2009.09.29

色づき始めた南アの稜線へ 3(熊ノ平~北岳~広河原)

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(三国平付近より塩見岳を振り返る)

前日の天気予報でもこの日は下り坂と言っていたので天気は期待してなかったんだけど、いざ起きてみると、あれあれ目の前に聳える農鳥がちゃんと見えているというか、空には晴れ間すらあるじゃん!

これはラッキー!という事で朝食もそこそこにさっそく歩き出します。

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(農鳥小屋への捲道と富士山)

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(三峰岳も間ノ岳のこの時点ではまだ見えていたのに)

小屋からしばらくは樹林帯でしたが、それもじきに抜けて周囲が一気に開けます。目の前の三峰岳に間ノ岳、仙丈に甲斐駒。振り返れば塩見もまだまだ見えていて、これはもしかしてこのまま行けるのかなぁ?とちょっとワクワクしてきました。

・・・が、その目論見も三峰岳につく頃にはあっけなく崩れ、周囲はガスに覆われて・・・。ここから間ノ岳へ登る間は草紅葉が見事だったんですけど、強い風も吹き付け始め淡々と登っていくしかありません。

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(イワオトギリ)

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(間ノ岳への登りしな・甲斐駒とこの日唯一の北岳)

それでも、途中では一旦ガスが晴れて左手には北岳がほんの一寸の間だけ姿を見せてくれました。でもこれがこの日最初で最後の北岳の姿。熊ノ平からから二時間ほどでガスに覆われた間ノ岳の山頂に到着しました。

わかっちゃいたけど、ここで人が一気に増えます。塩見もそれなりに多かったんだけど、さすがに北岳が絡むと一桁違いますネ。パンを食べつつ休んでいると次から次へとハイカーがやってくる。晴れていればのんびりしたかったんだけどねぇ。。。

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(中白根山への下りしな)

とういことで適当な所で腰を上げ、北岳を目指します。ひと下りするとガスから抜けて草紅葉や展望を楽しむ事ができたんですけどお高い北岳はやっぱり↓↓この有様。

中白根から北岳山荘に降り、ちょっと休憩してから北岳を目指します。

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(北岳が再び姿を現す事はなかった)

山荘からの登り返しはやっぱりしんどいですね。ガスの中風に吹き付けられながらヘロヘロ登る事小一時間でようやく北岳の山頂に着きました。

もちろん山頂は相変わらずのガスで、今年は先ほどの間ノ岳を含め3つの3100m峰に登ったというのにそのどれもでガスられたのは・・・遠出の山行きは基本天気が良かったはずなのに・・・これはやっぱり不運だったのでしょうか(笑)。

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(ミヤマダイコンソウ)

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(北岳から小太郎尾根分岐までは草紅葉が見事だった)

時間のせいでしょうかね。山頂は間ノ岳よりも人が少なく意外にのんびりできましたけど、空は明るいのにやっぱりガスは晴れてくれません。この日は最終バスの16時までに下ればよかったので、のんびりまったりする予定だったのに・・・それも変更してさっさと下山する事にします。

北岳から小太郎尾根分岐までが今回の山行きで一番草紅葉の見事なところだったのが何とも惜しかったんだけど、コレはもうしょうがないですね。スタスタ下って大樺沢右俣コースの分岐に着くと、その下に見える草すべりの広場にはハイカーがうじゃうじゃいたので、今回は右俣を下りました(笑)。

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(大樺沢右俣コース・下ってきた草原を見上げる)

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(左俣の雪渓が見えると二俣は近い)

右俣の方もお花となるとホソバトリカブトにヤマハハコ、オヤマボクチにセンジュガンピ、シシウド、そして咲き始めのリンドウが目立ったぐらいでしょうか。でも草原をよく見てみると花の種類が多そうなのが藤四郎のボクでもなんとなく判る感じでした。

いろいろお花を撮りながら下ったのに分岐から二俣まで一時間とかからずに到着。何もない河原にポツンと建つバイオトイレが気になったけどまだそんな状態ではなく、利用できなかったのも心残りでしょうか。

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(この時期になんとクガイソウ!)

でもでもこの二俣で驚いたのが、ミソガワソウの群生の中に咲き残りのグンナイフウロやなぜか今や盛りのクガイソウが咲いていた事でした。秋のお彼岸だというのに!7月は奥多摩ばかりだったのでまさかこんなカタチで今年初めてクガイソウにお逢いするとは思ってもいませんでした。

この辺りの事情は全くわからないんですけど、あの辺りは雪がかなり遅くまでの頃所なのでせうかね??

