色づき始めた南アの稜線へ 3(熊ノ平~北岳~広河原)
(三国平付近より塩見岳を振り返る)
前日の天気予報でもこの日は下り坂と言っていたので天気は期待してなかったんだけど、いざ起きてみると、あれあれ目の前に聳える農鳥がちゃんと見えているというか、空には晴れ間すらあるじゃん!
これはラッキー!という事で朝食もそこそこにさっそく歩き出します。
(農鳥小屋への捲道と富士山)
(三峰岳も間ノ岳のこの時点ではまだ見えていたのに)
小屋からしばらくは樹林帯でしたが、それもじきに抜けて周囲が一気に開けます。目の前の三峰岳に間ノ岳、仙丈に甲斐駒。振り返れば塩見もまだまだ見えていて、これはもしかしてこのまま行けるのかなぁ?とちょっとワクワクしてきました。
・・・が、その目論見も三峰岳につく頃にはあっけなく崩れ、周囲はガスに覆われて・・・。ここから間ノ岳へ登る間は草紅葉が見事だったんですけど、強い風も吹き付け始め淡々と登っていくしかありません。
(イワオトギリ)
(間ノ岳への登りしな・甲斐駒とこの日唯一の北岳)
それでも、途中では一旦ガスが晴れて左手には北岳がほんの一寸の間だけ姿を見せてくれました。でもこれがこの日最初で最後の北岳の姿。熊ノ平からから二時間ほどでガスに覆われた間ノ岳の山頂に到着しました。
わかっちゃいたけど、ここで人が一気に増えます。塩見もそれなりに多かったんだけど、さすがに北岳が絡むと一桁違いますネ。パンを食べつつ休んでいると次から次へとハイカーがやってくる。晴れていればのんびりしたかったんだけどねぇ。。。
(中白根山への下りしな)
とういことで適当な所で腰を上げ、北岳を目指します。ひと下りするとガスから抜けて草紅葉や展望を楽しむ事ができたんですけどお高い北岳はやっぱり↓↓この有様。
中白根から北岳山荘に降り、ちょっと休憩してから北岳を目指します。
(北岳が再び姿を現す事はなかった)
山荘からの登り返しはやっぱりしんどいですね。ガスの中風に吹き付けられながらヘロヘロ登る事小一時間でようやく北岳の山頂に着きました。
もちろん山頂は相変わらずのガスで、今年は先ほどの間ノ岳を含め3つの3100m峰に登ったというのにそのどれもでガスられたのは・・・遠出の山行きは基本天気が良かったはずなのに・・・これはやっぱり不運だったのでしょうか(笑)。
(ミヤマダイコンソウ)
(北岳から小太郎尾根分岐までは草紅葉が見事だった)
時間のせいでしょうかね。山頂は間ノ岳よりも人が少なく意外にのんびりできましたけど、空は明るいのにやっぱりガスは晴れてくれません。この日は最終バスの16時までに下ればよかったので、のんびりまったりする予定だったのに・・・それも変更してさっさと下山する事にします。
北岳から小太郎尾根分岐までが今回の山行きで一番草紅葉の見事なところだったのが何とも惜しかったんだけど、コレはもうしょうがないですね。スタスタ下って大樺沢右俣コースの分岐に着くと、その下に見える草すべりの広場にはハイカーがうじゃうじゃいたので、今回は右俣を下りました(笑)。
(大樺沢右俣コース・下ってきた草原を見上げる)
(左俣の雪渓が見えると二俣は近い)
右俣の方もお花となるとホソバトリカブトにヤマハハコ、オヤマボクチにセンジュガンピ、シシウド、そして咲き始めのリンドウが目立ったぐらいでしょうか。でも草原をよく見てみると花の種類が多そうなのが藤四郎のボクでもなんとなく判る感じでした。
いろいろお花を撮りながら下ったのに分岐から二俣まで一時間とかからずに到着。何もない河原にポツンと建つバイオトイレが気になったけどまだそんな状態ではなく、利用できなかったのも心残りでしょうか。
(この時期になんとクガイソウ!)
でもでもこの二俣で驚いたのが、ミソガワソウの群生の中に咲き残りのグンナイフウロやなぜか今や盛りのクガイソウが咲いていた事でした。秋のお彼岸だというのに!7月は奥多摩ばかりだったのでまさかこんなカタチで今年初めてクガイソウにお逢いするとは思ってもいませんでした。
この辺りの事情は全くわからないんですけど、あの辺りは雪がかなり遅くまでの頃所なのでせうかね??
