2009.06.25

久しぶりに初夏の御坂主稜へ

B090625a
(ブナの樹勢が弱ってるせか?周囲が少し明るい・黒岳直下にて)

梅雨に入ると天気が不安定なせいか予報も難しいようで、一週間前辺りだと悪かった週末の予報も直前になればそれも外れて、結局二週連続で週末は好天の日がありましたネ。

そんなわけで先の週末の山行きはもちろん土曜日(06/20)。大菩薩の次はやっぱり御坂でしょう!ということで今回は御坂峠から黒岳~大石峠~節刀ヶ岳~十二ヶ岳と主稜筋のお花の具合を見つつ歩いてきました。

B090625b
(サンショウバラも久しぶり・御坂峠への道すがら)

この日は気温が上がりそうだったので急遽予定を変え、電車バス利用では一番楽な三ツ峠入口BSからのスタート。盛夏には草ぼうぼうの序盤も刈り払いが入っているようで至ってスムーズな歩き出しです。

エゾハルゼミの鳴き声が響く林の中、めぼしいお花も少ない峠みちをせっせと歩いていると、ここであったらいいな~程度に思っていたサンショウバラがいきなり見つかって狂喜してしまいましたが(三年ぶりかな??)、結局コレがこの日最初で最後のサンショウバラでございました。

B090625c
(黒岳展望台より)

道が尾根からトラバースに変わるとキンポウゲやキバナノヤマオダマキ、ヤマハタザオなどがポツポツと現れてじきに御坂峠の鞍部にあがりますが、峠周辺も刈り払われていて残念ながら今回の所はお花はなし。一息ついただけで黒岳を目指します。

稜線にあがると個人的に一番気になっていたのがブナハバチの状況。ハバチ自体は少しは発生しているようですけど幸いにも大規模に喰われているブナはなくて周囲は普通の緑で一安心。サラサドウダンは盛りやや過ぎでしょうか、そしてヤブウツギにベニバナノツクバネウツギと紅い木の花が目立ちます。あとガマズミにナツグミらしき白い花もぼちぼち。

B090625d
(ブナハバチの影響で葉の少ないブナも見かける・黒岳にて)

そして足下にはユキザサにキンポウゲ、そしてコレも久し振りなタカネグンナイフウロ。あとクサタチバナもそろそろ見頃だけどこの時期に訪れるたび数が減ってるんですけど・・・う~む。

でも少し開けた所からは富士も意外にスッキリ見えてちょっとだけ良い気分。じきに黒岳山頂手前のブナ林に出るのですが、こちらもブナハバチにやられている感じではないのですけどどうも周囲が明るい。なので頭上をよーく見てみると以前のハバチの影響か?葉の少ない樹勢の弱っている木が目につきました。

B090625e
(タカネグンナイフウロは見頃)

黒岳の山頂はアヤメがポツポツ咲いているだけなのでさっそく展望台へ向かうと、先ほどあれだけキレイに見えた富士がもう消えかかっていました。周囲にはこちらもサラサドウダンに咲き残りのヤマツツジ。

山頂に戻ってなおも稜線を西へ向かうと、下りだしのブナ林も山頂手前の林と同じような感じでなーんか明るい感じ。そんな様子に今後の心配をしつつなおも稜線を西へ。やっぱりサラサドウダンが一番目立って、ヤグルマソウやクルマバツクバネソウ、ミヤマカラマツ、イワキンバイ、咲き始めのニガナなど種類こそ減ってないけど足下のお花どうも淋しい感じです。

B090625f
(大石峠・なぜか柵が撤去されていた)

今回は天気は良いけど時折日差しが遮られていたので不逢山手前の露岩帯のてっぺんでランチ。それから不逢山を越えて大石峠に降りたんですけど、妙に周囲がスッキリ?している??

