北のヒルメシクイノタワへ向かいます。

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(鷹ノ巣尾根・巳ノ戸沢枝沢ツメのシオジ林)

13時を過ぎているのに登ってくる人がまだまだいて少し驚きましたが、ヒルメシクイノタワに着く頃にはさすがにいなくなりました。少し休んでから登山道と別れて鷹ノ巣尾根を下り始めます。

訪れるたびに藪の薄くなった尾根は急なものの歩きやすく、藪がなくなったお陰でいろいろ寄り道もできます。今回は以前から気になっていた巳ノ戸沢枝沢ツメのシオジ林を散策して、再び尾根に復帰。30分ほどで鞘口ノクビレに降り立ちました。

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(鞘口ノクビレ・バックは鷹ノ巣山)

前は何とか立っていた古い道標がとうとう倒れていたのは、まぁしょうがない事ですけどちょっと淋しくも感じました。ここから尾根を離れて巳ノ戸林道を下ります。

巳ノ戸林道はおそらく10年近く歩いていなかったと思います。ただ道自体は巡視路として定期的に整備されているようで、道筋は明瞭だし、植林が若干多いけど巳ノ戸沢の流れを見つつ降りるのもなかなか楽しいですね。

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(巳ノ戸林道の一こま)

ワサビ田を過ぎると梢越し右手に稲村岩が見えるようになって、じきに先ほど別れた稲村岩尾根の登山道と合流。あとはバスの時間に余裕があるのでチンタラと東日原へ向かったのでした。

今回は残念ながら巳ノ戸谷のワサビ田までは行けなかったけど、これは別の機会かな。でもお陰で歩きたいところがまたでてきちゃったなぁ。日原はこれからが一番いい時期ですから楽しみが増えるのはいいんだけど、今後どこを歩こうか、かなり迷う事になりそうです。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.10.11 (Sun)  晴 後 曇
奥多摩駅 07:25→ 東日原 07:55- 吊橋 08:55- ヤケト主尾根乗越 09:40- 巳ノ戸谷 10:15/10:25- 巳ノ戸林道 11:20- 鷹ノ巣山 11:55/13:00- ヒルメシクイノタワ 13:20- 鞘口ノクビレ 13:50- 登山道合流 14:35- 東日原 15:05
 

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2009.07.28

たまには夏の川苔山でも

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(大丹波川の道すがら)

週末、南関東方面は晴れましたけど、他所はまだまだ不安定な天気が続きますねぇ。ということで今週は日曜(07/26)にこれまたかなり久しぶりに夏の川苔山を訪れてみました。

今回はかなり珍しく大丹波川側からの入山で、川井駅から一番のバスで上日向に出たらまずはヤマユリ咲く林道をてくてく。道中のキャンプ場はさすがにシーズンな事もあってどこも盛況です。この辺りはたいがい静かな時期しか歩いていないはずなので、歩いていてもなかなかいい光景でありました。

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(曲ヶ谷沢出合)

もう営業していない奥茶屋を過ぎたら人家もなくなり、あとは暑さにへばりそうになりながらもなんとか歩いて、一時間ほどでようやく登山口に到着。休む間もなくさっさと大丹波川へ降りていきます。

沢に降りると涼しい空気が吹き抜け一気に涼しくなって気分も上々。この道を歩くのは果たして何年ぶりだろうかと考えつつ歩いていると、おっと↓↓タマガワホトトギスが目に入ってさっそくパチリ。見かけるだろうとは思っていたけど、ここで咲き始めだったのはちょっと意外でもありました。

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(タマガワホトトギス・咲き始めた)

まもなく曲ヶ谷沢の出合に着いたら行く先に見える連続する桟道を一瞥して、通せんぼされた巡視路にさっそく入ります。

するとすぐにイワタバコの花が目に入りましたが、おっとここでも咲き始め。こんな様子じゃ上はどうかな~、来週の方が良かったのかなぁ、となどと思いつつも曲ヶ谷沢沿い巡視路のなかなかの好ましさに気分が悪くなる訳はありません。

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(曲ヶ谷沢の巡視路の一こま)

巡視路に入っちゃえばあとは整備された道が続いていると思っていたらさすがに沢沿いの道のせいか、中流部より上では崩れかけた道を辿るよりは水線を行った方が安全な所もあって、まあこれは想定内のお話。