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(二俣から広河原へ向かいます)

思いもかけない出逢いにちょっと気分を良くしたら、あとは向かいの鳳凰を眺めつつ、ルンルン気分で広河原へスイスイと向かったのでした。(^^)(^^)

最後の間ノ岳・北岳はちょっと残念でしたけど、今回の遠出も天気に恵まれとても楽しい山行きになりました。個人的には塩見から歩いて、ようやく南アルプスらしさというのを感じる事ができたのかな、とも思いました。こうなると次の南アはやっぱり南になるのだろうな。。。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.09.22 (Teu)  曇
熊ノ平小屋 05:10- 三峰岳 06:30/06:40- 間ノ岳 07:20/07:30- 北岳山荘 08:30/08:45- 北岳 09:40/10:00- 小太郎尾根分岐 10:30- 二俣 11:25- 広河原バスターミナル 12:35

 
バス(広河原-甲府駅+協力金) ¥2000
 

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2009.09.24

色づき始めた南アの稜線へ 2(三伏峠~塩見岳~熊ノ平)

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(雪投沢の下降点附近より塩見岳を振り返る)

昨晩星空が凄かったわけですから、翌日も天気が悪い訳がありません。とはいえ3時過ぎに起床したので起きたときはまだまだ星空。三伏峠小屋では4時から朝食が摂れるというのが、この日の行程が長目だし、それがたいへん嬉しいことでした。(^^)

おかげで4時半前にはもう出発。ヘッデンつけてさっそく歩き出します。暗い内から歩き出したのも久しぶりの事だけど、星空から徐々に明るくなって周囲の山山が見えてくる様子というのはなかなかいいものです。

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(朝の塩見小屋)

本谷山に着くと夜も明け、しばらくは展望を楽しみつつ稜線歩きが続きますが、やがて稜線を離れてシラベ林のトラバースに変わります。日中なら涼しくて良いのでしょうが、朝の内は日陰だし結構寒かったです。

そして再び稜線に上がるとそこは塩見新道との分岐。20分ほどで塩見小屋に着きましたが、塩見小屋って本当に小さい小屋なんですね。実物を見て本当にビックリしました。塩見岳自体が深田百名山だし、これでは完全予約制になるのもしょうがないかなぁ、と一人勝手に納得したのでした。

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(ウラシマツツジ)

小屋からは塩見岳の山頂に向け本格的な登りに変わります。決して広範囲を云う訳ではありませんがウラシマツツジなどの草紅葉も見頃になっていてなかなか見事でしたけど、見た目通りなかなかキツいですね。ヘロヘロしながら登って、なんとか三角点のある東峰に到着。

この日は若干霞んではいたものの、南ア南部の山々や雲海の奥に浮かぶ高山たちもしっかり見えます。

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(富士と塩見岳東峰)

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(北俣尾根の奥に荒川三山)

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(中央アルプスと塩見岳西峰)

個人的には以前から読んでいた永野(敏夫・正子)さんの歩かれた尾根をようやく目のあたりにできてちょっと感慨深かったです。いつかはそれらの尾根を歩きたいなぁ、と思いつつ山頂でいろいろな方とお話ししながらのんびり。

あと蝙蝠岳への稜線も完全にボク好みの緩やかなカタチで、ここもいつかは歩きたいと思いました!

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(イワベンケイ)

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(蝙蝠岳の稜線も気になります)

しかしのんびりしているうちにもハイカーが三伏方面から続々とやってくるのでそろそろ潮時かな、と腰を上げて先を行きます。山頂から北俣岳の間がこの辺りで一番草紅葉の見事なところでもありましたが、何が良いってここからは人が一気に減ってくれた事です。

人が減ると本当に落ち着くますネ。もちろん連休ですから熊ノ平から人は来ますが、三伏~塩見間に比べればほとんどいないも同然。北俣岳からの急降下をこなせばあとはゆったりした稜線歩きが待っていました。(^^)

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(間ノ岳・農鳥山の左脇に仙丈と甲斐駒も見える)

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(北荒川岳・旧テン場の小屋も見える)

本や雑誌でその名前だけは知っていた雪投沢や北荒川岳のテン場跡をこの目で見られたのも少々感慨深かったです。

その北荒川岳西側の崩落地を見るとここで道は稜線の東を捲くようになりましたが、森林限界附近のせいか歪曲したダケカンバの風情が印象的。ダケカンバやナナカマドの紅葉もそろそろ見頃の感じでしたけど色づきとしては今ひとつかも。でもそこは強烈な日差しでカバーしてくれて、なかなか見事でした。

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(木々の紅葉は見頃だが色つきは今ひとつか)

ダケカンバ林のお花畑はシカの嫌いな枯れかけたマルバダケブキやコバイケイソウばかり、いやあとおそらく枯れたミヤマコウゾリナも結構いましたけど、咲いている花となるとホソバトリカブトやハクサンフウロ、キオン辺りがちょこっと咲き残っているぐらい。

道は時折稜線上に上がりますが、基本的にはそんなダケカンバ林に黒木のそれらしいシラベ林を交えつつ稜線を東に捲きながら行く感じです。この標高で日差しを避けられる所に事欠かないのはさすがに南ア、というかこういうのが南アのイメージなのかなぁ、とおのぼりさんのボクは思ったのでした。

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(熊ノ平が近づくとガスってきたが・・・)

時間に余裕がある事もあってのんびり歩いて行きましたが、やがて安倍荒倉岳に近づく頃、とうとうガスが出てきて後ろの塩見岳が、そして目の前の間ノ岳が消えかかってもうこれまでか・・・と思ったけど、これがなかなかしぶとい。結局熊ノ平の小屋まで天気がもってしまいました。ラッキー。

熊ノ平は黒木に囲まれた所で小屋もそれらしい雰囲気なのがいいですね。水も豊富でコレで昔のように風呂に入れたらなぁ・・・なんて云っちゃぁいけませんネ(笑)。

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(本日のお宿・熊ノ平小屋)