確かにお花と言えばアヤメがぽつぽつにニッコウキスゲも一株咲いているだけなのでそのせいかなー?と思っていたんですけど、ここで少し話をしたハイカー氏が「柵がない」と言ってくれてあぁ!そうか!と気がついたのでした。しかしお花が少なくなったから柵を取っ払ってしまったのでしょうかね?柵を取り付けられる例は何度か見かけたけど、無くなったというのは初めてです。

B090625g
(節刀ヶ岳へのみちすがら)

大石峠から去年の花殻の残ったテンニンソウに埋もれる道を、時折寄り道しながらてくてく登り返します。途中で見かけるツルシロガネソウは咲き始めていました。しかしこの花はお盆になっても残っている本当に息の長い花ですね。

道中、適当に寄り道しすぎてしまい(笑)最後は稜線に沿ってあがっていくと、あっけなく登山道にパッと飛び出して、そのすぐ先が節刀ヶ岳でした。

B090625h
(節刀ヶ岳より鬼ヶ岳・王岳)

午後だというのに意外や黒岳の展望台よりも利いた展望を楽しみつつ少し休んだら、今回は鬼ヶ岳ではなく十二ヶ岳へ向かいました。

こちらへの道中も足下のお花は淋しいですが、サラサドウダンやウツギの類が多く、眩しいぐらいの緑と相まってなかなか楽しい道のり。めんどい岩場をいくつか越えると十二ヶ岳に到着です。

B090625i
(トダイハハコ)

十二ヶ岳周辺にはウスユキソウやトダイハハコが顔を出し始めていました。盛夏になると乾燥しきって若干不気味にも見えるトダイハハコも若いこの時期のは触ってみるとふわふわふにゃふにゃでかなーり
 
 
 
き・・・きもちいい (*´д`)
 
 
 
B090625j
(久しぶりに・・・サラサドウダン八変化??)

ので触りすぎておもわず折ってしまいそうになります(笑)。

そんなこんなで休憩してお次は毛無山だぁー!と意気込んで先を行こうとしたら、少し行った所で岩に膝をぶつけてしまい、急遽桑留尾へ下山となってしまいました。膝の方は幸いにも二日ほど腫れただけで済み、関節自体に異常はなく今週も山歩きができそうでとりあえずホッとしております。気の抜けたときこそ怪我に注意しなきゃいけいないのを・・・アタマに叩き込んでいた筈なんですけど、気をつけなくちゃね。ε-(´∀`*)

・・・・・☆

◆ 2009.06.20 (Sat)   晴 時々 曇
河口湖駅 07:18→ 三ツ峠入口BS 07:35/07:40- 御坂峠 08:40- 黒岳 09:30/09:50- 中藤山 11:00-(途中休憩30分)- 大石峠 12:05/12:10- 節刀ヶ岳 13:10/13:20- 十二ヶ岳 14:15/14:30- 桑留尾 15:55
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2009.01.04

芦川南稜を繋げ、再び折門へ

B090104a
(芦川南稜・地藏峠手前の緩斜面)
 
 
あけましておめでとうございます。
今年もみなさん無事に山歩きができることを心より祈っております。
 
 
・・・・・☆

先週の西丹沢の後もう一度山に行く予定も年末年始の忙しさもあって結局行けずに一週間。結局土曜(01/03)の初歩きになってしまいました。

初歩きはまだお正月中なのでバスの制約が多くて、いろいろ調べて思いついたのが今回のコース。精進から三方分山へ上がり、尾根伝いにトリノ山(1297m)、釈迦ヶ岳、大平山と歩いてから、ちょうど一年前に訪れた今は廃村となっている折門を再訪。そして三沢川沿いの径路を歩いて仏僧に出てから、延々と車道を歩いて久那土駅。と懸案となっていた芦川南稜の未踏部分をようやく繋げてきました。

B090104b
(トリノ山より王岳を望む)

精進へ出るのに河口湖駅からタクシーも考えたんですけど、約一時間半の時間のために7000円も払うのはコストパフォーマンスがかなり悪いので、結局身延線の甲斐常葉駅廻りで精進へ出てみました。大回りしたのでさすがに時間はかかったけど下部からのバスは好天と言うこともあって展望良し、賑やかだった本栖湖からの富士も見られて、となかなか風光明媚でたのしかったです。

んで思いっきり大回りして精進のスタートは09:20。諏訪神社で一年の無事をお祈りしたら、大杉を見て女坂峠へ向かいます。女坂峠までは初歩きと富士の組み合わせと思しきパーティを抜きましたが、あとは久那土に着くまで誰とも会わずに独り旅でした。

B090104c
(釈迦ヶ岳山頂にて)

一時間程で三方分山に着いたら、ここから大平山までは未踏の区間。少し休憩をしてからさっそく下りはじめます。一くだりで三ツ沢峠~八坂~地藏峠への登山道を左に分け、なおも下ってじきに緩い登りに変わると右側が伐採跡になって王岳をはじめ御坂主稜の山々が見事です。登り切ったピークがトリノ山でしょう。

