巳ノ戸の「谷と沢」を絡めて鷹ノ巣山へ
(鷹ノ巣山までもう少し)
さてさて、10月に入って近場の山でもそろそろ紅葉の季節になってきました。
個人的には先月までで結構遠出しちゃっていたので今年の10月の連休も近場で・・・ということになりました。
今回(10/11)はキリンボ尾根(サイグチ窪左岸尾根)を歩いて以来丸五年ぶりにヤケト尾根の巡視路から巳ノ戸谷に降り、五兵窪左岸尾根を辿って石尾根に上がり、鷹ノ巣山へ。そして鷹ノ巣尾根~巳ノ戸林道を下って日原に戻る、という巳ノ戸谷と巳ノ戸沢を絡めたルートを歩いてきました。
(ヤケト尾根の水源林巡視路・ヤケト主尾根を乗越す所)
雲一つない好天の、しかも連休の中日とあっては東日原行きのバスも凄い人出でしたが、いざ東日原から歩き出せば毎度のごとく早くも一人旅。まずはてくてくヤケトの吊橋を目指します。
歩き出してから一時間ほどで吊橋に着き、橋を渡ってさっそく改修の入った巡視路を辿っていると、ここでキッコウハグマの花をたくさん見つけて思わず狂喜してしまいました。キッコウハグマは日原では結構見かけるのですが、いつも閉鎖花ばかりで日原で咲いている花に出逢ったのが実はこの日が初めての事だったのです。(^^)(^^)
(ヤケト尾根の水源林巡視路にて)
道は急斜面から枝尾根に上がってまもなく主尾根へトラバースを始めると、あれあれ分岐の所で目的の道が通行止になっていたんですけど、ここは無視して先へ。途中の小崩落を慎重に渡るとじきにヤケト主尾根を乗越しました。
自然林の見事なヤケト主尾根の様子にそのまま尾根を行きたくなる思いを抑えて、なおも巡視路を辿るとすぐに倒木帯になり、それをなんとか越えるとおおー!右手から新しい道が来ていました。おそらく先の分岐から新たにつけ替えられた道でしょう。
(巳ノ戸谷に降り立ちました)
ここから先は以前歩いたときよりも歩きやすく、ヤケト主尾根を乗り越すと周囲はヒノキにカラマツの植林帯になってしまいますが、カラマツは色づき始めていてこれはこれでいい感じ。でもそんなカラマツ植林が切れると、いきなり小崩落のお出ましでここは慎重に渡りましたが、対岸の五兵窪の切れ込みを確認すると間もなくまた崩落が。。。
崩落の先はザレ気味の露岩で道筋もあやふや。でも前に歩いた時はあそこをへつって行ったけど、崩落地をトラバースした後にアレは嫌だな~、ということでワサビ田を直前に巡視路を辿るのをここであっさりと打ち切り、下を流れる巳ノ戸谷へ下りてしまいました。
(五兵窪左岸尾根・尾根を横切る?な道)
少し休憩してからすぐ下にある五兵窪の出合まで下ろうとしたんですけど、これも出合の直前で高捲きを強いられるため断念。まぁ尾根の末端部も近いので右岸側のこれまたザレた急な斜面を慎重に登り、五兵窪左岸尾根の尾根上に何とか這い上がりました。
まぁ尾根上にさえ上がればスズタケが被るもののおそらく安全は保証されたような物なので気は楽です。しかも尾根上はスズタケが枯れ始めている事もあり、思いの外藪が薄くてそこそこ楽に歩けます。
(五兵窪左岸尾根上部にて)
尾根に取り付いてから30分ほどでやや明瞭な道が尾根を横切りましたが、スズが被っているし大クビレが近い割には標高も低いのでこれは巳ノ戸林道は別の道でしょうか?巳ノ戸林道の旧道にしては道がハッキリしすぎている気がしますし。。。
そこからまた30分弱でまた明瞭な道が尾根を横切りましたが、おそらくこれが巳ノ戸林道でしょう。巳ノ戸林道を過ぎるとスズが徐々に深くなりますが、以前の周囲のスズタケの様子を思えばかなり楽で、徐々に良くなってくる自然林を愛でつつゆるゆる登っているとあっけなく石尾根の縦走路に飛び出しました。
(鷹ノ巣山より御前山と大岳山)
周囲が一気に開けた南側からは雲が出ていたものの富士も南アもまだ姿を見せてくれていて、間に合って良かったわ。やっぱり北側から石尾根にパッと飛び出すのは何度やっても爽快ですね。
あとは色づき始めた石尾根をゆるゆる10分ほど行くと鷹ノ巣山の山頂でした。
(鷹ノ巣山より日陰名栗峰)