小屋閉めを翌日に控えているため、ビールが夕方前には売り切れてしまったり(ボクは早く着いたのでたてつづけに二本も飲んでしまったのでした・笑)、食事もそれらしい感じではありましたけど、小屋番さんを始め話し相手にも恵まれ楽しい一夜を過ごす事ができました。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.09.21 (Mon)  晴
三伏峠小屋 04:20- 本谷山 05:20- 塩見小屋 06:35/06:45- 塩見岳西峰 07:35/07:55- 塩見岳東峰 08:00/08:40- 北荒川岳 10:45/11:10- 安倍荒倉岳 13:00- 熊ノ平小屋 13:35
 
 
熊ノ平小屋 一泊二食 ¥8000
ビール(ショート缶)x2 ¥1200
 

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2009.09.23

色づき始めた南アの稜線へ 1(鳥倉林道~三伏峠)

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(周囲の木々もぼちぼち色づいてきた)

例年秋のお彼岸の頃は秋雨の時期という事もあって計画しても天気が悪くて潰れるパターンが多くて、今年は5連休にもかかわらず計画を全く立てていなかったんですけど、予報を見ると晴れマークがずらり!これは神の思し召しだろう、とここで密かに行けたらなぁ・・・と思っていた丸三年ぶりとなる南ア行きを急遽決めました。

ということで日曜(09/20)は朝から鈍行を乗り継ぎ乗り継ぎ、伊那大島へ。飯田線なんて何年ぶりに乗ったのだろう。快晴の許、右手に中央アルプスをそして左手には巨大な仙丈ヶ岳を眺めつつのんびりしているとついついそのまま豊橋まで行ってしまいそうですが、ここはきっちり伊那大島で下車。ハイカーは私一人だけでした。

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(豊口山コースの登山口)

やっぱりな・・・と思いつつタクシーに乗り込み、一人でリッチに鳥原林道のゲートまで(¥12000)。一時間ちょいで着いたゲートの周辺にはさすがに好天の連休とあってたくさんの車が止まっていて、下山を終えたハイカーもぞろぞろ。

まずは登山口までの林道歩きがあるんですけど、よくこんな所に道を付けたものだなぁと思いつつ展望の良い林道をてくてく。30分ほどで着いた登山口の手前で軽くおにぎりを食べてからさっそく登山道に入ります。

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(豊口山コースのひとこま)

のっけは一面にコウシンヤマハッカの咲く、スッキリしたカラマツ植林の中をせっせと登っていく感じ。それから道は一旦小尾根に乗ってもすぐに東へトラバースするのでかなり歩きやすいですね。別に急いでいる訳でもないのに30分ほどで豊口山の鞍部に着いてしまいビックリ。

あまり早くに小屋についてもしょうがないのでここからペースを落として行くと、道は尾根の北側へ移り、今度はそちら側をトラバースする感じで行きます。

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(仙丈・甲斐駒はこう見えるのか)

水場を過ぎ、徐々に上がっていくと周囲の木々も色づいてルンルン気分で歩いていると、あれあれもう塩川との分岐に到着。これじゃぁ15時前に小屋に着いちゃうよ。もっとペースを落とします(笑)。

すると周囲が開けた所からは甲斐駒や仙丈、農鳥岳、そして主稜線の奥に顔を出している塩見岳が見えて、登りの人はみんな立ち止まってあれやこれや同定をしています。もちろんボクもその仲間入りさせてもらいました。

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(塩見岳は主稜線から顔を出す感じ)

それだけのんびりしても14時半には小屋に到着。さすがに連休のせいかほぼ満員との事でしたが、一人布団一枚とは行かないまでもB寝台ぐらいの個別スペースが割り当てられていてホッとしました。ここは普段からこういう方針なのでしょうか?ね??

それから小屋に荷物を置き。暇つぶしにビール片手にお花畑の方へ向かうとお花は終わりかけたタカネマツムシソウぐらいでしたけど、そこから稜線に上がると南ア南部の山山が間近に見えて、ボクの中でそちらの方も少し現実味を帯びてきたかな。あとはただただボーッと眺めて過ごしていました。

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(本日のお宿・三伏峠小屋)

そして夜は満天の夜空というか☆が多くてどれがどれだか判んねー、と外に出た人が口々に言っていた夜空をしばらく楽しんでから就寝。明日も良い日になりそうです。
 
・・・・・☆
 
◆ 2009.09.20 (Sun)  快晴
鳥倉林道ゲート 11:40- 登山口 12:15/12:25- 豊口山東鞍部 13:10- 塩川分岐 14:05- 三伏峠小屋 14:35
 
 
タクシー(伊那大島駅-鳥原林道ゲート) ¥12000
三伏峠小屋 一泊二食 ¥8000
ビール(ショート缶) ¥600
PETお茶2本 ¥800 
 

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2009.08.26

やっとこ遠出のお山へ 5(笠ヶ岳~笠新道~新穂高温泉)

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(笠ヶ岳山頂・右奥は乗鞍に御嶽)

前日は早めに着いたもののさすがに疲れが出たようで今朝は4時までぐっすり。山頂でご来光を迎えようとしている人たちがバタバタする中、この日は怠けて寝所から迎えるつもりだったのでしばらくはうとうと。

