世附のゴールデンルートはまさに黄金色!(菰釣山シキリ尾根~地蔵平~屏風岩山西尾根)
(ブナ黄葉は盛り!菰釣山シキリ尾根<南東尾根>のひとコマ)
いや~久々に記事の写真がほぼ全てがブナ!「花のひかり」をご覧頂いている方々におかれましてはおそらくお気づきの事でしょうけど、通い始めたからには一度はこの時期の世附の様子を見てみたかったのです。そんな訳で今回(10/31)は錦繍の西丹沢・世附の第一弾と言ったところでしょうか。(^^)(^^)(^^)
ということでこの日は道志側の御正橋から前ノ岳経由で菰釣山に上がり、もうお馴染みとなっている??菰釣山南東尾根たるシキリ尾根~シキリ沢右岸尾根を下降。富士見林道に降り立ち、地蔵平に出たら西尾根を辿って屏風岩山へ。そして屏風岩山南南東尾根たる笹子沢左岸尾根の径路を辿って中川に降りました。
(甲相国境稜線の紅葉は終わりに近い)
相模湖から延々乗り継いで道志へ行くバスも半年ぶり。乗客もそれなりにいましたが、御正橋まで乗ったのはさすがに私一人。目の前に聳える御正体山やすでに色づき始めた集落の様子にワクワクしながらまずは菰釣山を目指します。
急な植林帯を抜けて前ノ岳に上がると周囲に自然林が見受けられるようになるのですが、北斜面のせいか紅葉はすでに盛りを過ぎていたし、その色にも日原のような「冴え」がないかなぁ。なのでブナノ丸に上がり甲相国境稜線を辿りはじめればもう紅葉はお終いに近い感じでした。
(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part2)
(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part3)
それでも梢越しに見える水ノ木側の山肌は良い感じで色づいていてます。今回は余裕のあるコースなので菰釣山に着いたらしばらくのんびり。でも晴れているせいなのかかなり暑い!この日は目一杯のコースを組まなくて良かったとホッとした瞬間でもありました。
心ゆくまで休んだらさっそくシキリ尾根に。
下り出しこそ落葉したのが多かったけどメインのブナ林に入ると徐々に色づきはじめ、そして徐々に綺麗になる紅葉に声は次第に出なくなり、ただただ周囲を彷徨いながら降りていくようになってしまいます。
(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part4)
(菰釣山シキリ尾根のひとコマ・Part5)
当然のことなんですけど、盛りの紅葉もなおも降りるにつれて緑が優勢になってきますが、それは前の日原の時に言った通りすでに光を通す輝く緑。これもまたよし、です。
1000m圏のシキリ沢源頭Pに降り立ったら、当然ここで主尾根と離れてシキリ沢右岸尾根に入ります。前々から言っている通り植林は少ないし、イデン沢(コモツリ沢・菰釣沢)側の自然林がまたこれが見事!
(シキリ沢右岸尾根のひとコマ)
そんな尾根途中の緩斜面で軽くランチをとり、なおも尾根を辿っていくとじきに富士見林道に降り立ちます。今回は訳あって忍橋には寄らずそのまま地蔵平へ。
周囲が色づき始めた地蔵平の地蔵堂に参拝したら、お次は屏風岩山の西尾根です。
(地蔵平はこんな感じでした)
(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part1)
こちらも登りだしこそ植林ですが、それも伐採跡の切れる750m圏の尾根の肩まで。ここで今下ってきた菰釣山とシキリ尾根を眺めてから先を行くと、そこはもう立派なブナの林立する自然林が待っています。
さすがにこの辺りの標高だとまだ緑が優勢ですけど、この標高でこれだけのブナ林が見られるのってボクの知る限り、関東では丹沢以外思い浮かばない。この辺りはこれからの寒波でキュッと冴えのある色づきになる?のかも??しれませんね。
(屏風岩山西尾根のひとコマ・Part2)
(屏風岩山山頂のひとコマ・Part1)
そして登っていくにつれて今度は周囲の木々が再び色づいてきます。ここにしろシキリ尾根にしろ、今までは裸木の時期しか訪れた事がなかったので、意地悪な言い方をすると「アラ」も目につくのですが、葉のある時期に歩くとそれが全く目につかない。
紅葉のドレスを纏った木々はそれこそまさに魅惑的といえるのでしょうネ。しかしこんなおっさん惑わしても木にとっては何の得にもならないハズなんですけどねぇ(笑)。
(屏風岩山山頂のひとコマ・Part2)
今回も地蔵平からきっちり一時間で屏風岩山に上がったら、植林の多い山頂部なんてどうでもよく、世附側のブナ林をゆるゆる散策。こちらも丁度見頃に入った感じで最高のフィナーレ、では下りが残されているので厳密に言うとそうではないんですけど、最後は丸五年ぶりに南南東尾根たる笹子沢左岸尾根の径路を完全に辿って中川へ下ったのでした。