さすがに連休の中日。山頂はすんごい人出でしたが、珍しく今回はボクも山頂の一角で展望を楽しみつつの~んびりとランチ。実はいろいろあって山にストーブを持って来たのは1年8ヶ月ぶりの事だったのでした。
後の行程に余裕があったのでもう少しのんびりしたかったんですけど、徐々に曇ってきて日差しがなくなってしまったので一時間ほどで腰を上げて、まずは北のヒルメシクイノタワへ向かいます。
(鷹ノ巣尾根・巳ノ戸沢枝沢ツメのシオジ林)
13時を過ぎているのに登ってくる人がまだまだいて少し驚きましたが、ヒルメシクイノタワに着く頃にはさすがにいなくなりました。少し休んでから登山道と別れて鷹ノ巣尾根を下り始めます。
訪れるたびに藪の薄くなった尾根は急なものの歩きやすく、藪がなくなったお陰でいろいろ寄り道もできます。今回は以前から気になっていた巳ノ戸沢枝沢ツメのシオジ林を散策して、再び尾根に復帰。30分ほどで鞘口ノクビレに降り立ちました。
(鞘口ノクビレ・バックは鷹ノ巣山)
前は何とか立っていた古い道標がとうとう倒れていたのは、まぁしょうがない事ですけどちょっと淋しくも感じました。ここから尾根を離れて巳ノ戸林道を下ります。
巳ノ戸林道はおそらく10年近く歩いていなかったと思います。ただ道自体は巡視路として定期的に整備されているようで、道筋は明瞭だし、植林が若干多いけど巳ノ戸沢の流れを見つつ降りるのもなかなか楽しいですね。
(巳ノ戸林道の一こま)
ワサビ田を過ぎると梢越し右手に稲村岩が見えるようになって、じきに先ほど別れた稲村岩尾根の登山道と合流。あとはバスの時間に余裕があるのでチンタラと東日原へ向かったのでした。
今回は残念ながら巳ノ戸谷のワサビ田までは行けなかったけど、これは別の機会かな。でもお陰で歩きたいところがまたでてきちゃったなぁ。日原はこれからが一番いい時期ですから楽しみが増えるのはいいんだけど、今後どこを歩こうか、かなり迷う事になりそうです。
・・・・・☆
◆ 2009.10.11 (Sun) 晴 後 曇
奥多摩駅 07:25→ 東日原 07:55- 吊橋 08:55- ヤケト主尾根乗越 09:40- 巳ノ戸谷 10:15/10:25- 巳ノ戸林道 11:20- 鷹ノ巣山 11:55/13:00- ヒルメシクイノタワ 13:20- 鞘口ノクビレ 13:50- 登山道合流 14:35- 東日原 15:05
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コメント
笹の観察人さん、
そういえばこの日、藪の中だったので写真を撮る気がしなかったんですけど、石尾根北面のスズタケが生えている地面近くではなぜか丈の低いスズが花を付けていました。
ボクはよくわからないんですけど、参考になるかどうか。うまく調査できると良いですね。
投稿: komado | 2009.10.23 19:33
こんにちは、先週の10/17に奥多摩駅から石尾根をスズタケの観察をしながら登りました。紅葉は場所によるのかな。七ツ石まで登るつもりだったけど、天気が悪くて寒かったので鷹ノ巣を越えたあたりで引き返してしまった。鷹ノ巣山、山頂付近の紅葉はきれいだった。
立ち入り禁止の先は崩落しているのか。今度、鞘口ノクビレに行ってみようかな。登山道だけからだと、開花範囲がよく分からない。
今年開花のスズタケは、一部が穂を出してまだ咲いている。枯れているのはまだ無いけど、冬になってからかな。
投稿: 笹の観察人 | 2009.10.22 16:01
こんばんニャー
ようこそいらっしゃいました。
巳ノ戸林道を歩く人は遠回りになるので歩く人はほっとんどいないと思います。静かですよ。ただクビレから先は大崩れがあって放置されまくりなので鷹ノ巣尾根を登られた方がいいと思いますよ。
投稿: komado | 2009.10.15 23:40
こんにちワン
奥多摩も上の方は紅葉が始まりつつありますね。
巳ノ戸林道は,人がたくさん入りますか?
投稿: 柴犬ポコ | 2009.10.14 10:20