横尾山~飯盛山・草原と藪の交錯する稜線
(横尾山への道すがら・八ヶ岳は早々に消えてしまった)
結局今年の夏は涼しく、天候が不順なまま終わってしまった感じですね。そんな訳で近場のお花畑はお花が徐々に減っている上に今シーズンはかなり少ない事もあって、8月の山行きはお盆の北アだけになってしまいましたけど、今週末はひっさしぶりにちょっとだけ遠いけどホームに近い山歩きをしてきました。
ということで今回は個人的にも懸案であった奥秩父の西端部ともいえる横尾山から飯盛山のへ縦走。稜線は藪っぽいようだけどお花も多そうだし楽しみだなー、と土曜(09/05)は雲一つない快晴のもと、わくわくしながら韮崎駅からタクシーに乗り込み、まずは一路信州峠へ向かいます(¥9800)。
(ヒメヒゴタイ・今年もなんとか逢えました)
道中、甲斐駒鳳凰に八ヶ岳が見え見えな車窓を楽しみつつ50分弱で信州峠に到着。車から出るとヒャッと涼しい・・・というよりチト寒いぐらいの風が吹いて驚きましたけど、いざ歩き出せば晴れていることもありじきに汗が出てきます。
40分ぐらい登ると樹林帯を抜け、周囲の開けた草原に出ます。富士は見えたモノの八ツにはすでに雲がかかっていてちょっとだけガッカリでしたけど、そこは今の時期の草原ですからそこはもちろんお花畑。マツムシソウに、ノコンギク、タムラソウ、ノハアラアザミ、ハナイカリ、アキノキリンソウ、トモエシオガマ、オミナエシ、コウゾリナ、オケラ、ヤマトリカブト、ヤマハハコ、ウスユキソウ、ゴマナ、ハンゴンソウ、シロヨメナ、エゾカワラナデシコ、タチフウロ、カイフウロ、それに咲き残りのシモツケにシモツケソウ。ヤマラッキョウとヒメヒゴタイは一株だけ・・・などなど。
(木賊ノ頭へ向かうと途端に笹藪が出てくる)
途中、大きい石に十字の彫られた恩石標?に驚きつつ、そんな草原の中を歩くとじきに横尾山に到着。まだ先も長いので休憩を短めにして稜線を西へ行きます。
するといきなり笹薮に灌木、カヤトの藪と出てきますが、藪はさほど濃くなくよーく探せば踏み跡も見つかる感じ。晴れているお陰もあってすいすい歩けます。ただお花は一気に減りますね。
(木賊ノ頭直下より行く先の 槍と三ツ沢ノ頭)
明らかにソレとわかった豆腐岩から緩く下って登り返すとじきに槍への稜線が左へ分かれますが、とりあえず木賊ノ頭に一度寄ってから、分岐に戻ってしばし休憩。ここは稜線の西側が開けていて、槍、三沢ノ頭、そして奥には飯盛山まで見えてちょっとやる気が出てきます。
そしてこの分岐から槍までが笹の敷き詰められた、ミズナラの疎林が美しい尾根で、涼しい風が吹き抜けることもあってこの山行きで一番気持ちの良い所でした。ただ木賊ノ大ダルへ下りきる手前のピークで明瞭な道が西の枝尾根へ分かれているので、引き込まれないよう注意が必要かも。
(槍までは雑木林の快い道が続く)
サラシナショウマやハンゴンソウの咲く、少々藪っぽい木賊ノ大ダルから気持ちの良い尾根道は続いて、槍への登り返しもさほどキツく感じません。おかげで予想よりも少し早く槍に到着。ここは意外に展望が良いんですね。ただ周囲の高山はガスがかかって瑞牆山がかろうじて見えるぐらい。
山頂もちょっと狭いんですけど、まだそれなりに暑い最中とあっては誰も来ないだろうしここでのんびりランチと相成りました。(^^)
(大ダルへの下りしなより三ツ沢ノ頭)
槍からはカヤトの藪をスブスブ降り、そして笹の広尾根を降りきると三沢ノ大ダルなんですけど、カラマツ植林下の笹原とあっては正直趣に欠けるので休憩もそこそこに三ツ沢ノ頭へ登り返します。
登り返しも笹の中の踏み跡を探りながら登る感じで、ようやく登り切った三ツ沢ノ頭も一面笹原で休む場所もなく、ちょっとガッカリしながら先を行くと、おっといきなり周囲が開けたと思ったら、ここで飯盛山までの稜線が一望。この稜線の奥には本当は八ヶ岳がいる筈なんだけど、あいにくこの日は雲の中。もし八ツが見えてたら↓↓この写真ももっと様になっただろうに、惜しいなぁ。。。
(三ツ沢ノ頭を過ぎると牧柵が現れ、展望が良くなる)
そんな展望に気をよくしながら降り始めたんですけど、下に見えた草原は牧場なんですね。でもハイカーは藪の多い牧柵の外を歩かされ、しかも思いの外歩き辛くてコレが何とも悔しい限り。