巡視路の最初で咲き始めだったのでもう諦めていたイワタバコも道中ぼちぼち見られて、お花を撮影しながら、時折水遊びをしながらゆるゆるあがっていきます。

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(イワタバコも咲き始め)

沢の上流部と思しき所まで来たところで一度道を見失いましたが、ここは沢をあがるとまもなく高捲いた道と合流。しかしここから先がよくわからなかったのでそのまま沢の左岸側を高捲くように行ったらまた道を見失って、さぁどうしよう、とここで地形図を広げるとこの巡視路は破線で記載されていて(笑)、どうやら見失った所で右岸の斜面に取り付くのが正解のよう。

とはいえもう半端にあがってしまいここから降りて登り返すのもちょっと面倒な話。ここから左岸の斜面をそのまま詰めれば1286m峰(ヨウヘイギノ頭??)に出られるようなので、そのまま尾根を登っちゃいました。

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(稜線に出れば川苔山はもう間近)

登りだしこそ露岩混じりのせいか雑木林だった尾根も、まもなく植林帯に入ってちょっとだけガッカリ。でも植林帯に変わっても尾根が急なことには変わりなく、途中で巡視路と思しき明瞭な道が尾根を横ぎってちょっと気になったけど構わず急な尾根を詰めていきます。

暑いさなか汗をかきかき登って登って稜線に近づく頃、捲道?と思しきこれまた明瞭な道を横切るとようやく1286m峰に到着しました。一息ついたら防火帯の切られた稜線に出て、あとは川苔山を目指すだけ。

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(山頂からは運良く富士山も)

稜線は少しのママコナ(花は白い部分が多いけどこの辺りのママコナの特徴なのだろうか?)とほんのちょっとのオトギリソウ、ニガナ辺りが目に入るぐらい。そして本来来る予定だった赤杭尾根を左から合わせれば川苔山はもう間近で、いつのまにか小屋が無くなっていた肩に降り、山頂へ向かいます。

着いたのが11時過ぎのせいか山頂は人が少なくちょっとホッとしました。北側からはガスがやってきていましたが富士は何とか見られてラッキー。人が少ないのをいいことにベンチでのんびりランチをとっていたら、ここはやっぱり川苔山でした。ハイカーが続々とあがってきます。

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(百尋ノ滝)

なのでベンチを譲る形で山頂をおいとまして、川苔谷の道を降りたんですけどやはりというか次から次へと登りのハイカーとすれ違って、そんなハイカーが途切れる頃、百尋ノ滝に降り立ちました。

滝壺まで近づくと、うひょ~!こりゃ涼しいわ!バスの時間に余裕があったのでここで火照った体を完全に冷まし、そして冷やしてから(笑)川乗橋へ向かいましたが、今度は百尋ノ滝へのハイカーとすれ違うこと夥しく、やっぱりここは人気のルートなんだなぁと改めて思ったのでした。

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(白妙橋から日原川右岸の径路に入る隧道)

そんなわけで川乗橋に着いてもまだ時間に余裕があったので、もう一遊び。日原の行きしな帰りしなバスの車窓から見てず~~~~~~~っと気になっていた白妙橋から見える日原川右岸の径路を歩いてみました。

実際は橋を渡りすぐ左手のトンネルを潜って、緩い登り勾配を6,7分歩くと小菅の集落に出ました。結局あそこにバス停があったのは決して岩登りのためではなく(笑)このためだったんだなぁ、とようやく納得できたのが今回一番の収穫でした。あと大沢の周辺でバス待ちの間フトしたことから具合のいい納涼スペースを見つけたのも収穫だったかも。(^^)(^^)
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.07.26 (Sun)   晴 時々 曇
川井駅 07:44→ 上日向 07:55- 大丹波川登山口 08:50- 曲ヶ谷沢出合 09:10- 1286m峰 10:45- 川苔山 11:00/11:45- 足毛岩分岐 12:10- 百尋ノ滝 12:40/13:00- 細倉橋 13:40- 川乗橋 14:15- 大沢 14:30
 

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2009.07.22

たまには夏の雲取山でも

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(小雲取出合尾根上部にて)

なーんか梅雨が明けたと思ったらまた逆戻り。海の日の連休は天気のぐずつくことが多いので遠出の予定は立てなかったんですけど、近場の天気もいいんだか悪いんだかなーんかいまひとつ。結局海の日の当日(07/20)まで延びてしまいました。

