錦繍の日原 石尾根・再び巳ノ戸谷から鷹ノ巣山へ
(ヤケト尾根の水源林巡視路にて)
先々週は恒例となっている笹一の新酒祭りがあったので久しぶりに笹子の方でしたが、先週末はまた日原に舞い戻ってきました。ということで今回の山行きは雨上がりのカラッと晴れた日曜日(11/15)。
今回の目的は先月ヤケト尾根の巡視路から巳ノ戸谷に降りて、五兵窪左岸尾根を歩いた時に気になってしまったその北隣の直接鷹ノ巣山へ延びる孫七窪左岸尾根。そして鷹ノ巣山からは久しぶりに榧ノ木尾根~大麦尾根(倉戸山東尾根)と辿って奥多摩湖へ降りました。
(孫七窪出合にかかる滝)
さすがに10日以上空くと紅葉はもう麓まで降りてきていて、この日は集落を過ぎてから小川谷橋までの紅葉が盛りは若干過ぎていたんだけど、これがなかなか見事でした。ただ惜しむらくは日陰なので写真を撮れなかったこと。まぁしょうがないんですけどねぇ。。。
歩き出しから一時間ほどでヤケトの吊橋に降り、今回は新道を辿って巳ノ戸谷へ。名残の紅葉を愛でつつ歩いて道がヤケト主尾根を乗り越したら、対岸の様子を見つつ巡視路を進んで適当な所で巳ノ戸谷へ下降を始めます。のっけからぐずぐずな急斜面の中でも緩い箇所を選びながら慎重に降りると、をを!10mを越えると思しき孫七窪出合の滝が見えてピタリと孫七窪の出合に降り立ちました。
(孫七窪左岸尾根・下部は黒木が多い)
出合から滝ではさすがに尾根には取り付けないので、ここは左岸を捲きつつ巳ノ戸谷を上がるとじきに現れた枝尾根は何とかいけそうな感じ。ということでこの枝尾根から取り付いちゃいました。
最初の岩場を慎重に越えれば、後は相変わらず急なものの問題なさそうな雰囲気。周囲に伐採の針金やワイヤーロープが放置されているのはお隣のキリンボ尾根(サイグチ窪左岸尾根)と一緒ですね。枝尾根上は急なので、枝尾根と主尾根の間のガレ場を慎重に登って主尾根と合わさった尾根の肩に上がってようやく一息つけました。
(孫七窪左岸尾根・巳ノ戸林道が横切る所)
尾根上は過去に伐採があったせいか妙にスッキリしていて岩がちなこともあって黒木にアセビが目立ちます。それが登るにつれ徐々にスズタケのお出ましになりますが、こちらもご多分に漏れずかっての獰猛さはもうなく、明瞭な切り開きがあってさほどの難なく行けます。
尾根下部にそれなりの切り開きがあるのは両隣の尾根と共通していたので、これは巳ノ戸林道までかな?と思いつつ登っていき、周囲に立派なブナが散見され出すとここで明瞭な道が尾根を横切りました。
(振り返ると芋ノ木ドッケと天祖山が大きい)
道はそれなりに明瞭とはいえスズタケが結構億被さっていたので、これは五兵窪左岸尾根でも見かけた下の道かな??などと思いつつ尾根を辿っていくと、5分もしないうちに先ほどよりも明瞭な道が尾根を横切っており、道の感じからしてもおそらくこれが巳ノ戸林道でしょう。
巳ノ戸林道で一息ついたら先を行きますが、予想通りここからは下道もあやふやになりスズタケを漕ぎつつ倒木を乗り越えつつ淡々と登っていく感じ。
(孫七窪左岸尾根・ここまで来ると鷹ノ巣山は近い??)