それでも下っているとやがて刈り払い道になってようやく一安心。するとお花も再び現れ、西へ向かうにつれ徐々に増えていきます。道中特にサラシナショウマが多くて今回で何年分も見てしまった感じです。
(アサマフウロ・お初でした)
そして今回初めてお目にかかれて嬉しかったのがアサマフウロ。最初はその見た目からタチフウロとカイフウロの交雑種??と思っていたんですけど、徐々に沢山見かけるようになるにつれ、もしやこれはアサマフウロかも・・・とハッと気がついて家に帰って調べたらビンゴでした。
ちなみに横尾山側にはタチとカイがいて飯盛山側にはアサマとカイ。あの藪っぽい稜線がタチフウロとアサマフウロの境になっているようですね。
(マツムシソウもまだまだ盛り)
そしてマツムシソウもまだまだ盛りで、あとはヤマハハコ、ウスユキソウ、ヤマトリカブト、ユウガギクなどが目立ちましたけど、様々なお花がポツポツと咲いている感じの横尾山とは違い、飯盛山周辺は一つの花が塊をつくって咲いている感じ、と違いがあったのが印象的でした。
そんなわけで飯盛山には15時ちょうどに到着したんですけど、気軽に歩ける山のせいなのか?ポツポツとはいえハイカーがまだ上がってきているのにはビックリ。でもエアリアを見ると飯盛山って一時間そこそこで登れる山なんですね。
(飯盛山の手前から歩いてきた稜線を振り返る)
ここまで来ればあとは平沢峠に下るだけ。今までの歩きを反芻する間もなくあっけなく峠に着いたら、着替えをし、獅子岩に登り、タクシーを呼んで野辺山駅へ(迎車・¥1580)。
野辺山は久しぶりでしたけど夏の観光シーズンも一段落して周囲はガラガラでした。おかげで帰りの小海線も席を確保でき(清里だったら席の確保は難しかったでしょう)、今回も無事に山歩きをシメることができたのでした。
・・・・・☆
◆ 2009.09.05 (Sat) 晴 時々 曇
信州峠 08:00- カヤトの原 08:50/09:00- 横尾山 09:40/09:50- 豆腐岩(1734m峰)10:35- 木賊ノ頭 10:50/11:00- 槍 11:40/12:40- 三ツ沢ノ頭 13:20- 飯盛山 15:00/15:10- 平沢峠(獅子岩)15:45
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コメント
かずさん、
そうそうググったらいきなり出てきておおーっっ!!ってかんじでしたよん♪
でもあの辺りの山はアプローチに若干難ありだけど、静かそうだし、風光明媚な高山を望めるし、ちょっと面白そうだなぁと、今回歩いて思いましたよ。
投稿: komado | 2009.09.11 22:42
SAKURAさん、
しかしこの周辺には郡内に甲斐に浅間とフウロソウの名の由来になっている地区が多くて、その理由はわからないんですけど、この辺りにフウロソウの研究者さんがいたのかしらん?っていつも思ってしまいます。
フウロというとまずは白山ですけど、実はこの辺りってフウロソウの名所なのかも??(笑)
投稿: komado | 2009.09.11 22:39
まじっすか~!(笑)
「横尾山 飯盛山」で検索したら二番目だった~。
いや~お恥ずかしい。(*^▽^*)ゞ
木賊ノ頭の手前分岐があのコースのいいアクセントになっているのかもね。あそこで間違えたことがかなり印象に残っています。
僕が歩いた時は、ほとんど地形も読めない頃だったから、また歩くと感じ方が違うかも~。
え~津金衆行くの~。戦国ファンにもなぜかたまらない名前であります。レポ楽しみにしとるよ~。
投稿: かず | 2009.09.11 21:00
横尾山から飯盛山は長そうですね。
し~っかり、別々に行っています。
八ヶ岳はなかなか現われてくれませんね!私もでっす。
静かに歩けそうなルートですね。
アサマフウロ…飯盛山に行った時のものを確認しました。
忙しかったのか「フウロソウ」の命名ですが色が濃くてアサマフウロのようです。ありがとう~♪
ヒメヒゴタイが綺麗な時ですね。
ヒゴタイに見えませ~~~ん!