トリノ山を過ぎたら行く先に植林に覆われた釈迦ヶ岳が見えてちょっとガックリしてしまいましたが、植林の中ヌクド峠へ降り、登り返してみるとこちらは植林は植林でもアカマツなので見た目よりも雰囲気は明るく、着いた山頂も北側が雑木林で決して悪い雰囲気ではありませんでした。

B090104d
(折八林道より芦川南稜の稜線・中央左寄りに蛾ヶ岳)

釈迦ヶ岳からは尾根を直角に曲がって、西方向へ。こちら側から歩くと木透かしに南ア(雪が少ない)を見ながら歩けるのが楽しいですね~。特に南部の山がしっかり見えるのが嬉しい。でも聖岳は生木割か偃松尾に隠れてちょこっとしか見えないんですね。

そして折八林道へ下りるとここは松浦本(バリエーションルートを楽しむ)の写真にも載っていますが、周囲が一気に開けて良い展望台になっていました。写真をバシャバシャ撮ってから林道に降り、そこから稜線を下り降りきった鞍部が八坂峠。峠を越えた道が通ってはいたけど峠としての雰囲気は今ひとつ、かな。

B090104e
(大平山より)

峠から1161m峰へ上がると南側が雑木林になったのでピーク周辺の平地を捜してランチをとりました。そこは落ち葉でふかふか。しかも梢越しながら富士に南アと見られて快適なところでした。(^^)

そこから先の稜線も一部灌木の藪が煩い所はありましたが、それもさほど長くは続かず比較的歩きやすいです。1142m峰を過ぎると一面雑木林の広尾根に変わってこの辺りが稜線でのハイライトでしょうか。それから尾根が分かれ、その間の緩い沢筋がまた惹かれるところ(トップの写真)で、その辺りをしばらく散策してから(炭焼き跡あり)地藏峠へ向かいました。

B090104f
(上折門の上には妙なヒラが・・・)

まもなく地藏峠に着いて、まずは峠のシンボルとも云える大栂と六地蔵に挨拶。ここで左側から三方分山の下りしなに別れた登山道と再び合流しますが、それとはすぐに別れて(笑)大平山へ。こちらも藪は山頂直下のみで歩きやすかったのは意外でした。

大平山はほぼ二年ぶりで、ここからは二年前と同じように南へ降りますが、1031m峰へは向かわずに途中の分岐から直接折門へ下る道を歩いてみました。こちらもこの辺りの道と同様に昔はかなり歩かれていた道なのでしょう、道筋は雑木林の中しっかりとのびていて、落ち葉のラッセルをしながらの快い道のり。

B090104g
(上折門の一角)

傾斜が緩んで畑なのか建物が建っていたようにも思える緩斜面と言うより平地をみると、畑跡と思しき開けたところに出て、その下が懐かしい上折門の集落でした。

今回は去年の初訪の時より時間に余裕があったのでいろいろ見ることができました。上の方に六地蔵をはじめいろいろな石像石仏が置かれていた所もあったのですが、今は御弟子に移されている道祖神も以前はそこにあったのかなぁ。。。とか勝手に思い馳せたりして。

B090104h
(下折門の一角・Part1)

一通り回ったら今度は下折門へ。こちらもぐるりと一通り回ってみたらやっぱり↑↑こういうのが残っていました!上折門と比べると規模は小さいけど、ボクとしては下折門の方が山間の集落らしい雰囲気があってどちらかといえばこちらの方が好きかも。

散策を終えたら去年と同様に天狗岩を間近に見ることのできる曰くありげな大岩に上がって、しばらく休憩。あとは三沢川の径路を降りて下山をするだけです。

B090104i
(下折門の一角・Part2)

下折門からの径路も去年と変わったところはなく道筋はしっかり残っていました。落ち葉をがさごそとラッセルしながら三沢川に降りたところでちょっと寄り道。上流側へ地形図にも載っている蛾ヶ岳への径路を探索してみましたが、潰れ小屋や右岸には石垣も見られてどうやら道はありそうです。

径路に戻ってしばらく降りると傾いた橋に出て、ここは橋を見つつ右岸へ徒渉。ここから先は未踏なので道の状態が気がかりでしたが、道は三沢川に沿ってなおもしっかりと延びていて、集落跡と思しきところで再び左岸に戻るとすぐに分岐がありました。