前日までは5時ぐらいには日が出ていたのに、笠ヶ岳は東側に槍穂の稜線が聳えているせいか5時を回ってもなっかなか出てこなくてちょっとイラっとしてきた頃、なんと槍の穂先近くからお日様が現れてビックリ。ってーことは「ダイヤモンド槍」なんてのもあるんでしょうねぇ。。。

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(なんと槍の穂先附近からご来光)

それから美味しい朝食をとり、まずは昨日寄らなかった笠ヶ岳の山頂へさっそく出発。10分ほどで着いた山頂はご来光直後のお陰か人が少なく、思う存分周囲の360度の展望を楽しむことができました。富士山もしっかり見えるんですねぇ。

山頂から南へ延びるクリヤ谷への稜線も気になりますが、この日はお盆で土曜日。しかも諏訪の花火大会もあるので今回の所は笠新道を下るのが穏当な所。後ろ髪引かれる思いで来た道を戻ります。

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(クリヤ谷の方も気になったけど・・・)

なんか今までの疲れがどっと出てきたようで、歩いていてもどうもペースが上がりません。とはいえ後は下るだけだし、帰りのバスにも余裕があるので無理することなく展望を楽しみつつ名残惜しむように稜線をまったり歩いて、昨日同様抜戸岳に上がってから笠新道に入りました。

最初は草原の中をぐんぐん下って行く先に見える杓子平へ向かいますが、この辺りも気持ちの良い広がりですね。なんか下るのがもったいないというか。ただこの時点でガスが上がってきていたのがちょっと残念だったかも。

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(抜戸岳への道すがら笠ヶ岳を振り返る)

花や雷鳥を撮りつつ急な斜面を下り終えると、杓子平の草原をトラバースするようになり杓子平の標識のある広場に到着。う~んガスがなっかなか晴れないのが悔しくてしばらく休んでいたんですけど、やっぱり晴れないので諦めて先を行きました。

すぐ先で抜戸岳の南尾根を乗越すと、ここからが噂に聞く急降下の始まり。尾根を乗越した途端、アカバナシモツケやオオバギボウシ、チダケサシなど低山系のお花が混ざるようになったのは象徴的で、それは山行きの終わりが近いことも示していました。当たり前だけど。

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(杓子平へ下ります)

しっかしここからは道は急で狭いし、道には岩・石が乗っかっててただでさえ降りるのに気を遣うのに、下り登りに人が多いのにも気を遣います。まぁ自分のその一人なのでもちろん文句は言えないんですけどね(笑)。

それと、この道のしんどい理由が下れば下る程に暑くなる、ということ。下っていてもしんどいのに、このクソ暑い中を登ってくる人も多く、すれ違うたびにただただ偉いなぁ・・・と思ってしまうのでした。

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(杓子平から稜線を見上げる)

ということで下って高木が出てきても暑さはあまり変わらず、というか高木帯に入ると今度は足下の岩・石が濡れてたり苔むしていたりと要は滑るようになって一層歩きづらくなったのにはちょっと参ったかも。

そんな中を下って下って、杓子平から二時間近くかかってようやく見覚えのある登山口に降り立ちました。でもここの水場が枯れていたのは想定外でしたが、林道を下ると間もなく水場があってようやく一息つけました。

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(アカバナシモツケ)

あとは林道をちんたら歩いて、毛穴谷が合流したあとは毛穴谷の奥に聳える笠ヶ岳から抜戸岳の稜線を何度も振り返りつつ、ちんたらと新穂高温泉へ向かいます。

バスターミナルの温泉がなくなってしまったので、今回は最奥の宿でもあるホテルニューホタカで一浴。入浴中、先に入っていた方から「何日お風呂に入ってなかった?」と聞かれて思わず笑ってしまいましたが、数えてみたら丸五日近かったです(笑)。こぢんまりした所でしたが、掛け流しで良いお湯でした。

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(杓子平を過ぎると低山系のお花が出てきた)

そんなこんなでようやくバスターミナルに着いたらレストハウスで一人打ち上げ・・・と思ったらここでも笠ヶ岳で同宿だった方と一緒になって、最後も楽しいフィナーレになったのでした。(^^)(^^)

今回の山行きは天気に山に、そして人に恵まれた素晴らしい山行きになりました。おかげでここ二ヶ月間の遠出が潰れまくったストレスもキレイさっぱりなくなりました。天気を待って本当に良かった・・・というか追い込み馬の追い出しを我慢する騎手のキモチがちょっとわかったような・・・(笑)。とにかくみなさまほんとうにありがとうございました!
 
・・・・・☆

◆ 2009.08.15 (Sat)  晴 
笠ヶ岳山荘 05:55- 笠ヶ岳 06:05/06:20- 抜戸岳 07:30- 杓子平 08:30- 笠新道登山口 10:25- 新穂高温泉 11:30
 
 
温泉(ホテルニューホタカ) ¥500
生ビール&おつまみ(レストハウス) ¥1100
かつ丼(レストハウス) ¥900
特急バス(新穂高温泉~松本駅) ¥2800
 

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2009.08.22

やっとこ遠出のお山へ 4(槍ヶ岳~双六小屋~笠ヶ岳)

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(槍ヶ岳から西へ下ると景色が一変する)

翌朝は雨の音もいつのまにやら消えて、3時頃になると槍ヶ岳でご来光を迎えようとしている人たちが起き出した所でボクも起床。外へ出てみるとまだガスが多いもののもうかなり晴れている感じ。