投稿: SAKURA | 2009.09.10 22:53
リブルさん、
今回は18きっぷにパーティだからいけたものですよ。(^^)
ヒメヒゴタイなら南大菩薩にそこそこいますよ。お盆から9月の半ばぐらいかなぁ。実はあの写真はまだ蕾というか開きかけなのです。開き切っちゃうとね、なんかイマイチなんですよ(笑)。
投稿: komado | 2009.09.10 22:41
かずさん、
あの辺りの山をググるとけっこう上位に出てるよ。(^_-)-☆ハ
この日は晴れていたお陰で手を抜いてもさほどの難なく歩けました。
確かに言う通り木賊ノ頭の手前から左折する所や、三ツ沢ノ大ダルへ下る所はこのコースで一番気を遣う所ですね。周囲がガスった時などはきちんと地形を追わないコースでもあると思います。
今回あの辺りの山山をよ~く見てきましたよ。折を見てぼちぼち訪れたいと思います。
投稿: komado | 2009.09.10 22:38
あの稜線は気になりますね。やはり遠いなぁ。
アサマフウロは霧ヶ峰で見たことがありますが、ヒメヒゴタイは見たことがないです。美しいお花ですね。
投稿: リブル | 2009.09.08 23:06
あ~横尾山から飯盛山ねえ。
さっぱりわかりませんでした。(*^▽^*)ゞ
てっきり、三ツ峠山に行ったのかと…。(笑)
木賊ノ頭の手前の分岐が指導標も無くわかりにくいんだけど、良くわかったよね~。
勢いに任せて進むと木賊ノ頭からそのまま西へ下り兼ねないところです。
三沢ノ大ダルもからの登りも踏み跡が不明瞭だったけど、komadoちゃんが歩いた時はどうだった?
ヒシノトヤとか甲斐の山山P180に載ってる津金山地も気になるでしょ~?
投稿: かず | 2009.09.08 20:09
れれちゃん、
今回は縦走したのでほーんとカヤトから横尾山にかけて思う存分のんびりできなかったのが心残りだったのです。種類は圧倒的に横尾の方が多かったから。
平沢峠からのタクシーは観測所の方ばかり見ていたかも・・・有名な所だし珍しかったモノで。(^^;;; 確かに下でも標高が高いから野辺山駅まで歩いても良いんですね~。
投稿: komado | 2009.09.08 19:55
タカさん、
いや~それがそう言う所、結構少ないんですよ。
横尾山はともかく、飯盛の方はそう言う所は柵の中。ちょっとだけいらつきました(笑)。それも楽しかったですけどね。
投稿: komado | 2009.09.08 19:51
アサマフウロと言ったら、こちら方面しか浮かばなくて~^^;
まさか、まさかと思ってたら、そのまさかでした(笑)
初秋の横尾山!!いいなぁ。
行きてぇーーーーーーー(笑)
komadoちゃん、タクシー乗っちゃったから気が付かなかったと思うけど。
野辺山方面の平地に、アサマさんが雑草の如く咲いてる場所があるんだよん(^^)
牧柵が作られたのって、飯盛山だけかと思ってたけど。
そっかぁ…広範囲で…。
投稿: れれちゃん | 2009.09.08 08:58
大の字になって、のんびりと寝転んでいたいような
場所がありそうですね。
投稿: タカ | 2009.09.08 06:42