B090104j
(三沢川の径路にて)

すぐ先には反木川と三沢川に挟まれた尾根が見えたので、水平に延びるのは地形図には記載されていないけどおそらくその尾根の中川原分岐に出る道でしょう。ここは下へ下る道を採ったら正解でしたが、中川原分岐から直接三沢川に降りる破線路との合流附近は藪っぽく、橋も機能していないのでさっさと右岸へ移って適当に下ると、すぐに道が現れました。

あとは問題なくすいすい降りて、破線路の分岐から30分程で峰山からの大磯小磯林道に飛び出し、そこから5分程で仏僧に出て山歩きはこれでおしまい。ではなくこの日は身延町営バスが正月休みなので久那土駅までの長い道のりが残されています。

B090104k
(天狗岩を振り返る・八王子より)

とはいえ振り返って天狗岩など周囲の山を眺めたり、暮れつつある正月の集落の雰囲気に浸りつつ歩いたり、地元の方達と話をしたり、岩船地蔵堂(上切房木)などなど見所もあって収穫多い車道歩き。久那土まで歩いて本当によかった!ということで良い気分で今年も初歩きを終えることができたのでした。


あといつの間にか身延町営バスもバスの時刻表が町のサイトに出ていました。
http://www.town.minobu.lg.jp/kurashi/benri.php?id=189
ちなみに今回の行程で言えば林道から町営バスが通る芝草までは30分弱。これなら登りでも問題なく使えそうですネ。

・・・・・☆

◆ 2009.01.03 (Sat)   快晴
甲斐常葉駅 08:25→ 精進 09:20- 女坂峠 09:55- 三方分山 10:20/10:30- 釈迦ヶ岳 11:15- 1161m峰 12:00/12:25- 地藏峠 13:05- 大平山 13:25- 上折門 14:00/14:15- 下折門 14:20/14:35- 大磯小磯林道 15:40/15:50- 芝草 16:15- 久那土駅 17:25
 

| | コメント (4) | トラックバック (0)

その他のカテゴリー

◆ カテゴリーのご案内 【その他の山域 2004・2005】 【その他の山域 2006】 【その他の山域 2007】 【その他の山域 2008】 【その他の山域 2009】 【その他の山域 2010】 【その他の山域 2011・2012】 【その他の山域 2013】 【その他の山域】 【前道志・道志・丹沢 2004】 【前道志・道志・丹沢 2005】 【前道志・道志・丹沢 2006】 【前道志・道志・丹沢 2007】 【前道志・道志・丹沢 2008】 【前道志・道志・丹沢 2009】 【前道志・道志・丹沢 2010】 【前道志・道志・丹沢 2011】 【前道志・道志・丹沢 2012】 【前道志・道志・丹沢 2013】 【前道志・道志・丹沢】 【大菩薩・権現山稜 2004】 【大菩薩・権現山稜 2005】 【大菩薩・権現山稜 2006】 【大菩薩・権現山稜 2007】 【大菩薩・権現山稜 2008】 【大菩薩・権現山稜 2009】 【大菩薩・権現山稜 2010】 【大菩薩・権現山稜 2011】 【大菩薩・権現山稜 2012】 【大菩薩・権現山稜 2013】 【大菩薩・権現山稜】 【奥多摩 2004】 【奥多摩 2005】 【奥多摩 2006】 【奥多摩 2007】 【奥多摩 2008】 【奥多摩 2009】 【奥多摩 2010】 【奥多摩 2011】 【奥多摩 2012】 【奥多摩 2013】 【奥多摩】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2004】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2005】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2006】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2007】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2008】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2009】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2010】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2011】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2012】 【奥秩父・秩父・奥武蔵 2013】 【奥秩父・秩父・奥武蔵】 【御坂・天子・富士 2004】 【御坂・天子・富士 2005】 【御坂・天子・富士 2006】 【御坂・天子・富士 2007】 【御坂・天子・富士 2008】 【御坂・天子・富士 2009】 【御坂・天子・富士 2010】 【御坂・天子・富士 2011】 【御坂・天子・富士 2012】 【御坂・天子・富士 2013】 【御坂・天子・富士】 つれづれ つれづれ 2004・2005 つれづれ 2006・2007 つれづれ 2008・2009