ということでしばらくは外で徐々にガスが晴れて行く様子を眺めつつちょっとのんびりしたら、昨日とは違いみなさんテンションが高いような雰囲気の中、朝食をとってさっそく出発します。

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(朝の槍ヶ岳)

個人的にこの日は行程が長いし、穂先はおそらく大渋滞だろうから端から穂先へあがるのは諦めていて、実際槍ヶ岳山荘に着いてみると、クリアすぎるぐらいに晴れ上がった穂先へはやっぱり蟻のような人の列ができていました。

山荘前からコレで最後となる東鎌尾根や常念山脈をしばらく眺めたら、ここで西の双六方面へ歩を進めますが、一歩下り始めると今までの景色とは一変。西鎌尾根の短いギザギザ部分の先には何ともたおやかな稜線が広がっていて(全ての稜線がそうではないけど)ちょっとわくわくしてきます。

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(笠ヶ岳はまだまだ遠い)

こちらへ下ると人が一気に減るのも好ましい。尾根の左右に広がる飛騨沢や千丈沢の緩やかな斜面に引き込まれそうになりながら急な斜面を下って千丈沢乗越まで降りると、ここからが本格的な尾根歩きの始まり。

西鎌尾根は見た目こそ鋸刃状の稜線ですが実際の道は東鎌尾根と違ってギャップは少なく、非常に歩きやすいことに驚きつつホッともしました。なんせ周囲の稜線やお花を愛でつつゆるゆる歩ける余裕があるのが大変良いですね。というか完全にボクの好みなのでした(笑)。

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(飛騨沢を見おろす)

そんなわけでいつのまにやらギザギザ部分を過ぎればあとはその稜線の姿からして稜線漫歩しか待っていません(笑)(^^)。

しかし歩いていると徐々に硫黄臭が漂ってくるようになったんですけど、これはやっぱり硫黄尾根から漂ってくるものなのでしょうかね??二年前に初めてその特異な姿を見た硫黄尾根を間近で見られるのも個人的には妙な感慨がちょっとだけありました。

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(西鎌尾根と槍ヶ岳を振り返る)

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(雪田が残っていたせいかコバイケソウまだ満開だった)

お花は今までに見慣れた花にプラスして、タカネナデシコにイブキジャコウソウ、クロトウヒレン、ミヤマタンポポ、ミネウスユキソウ、ミヤマリンドウ。左俣岳を過ぎると雪田も残っていたせいかシナノキンバイに、しおれかけたイワカガミも残っていてビックリ。でも一番目を引いたのは運良くまだまだ盛りだったコバイケイソウ。かなり濃い所もあってなかなかの見応え。もう遅いかと思っていたので充分に満足できました。

とりあえず硫黄尾根のピークに寄って(登山道は捲いている)硫黄乗越に緩く降りると、そこから先のピークの続く様子に結構なアップダウンが待っているのかなぁ、と思っていたら、実際の道はそのピーク群をうまく捲いてくれて樅沢岳だけに上がるようについています。

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(ゆるゆる歩ける西鎌尾根)

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(親子の雷鳥も見かけた)

樅沢岳から双六小屋へ降りる所は急ですけど、な~んかいい感じですね。小屋にすぐに着いて欲しくないなぁ、と思ってもあっという間に降り立ってしまいます。

さて、小屋に着いたらここで早めのランチ。実は前の日になぜかお腹をコワしてしまったので、お弁当は頼まずここのうどんをあてにしていたのでした。でもまだ朝の9時過ぎだというのにうどんを作ってくれる双六小屋って・・・今回は本当に助かったし、ありがたかったです。そしてうどんの味もかなりのレベルだったことを付け加えておきますネ♪

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(樅沢岳から双六小屋へ下るところ)

美味しいうどんを食べてますます気分が良くなった所で、すぐに腰を上げ再出発。双六小屋でもまだこの日の行程の半分以下なんですけど、時間はまだ10時前。これなら問題なく笠ヶ岳へ向かえます。

小屋から弓折岳の分岐までは今回の行程で唯一過去に歩いたことのある所。再び登山者も増えてきましたがそれほどでもありません。クロユリ平では個人的にクロユリを期待していたんですけど見る影もありません。さすがにこの時期じゃ遅いよなぁ。。。

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(この日見かけたお花のごく一部)

・・・と思ったらここでなんと今回は端から諦めていたキヌガサソウがいてビックリ。するとそのしばらく先にいました!いましたよっ!クロユリがっっ!!咲いていたのは一株だけだったけど月山以来丸七年ぶりの再会だったのでひとり狂喜してしまいました。(^^)

クロユリは弓折岳分岐を過ぎてもちょっとだけ見られてもうそれだけで満足。分岐から笠へ向かえば人は減るんじゃないか?という予想は外れてこちらの方もそれなりにハイカーがいたのは個人的には意外でした。

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(大ノマ岳から秩父平を見下ろす)

でも弓折岳分岐から笠ヶ岳の間がこの日西鎌尾根と並んでのハイライトで、お花は西鎌尾根よりも多く、雪はほとんど見かけなかったものの、ミツバオウレンにイワカガミ、ハクサンチドリが咲き残っていたのは嬉しかった。そしてその反対に今まで見かけなかったオヤマリンドウ?やトウヤクリンドウがいて、花の種類では今回の山行きで一番多い箇所だったと思います。