(二俣から広河原へ向かいます)
思いもかけない出逢いにちょっと気分を良くしたら、あとは向かいの鳳凰を眺めつつ、ルンルン気分で広河原へスイスイと向かったのでした。(^^)(^^)
最後の間ノ岳・北岳はちょっと残念でしたけど、今回の遠出も天気に恵まれとても楽しい山行きになりました。個人的には塩見から歩いて、ようやく南アルプスらしさというのを感じる事ができたのかな、とも思いました。こうなると次の南アはやっぱり南になるのだろうな。。。
・・・・・☆
◆ 2009.09.22 (Teu) 曇
熊ノ平小屋 05:10- 三峰岳 06:30/06:40- 間ノ岳 07:20/07:30- 北岳山荘 08:30/08:45- 北岳 09:40/10:00- 小太郎尾根分岐 10:30- 二俣 11:25- 広河原バスターミナル 12:35
バス(広河原-甲府駅+協力金) ¥2000
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コメント
SAKURAさん、
ホント南部はアプローチが悪いのでなかなか行けないんですけど、あの天気でしたから大枚はたいて良かったです。やまは確かに逃げないけど、意外にその時を逃すとなかなか行けなくなってしまうと言う事もあるので、今回は神の思し召しだったのかも。
あと二俣のクガイソウには本当に驚きました。大樺沢の左岸側なんですけど、あそこは雪がかなり遅くまで残っているところなのかなぁ、と思っています。来年はちょっくら確認しに行きたいですね。
投稿: komado | 2009.10.08 22:45
れれちゃん、
高い所はそう行かないんですけど実を言うとボクも南よりも北の方が好みだったんですけど、今回南部の方を訪れてみてちょっと印象が変わりました。
確かにお花はシカさんのお陰で減っているようですけど、別のらしい魅力がわかってきたかな、と。あとベンケイソウですけど塩見の山頂付近のはもっと綺麗でした。まだあるだろうと思って撮らなかったら少なくなったのであの写真はその時慌てて撮ったものなのです。
投稿: komado | 2009.10.08 22:42
ba_sobuさん、
ホント今回は草紅葉が思いの外楽しめました。特に三日目は見頃の標高が高かったので晴れていたら本当に見事だった事でしょう。
でも贅沢は言いません。お花をある程度覚えているので紅葉した草がわかるというのが今回一番嬉しかったです。ミヤマダイコンソウは紅葉しているのにまだ花が残ってるのもあったんですよ。
投稿: komado | 2009.10.08 22:38
かずさん、
まぁ長雨のあの時期に三日間まっ晴れを望むのは贅沢という物ですね。かのお彼岸はどこもこのシーズン一の混雑だったようですので、偶然とはいえコース選択もベストだったのは幸運でしたよ。
北岳はその気になればいつでも行けますからね。なかなか行けないメインの塩見が好天に恵まれて良かったです。(^^)
投稿: komado | 2009.10.08 22:34
素晴らしい展望の山旅を楽しませていただきました。
ガスっていても草紅葉も山々も素適ですね。
南ア(特に南の方)は深くて入りにくいからなかなかご縁がありません。
実家に帰ったとき見るのみで~す。
若さと実行力が羨ましいなぁ…
沢沿いのお花はずいぶん遅い開花なんですね。
環境が厳しく結実に間に合いそうにありませんね。
高山の植物は秋には真っ赤に燃えて綺麗ですね~♪
もう10月紅葉も山々を駆け降りて来ますね。
投稿: SAKURA | 2009.10.07 00:54
レポ拝見しました(^^)
塩見周辺と北岳周辺の景色が全く違うのね。
正直、南アにあんまり興味が無かったけれど、塩見岳レポ見て、少し見直しました!
しっかし、登山口までのアプローチが…遠すぎるね^^;
↑の写真の草紅葉、めっちゃ綺麗~!
全部、ウラシマツツジかなぁ?量が凄いよー!
あと、イワベンケイが紅く染まるとは…ビックリでした!
投稿: れれちゃん | 2009.10.04 09:49
すてきな 山旅をありがとう
って
一緒に 草モミジを楽しんでいる気分になれました。
夏には可愛いお花を咲かせる草たちが あんな見事な草モミジになるとは 驚きです
あったまりたい気持ちよく分かります
きれいですね、山肌を覆う赤い衣、わたしも見てみたいなぁ
でも風が強くて さっさか下りてしまわれたんですよね・・もったいなけど、しょうがありませんね
早く
投稿: ba_sobu | 2009.09.30 21:36
その2とその3一気に読ませていただきました~。
塩見岳から間ノ岳は歩いたことが無かったけれど、静かな雰囲気であれだけのアルペンムードを満喫できるなら行ってみたいな!と思いました。
残りのビールにありつけたのはラッキーだね。
ププッ ( ̄m ̄*)
真っ赤な草紅葉はすごいの一言。
これでガスってなければ…。
北岳は、僕の場合1勝2敗です。なかなか晴れてくれない山なんですよね~。きっと「次は晴れた日に来いよ」って北岳に言われてるんだよ~。
投稿: かず | 2009.09.29 21:00