今回のコースは素晴らしいブナ自然林の多い、そしてそれとは反対に植林もかなり多い世附の山の美味しい所だけを歩けるまさに世附のゴールデンコースだとボクは思っているんですけど、今回はそのゴールデンコースを天気のお陰もあってまさに黄金色(ゴールデン)に輝く時に歩けて喜びも感動も一入でした。思いっきり贅沢を言っちゃうとあと少し日原のような色の「冴え」があったら最高だったんだけど、そんなこと言ったら罰が当たりますね(笑)。
(ようやくご対面!西丹沢頂稜河川土地名称図)
さて、今回ヒネり少なめに歩いた理由が↑↑この図を見るためだったのです。
この図はいわゆる「西丹沢」とされている玄倉・中川・世附などの河内川の流域の、地形図や登山地図ではわからない地名が大変詳細に記載されている、恐ろしく凄まじいもの。一部は管轄である松田警察署のサイトで見られるのですが、以前畦ヶ丸で知り合った方からその全図を見られると聞いてこちらに降りてきたのでした。
実際に対面すると実際のガイドや登山地図とは全く違う名称に驚愕し、そしてボクが世附の藪尾根でいくつか見かけた尾根を横切る気になる道形もこの図を見て疑問が氷解したのでした。以前は荷干歩道と聞いていた白石歩道や城ヶ尾歩道、奥世附歩道にマーキングでその名を初めて知ったビリ沢歩道などなど。
まぁ名称についてはとりあえず登山地図に記載のない物(特に沢・尾根)から採用していき、あとは併記した方が良いかなと思われるときは併記する形にするつもり、かなー??しかし奥多摩には宮内・真鍋などなど、奥秩父には原全教。大菩薩では松井・岩科とすぐに浮かびますけど、丹沢にはそう言う存在の方っていらっしゃらないのでしょうかねぇ。。。と丹沢初心者のボクはふと思ったのでした。
・・・・・☆
◆ 2009.10.31 (Sat) 晴
相模湖駅 06:30→ 三ヶ木 06:45/06:55→ 月夜野 07:35/07:50→ 御正橋 08:30- 前ノ岳 09:25- ブナノ丸 09:45- 菰釣山 10:00/10:20- 1000m圏シキリ沢源頭P 11:20-(途中休憩15分)- 823m峰 11:55- 地蔵平 12:30- 屏風岩山 13:30/13:45- 669m峰 14:10- あしがら荘前BS 15:00
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コメント
れれちゃん、
今回の記事のブナの写真については(黄色はね)こう緑が抜けつつある黄色と言ったところでしょうかね。(^^ゞ
ただブナだってその木自体の性質や気候のタイミングで「結構多彩に色づくもの」とボクは感じています。仰るとおり普通は渋い紅というか茶という感じですけど、それこそカツラやチドリノキのような綺麗な黄色になることもあれば、カエデの類のような若干渋みは残るものの結構綺麗な紅になることもあるんですよ。これはもちろん近場の山でもね。
ちなみに菰釣山南面は特別なブナの保護林に指定されているぐらい、今となっては唯一丹沢らしいブナ林が残されている所でしょうか。まぁブナだけを見れば臼ヶ岳も浮かぶけど、以前の姿を残すのは今となってはここだけではないのかなぁ、と思っています。
投稿: komado | 2009.11.09 19:14
ブナが黄色いのにビックリしちゃって~
ホントにホントにブナなの?って聞きたくなりますぅ(笑)
関東近郊のブナって黄色くならずに茶枯れるものだと思ってたんで、ホントにビックリしました!
黄色い時期が短いのかな??
私的には新発見です(笑)
写真の撮り方も、林層もイイなぁ。
何回も見てるけど(笑)この写真、この風景ほんとにイイね。
ってことは実際はもっともっとイイんだよなぁ(^^)
投稿: れれちゃん | 2009.11.09 08:55
本当にそうですねっ!
これも青ヶ岳山荘と松田警察と詳細を教えてくれた方のお陰です。
今年の冬もしばらく楽しめそうですヨ。(^^)
投稿: komado | 2009.11.05 00:18
このような地図があると、いっそう丹沢歩きも
楽しくなりますね。
でも、よく見つけられましたね。
投稿: タカ | 2009.11.04 06:49
奥野さん、名前は聞いたことがあります。
ただいま家にある羽賀さんばかりだと思ったら、ああ一冊ありました!
丹沢の山と谷 山渓より共著ですた。
投稿: komado | 2009.11.02 19:39
勉強不足で申しわけありません
きっと そのような方がいらっしゃると思いますが わたしは とっさに頭に浮かんだのは 奥野幸道さんというお名前です
奥多摩には宮内・真鍋などなど、・・・
・・のような ものが見つかりましたらぜひお教えください
投稿: ba_sobu | 2009.11.01 23:01