ということで海の日は珍しく夏の奥多摩は雲取山。久しぶりに小雲取出合尾根を歩いたんですけど、今回は小雲谷出合から延びる主尾根ではなく、初訪の時にとったお隣のカルメ窪左岸の枝尾根から1628m峰経由で主尾根と合流。そして雲取山東面の捲道に出た所で捲道を辿って雲取山荘、ここから北面の捲道を辿って三条ダルミとぐるりと回ってから戻るようにして雲取山へあがりました。

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(大ダワ林道・長沢谷に降りた所)

この日は早朝こそ晴れていたものの、歩き出す頃には前二日とさほど変わらない天気になっていましたが、違っていたのが空気が若干乾いて爽やかだったこと。そのせいかどうかわからないけど長沢谷までの長い林道歩きは至って快調で、急いでもいないのに実働二時間ほどで下降点までついてしまったのは意外でした。

ちなみに大ダワ林道は07/15以降表向き通行止になっているはずなのに周囲に車は停まってるし、山道に入ってみれば2パーティほどとすれ違う有様。ちなみに通行止の原因となっている崩落現場はモミソ窪の少し手前辺りで、今のところは慎重に行けばさほど問題ないと思われますけど、今後どうなるかは当然の事ですが予断を許しませんので通行される各々の自己責任でお願いしますネ。

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(一旦大雲取谷に降りて・・・)

モミソ窪を過ぎてしばらく行ったら大雲取谷に降り、日差しの差し込む気持ちの良い沢床で休憩してから尾根に取り付きます。

尾根に取り付いてからしばらくはコメツガも混ざるものの、ミズナラやブナの明るい良い疎林が続きますが、同時にこの辺りが急な所でもあって、緑に覆われた中、木々を愛でつつ淡々と登っていくしかありません。ちなみに以前はあった氷川村雲取東京市有林と書かれた標柱は果たして見落としたのか?倒れてしまったのか??ちょっとわかりませんが今回の所は目に入りませんでした。

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(小雲取出合尾根<カルメ窪左岸の枝尾根>下部にて)

そんな急登が少し緩むとダケカンバに覆われたゆるーい二重山稜状の広尾根に変わって、登り切ったピークが1628m峰。ここで休憩しているといつの間にやらスズメバチが一匹、二匹・・・そして三匹目が来た所で慌てて腰を上げたのですが、だからといって襲う感じでもなく、ただただまとわりつかれたのには閉口でした。

それらしいコメツガ林を介して主尾根と合流すると足許にササが覆うようになるんですけど、これが鮮やかな緑色でなんとも美しい光景でした。小雲取出合尾根は今までこのササの黄色い時しか歩いたことがなかったので尚更だったのだと思います。

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(1682m峰を過ぎるとやがて笹が出てくる)

ササが地面を覆う様子は美しいものではあるんですけど、同時にササに隠れた倒木も増えて少々歩きづらくなります。でもこれはもう何度も言ってるんですけど、こういう状況は却って黒木林らしくスペシャルな感じすらして歩きの良いアクセントぐらいにしか感じません。(^^)

ただここまで来てもスズメバチにまとわりつかれて、途中のランチも断念。1858m峰を過ぎるとじきに東面捲道に飛び出しましたが、ここでようやくハチからも解放されました。でもなんでハチは登山道には来ないのでせうか?(笑)

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(雲取山東面の捲道に出ました)

雲取山の東面、北面の捲道も夏に歩くのは初めてのことなので、どんな感じなのかちょっと楽しみにしていたのですが、特に東面の捲道がコメツガなど黒木の許、ササの緑に苔の緑が今の時期らしく?とても鮮やかでいい雰囲気でした。

それに比べると北面の方はどこか乾いた感じで思ったよりも・・・でしたけど、これは標高を一段下げていることもあるのかなぁ。。。

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(黒木の許に咲くこの花は??)

そして三条ダルミに着くと時間も時間なのでここでランチにするか、雲取まで我慢するか、かなり迷った末に上まで行くことにしたんですけど、さすがにこの登りはキツカッタ。

フラフラになりながら誰もいない避難小屋前に着いても周囲はガスで何も見えません。なおもフラフラ小屋へ向かってランチをとり、一息ついたら、一人しかいない山頂に寄ってもう下山です(笑)。今は鴨沢発のバスが20分繰り上がっちゃったんで、山頂で14時過ぎまでのんびりできなくなってしまったのが個人的にはツラい所です。

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(三条ダルミにて)