それに大ノマ岳から見下ろす秩父平の広がりもなかなか感動的で見事だったんですけど、実際に降りた時にはガスってしまってそれが残念ではありました。

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(ここまで来ても笠ヶ岳はなかなか姿を現さなかった)

でもこの日はガスが出ても一昨日のように完全にガスに覆われることはなく、しぶとく晴れてくれたのは幸運でした。稜線の右側に見慣れない高峰がいて、アレは何??と思って地図で確認したら黒部五郎だったとか、道中どうでもいいことでいちいち感動していたような気がします。

それにしてもガスが湧いていたせいかどうかわからないけど先ほどまで歩いていた西鎌尾根よりも秩父平から抜戸岳~笠ヶ岳の稜線の方が歩いていて妙な高度感があったような。。。なんでだろう??

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(雲海の奥に白山。笠ヶ岳山荘の裏手から)

抜戸岳を過ぎるとようやく笠ヶ岳との再会、ですが山頂だけがなぜかなかなか姿を見せてくれなくて、イライラしながら登っていたらいつの間にやら笠ヶ岳山荘に着いていました(笑)。もう山頂のガスは晴れそうにないのでさっさと小屋で宿泊手続きをすると・・・

なんと小屋は新しくて綺麗だし、蚕棚の寝所から寝ながらにして↓↓こんな光景が見られてただただ感動!食事もたいへん美味しく、なによりちょっとイカついおっちゃんあんちゃんがキビキビと動く姿は小屋としては異色なのかもしれないけど、端から見ていても大変に気持ちのいいものでした。

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(寝所の窓からこんな写真が撮れる素晴らしさ)

この日も布団一枚以上を確保でき、まわりの人もいい方達ばかりでこの日も楽しい一夜を過ごせたのでした。(^^)(^^)(^^)
 
・・・・・☆

◆ 2009.08.14 (Fri)  晴 
ヒュッテ大槍 05:20- 槍ヶ岳山荘 05:55/06:10- 千丈沢乗越 06:40- 硫黄乗越 08:00- 双六小屋 09:10/09:40- 弓折岳分岐 10:30- 秩父平 12:00- 抜戸岳 12:55- 笠ヶ岳山荘 13:50
 
 
うどん(双六小屋) ¥800
トイレチップ(双六小屋) ¥100
笠ヶ岳山荘 一泊二食 ¥8800
トイレチップ(笠ヶ岳山荘) ¥100
ビール(ロング缶) ¥800
PETお茶2本 ¥800 
 

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2009.08.21

やっとこ遠出のお山へ 3(槍ヶ岳・停滞)

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(クモマスミレ)

この日は山行き前から停滞かな~、と密かに思っていた日で、実際の予報もそれから前日のお昼まではそんなよくない予報だったのが夜になって突然予報が良い方に変わったんですけど、心の中ではえー本当に歩けるの~??と疑心暗鬼でした。んで実際はというと夜の段階で風雨となって、それは朝になっても変わりなし。ということでこの日は停滞しました。

それでもお盆のせいか登山者がこんな天気の中沢山やってきて小屋は大盛況(それでも一人布団一枚以上を確保できました)。乾燥室はサウナと化していて、そんな様子を見ると外へ一歩も出なかったのは正解でした。お盆のお陰で日程的に停滞する余裕があったことに感謝!

・・・・・☆

◆ 2009.08.13 (Thu)  雨(風強し) 
 
ヒュッテ大槍 一泊二食 ¥9000
フリードリンク ¥400
PETポカリスエット ¥400
PETお茶2本 ¥800
 

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2009.08.19

やっとこ遠出のお山へ 2(大天井岳~西岳~槍ヶ岳)

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(東鎌尾根のひとこま)

前の日が寝不足だったこともあってこの日はぐっすり眠れて、まわりがごそごそしだした4時には目が覚めそのまま起床。窓から外を見ると晴れた空の下には雲海が広がっています。とはいえ小屋から大天井の山頂は10分とかからないので、しばらくうだうだしてから準備をしても余裕なのがいいですねぇ。

ということで5時ちょい前に山頂に着けば、まもなく東の空から太陽が出てきてご来光。朝焼けに染まる山並みをしばらく眺めたら、小屋に戻って朝食をとりさっそく出発です。

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(大天井岳からのご来光)

この日は行程的にはかなり余裕のある日なんですけど、残念ながら天気は下り坂。なのでできれば晴れているうちに槍の穂先まで行きたいという思惑が実はあったのでした。今はクリアに見えているけどあっちに着く頃にはどうかなぁ。。。

槍穂や行く先の喜作新道を見下ろしながら、意外や結構しんどい西の捲き道を下って大天井ヒュッテに出て、ここから喜作新道に入ります。

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(喜作新道のあるお花畑・オタカラコウ)

ヒュッテへの下りしなに見えた喜作新道の尾根のアップダウンの多さにちょっと嫌な感じがしていたんですけど、実際に歩いてみると道は見事に尾根を捲いていて歩きやすいことこの上ありません。しかも尾根を捲いているお陰かお花も多く、オタカラコウやミヤマキンポウゲ、そしてコバイケイソウ(盛りは過ぎていたが当たりかも)などのお花畑を次々と通っていきます。