ただこれまでと違ったのは周囲の林相が両隣の尾根より好ましかったこと、というかそう言う林相の範囲が大きかったのしょうね。
登るにつれ尾根は急になり、するとスズタケはなぜか枯れてきたんですけどこれは却って歩きづらく、ヘロヘロになりながら登って登って藪から抜けたらそこは鷹ノ巣山山頂のすぐ手前でした。
(鷹ノ巣山山頂より)
今回は天気ももってくれて目の前には闊達な展望が広がっています。もう何度も言ってるけどこの周囲が一気に開ける感じは石尾根を北側から登る時の醍醐味ですね。
ただ山頂を吹き抜ける風の強いこと強いこと。風がこの時期としては異常に暖かいのは助かったけど、これではお湯は沸かせないので、風に吹き付けられながらも展望を楽しみつつおにぎりとパンでランチを済ませました。
(鷹ノ巣山より御前山と大岳山)
この風ではこれ以上のんびりできる訳もなく、ランチを終えたらすぐに下山開始。まずは東の水根山側降りて榧ノ木尾根へ。この日歩けたのはほんの短い間でしたけど、天気良い日の石尾根はいつ歩いても爽快ですネ。
下の縦走路に降りるとなぜかスズタケが青々と茂る一角があってかなり気になったものの、周囲は基本的に去年葉を落としたまま枯れている感じ。そして榧ノ木尾根に入って植林の中を最低鞍部まで下れば、あとは榧ノ木山までは自然林、それより下は気持ちの良い雑木の落ち葉道が延々と続きます。(^^)(^^)
(榧ノ木山の手前辺りか)
(榧ノ木尾根中腹に広がる雑木の緩斜面)
倉戸山から倉戸口の方へ下り出すと紅葉も徐々に復活し、しばらくは西日に当たって輝くその姿に見とれながら下って行く感じ。
じきに950m峰附近の広々とした緩斜面に出たらここで登山道と離れて大麦尾根に。ここからしばらくは色づいた雑木の緩斜面を彷徨うように降りていけるのですが、東向きの尾根のせいかほとんど日陰になっていたのが本当に惜しかった。
(倉戸山から下は紅葉も見られた・大麦尾根にて)
そんな雑木の広尾根をルンルン気分で下って行き、やがて左手の梢越しに奥多摩湖の湖水に御前山が見えるとそろそろ麓が近くなってきます。
そして左手に鉄柵が続くようになると鉄柵の中はもう「みはらしの丘」の敷地内で、あとは柵の中に入る扉を探す段取りなんですけど、昔の記憶が曖昧でこれがなかなか見当たらない。
(御前山と奥多摩湖・大麦尾根より)
あれー、扉ってどこにあったっけ??と扉をうろうろ探しながらなおも下っていると尾根が痩せて植林帯に入ってしまったので、ここで引き返して今度は柵に沿って登り返すとようやく扉を発見!これで奥多摩湖へ下れるわ~(笑)。
扉を開けて見はらしの丘の敷地に入ったらあとは散策路を適当に下るだけ。道中の紅葉(おそらく植栽でしょうけど)は盛りを過ぎていたけどなかなか楽しめたし、とにかくその名の通り周囲が開けてて展望は非常に宜しい。道だって以前に比べたらたいへん綺麗になって歩きやすいし、何でこんな良い所なのにここには人っ子一人いないのん??
(見はらしの丘散策路・また通行止に ^^;;;)
・・・と思っていたら車道に降りてようやく疑問が氷解。要はクロスケが出るので散策路がまた通行止になっていたのでした。確かにこの日は倉戸山の直下で目撃されたようですし、クロスケと絶対に遭遇したくない向きには、この辺りを歩くのはしばらく避けた方が良いのかもしれませんね。
・・・・・☆
さて、15日から本格的な狩猟期に入りました。これから少なくとも三ヶ月間、東京都の水源林周辺ではもっと長期間になるでしょうけど、この手の歩きをされる方々におかれましてはくれぐれもご注意くださいませ。
・・・・・☆・・・・・☆
◆ 2009.11.15 (Sun) (快晴に近い)晴
奥多摩駅 07:25→ 東日原 07:50- 吊橋 08:55- ヤケト主尾根乗越 09:50- 孫七窪出合 10:20- 巳ノ戸林道横切る 11:25- 鷹ノ巣山 12:35/13:05- 榧ノ木山 13:40/13:50- 倉戸山 14:20- 柵出入口の扉(見はらしの丘上端)15:00- 奥多摩湖BS 15:20
| 固定リンク
「【奥多摩 2009】」カテゴリの記事
- ツバノ尾根から石尾根北面ひとめぐり(2009.11.30)
- 錦繍の日原 石尾根・再び巳ノ戸谷から鷹ノ巣山へ(2009.11.16)
- 錦繍の日原・紅葉に雪に なんとも贅沢な酉谷山(2009.11.05)
- 錦繍の日原・孫惣谷と繞る尾根と絡めて(2009.10.29)
- もちろん、今年も錦繍の日原へ(2009.10.20)
コメント
情報ありがとうございます。
石尾根は奥多摩駅から雲取山まで一通り歩きました。確かに北斜面の方が枯死が進んでますね。南側は結構ルートが多いので、結構登りましたが、北側はあまりないので探してました。