せっかくの石尾根もガスった中をただただ降りる感じ。めぼしいお花と言えば咲き始めのマルバダケブキばかりですが、足許をよーく見てみるとシモツケソウにチダケサシ、オトギリソウ、ニガナなどがほんとうにちょこっとですけど目に入ります。

三連休の最終日と言うこともあって山頂は静かでしたけど、下りしなに登ってくる人とぽつぽつすれ違うのはさすがに雲取ですね。

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(雲取山の避難小屋を振り返る)

下りはじめこそ一時的にガスが切れたり日が差したりしてたのがそれもなくなり、ブナ坂に着く頃には完全にガスの中です。

捲道を降りる時にみかけたスズタケは以前の勢いこそないものの、まだ葉がそれなりについていてちょっと安心。あとは歩きやすい道をすいすい下って鴨沢へ向かったのでした。

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(石尾根のマルバダケブキは咲き始めた)

今シーズンも雪がほとんど積もらなかったので初雲取がここまで遅れてしまいましたけど、夏の雲取もまた別の風情があっていいものですね。でも、来シーズンこそはスノーシューが使えるぐらいにまともに雪が降って欲しいなぁ、と思うのですが、実際はどうなるのでしょうね。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.07.20 (Mon)   晴 後 霧
奥多摩駅 06:25→ 東日原 06:55- 八丁橋 07:40- 名栗沢橋 08:15/08:25- 長沢谷下降点 09:00- 尾根末端 09:50/10:00- 1628m峰 10:45- 雲取東面捲道 11:45- 雲取山荘 12:05- 三条ダルミ 12:40- 雲取山 13:10/13:35- ブナ坂 14:25- 堂所 15:15- 鴨沢 16:25
 

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2009.05.25

新緑の日原・ゴンパ尾根とシロヤシオ

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(シロヤシオ・七跳山直下ですでに満開)

さてさて先週は火曜に日原に入ったので週末はどうしようかな~?と思っていたところ、Hgさんの所で長沢背稜/都県界尾根のシロヤシオが意外に悪くないと言う情報が入って・・・今年のシロは諦めていたんですけど去年も見ていないし、結局土曜(05/23)にまたまた日原へ。。。(^^;;;

今回は日原から延々と林道を歩いて三又に出て、シロヤシオのお花見用に密かに?とっておいていたゴンパ尾根(今の七跳尾根ではなく悪谷左岸尾根)を登り七跳山へ。それから長沢背稜/都県界尾根を東へ三ツドッケ、蕎麦粒山と歩いて、本当に久しぶりに鳥屋戸尾根を通しで下って、ついでに奥多摩駅まで歩いて戻りました。

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(三又にて)

今回は日原からの歩き出しにもかかわらず、珍しくタクシーで鍾乳洞最奥の駐車場へ出て(¥3690)からのスタート。ここからでも三又まではまだかなりの距離を残していますけど、タクシーのお陰で時間は早いしかなり楽な気持ちで歩くことができます。そして林道沿いの美しい新緑に意外に涼しかった事もあって歩きは快調。林道終点までは1時間20分程、そして三又も1時間半ちょいで着いて、これくらいなら疲れすぎることもなくこの先の山歩きを楽しめる感じでした。

緑の深くなった三又の傍らでパンを食べつつ少し休んだら次はゴンパ尾根に取り付きますが、この尾根の末端部はとにかく急になので尾根の取り付き方が悩みどころ。まぁ三又へ下る途中からも尾根に取り付いでも良さそうなんですけど、林道終点から三又への道自体が崩落となんとか折り合いをつけながら通している道なので、無理に登ってご迷惑かけるのも個人的には本意ではありません。

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(ゴンパ尾根・登りだしは露岩が続く)

なのでここは三又から悪谷(割谷)に入ってしばらく遡り、廊下状のお終いにかかる4m滝から少し戻った大岩のバンドを拾って尾根に取り付きましたが、かなり急だし、浮いた岩と立木の二点確保で登るような所もあって甚だお勧めできない取り付き方でした。ここは右岸の石楠花尾根側を滝上までしっかり高捲いてから取り付くべきなのでしょうね。

そんなわけで何とかゴンパ尾根の尾根上にあがってようやくホッと一息。少し休んで再び歩き出すとしばらくは露岩に岩屑の散らばる急な尾根が続きますが、それまでの行程を考えるとお気楽なもの。エゾハルゼミの鳴き声と風の音をBGMにせっせと登っていきます。