貧乏沢の下降点に標識があったことに驚きつつ先を行くと、じきに道は尾根上に上がって、そこがビックリ平。いきなり↓↓のような槍ヶ岳が眼前に聳えて、こんなボクでもその姿にしばし見とれてしまいました。

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(赤岩岳の手前辺りからだったと思う)

ビックリ平からは基本的に尾根上を行く感じで、好天の許 眼前の槍穂や周囲の山稜を眺めつつゆるゆる行けるところ。個人的にはビックリ平から西岳ヒュッテまでがこの日一番気分良く歩けた箇所でしょうか。

西岳はハイマツがうるさくそのまま尾根通しで行けなかったので、捲いてしまいました(笑)。

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(タカネヤハズハハコ)

そんなに急いでいるわけでもないというか、お花やなんやと撮影にいそしみ普段よりも遅めに歩いていたのに二時間ちょいで西岳ヒュッテに到着してしまったのには驚きましたが、これも先のことを考えると神の御業??少し休憩したら水俣乗越へ急降下。道はもちろん急な上にハシゴもいくつかあってさすがに歩きづらくなってきます。

そして水俣乗越からが東鎌尾根になるのでしょうか?その名の通りアップダウンのしんどいギャップをいくつも乗り越える道のり。よくこんな所に道を付けたなーと半ばあきれつつ、あとは暑さに耐えつつ淡々と登っていくしかりません。

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(北穂高岳を見つつ・ヒュッテ西岳への下りしな)

登って登ってもまだ槍の穂先はクリアに見えていたので、コレは行けそうかな-?と思った矢先、あー思たとおり西の方から徐々に雲がやってきて、じきに穂高はガスに包まれ。。。

そんなわけでこちらもとうとう曇ってきたけど、まだ槍の方は大丈夫。とはいえこちらもいつ消えるかわからないので、お弁当を食べるつもりでいた大槍ヒュッテに着いてもちょっとの休憩で先を行きます。

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(東鎌尾根はこんなハシゴもあった)

んが、やっぱりというかヒュッテを出たらしばらくして穂先もガスに包まれてジエンド。それでもめげずに先を行ってやっとこ槍ヶ岳山荘にあがると、そこは曇りどころか西から強風が吹き付ける荒れた天気になっていました。

そんな状況でもザックを置いて穂先に登るハイカーは結構いるものなんですね。ボクはザックを背負ったまま(昔ザックを丸ごと盗まれた経験があるので・・・)天気にもめげず穂先へレッツゴー!

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(槍の姿は本日ここまで・大槍ヒュッテより)

穂先へはちょっとした渋滞があっても20分ほどで到着。驚いたのが下であれだけ風が吹いていたのに、上では風が無く、しかも妙に暖かかった(岩が灼けていたせい?)こと。これは穂先の形状のおかげで吹き付ける風が上へ行ってしまうせいでしょうかね??

そんなわけで山頂は人も少なく意外に快適だったのでここでオベントを食べていると、一瞬だけ晴れて双六方面が見えましたが、今回はもうコレで充分。心ゆくまで滞在したら山荘目指して下り始めたんですけど・・・

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(タカネシオガマとシコタンソウ)

山荘前に着いたらそこは風どころか雨も混じって吹き付ける天気になっていました。山荘の中はすでに雨を避けたハイカーで一杯で、そんな様子にここはボクの来るべき所ではないかも・・・と思ってしまい、そのままヒュッテ大槍へ戻っていったのでした(笑)。

まぁ実の所この間でシコタンソウやタカネシオガマ、ミヤマオダマキなどなど新たに見かけたお花が多く、それをカメラに収めたかったこともあったんですけどネ。

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(いちおう槍の穂先にも上がったので・・・)

そんなわけで急遽変更した大槍ヒュッテ。さすがに建物はかなり古かったんですけど、お客はほどよく少ないし、朝まで有効のフリードリンク(インスタントコーヒーやティーバッグの紅茶だけど。これは特に翌日大変ありがたいものだったのでした)はあるし、燕山荘系らしく食事は美味しく、食後はバータイムと称してアルコール類も豊富。パソコンだってあるしと、いたって快適な小屋でした。

この日は食事で一緒になった方達とワインをしこたま飲んで、あとはへべれけになっていい気分で寝てしまったのでした~。
 
・・・・・☆

◆ 2009.08.12 (Wed)  晴 のち 曇 
大天井岳 06:05- 大天井ヒュッテ 06:40- 赤岩岳 07:45- ヒュッテ西岳 08:20- 水俣乗越 08:55- ヒュッテ大槍 10:25/10:30- 槍ヶ岳山荘 11:05- 槍ヶ岳 11:30/12:15- ヒュッテ大槍 13:05
 
 
ヒュッテ大槍 一泊二食 ¥9000
ビール(ヱビス・ショート缶) ¥500
フリードリンク ¥400 
 

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2009.08.17

やっとこ遠出のお山へ 1(中房温泉~燕岳~大天井岳)

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(大天井岳も見えてきた!・表銀座縦走路の一こま)

しっかし、こちらが熱心にいろいろ予定を立てると決まって天気が不安定になるのだから本当に困りもの。今年は6月から立てていた計画が天気のお陰でことごとく潰れまくって、イライラ・ウジウジと梅雨後半を過ごしていましたが、お盆になって本当にようやく・・・行けそうな天気になってくれましたヨ!