八丁山か、己ノ戸沢にルートがありそうなので、このあたりから上ってみる事にします。
遭難したくないので地図にないルートは取り合えず後回しにします。
投稿: 笹の観察人 | 2009.11.27 19:59
笹の観察人さん、
えっ・・・はじめましてですか。あ、あのお、笹の観察人さまが過去にこのブログ(花のひかり)にコメントされたことはお覚えではないのでしょうか~?(汗)まそれは置いておいてとりあえずボクの知っていることから補足させてもらいますネっ。(^_-)
>2002年辺りからかな。
ええとこれは「間違い」とはっきり言い切れます。その北側の日原方面では10年以上前からスズタケは枯れ始めていましたんですよ。それが徐々に南側の山域へ広がっていって今の状況になっています(大まかに言うと長沢背稜南面→石尾根北面→石尾根南面)。ちなみに鷹ノ巣山の南面、とくにあの捲道の辺りは去年(2008)の九月まではスズタケにもまだそれなりに勢いがあって道にまでで被るほどだったのが、秋に一気に落葉して丸裸になりました。そして今年の初夏の大開花に至ったという感じです。今年は奥多摩に限らずススタケの花はものすごい咲きっぷりでした。
>たぶん、今年の開花跡と、来年の咲く花芽があったと思う。
なるほどこれはボクも覚えておこう。ありがとうございます。(^^)
>穂が出揃う5月に登ってみようかな。
ちなみにこの尾根には登山道はありません。この辺りを歩くには地形図とコンパスのみで周囲の地形を判断して山中を自由自在に歩けるスキルが必須になってます。上からの物言いでお気を悪くされるかもしれませんが、歩かれるときはくれぐれも遭難のなきよう細心の注意払ってくださいネ。
投稿: komado | 2009.11.25 18:36
はじめまして、
登山を始めて日が浅いので一般的な登山道を登っています。
スズタケは開花による枯死です。2002年辺りからかな。今年は鷹ノ巣山は山頂まで広範囲に咲いていた。ほとんど枯れそう、残りは来年開花かな。今年は石尾根、縦走路で広範囲に咲いていた。6月に縦走路を歩いたら花粉まみれになった。来年は無理そうだけど。
ほかの場所では来年咲く穂が出ていた。たぶん、今年の開花跡と、来年の咲く花芽があったと思う。
孫七窪左岸尾根、穂が出揃う5月に登ってみようかな。
投稿: 笹の観察人 | 2009.11.25 15:31
こんばんは
情報有難うございました。
これからは日も短いので
私共の歩きでは、とても鷹ノ巣山へは
たどり着けそうにありませんです。
来年、新緑の頃のお楽しみに
とっておこうと思っております。
いつも素敵な写真とレポ、心待ちに
読ませていただいております。
投稿: なるしま | 2009.11.19 21:09
SAKURAさん、
かずさんの所が残念ながらああいうことになってしまったので、ご報告ありがとうございます。同じ日に日原に行かれていたのですね。
ボクもこの日の紅葉は麓が一番綺麗だと思いました。ただボクのあるいた頃はまだ日陰だったので、SAKURAさんが歩いたときは谷にもそれなりに日差しが入っていたんじゃないでしょうか。
今年は仰るとおり近場でもかなり紅葉を楽しめました。さて、近所の紅葉はどうなるでしょうね~。今のところうまく色づいているのはけっこう綺麗だけど。。。
投稿: komado | 2009.11.18 21:13
なるしまさん、
さすがに通われているだけあって的確なところついてきますねぇ。(^^; そうです。そのロープのある最初の崩落地から少し行った所から降りてみました。
斜面は急ですけど、なるしまさんならいろいろご用意もされてもいますし、さほど問題ないと思いますよ。とにかく鷹ノ巣山へ直接詰め上げられるのがちょっと快感かも。
投稿: komado | 2009.11.18 21:06
私も好天の同じ日に日原に…
一石山を木の葉がある所まで登って引き返し、小川谷を紅葉を求めてふらふらしていました。
鍾乳洞付近はまだ綺麗で、まったりとコーヒー沸かして輝く紅葉を楽しんで帰りました。
真っ青なキャンバスに紅葉の絵を描いたような素晴らしいお天気でした。
むかし道も候補だったのですが、今年は紅葉が早く終わりですね。
今回も素適な紅葉拝見です。
今年は紅葉が当り年のようで綺麗ですね。
こちらでも、いっぱい楽しませていただきました。
これからは近場の紅葉を楽しめますね~♪
投稿: SAKURA | 2009.11.18 18:45
こんばんは
そろそろ紅葉も終りになりますね。
今回巳ノ戸谷に下りた所は
最初のロープの切れた崩落地の手前でしょうか、それとも
先でしょうか?
とにかくずい分ロングコースですねえ。
投稿: なるしま | 2009.11.17 20:33