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(ゴンパ尾根・中部より上は気持ちの良い自然林の尾根)

そんな登りも明瞭な1350m圏のピークにあがるとようやくお終いで、ここから先がゴンパ尾根のハイライト。尾根が大きく広がり、まだ緑の薄いミズナラやブナの自然林のゆったりした尾根に変わります。

ここは木々や新緑を愛でながらゆる~くうねる尾根をゆるゆる歩けて、本当に気持ちの良いところ!惜しむらくはここで雲が出てきたことで、日が差していたら殊の外美しかったことでしょう。

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(シロヤシオ・もう一枚)

やがて枯れたスズタケが現れるとまた急な登りに変わって、それを登り切ると右から七跳尾根の登山道(・・・といってもいんですよね?今は)と合わせます。そこから少し登ると、ををを・・・出てきましたよぉ・・・二年ぶりのシロヤシオ。意外やこの標高ですでに満開状態でトウゴクミツバツツジとともに花付きはそんなに悪い訳ではありません。

が、ここは一瞥しただけでとりあえず七跳山(1651m)まであがってから再び戻って、ちょっと早いですがこの辺りでランチにしてしまいました。場所の割にハイカーをそれなりに見かけたのはやはりシロの花期のせいなのでしょうか。

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(三ツドッケまでは稜線から南側にかけて花が少ないが・・・)

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(秩父側は意外に咲いている・三ツドッケ直下)

ランチを終えたら、今度は長沢背稜/都県界尾根を東へ行きます。道中花こそ少ないものの周囲の植生をよく見てみるとシロヤシオが結構生えているものなんですね。普通に咲けばけっこう楽しめそうなことがわかったのが今回歩いて最大の収穫だったかも。

あと今回は稜線上や縦走路の通る稜線南側よりもの稜線の秩父(北)側のシロヤシオがけっこう見事に咲いていて、そんなこともあって三ツドッケまではほぼ稜線上を歩いたんですけど、お陰で今年はお花を充分に堪能させていただきました。(^^)

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(三ツドッケより蕎麦粒山、川苔山方面)

三ツドッケにあがるとさすがにハイカーが増えますね。狭い山頂も人で埋まっていたので周囲の様子を偵察して、少しだけ展望を楽しんだら、さっさと一杯水へ向かいます。下しりなに出てくるシロヤシオはすでに散り始めていたので、一杯水からは稜線歩きではなく下の縦走路を行くことにしました。

本当は仙元峠には寄ろうと思っていたんですけど、気がついたら捲いていて(笑)あっけなく蕎麦粒山に着いてしまいました。山頂で休んでいるともう13時過ぎなのにハイカーがまだまだやってきて驚きましたけど、こんな状況ひと昔前じゃ考えられんよなぁ。。。

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(鳥屋戸尾根のシロヤシオは終期だが花は少なかったようだ)

なのでもう少しのんびりしたかったんですけど、適当な所で下山開始。鳥屋戸尾根に入ります。こちらのシロヤシオはすでに終期でしたけど、木の数の割に花ガラがかなり少ないのを見るとこの辺り、今年はあまり咲いていなかった感じですね。

そして笙ノ岩山から下は「花のひかり」を始めてからは初めてなぐらい久しぶり??でしたけど、私製ながら道標はあるし、二箇所ある急斜面の所もしっかり道筋がつけられていたり、ロープが張られていたりと下りでも気を遣う所がかなり減った印象です。途中では終わりかけながらこれまた本当に久しぶりだった↓↓チチブドウダンに再会して狂喜したり、こちらも個人的にいろいろと収穫のある道のりでした。

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(チチブドウダン・かなり久しぶりでした ^^)

川乗橋のバス停に着いたら思いの外早く下ってしまったせいか、まだバスの時間まで一時間近く余していたのでこれまたかなり久しぶりに奥多摩駅まで歩いてしまいました。所用50分。快調だったせいかちょっと早かったかな。でも奥多摩駅に着いてもGWにはあったイワナの塩焼きはもう売られていなかったのでした。。。
 
・・・・・☆

◆ 2009.05.23 (Sat)   晴 後 曇
日原鍾乳洞 07:15- 滝上谷橋 07:55- 林道終点 08:35- 三又 08:50/09:00- 七跳山 10:35/11:15- 三ツドッケ 12:15- 蕎麦粒山 13:20/13:30- 笙ノ岩山 14:25/14:35- 川乗橋 15:35- 奥多摩駅 16:25
 

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