ということで今回は一番天気の安定してそうな丸二年ぶりの北アルプスをおのぼりさん気分で縦走してきました。

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(合戦沢ノ頭附近にて)

山行きを決定したのがその日のお昼だったので当日のムーンライトは当然取れる訳がなく、ここは鈍行を乗り継いで松本で前泊。そして翌日のムーンライトで穂高に出て、中房行きのバスに乗りこみます。

ちなみにこの日のバスは一台がまるまる埋まるぐらいの人数でしたが、中房温泉についてさっそく歩きだすと、さすがに北アの蝶^H超メジャールート、のっけから凄い人出でそれが一番最初にビックリしたことでした。

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(燕岳へ向かう時はまだこんな感じだったが・・・)

北ア三大急登の一つに挙げられる(ボクでも知ってる)合戦尾根も実際に歩いてみると、確かに急ではあるものの、道の付け方にその道自体手入れがキチンとされていて個人的にはかなり歩きやすい印象です。

登りだしが曇っていたのは涼しくて大変助かったんですけど、そのお陰で合戦小屋でスイカを食べる気にもならず(笑)少し休んだだけで先を行きましたが、やっぱりこの辺りから・・・毎度のことなんですけど標高が高くなるせいかちょっと苦しくなりますね。

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(来た道を戻り、表銀座縦走路に入ると晴れてきた)

それでも合戦沢ノ頭をすぎるとぼちぼち晴れ間も見えてきてちょっとだけ気分も良くなりましたが、燕山荘に着くと周囲はガスに包まれていました。とはいえ空は明るいのでそのまま燕岳へ向かうと人が一気に減ってこれまたビックリ。あれだけいた人はみーんな小屋に入っちゃったのでしょうか?

そんな訳で人もまばらな燕岳山頂に着いて休んでいると、おっと徐々にガスが取れて周囲が見えてきました。北の餓鬼岳への稜線も気になるけど、やはり目を引くのはその匂いとともに現れた湯俣と硫黄尾根の姿。でもその奥の稜線はまだ姿を見せてくれません。

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(おそらく蛙<げえろ>岩)

展望を楽しみながらランチをとったら来た道を戻り、表銀座の縦走路に入ります。

こちらも燕岳と同様に人は少なく、徐々に姿を現す稜線を、そして足下のお花を愛でながらの歩きは楽しくないわけありません。(^^)

B090816f
(コマクサは盛りを過ぎたがたくさん見られた)

この辺りのお目当てのお花と言えばもちろん?↑↑こり。結構広範囲に咲いていて充分に楽しめたんですけど、いざカメラに収めるとコレがなんとも難しい。。。

ちなみに道中見かけた主なお花といえば・・・ハクサンフウロ、ヨツバシオガマ、ミヤカキンポウゲ、ミヤマアキノキリンソウ、ネバリノギラン、イブキボウフウ、ミヤマセンキュウ、ホソバトリカブト、クルマユリ、チシマギキョウ、ハクサンイチゲ、チングルマ、ミヤマダイコンソウ、イワツメクサ、タカネツメクサ、ミヤマキンバイ、タカネヤハズハハコ、ヤマハハコ、ウサギギク、ミヤマコウゾリナ、テガタチドリ、コバイケイソウ、ニッコウキスゲ、イブキトラノオ、ムカゴトラノオ、ミヤマホツツジ、ハクサンシャクナゲなどなど・・・今でもこれぐらいは思い出せます。

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(槍ヶ岳はほんの一瞬だけ)

ここまでくれば先は見えているので、気になった所でぼんやりしたり地震のニュースを聞いたり、とのんびりしたつもりでしたが、気がつけばもう大天井岳直下の槍ヶ岳との分岐に着いていました。そこからまたまたガスってしまった中を大天井岳の東を捲きながら登って、登り着いたらそこが本日のお宿大天荘。

意外に早く着いたけど、実のところ前泊のはずなのにお子ちゃま体質がまだまだ抜けなく、前の晩は3時間も眠れなかったので手続きを済ませたらさっさと寝てしまいました。

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(大天荘前の夕暮れ時、みんなが見ていたのは・・・)

ふと目を覚ますと周囲が再び晴れていたのでビールを飲みつつ表に出ると、みーんな↑↑こんな感じで、ガスから現れる槍穂を一生懸命眺めていたのでした。夏山らしいいい光景ですねぇ。

小屋は明るく、ロケーション宜しく、一人布団を一枚確保でき、しかもごはんも美味しく(今回は全行程食事付きなのでしたー)、夜は天の川に流星も見られ、お陰で昨日今日の疲れもきちんと取れそうな気持ちの良い小屋でした。

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(↑↑↑徐々に姿を現したこやつら。^^)

・・・・・☆

◆ 2009.08.11 (Teu)  曇 のち 晴 
穂高駅 05:05→ 中房温泉 06:00/06:05- 第二ベンチ 06:50- 合戦小屋 08:10/08:25- 燕山荘 09:10- 燕岳 09:35/09:55- 蛙岩 11:00- 喜作新道との分岐 13:00- 大天荘 13:30
 
 
バス(穂高駅~中房温泉) ¥1700
大天荘 一泊二食+弁当 ¥10000
生ビール ¥700
 

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